まんじゅうのつぶやき

まんじゅうです。読んだ本の感想や日々のできごとの忘備録です。最近栖が変わりました。

万城目学「悟浄出立」

2014-12-07 23:36:16 | 読書のすすめ
今日も寒かったですね。
と言っても もう12月も中旬まっしぐら・・・

さて 万城目学の「悟浄出立」を読みました。

悟浄出立
万城目 学
新潮社


万城目さんといえば 奇想天外な大風呂敷を広げる方だと思っていました。

こちらは、
「悟浄出立」「趙雲西航」「虞姫寂静」「法家孤憤」「父司馬遷」と
五つの短編集です。


題名からお察しの通り、
西遊記の沙悟浄
三国志の趙雲
項羽の愛人である虞
後の始皇帝暗殺しようとうする荊軻と同名の京科
司馬遷の娘
という有名人物の周りの人のある日を切り取った物語。

おおもとの有名人物たちはもはや伝説化している。

全体として流れるのは切なくて物悲しい雰囲気。 
敢えて言うならゴダイゴのガンダーラが似合いそうな世界。

特に「悟浄出立」は最後の方、涙が出てきてしまいました。
いつも他の者の後をついて行っていた悟浄が一番前を歩こうとしてふと気付く。

「すまない。どうやって進む道を決めているんだ。」
「馬鹿か、お前は」
「こっちが西天ですよ、と書かれた立て札が、どこかに用意されているとでも思ったか?
 ただ、自分が行きたい方向に足を出しさえすればいいんだ。」
「好きな道を行けよ、悟浄。少し遠回りしたって、また戻ればいいんだ。」

ちなみに三国志だったら、やっぱり趙雲(子竜)でしょう!
三国志で彼を選ぶ万城目さんのセンスに脱帽です。

いがぐりおは 子竜好き?
いがぐりおをクリックしていただけると嬉しいです。いつもありがとうございます。^^/
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コメント (2)
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