goo

ナガバノスミレサイシン・1~名前

 長沼公園“霧降の道”に咲いていた「ナガバノスミレサイシン(長葉菫細辛)」。スミレ科スミレ属の多年草で、関東地方以南の太平洋側に分布する。一方、スミレサイシンは日本海側に生育するので当地では見られない。ナガバノスミレサイシンは春の比較的早いうちから咲き始め、花期にはその長い葉はあまり展開していない。そもそも“細辛”とはウマノスズクサ科カンアオイ属のウスバサイシンのことで、その葉に似ていることから名付けられている。
コメント ( 8 ) | Trackback ( 0 )

ハラン・6~構造

 先日「ハラン(葉蘭)」の開花を確認したが、花被片が開いて見えたのは紫色の大きな雌蕊の柱頭だけ。そこで花を割ってみると雌蕊の下に8本の雄蕊が確認できた。雌蕊はキノコの傘のような形をしていて真ん中に軸(花柱)があり、その周りに雄蕊が並んでいる。ハランの受粉方法は長年の謎だったが、2017年に、花粉をキノコを食べる虫に運ばせているとする研究成果を、神戸大と森林研究所のチームがまとめ、米専門誌に論文が掲載された。研究チームは2015~2016年にかけ、野生種の自生地のひとつである鹿児島県三島村の黒島で、開花時期に花を訪れる生物を調べた結果、幼虫がキノコを食べる“キノコバエ”の仲間の体にハランの花粉が付いており、幼虫が訪れた花の部分が、後日、結実していることを確認した。そこで研究チームは、ハランが花をキノコに擬態して、虫に受粉させていると推定した。専門家は『野生のハランは調査が難しく、かつてはカタツムリが関わるという説もあった。植物進化を探るうえで興味深い成果だ。』と評価している。ハランはキジカクシ科(←スズラン科・ユリ科)ハラン属の多年草。
コメント ( 8 ) | Trackback ( 0 )