毎日がちょっとぼうけん

日本に戻り、晴耕雨読の日々を綴ります

「札幌の幼児衰弱死に思う」No.2947

2019-06-13 23:07:47 | 日本事情

札幌で2歳の子が衰弱死し、体に複数のアザがあった、と。

母親とボーイフレンドが逮捕され、ボーイフレンドは

「自分は暴行を加えていない」と。

 ・・・・・・・・・

もう半世紀近く前、

自分が京都で学生だった頃バイトしていた

祇園の料亭のおばあさんが、関東弁で

「あたしゃ、子どもを一人殺してるんですよ」

と言った言葉がふいに浮かんできました。

世間知らずの私は額面どおり受け取って、目を白黒させましたが、

よく聞くとそのおばあさんは、

子どもをたくさん産んで、

そのうちの一人が幼い頃流行り病で死んだことを

「殺した」と表現したのでした。

子どもを生かすことができなかった親の情けなさが

未熟だった私にも感じ取られて、

(親はそうなんだ……)と感じ入りました。


その後、自分も親になり、

今振り返れば一応一生懸命子どもを育てたとは思います。

しかし、毎日、往復2時間の通勤で、

電車から最寄の駅に着き、

家か保育所か(その日その日違うんですが)、

ダッシュで自転車を漕いで子どもの居場所に飛んでいっていた頃、

ある日、足がどうしても自転車置き場に進まず、

ふらふら本屋に入って行き、

数十分漫画の立ち読みをしたことがあります。


今回のネグレクトの母親は、

産んだ時から自分だけでの子育てが始まり、

数ヶ月で既にへとへとだったようです。

私はシングルマザーでもなく、

連れ合いは一応毎日帰ってきたし、

ときどきは義理の母や姉が訪ねてくれたり、

友人知人が子どものことを話題にしてくれたり、

夏休み、北海道の実家につれて帰ったりと、

非常に恵まれていたにも拘らず、

やっぱり子育てはたいへんで、

(自分の人生どうなっちゃってんのかな)と

思ったこともあります。

 

2010年、大阪市西区のマンションに

子ども2人を置き去りにし、外から粘着テープで

ドアを封鎖して、餓死させた事件がありましたね。

あの母親も若いシングルマザーでした。

なぜ、そんなになるまで周囲に助けを求めないのか、

と思いますが、

こういう悲惨な子殺しをする親は、

既に助けを求められる心理状態にはないんですね。

今回の札幌の事件では、

友人が心配して、

「育てられないなら、私が引き取るよ」

と言ったとたんに連絡が途絶えたそうです。

助け合う経験を小さいころからたくさんしていることが

大人になって、社会で生きていくのに

大切なんだなと思います。

親が孤立したら、その親の子どもは生き難いのです。

児相をはじめ行政も、弱く儚い子どもの命を守るために

もっとしっかりしてほしいですが、

地域社会はどうなんでしょう。

ハッつあん、クマさんの長屋のおせっかいは

もう、夢のまた夢なんでしょうか……

 


コメント
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