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にわとりのにわ a hen's little garden

歌うたい時々クラリネット吹きの日高由貴のblog。
ちいさなこころのにわの風景をすこしずつ書きとめていきたいです。

VJC Summer Workshop Report vol.2(vocal class by Jay Clayton& Sheila Jordan)

2012年08月19日 | 2012 VJC summer program
VJC Summer Workshop Report vol.2(vocal class by Jay Clayton&Sheila Jordan)-Yuki HIDAKA

Vermont Jazz Center: http://www.vtjazz.org/

vocalにおけるscat(スキャット:声で楽器のように即興演奏をすること)についての考え方ですが、ジェイさんとシーラさんのおっしゃったことはとても興味深かったです。
About scatting, Jay Clayton and Sheila Jordan's thought was very interesting for me.

まず、シーラさんは、もしスキャットに興味がないのなら、必ずしもスキャットをする必要はないという考えをお持ちです。ビリーホリデイのように、スキャットをしなくても素晴らしいジャズシンガーはたくさんいるのだから、と。
ただ、スキャットは、歌の表現の可能性を広げるためのひとつの方法に過ぎない、ということをおっしゃっているのだと思います。
これは、ジェイさんにも共通する前提だと思います。
おふたりとも、まず、原曲のメロディーと歌詞をきちんと歌うことをとても大切にしておられ、ジャズヴォーカルを、とても広く捉えておられます。
そして、教育するということは、自分のコピーを育てることではないという考えも共通しておられると思います。
First, Sheila said that"If you are not interested in scatting, you don't have to do that.There are many wondeful jazz singers who don't do scat, like Billie Holliday."
In other words,scatting is only one of the tools to extend the possibility of the expression of vocalizing.
This thought for scatting is same in Jay.
Both of them really respect the original melody and lyrics,and think about jazz vocalizing so freely.
And also think about Education is not making a copy of teacher.

ジェイさんは、もともとクラッシック出身のシンガーで、ジャズを歌い始めた頃も、初めのうちはスキャットをしなかったといいます。
そのためもあるのか、ジェイさんの指導法は、具体的なスキャットの練習法に基づいています。
また、ある曲のなかで即興演奏をするということにとどまらず、前回のレポートで紹介したような、完全にフリーな状態での、声のパフォーマンスということにも力を注いでおられます。
Jay Clayton was a classical singer originally. And she said that at the first time she began to sing jazz, she never scat.
Her method for scatting is very practical for learning scatting.
Jay taught us not only the scatting with one song, but completely free improvisation,voice performance, like I introduced report vol.1.

ジェイさんの指導のなかで、即興に対するいくつかのアイデアがあります。
In Jay's method, there are some ideas about improvisation.

・Rhythmic(リズミック)
・Scale up(音階であがる)
・Scale down(音階で下がる)
・Space(余白)
・Listen(聴く)
・Longtone(長くのばす)
・Repeat idea(アイデアをくりかえす)
・8th note(8分音符)
・Melodic(メロディック)
・Change Range(音域をかえる)
・Message Emotion(感情のメッセージを伝える)
・Don't resolve(解決しない)

上にあげた12個のアイデアに照らし合わせてみると、自分の即興がいくつかのアイデアに偏っていることがわかります。人によって得意なアイデアがあることもわかります。
ほかのアイデアを学ぶことによって、マンネリ化をふせぎ、即興の可能性を広げることができます。
12個のアイデアが書かれたカードをランダムに見せ、出されたカードの指示にしたがって歌うという、ゲームのような練習をするのも楽しいです。
ヴォーカルワークショップのいいところは、即興を何小節かずつまわしていくことで、ほかのひとのアイデアを学べるところです。楽器奏者のかたと違い、ヴォーカルのひとは、通常ひとりで歌うことが多いので、ほかのヴォーカリストと一緒に即興できる機会はとても貴重だと思います。
それができるようになれば、ほかの楽器奏者のひとのソロからも、アイデアを得ることができるようになると思います。
If we see these 12 ideas about improvisation, maybe we will see that we use only a few ideas usually.And each vocalists has one's field of expertize.
Learning from other idea will improve our imorivisation, and help to extend the possibilities in improvisation.
Write these 12 ideas on the cards, and show randamly, improvising according to the card is exciting practice like a game.
The good point of vocal workshop is, we can learn other vocalist's idea through 4bars or 8bars.Usually, vocalist sings alone,so learning the improvisation with other vocalists is very precicous and helpful lesson.
We can learn from other instrumentalists' solos,too.

