今日の108円

1日1冊108円・・・・・・最近そうでもない。

機動戦士ガンダム 閃光のハサウェイ(上) 富野由悠季 1989年2月28日 角川書店

2015-12-29 08:16:33 | ガンダム
人類が、増えすぎた人口のはけ口を宇宙に求めてから、一世紀以上が過ぎていた。宇宙世紀0100年代。シャア・アズナブルが起こしたネオ・ジオン抗争をくぐりぬけたハサウェイ・ノアが体験する、新たな戦い。ミノフスキー・クラフトを搭載したΞガンダムが、紺碧の空に乱舞する――。
アニメ界の巨星が織りなす、遥かなる魂の伝説。小説でしか読めない「G」ついに登場!
裏表紙より。
Vガンダムを途中で止めてファーラウェーイ、違った、ハーサウェーイ!
手元にあるのが2003年10月20日発行の三十八版。
『小説でしか読めない』からこその長生きか。
古い作品だけど、宇宙世紀の世界観の中ではUCより後の話。



1 ギギ

 マフティー・エリンと名乗る団体の反地球連邦政府運動が、地球で過激になって、その掃討を任務としたキンバレー部隊に、彼の部下にあたるテスト・パイロット、レーン・エイムとともに、新型のモビルスーツ、ペーネロペーを送りこんだのは、十日前のことだった。
 が、その直後に、こんどは、ケネス自身に、キンバレー部隊の後任司令に就任する命令が出された。
そんな訳で、ケネス・スレッグ大佐は、地球行きのハウンゼンに乗っていました。
このハウンゼン、『大枚の金を支払わなければ、搭乗できない特別便』。
ケネス以外の客は政府の閣僚とその奥様が複数組の他、
コネで乗ったらしく見える『ハウンゼンに似つかわしい客』な青年とか、
どうして乗れたのか『ハスッパな感じ』の少女など民間人が数名。


 しかし、この便で、地球連邦政府の閣僚たちと一緒になって、あらためて、連中が、どんなにゲスな存在か思い知らされていた。
『マフティー・エリンにブッ殺されても、文句はいえねぇよな』
 そう思うようになっていたケネスである。
大して長い時間一緒にいた訳でもないだろうに・・・・・・
偉い人の「素」はよっぽど『ゲス』なんだな。



退屈になったケネスは少女をナンパ。
どういう訳かこの少女は、ケネスが軍人であること、
そしてマフティー掃討が任務であることを見抜く。
・・・・・・勘が鋭いのかな?
「・・・・・・マフティーについては・・・・・・彼は、危険人物だ。地球連邦政府の秩序を乱す者だ」
「公式的ですね。世間は、みんなマフティーが好きみたいですよ。テレビは、いっぱい特別番組をやって、マフティーは、アムロ・レイではないか、シャア・アズナブルが生きかえって、人の思うことをしてくれるっていってますけど?」
世間が受け入れた反政府活動なんてあんの・・・・・・って、明治維新がソレだった。
地球を今一度洗濯致し候?


「・・・・・・それは極端だな。連邦政府の要職にある人びとを暗殺したあとで、地球をクリーンにするために、人類のすべては、地球から出なければならない政策を実施しろ。それがマフティーの宣言だ。そんな宣言をだすマフティーは、子供じみていると思わないか?」
『地球をクリーンに』ってのはシャアの思想を受け継いでるけど、
「隕石落として地球を生物の住めない星にしよう」ってシャアの作戦よりは、
まぁマイルドなんじゃないっスか。
少女・・・・・・ギギ・アンダルシアの言う通り、殺すターゲットは明確だし。

すっかりやりこめられてしまったケネスでありました。
政府の人間が『ゲス』なのは事実だから、政府側に立つケネスは不利だわさ。




2 ラウンジ

「・・・・・・ギギさんのご意見は、反連邦的ですぞ?」
「そうでしょうか。一般的な女子供の意見です。それがすべて、浅慮なのじゃありませんよ。大衆の総意は、時にして、真実を訴えているのは、歴史的にも事実でしょうに」
偉い人たち相手でも物怖じしないギギでした。
いい歳してハイティーンの少女に群がってなぁ・・・・・・そりゃ奥様方も呆れ果てる。




3 ケネス

『好きに生きていられれば、おれだって、マフティーの仲間になっていたな・・・・・・』
 それは、多少の自意識をもっている人びとの感慨であろう。
You、マフティー入っちゃいなYO


