にわとりのにわ a hen's little garden

歌うたい時々クラリネット吹きの日高由貴のblog。
ちいさなこころのにわの風景をすこしずつ書きとめていきたいです。

Cathy Segal Garicia's workshop vol.7

2013年01月03日 | 2012 Cathy's workshop rep
キャシーさんのワークショップレポートの続きです。


♪~Honeysuckle Rose~♪


――参加者が2コーラス歌う。


(Cathy)
まあ。あなたはかっこいいスタイルをもっているわね!
長いこと歌っているの?

(参加者)はい。

(Cathy)
いいわね。
ひとつ、あなたの発声(voice production)について気になったのですが・・・。
すこし、緊張して、疲れているように聴こえました。
ちなみにわたしも疲れています(笑)
かならずしも、大きな声を出す必要はないのですが、
もうすこし、喉と声をうまく連携させて(connect)、強い声を出せるかしら?

(参加者)
はい。とても緊張していて、すこし疲れてもいます。

(Cathy)
緊張すると、声がうまく出なくなりますよね。
声帯はバルブのようなものです。
緊張した時にうまく声が出ないのは、息の問題というよりは、
声帯の問題であることが多いのです。

(参加者)
はい。緊張するとよく声が出なくなります。

(Cathy)
ためしに、最初の部分を、ゆっくり歌ってもらえるかしら?


――Cathyさんのあとについて、参加者がゆっくり歌う。


(Cathy)
いま、さっきより、喉と声がうまく連携していますね。

(参加者)
はい。

(Cathy)
重要なのは響きなのです。
もし毎日すこしずつでもウォームアップをすれば、
身体が、響いた状態を覚えるのに役立つと思います。

大切なのは、「毎日」というところで、それをすることによって、
身体が覚えてくれるのです。

もっとゆっくり、ひとつひとつの音を意識しながら歌ってもらえますか?

そして、ここ(喉の、声をだすと震えるところ)に手をあてて、
震えているのを感じてみてください。
低い音も、高い音もです。


――参加者がゆっくり一音一音歌う。


(Cathy)
声帯は、ヴァイオリンの弓と弦の関係に似ています。
弦が能率的に動けば気持ちがいいはずですが、もしそうでなく、
痛みを感じたり、ぎこちなく感じる場合は、何かを改善する必要があります。

それでは、次は3回歌ってみて、できればスキャットもしてくださいね。

(参加者)
はい。スキャットの音遣いについてお聞きしたいです。
スキャットをすると、音が日本語の響きになってしまって、英語のように聴こえないのです。

(Cathy)
それは問題ないわ。
アメリカ人のミュージシャンは、日本語のような響きのスキャットを「魅力的だね」というでしょう。
他の言語を話すひとの音遣いは魅力的です。

昔、エラやカーメンやサラはいろんな音を使っていましたね。
「ビー、ブァオ、」などなど。。
最近では、多くの歌手が、もうすこしソフトな音を使う傾向にあります。

ずっと「ウー」や「ブビブビ」と言い続けるのでなければ(笑)、
好きな音を使ってかまわないと思いますよ。
あなた自身の言葉を話すように、スキャットをしてみてください。


――参加者が歌う。


(Cathy)
かっこいいですし、とてもいいスタイルを持っていますね。
楽しくて、幸せな感じがします。
あなたが歌っているところを見るのは楽しいわ。
スキャットの音遣いも、いいと思います。
続けていけば、もっともっとよくなると思いますよ。
アイデアがどんどん浮かんできて、音楽的になると思います。

(参加者)
はい。ありがとうございます。
いつもとても緊張して、なかなか思ったことができないんです。

(Cathy)
もっとすごい緊張をしているひとを見たことがありますよ(笑)
歌うことは楽しいことだということを覚えていてくださいね。

その気持ちを大切にして、前に進むのです(go forward)。
瞬間を楽しんで、全てのものはその一瞬にある(in the moment)ということを覚えていてください。
そして、集中をきらさずに、動き続けること(keep focusing and keep moving).
そうすると、緊張はどこかに消えてしまいます。

(Phillip)
ほんとうにそうです。
僕がキャシーを好きなのは、普段の生活のなかから音楽が出てきているところです。
特別なステージというよりも、普段の生活という感じなんです。
普通の服、普通の雰囲気だから、緊張していなくて、音楽のクオリティがいい。
いっぱい緊張してだめになってしまうと、その演奏の意味がなくなってしまうと思います。

それから、この曲については、ビバップの伝統があります。
3小節目と4小節目で半音上げるんですが、それをどこかでするかな~といつも様子を見ています。
人によって、するひととしないひと、全部するひとと、一部だけするひとがいますが、
もしするなら、歌う人が自分で転調すれば伴奏者はついていきます。

「これをやったら変かなあ?」となにかを思いついたとき、
僕は間違いなくそのアイデアを実行します。
だって遊びたいから(笑)
遊びに集中すると、緊張がなくなります。


(Cathy)
そうね(笑)
お疲れ様でした!



(一同拍手)


(筆者)
ちなみに、この参加者はわたしでした。
自分でずっと課題にしている、発声について、具体的な練習法を教えていただけて勉強になりました。

今年は、もっと声を滑らかに出せるようになること、
ピッチのコントロールをできるようになること、
表現の引き出しを増やすことが目標です。

「楽しみながら」が大切ですね♪



~♪Honeysuckle Rose♪~

lyrics:Andy Razaf
music:Thomas ‘Fats’ Waller








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