毎日がちょっとぼうけん

日本に戻り、晴耕雨読の日々を綴ります

「こんな日本人が増えているのか……」No.1883

2017-03-07 09:23:03 | 日本事情

下は、以前、(うわ、今はこんな日本人が蔓延っているのか~)と呆然として、

思わず保存した思い出の質問記事です(笑)。

何が驚きかと言って、大江健三郎の作品を読みもせず堂々と批判するその態度です。

それに対する回答を読んで、やや安堵したものですが、

ただ、「思索と文章がかい離している」とか

「知識人としての大江の危うさ」を言うなら、

その意見の根拠を示すべきでしょう。

これではただ、自分の評価の押し売りにしかすぎません。

解答の中にも、疑問が残るものもあります。

この質問は2012年のものですが、2017年現在ではこの質問者のようなヒトが、

さらに増えているのを肌でひしひしと感じます

 

今、菏澤学院の日本語学科の三年生に日本文学のあれこれを紹介しているのですが、

大江健三郎の作品も、当然読んでもらおうと考えています。

今日は与謝野晶子の『君、死にたまふことなかれ』を紹介する予定で、

今から行ってきますね~~。

 

――― YAHOO!JAPAN 知恵袋より ―――

大江健三郎は、なぜ、ノーベル文学賞を受賞したんですか?

大江健三郎は、北朝鮮を訪問して、「北朝鮮の若者は、希望に満ちている」などと、左翼の工作員のようなことを言っていますが?

(補足)大江の文章は、おかしいです。 どこが、世界レベルなんですか? 本を読んだことはありませんが、新聞に載っていた文章を読むと、思索と文章が乖離しているおかしな文章です。

質問日時: 2012/3/10 19:19:26

 

 kimtaeg2050さん

大江健三郎は確かに世界レベル。ノーベル賞を取って当然です。
彼のその発言は知りませんが、40年前以上だったら、言ってもおかしくない。たしかに彼は左翼シンパだから。でも左翼シンパの何処が悪いの?(わたしは左翼じゃないですが新自由主義はもっとキライ) 40年、50年前は北朝鮮をいい国だと思っていた人も多かった。今の人たちは知的レベル低すぎてマルキシズムすら勉強してないから、資本主義批判したらすぐ左翼のレッテル貼るんだよね。
西洋人からしたら天皇に対するマスコミのあり方って北朝鮮のそれとほとんど同じに見えてるのに。

(補足に対して1)
その意見は実は間違っていないです。大江の文章は、伝統的な日本語から見たら翻訳調の悪文です。なのに、新たな概念をもたらし、いわばノイズとノイズが綺麗なハーモニーを奏でるという現代文学になっています。そこが世界レベルなんです。概念的なので、翻訳しても本質が損なわれないという利点もあります。
知識人としての彼は私も危うい存在だと思います。ですが、ぜひ彼の初期の小説を読んでみてください。天才性を感じますよ。

(補足に対して2)
大江の文章をおかしいと感じるのは、今では「ピカソの絵をへたくそ」と言っているのと同じになるんです。それだけ現代芸術ってひねくれてきたってことですけどね(笑)

 

dm200904さん

そのコメントは知らないし、真偽も分からないが、彼の文学作品の価値とは無関係でしょう。
ノーベル文学賞には、たしかに政治的な配慮みたいなものは感じるけど、作家として全く能力のない人は受賞できない。だから、ナショナリストの都知事は候補にもならない。
色々ともう少し勉強した方がいいね。

追記
あなたの頭の方がおかしい。
問題だと感じているのが、彼の「文学賞」受賞である以上、少なくとも彼の小説の一つや二つは読んでからするのが常識。その程度の常識もないのか?
自分の無知をさらすだけだから、この質問、削除した方がいいよ。

 

liebemuenchenerinさん

他のお三人に、できることなら100票ずつ!
質問者さまは 大江をちゃんとお読みになってから出直していただきたいですね。
日本人に生まれて 翻訳でなく、母国語で大江を読める幸せを感じてください。
私はドイツの大学で ドイツ人学生から、「あなたはオーエを母国語で読めて うらやましい」と、よく言われましたよ。

―――――――――――――

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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2 コメント

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なんと (天空)
2017-03-07 14:12:20
大江健三郎が話題になっているではないですか。
昔よく読みました。
「セブンティーン」だったかな、unlucky young men(不幸な若者たち)が、天皇に向かって爆弾を投げる(実際にはできなかった)という下りは、ドキドキして読んだ記憶があります。
大江は、初期の頃の作品に比べて「個人的な体験」が転機になったような気がしますね。なつかしいです。
個人的な好みとしては、翻訳調のとがった文体が好きでした。
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天空さん (ブルーはーと)
2017-03-07 23:50:58
大江健三郎さん、昔は読みませんでした(笑)。
まず初めに買ったのが20歳前なのに『われらの狂気を生き延びる道を教えよ』とか、刺激がきつ過ぎて途中でやめました。
それからずっと後になって初期の『飼育』をはじめとする錚々たる作品群を読み、その本質をつく天才的感受性に立ち尽くす思いでした。(こんな人なら、傷つき方も半端じゃないだろうなあ。それなのに頑張って苦しみながら書き続けてきたんだ…)と、そんなところにも感動しましたね。『セブンティーン』面白かったです。今のネトウヨ少年たちにも重なるものがありますね。『河童に噛まれる』はちょっと涙が出ました。
菏澤学院の3年生には『人間の羊』を課題として読ませます。どうなることか……。
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