 しかし、普通の人びとは、自分たちの暮しを守っていくのが精一杯で、自分の暮しの方法を見つければ、それにしがみついて暮すだけなのである。
 普通の人びとは、地球連邦政府の閣僚や高官などと接触はもてないし、なによりも、政治という曖昧模糊としたものを相手にして、暮している暇はないのである。
アニメ専門のアニマックスに対抗して、
政治専門のガヴァマックスをつくろう(提案)
それかNHK政治テレビだな。




4 ハイジャック

「連邦政府閣僚各位に申し上げる。わたしは、マフティー・エリンだ」
 そう宣言する男の声がこもっているのは、ハローウィンの時に、仮装でつかうかぼちゃのマスクをしているからあだった。
章題通りにハイジャック!
しかもマフティー・エリンだってー?




5 ハサウェイ

「こちらの指示にこたえる以外、質問の必要ない!」
「しかしね、君・・・・・・わたしたちとしては、君たちの組織の秘密を調べる立場にいるのだから・・・・・・」
 その鷹揚なきき方こそ、議会の海千山千のやりとりに、なれすぎた大人の言葉遣いで、ナーバスになっているハイジャッカーたちの神経を、逆撫でするには十分だった。
気の毒だけど、この閣僚はバカだろう。
来世ではTPOを考えられるようになってネ。


人質の点呼再開。
「ハサウェイって・・・・・・あのハサウェイか?」
「君の想像通りだとおもう」
『ハウンゼンに似つかわしい客』な青年こそ、
本作の主人公ハサウェイ・ノアでありました。
有名人なのか・・・・・・あ、ブライトさんが有名人だもんな。
現役の軍人では1番の有名人かもしれない。

んでまぁ、人質の確認が終わったら大人しく待ってようねーとはいかず、
大臣の死にその奥様が発狂して泣き叫ぶ・・・・・・『あたしも、殺された方がいい!』
「俺たちは、比喩的な表現というのが、嫌いでね?」
えー・・・・・・マフティー、クズじゃん。

側にいたハサウェイは思わずかぼちゃマスクを睨みつけ、
2人も殺して気が立っているかぼちゃマスクはハサウェイに銃口を・・・・・・
「マフティーだなんて、ウソをいう連中なんか、やっちゃったら!?」
 その少女の声は、鮮烈に、かぼちゃマスクとハサウェイを打った。
なんですとー?

と、ハイジャッカーの『一瞬の動揺』をハサウェイは見逃さなかった!
ケネスの援護もあり、見事ハイジャッカーどもを制圧したのであります!
キャー、ハサウェイ、イケメーン!




6 ランディング・グランド

「・・・・・・良くいうよ」
同僚夫妻が死んだ直後だってのになぁ・・・・・・
その『ゲス』さには何の変化もないようで("゜д゜)、ペッ



「ああ、この連中、ギギがいっていたとおり、マフティーじゃねぇらしいな?」
「騙りだっていうんですか?」
 ハサウェイは、わざと知らぬ顔できく。彼には、そのような事情があるのだ。
『そのような事情』・・・・・・?




7 ウィズ ギギ

「・・・・・・なんで、ハイジャッカーたちが、マフティーの名を騙る連中だと見抜けたんだ?」
ギギに尋ねるハサウェイ。
誰だって気になるよね。


「マフティー・ナビーユ・エリン、つまり、正当な預言者の王、という名前を名乗るのは、あなた、ハサウェイ・ノアだって、わかったってこと」
( ゜д゜)!?
ハハハ、ご冗談を・・・・・・


『この娘は、ウソがわかるんだ・・・・・・』
 そう思うことは、この空港で、捕まる覚悟をつける、ということを意味した。
えっ



「人類がつくった組織は、バカにできないくらい巨大だ。とても面倒だね」
「だからって、ハイジャックもひどいよ? 怖かったもの・・・・・・」
「・・・・・・そうだね」
「だから殺されるっていうのも、もっと怖いよ」
「そうだよ・・・・・・そう思うよ」
 ハサウェイも、本当にそう思っているのだ。
本質的に優しいとしても、自分が必要と感じた時に「やれてしまう」のは、
優しさが振り切れてしまった感あり。



さすが長期休み、起きるのも遅ければまとめる力も全くないぜ!
後者はいつものことだよ!
・・・・・・上中下巻それぞれ3回ずつかな!


→2回目


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