元サラリーマンの植物ウォッチング第6弾。写真はクリックすると大きくなります。
多摩ニュータウン植物記Part6
イチョウ・3~種子
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/48/15/44af691280e66149d8132826b6a83861.jpg)
イチョウ科イチョウ属の「イチョウ(銀杏・公孫樹)」。枝には"ギンナン”が目立ち始めてきた。NHK朝ドラ『らんまん』では帝国大学理科大学(現:東京大学理学部)植物学研究室の波多野さんと野宮さんがギンナンを薄くスライスして顕微鏡で観察しているシーンがあった。イチョウは雌雄異株で春に雄株が花粉を飛ばし剥き出しの雌株の胚珠(種子になる部分)に取り込まれる。受粉した胚珠だけが大きく成長するが、その段階ではまだ"受精”はしていない。取り込まれた花粉は花粉管を伸ばし3~4ヶ月経つとその中で精子が出現する。その頃、種子には"海”が用意されその"海”の中を精子が泳いで卵に向かいやっと"受精”できる。ドラマではこの若い種子の中で精子が泳いで卵に向かう瞬間を顕微鏡で探していた。ちなみにギンナンは正確には果実ではなく種子になる。一番外側は外種皮でその内側に中種皮(果肉)と内種皮(殻)があり可食部分は胚乳になる。
さてドラマの中の野宮さんのモデルは実在の平瀬作五郎氏でもともと福井の中学校(現:福井県立藤島高校)で図画の先生をしていたがその後帝国大学植物学教室"画工”となり合わせてイチョウの研究を始めた。そして1894年(明治27年)に『ぎんなんノ受胎期ニ就テ』の小論文を発表し1896年にイチョウの精子を世界で初めて顕微鏡で確認した。平瀬氏は初めは"寄生虫”かと思ったようだが、池野成一郎助教授に見せたところ助教授はこれは"精子”に間違いないと助言したという。池野助教授は同じ年にソテツの精子を発見している。この池野助教授がドラマの波多野さんのモデルの一人(もう一人は染谷徳五郎氏)になる。
当時は文化・政治で何とか西洋に追いつき追い越せという時代であり、この日本人によるイチョウやソテツの精子の発見が世界中を驚かせ日本植物学界での大きな功績となった。
さてドラマの中の野宮さんのモデルは実在の平瀬作五郎氏でもともと福井の中学校(現:福井県立藤島高校)で図画の先生をしていたがその後帝国大学植物学教室"画工”となり合わせてイチョウの研究を始めた。そして1894年(明治27年)に『ぎんなんノ受胎期ニ就テ』の小論文を発表し1896年にイチョウの精子を世界で初めて顕微鏡で確認した。平瀬氏は初めは"寄生虫”かと思ったようだが、池野成一郎助教授に見せたところ助教授はこれは"精子”に間違いないと助言したという。池野助教授は同じ年にソテツの精子を発見している。この池野助教授がドラマの波多野さんのモデルの一人(もう一人は染谷徳五郎氏)になる。
当時は文化・政治で何とか西洋に追いつき追い越せという時代であり、この日本人によるイチョウやソテツの精子の発見が世界中を驚かせ日本植物学界での大きな功績となった。
コメント ( 10 ) | Trackback ( )
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感動ものでした。
研究とは実に地道な実験の繰り返しで、世界中で貴重な実験が毎日なされていることは凄いことです。
黄色くなる前に落果しているのもよく見かけますが受精に失敗したんでしょうか。
聞かせて下さっ事を思い出しました。(^▽^)
この様な世界中を驚かせた大発見は「日本の植物学会での
大きな功績」だったのですね~♪
あの徳永教授の、人前での男泣きの意味が分かりました。
改めて解説をしていただきよく理解できました。
明治の頃は、今よりも道具の制度も低かったでしょうね。
それでも偉大な功績を残されたのですね。
小生も朝のドラマを結構楽しんでいます。
先日は銀杏の青い実(種子)では手がかぶれないとか言っていましたね。
これは知らないことでした。
先日イチョウの木の下に行ったところもう銀杏は青いまま、たくさん落ちていました。
その木は神社境内のものなんですが、周りには全くイチョウの木がなくてこの一株だけで実(種子)がなっているので不思議に思っています。
小生の見落としなのかどうか確認の要ありですね。