にわとりのにわ a hen's little garden

歌うたい時々クラリネット吹きの日高由貴のblog。
ちいさなこころのにわの風景をすこしずつ書きとめていきたいです。

贈与と交換の教育学

2017年04月19日 | 読書ノート
宮沢賢治について、もうすこし考えようと思い、
矢野智司『贈与と交換の教育学-漱石、賢治と純粋贈与のレッスン-』(東京大学出版会、2008年)を図書館で借りました。

学部時代に、矢野先生の教育学の授業を受けていました。

穏やかで、訥々と話されるご様子は、
このかたはほんとうに研究がお好きなんだなあと
すーっと胸に入ってくるものでした。

哲学の知識をふまえた講義の内容は、難しくてわからないこともありましたが、
いまご著書を読んでみると、昔よりも理解できる箇所が増えているように感じます。

二年ほど前に、ばったり思わぬ場所で再会し、
ごあいさつしたら覚えてくださっていて、うれしかったです。

ゆっくり読ませていただくのを楽しみにしています。





Eva Cassidy

2017年04月05日 | 日々のこと
ひさしぶりにEva Cassidyの歌を聴き、
涙が出そうになる。

この人の歌声はなんでこんなに琴線を震わせるんだろう。

Over the Rainbowや、枯葉、この素晴らしき世界といった
ありふれた、何度も聴いた歌も、
彼女のフィルターを通すと特別な歌になる。

凝ったアレンジをしているわけではないのに、
ごちゃごちゃしたまわりの薄皮がはがれて、
歌のまんなかの芯の部分がくっきりと輝いている。

ある歌が陳腐になるかどうかの境界線は、
歌にあるのではなく、歌い手にあるのかもしれない、と
いつも思う。

歌う人間としては、おそろしいことでもあるけれど(笑)

若くして亡くなってしまったのは寂しいけれど、
録音技術があって、いまを生きるわたしが聴くことができるのというのは、
こんなとき幸せなことだなとも思う。