海鳴記

歴史一般

日本は母系社会である(51)

2017-04-18 10:53:04 | 歴史

                                (51

 もう一度、「魏志」の記述に戻る。吉本は、邪馬台国がかなり進んだ<国家>だという一つに「錯綜(さくそう)する官制」があるからだして、それぞれの国職階(しょっかい)をあげている。以下、一例として並べてみる。

 

 対馬(つしま)国   大官  卑狗(ヒク→ヒコ)

            副  卑奴母離(ヒヌモリ)

 一(いっし)国    官  卑狗(ヒク)

            副  卑奴母離(ヒヌモリ→ヒナモリ)

 伊都(いと)国    大官  爾支(二キ)

            副   泄護<角ヘンに瓜=コ>(セモコ)

                暗渠<角ヘンに瓜=コ>(ヒクコ)

 奴(な) 国      官  凹馬<角ヘンに瓜=コ>(シマコ)

            副  卑奴母離(ヒヌモリ)

 不弥(ふや)国     官  多模(タマ)

            副  卑奴母離(ヒヌモリ)

(とま)国      官  弥弥(ミミ)

            副  弥弥那利(ミミナリ)

(やまたい)国   官  伊支馬(イキマ)

            次  弥馬升(ミマツ)

            次  弥馬獲支(ミマエキ)

            次  奴佳<革ヘンに是>(ヌカト)

 吉本によれば、ここにあげられた官名は、総称(そうしょう)的な意味で、人名や地域名(ちいきめい)とよく分けらないとし、例として以下のような『古事記』における初期天皇群の名前との対応(たいおう)関係をあげている。

 初代・カムヤマト・イワレヒコ      神武(じんむ)

 二代・カムヌナカハミミ         (すいぜい)

 三代・シキヒコタマテミ         安寧(あんねい)

 四代・オホヤマトヒコスキトモ      (いとく)

 五代・ミマツヒコカエシネ        (こうしょう)

 六代・オホヤマトタラシヒコ       孝安(こうあん)

 七代・オホヤマトねこヒコフトニ     (こうれい)

 八代・オホヤマトねこヒコクニクル    孝元(こうげん)

 九代・ワカヤマトねこヒコオホヒヒ    開化(かいか)

 十代・ミマキイリヒコイ二エ       崇神(すじん)

 十一代・イクイリヒコイサチ       (すいにん)→サオ彦・サオ姫

 十二代・オホタラシヒコオシロワケ    (けいこう)→大和タケル・(おとたちばな)(ひめ)(やまと)

 十三代・ワカタラシヒコ         (せいむ)

 十四代・タラシナカツヒコ        仲哀(ちゅうあい)(じん)(ごう)(オキナガタラシ姫)

 十五代・ホムタワケ(オホトモワケ)   (おう)(じん)

                          (「起源論」参照・傍線・二重線・→以下も筆者)