珍しく写真の話です。
写真というのは、フィルムやCCDなどに当たった光の量と時間の積が結果となって写るものです。
その調度良い光の量が多すぎれば露出オーバーで真っ白、少なすぎれば露出アンダーとなり真っ黒に写ってしまいます。
人間の目は瞬時にこれを調整してしまうので、カメラの気持ちになって考えないとうまく写真が撮れません。
オートのカメラは人間に近いことを一生懸命やってのけているわけですが、オートも万能ではないので注意が必要です。
ちょっと話が飛びますが、カメラにとって本当に知りたい、正しい露出になるための情報は、映したいものに当たっている光の量なんです。
これが正確に分かればその情報から正しい露出が決められます。
でも離れている写したい物(被写体)に当たっている光の量なんて、こっちからではわかりません。
プロカメラマンは助手に露出計(入射式)を持たせて、モデルの顔のところでモデルに当たっている光の量を計測し、その情報をカメラマンに伝えさせます。
この場合、カメラはオートでは撮りません。マニュアル撮影を行います。露出計の数値から割り出したシャッタースピードと絞りの組み合わせのうち、自分の使いたいセットにカメラを合わせます。最初に光の量と時間の積だ、と言ったのは、絞りとシャッタースピードとの関係のことで、絞りが光の量、シャッタースピードが時間ということになります。積、つまり掛け算の結果ですから、掛け算の結果が8なら、1×8、2×4、4×2、8×1など、いくつも同じ結果の組み合わせが想定でき、これと同じように絞りとシャッタースピードの組み合わせから自分の表現したい撮り方にあったものをチョイスしているわけです。
このようにして撮った写真は正確な露出で写ります。
では我々入射式の露出計を使わない場合はどうしているのでしょう。
それは、カメラが計算した、被写体から反射してきた光、つまりこちらから見えているものの明るさから、当たっている光を多分このくらいだろう、と想像した結果で撮っているのです。
多分このくらいだろう、という判断にはある程度基準があるんです。写真って人の顔や、青空、自然の風景の緑が多くの場面を占めていますね。人の顔の明るさ、青空が青く写る明るさ、緑が緑に写る明るさが、実は似ていて、それらが丁度良く写る明るさに合わせれば、多分合っているだろう、という計算をしている。
その明るさは・・・グレー18%。
カメラは、とりあえずグレー18%程度の明るさに写るように露出を選択するよう出来ているんです。
最近は多分割測光と言って、逆光などに自動補正して撮る昨日もありますが、基本は上記の通り。
だから、真っ白のものを画面一杯に写してもグレー、真っ黒を画面一杯に写してもグレーに写そうとします。
ちょっとデジカメで試してみてください。
前者はグレーになってしまうということは、暗く写ってしまったということ、
後者は 〃 、明るく写ってしまったということですね。
(顔の色が白い人は暗く写り、黒い人は明るく写ります。)
入射式の露出計を使えば白は白、黒は黒で写るんです。
これは致し方ないことで、カメラはグレー18%で撮ろうとしている。だったらそれを承知で露出を自分で補正して、カメラの癖を校正するような補正をカメラマンがかけてあげることで、正しい露出に近い写真を撮ることができるんです。
最も失敗しやすいのが、曇りの日の写真。曇り空って太陽ほど明るくないけれど、空全体が光っている光源になってしまうので、実は逆光になっています。逆光は必ずしもいけないことではないのですが、光源が写真に入ってしまうと光源をグレー18%に抑えようとするため全体が暗く写るようになってしまうんです。
失敗しない方法は、極力曇り空を写真に入れないことや、プラスの補正を加えることです。
これから曇っている日はこれを気にして撮ってみてください。グッと明るく晴れやかな写真になることでしょう。
というわけでブルーインパルスは思いっきり逆光写真になってしまう中で、補正で乗り切って撮った写真なわけです。
無線ネタ全く無しでスミマセン。