今日の108円

1日1冊108円・・・・・・最近そうでもない。

R.O.D. READ OR DIE 倉田英之 スタジオオルフェ 2000年7月20日 集英社

2015-12-08 06:17:37 | その他小説
「R.O.D. READ OR DIE YOMIKO READMAN〝THE PAPER"」。
長ぇよ。
東京、お台場、人の気配のない超高層ビル。
香港から来た呉は稀覯本『黒の童話集』の取引を行っていた。
相手の男は金髪のイギリス人。しかしその横には、
鑑定人だという眼鏡をかけた東洋人の若い女が・・・。
ボディチェックのため、女のコートの前を開けさせた呉は、
言葉を失う・・・。
コートの裏地にはやたらと内ポケットがあって、そこには、
文庫本やら雑誌やらスポーツ新聞やらが突っ込まれていたのだった!
裏表紙より。
アニメの名場面集であれだけ見た・・・・・・
「本を返してくださ~い!」(狂気



プロローグ

 本が好き。
 死ぬほど好き。
 手の中におさまる紙の束に、本物の宇宙をも凌ぐ無間が眠っている。
つまり今僕は、宇宙を1つ文鎮で机に押さえつけている・・・・・・!


すんごいレアな本を売るため、
香港から東京・お台場にやって来た呉と部下の呂。
彼らは所謂「香港マフィア」かな。

とあるビルにて、取引相手の金髪のイギリス人の男、
そして『鑑定人』だという野暮ったい東洋人の女と接触するの巻。
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・えっち、です」
『素人』が「コート脱いで『中を見せろ』」って言われたらねぇ?
※呉は武器を警戒しています。
あ、待てよ、
「エロ警戒の反応が早い人」は常に(以下略)


「・・・・・・なんだ、そりゃ?」
 当然すぎる呉の問いに、女が顔と声を輝かせる。
「本です!」
『文庫本、丸めた雑誌、スポーツ新聞など』・・・・・・
驚くほどって全部で何冊だ・・・・・・?


ま、まぁ『鑑定人』の趣味はどうでもいい。
さっさと仕事しろ。
「うふふふふふふふふふふ・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
 頬がまた赤くなった。目がややうるんでいた。まるで恋の告白を受けた少女のようだった。女の中で確かに、なにかが昂っていた。あれだけ野暮ったく、特に魅力もなかった彼女から、色まで見えそうな空気が漂っている。
※本の鑑定をしています。


「作者が本に込めた感情、本自体が蓄積した膨大な歳月は、如何なる技術を以ても模倣することはできません。彼ら、そして彼女らは、紙面の下に潜むそれを〝読み〟とるのです。類まれなる、本への感情移入を武器として。・・・・・・彼女も、その一人です」
解説乙。

さぁ本が本物とはっきりしたんだから、チャッチャと金払え。
「本なんてものは、場所は取るし重いし他に使い道もない紙クズさ」
そうだそうだ!
はよ金払わんかい・・・・・・


「何十年も何百年も昔の人や、世界の裏側にいる人の思いが、紙を通じて伝わってくる素晴らしさ! 時に知性を、時に情熱を、自分の解釈しだいで読み取れる無限の可能性! こんなに深い感動を与えてくれる〝本〟を紙クズ!? 訂正してくださいっ!」
流石は『愛書狂』(ビブリオマニア)。
何マニアであれ、マニアの前でうかつなことを言ってはいけません

と、とにかく金払え!
しかし、イギリス野郎が持ってきたケースの中身は・・・・・・
「見てのとおりですが? 紙です。ただの紙」
そっかー、ボクの見間違いじゃあなかったんだね!
・・・・・・って、おい。
ぶち殺すぞ(´・ω・`)


「この本は、今から二五年前に大英図書館から盗まれたものです。調査によると、盗難に当たったのは東洋系の一団だったとありますね」
「なにが言いたい?」
「大英図書館、特殊工作部の名に於いて、当書をあるべき場所に戻します」
この取引は、『大英図書館』の罠だったのです!

「一応、聞いておきますが。平和的に解決する気なんてありませんか? たまには話しあいとかも、いいもんですよ」
ふぁkk

呉は銃口を女に向け・・・・・・
「・・・・・・本を返せ」
 呉の視線を、女はメガネの奥で受け止める。
「渡しません。これは、私のです」
「大英図書館のです」
「俺のだ!」
※正解はイギリス野郎。
女はさらっと所有権を主張すんな!w


 空虚なフロアーを、大きな銃声が埋めた。
哀れ女は頭を撃ち抜かれ・・・・・・


 女の顔が白くなっている。それは、銃弾を受けて血の気が引いてとか、そういう意味ではない。メガネをへし折り、顔骨に穴を開けるはずの銃弾は、白の中に埋まっていた。女が顔の前にかざした、たった一枚の白い紙に止められていたのだ。
( ゜д゜)!?


「紙使いだ・・・・・・」
「!?」
「聞いたことがある。その名のとおり、紙を武器にする特殊能力者だ」
そう、彼女は『紙使い』(ペーパーマスター)、
大英図書館のエージェント『ザ・ペーパー』なのです!


しかし、呉も『〝読蛇〟』の通り名を持つ男・・・・・・!
「たかが女の紙細工、俺の蛇に通じるか!」

「ふんっ!」
 刃が、女の喉にピタリと当てられる。
「てめぇの負けだ、紙使い」
シャシャシャシャシャー&デス!
流石は『〝読蛇〟』さんっス!


さぁ紙使い、そしてイギリス野郎!
命乞いをするがよいぞ!!
絶対に殺すけどな!!!
 女は、困ったような顔で二人を見た。しかし口を開いたのは、金髪のほうだった。
「すいませんが、もう戦いは終わっているんです」
「なに?」
「あー・・・・・・言ってみれば、ここに来たことがもうお二人の敗因なんですよ」
はっはっは、負け惜しみかね・・・・・・


「! まさかっ!」
 呉の思考が、あまりに馬鹿馬鹿しい結論に至った。そんなことが!?
「ご名答」
 正解だった。金髪が笑った。
「・・・・・・ごめんなさい」
 女が頭を下げた。
( ^ω^)マサカッ

( ^ω^)バカナ

\(^ω^)/ペー

\(^ω^)/パーーーーーーー

\(^ω^)/!!!!!


読蛇さん(とその部下)、乙でしたー。
 憧憬も批評も、なにも聞こえなかった。〝ザ・ペーパー〟読子・リードマンはただ読書の快楽に身を沈めていた。呉や呂の顔すらもう忘れきっていた。
 彼女は何よりも、そう、他に何よりも本が大好きなのだ。
殺し合いをした数分後には忘れられた読蛇さんでした。
『プロローグ』了。



本編は。そんな『〝ザ・ペーパー〟』こと読子が、
現役女子高生小説家・菫川ねねねの悩みを解決するお話。
・・・・・・なんかお気楽な説明になっちゃった。
※基本シリアスです。

これ11巻も出てるのね。
で、なんか12巻の予定は未定だとかなんとか。
R.O.D READ OR DIE YOMIKO READMAN〝THE PAPER"-Wikipedia
11巻まで集めるのが先か、12巻が出るのが先か・・・・・・勝負だ!


コメントを投稿