伊豆下田の旅館から、有田と名乗る男が五百万入りのボストンバッグを残し失踪した。二日後、有田の娘と名乗る女性が訪れ、現金を残しバッグだけを持ち帰ったが、その後訪ねてきた甥と名乗る男は、有田に娘はいないという。さらに有田の友人と称する男は、二人とも偽物だという。訪ねてきた警視庁捜査一課の刑事もまた偽物だと判明。やがて失踪していた男が死体で発見される。難事件に挑む十津川と亀井!裏表紙より。
「頼りにならない警察」を読んだので、「頼りになる警察」を読みたくなった。
元の本は1997年11月(実業之日本社)。
第一章 旅館の客事件そのものとは無関係な人の中で1番の被害者は女将。
有田というお客のことを、調べれば、娘、甥、友人の誰がホンモノで、誰が、ニセモノかわかるだろうが、女将は、なぜ、私が、そんな私立探偵のマネをしなければならないのかと、思ってしまう。
この後、事件の関係者が判明する度、顔の確認のため警察が訪れることに。
警察がちょくちょく出入りするなんて話が広まったら旅館は・・・・・・ヒドイ話だ。
行方不明になった有田工業の社長・有田を名乗る客。
そして現れた有田の娘、甥、友人(全員自称)。
そこに今度は警視庁の刑事を名乗る男も登場。
さすがに怪しんだ女将が警視庁に確認したところ、ソイツもニセモノだったのです。
第二章 ニセ刑事西本wwwm9(^Д^)プギャーwwwwww
「悪相ですね」
と、西本が、いった。
似顔絵には、斉木旅館の女将の感想も、添えられている。
<身長は一七五、六センチで、がっちりしていて、いかにも、刑事さんという感じでした>
『いかにも』な刑事って実際いるんだろうか。
外見だけでバレたら仕事に支障があると思うけど。
ホンモノの有田社長が、迷惑に感じて、ニセモノを訴えたとしても、それはあくまでも民事であって、警察が介入すべき問題ではない。捜査一課はそう結論づけたのです・・・・・・が、
行方不明になっていた有田(自称)は、誰かに殺されていたのです!
一体、有田(自称)は何者で、何故殺されたのか?
第三章 被害者の謎亀さん観察力パネェっス!
「大きな男だな」
「空手をやっているかも知れません」
「空手?」
「手の指が、普通のサラリーマンのものじゃありません」
主役が1人で大活躍する話とは違うんじゃよ。
『ホンモノの有田社長』の周辺を調べ始めた捜査一課。
どうやらホンモノはニセモノのことを調べていたらしいのに、
なぜか調べていたことを警察に隠す。バレバレだけど。
「あのニセモノが、いったい誰かということになってくるんじゃありませんか」そう、ホンモノの方にはニセモノの件を隠したい理由がある訳です。
捜査一課は、有田(本物)が雇っていたらしい探偵が怪しいと睨み、
その行方を追っていたのですが・・・・・・
第四章 第二の犠牲者「有田社長の娘を自称していた女」が、殺されてしまったのです!
「持っていた運転免許証には、有田美花とあったそうだ。だから、君のところで、調べて貰いたいんだよ」
と、本多一課長は、いった。
本名だけど社長の家とは関係ない模様。
ニセ有田とニセ娘を殺したのは、同一犯なのか・・・・・・?
第五章 あるホステスそういう状態になる理由がさっぱりわからない。
「とにかく、異常ですよ。有田剛だけに、ホンモノ、ニセモノがいるんじゃなくて、娘にも、甥にも、友人にも、ホンモノ、ニセモノがいるんですから」
「ホンモノグループと、ニセモノのグループか」ノンキに笑ってるから、後に「自分のニセモノ」に手を焼くことになる。
十津川は、笑った。
※別の作品です。
第六章 身元判明静岡県警にハード過ぎる調査を依頼。
「方法は、一つしかありません」
しかし必要なのだ!
見事やり遂げた静岡県警に50ポインツ!
第七章 三年前の火事勝利フラグ、セット!
「もう一度、今回の事件を、再検討してみよう」
ニセモノが2人殺された後、今度はホンモノも1人殺されてしまう。
ホンモノ対ニセモノの様相を見せる事件の鍵を握るのは、
とある老夫婦が死んだ火事、そして西伊豆で発見された若い女の白骨死体だった!?
十津川警部率いる捜査一課が事件の真相に迫る!
黒幕を仕留めきれるか最後までハラハラ。
いや、小説なんだから仕留めるのは「確定」なんだけど、
どうやってそこに持って行くかが「え、これ無理じゃね・・・・・・?」って思うところ。
それを絶対に諦めないのが十津川さんですよ。
亀さんや早苗たち部下も皆優秀。蝶・頼りになる。
「ノンフィクションだったらなぁ」と思うくらいの安心設計。
正義は勝つよ!
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます