にわとりのにわ a hen's little garden

歌うたい時々クラリネット吹きの日高由貴のblog。
ちいさなこころのにわの風景をすこしずつ書きとめていきたいです。

最近の読書記録(5月)

2015年05月29日 | 読書ノート
最近参加させていただいている「環世界」研究会の関係で
読んでいる本の記録。

(1)ユクスキュル,クリサート著/日高敏隆,羽田節子訳『生物から見た世界』、岩波文庫、2005年。

原著は1934年刊行。原題は『動物と人間の環世界への散歩』、副題は『見えない世界の絵本』(ウムラウトなどの表記変換が面倒くさいのでドイツ語表記は書きません。。。)

研究会の間、訳者の日高敏隆さんの話題で「日高さんが・・・」と参加者の先生が発言されるたびに
自分のことかと思ってどきどきしました(笑)

参加者の先生方は、ドイツ語やフランス語に堪能なかたが多く、
訳語ひとつとっても、深いお話がとびかっていて、面白かったです。
言葉の世界は奥深いなあ。。


(2)木村敏『あいだ』、弘文堂、1988年。

世界的な精神科医であり、ピアノの演奏もされる木村敏さんの著作。
音楽のお話がたくさん出てきて、面白い。
といっても、ハイデッガーやレヴィナス、デリダなど、西洋哲学の歴史を踏まえての著述なので、
難しいです。。
来週月曜日の研究会まで、何度か読んで、自分なりに理解する努力をするつもりでいます。。



(3)町沢静夫+吉本隆明『遊びと精神医学ーこころの全体性を求めて』、創元社、1986年。

(2)の本を大学図書館の書庫に探しに行ったときに、たまたま隣にあったのでついでに借りてきた本。
まだ読み始めたばかりだけれど、自分自身、忙しかったり、ストレスがたまったりして、精神的においつめられてくると、絵を描いたり、ピアノを弾いたりして「遊ぶ」と、息ができるようになるので、遊びについての考察には納得いく部分が多いです。


研究者養成の最短コースから降りて、
ゆっくり勉強できるようになってから、
研究書を読むのも、研究会に参加するのも、遊びのひとつのように感じられるようになりました。

音楽と研究の、パッチワークみたいな生活(笑)は、経済的にはぎりぎりだし大変だけど、
自分には合っている気がします。

もうひとつ参加させていただいている「現代/世界とはなにか?」という研究会では、
前回は音楽学者の岡田暁生先生のご発表で、
ジャズや現代音楽についての内容で、とても面白かったです。

ちなみに、7月12日に、稲森財団合同京都賞のシンポジウムで、
「音楽の20世紀、そして21世紀」というセッションがあります。

ご興味のあるかたはぜひ。

わたしも楽しみにしています。