また、「枯葉」での練習では、メロディーを歌うグループと、ルート(コードの基本となる音)を歌うグループとにわかれて練習します。それに、即興をするひとが加わる場合もあります。
For practice"Autumn Leaves",we separate into melodies and routes.
Sometimes one can improvise with that.

Jayさんの練習方法をわたしなりにまとめてみると、
・なにもない状態で声を自由に出してみること、リラックスして、自分の感覚を研ぎ澄ませてみる。
・ブルーズやVamp(2種類のコードを繰り返すこと。Bossa Novaのエンディングなどによく使われる)などの、シンプルな構成のなかで、即興してみる。
・12個のアイデアに照らし合わせて、即興の幅を広げる。
・歌う曲のメロディー、続いてルートの音を歌ってみる。
ということになると思います。
もちろん、この前提として、とにかく繰り返し「聴く」ということがあるのですが、具体的な練習方法としては、上のようになると思います。
In summary(from my point of view)of Jay's method is;
・Use one's voice freely, stay relax and concentrate on one's sense,body and mind.
・Improvise on simple tune, for example,blues, vamp.
・Extend the possiblities of improvisation using the 12 ideas.
・Sing melodies and routes.
We can practice with this method,and of course, the precondition for the practice is,"listen" repeatedly.

もし、スキャットが苦手だけど練習してみたい、という方がおられれば、ぜひ試してみてください。
かくいうわたしもスキャットは得意ではなく、練習中です(笑)
一番大切なのは、ジェイさんのおっしゃるように、リラックスして、すべての音を楽しむということじゃないかと思います。
If you are interested in scatting but think you are not good scatter,try Jay's method.
I am on the way to practice scatting, too:-)
Most important thing is, stay relax and enjoy every note, as Jay says.

では、今日はこのへんで☆彡
See you.

VJC Summer Workshop Report vol.1(vocal exercise by Jay Clayton)

2012年08月19日 | 2012 VJC summer program
VJC Summer Workshop Report vol.1(vocal exercise by Jay Clayton) -Yuki HIDAKA

<Summer Workshop of Vermont Jazz Center6th-11th Aug,2012.
Vermont Jazz Center: http://www.vtjazz.org/

ヴォーカル科講師 vocals teachers;
シーラ・ジョーダン <a href="http://www.sheilajordanjazz.com/">Sheila Jordan
ジェイ・クレイトン Jay Clayton

ぶじに帰国しました。
講師の方々の許可を得て、ワークショップの内容を書きたいと思います。
タイムスケジュールは以下の通りです。

Schedule;

8.00-9.00   breakfast 朝食
9.00-10.15   theory class 理論クラス
10.30-12.00 master class マスタークラス
12.00-13.00 lunch 昼食
13.00-14.00 listening hour リスニングアワー
14.15-18.00 Ensemble (advise for the song which participants choosed)アンサンブルクラス
18.00-19.00 dinner 夕食
19.30-21.00 lecture concert レクチャーコンサート
21.00-??????? JAM SESSION セッション(On Monday,Wednesday,Percussion Class.月、水はパーカッションクラスもあり)

theory classの内容は後ほどアップします。
まずは、午前中のマスタークラスから。
i am going to upload about theory class later, so begin with the Master class.

午前中のマスタークラスでは、まず発声練習から始まります。
発声練習を担当してくださるのは、Jayさんです。
In the Master Class, begins with vocal exercize.
This exercize's teacher is Jay Clayton.

Jayさんがいつも言っておられるのが、決して声をはりあげないということ。
とくに、"スタッカート(短く切る音)"のときは、短く、軽く、といつも言っておられます。
Jay Clayton always saids," Never push."
Especilally,staccato, “Short and light”.

ジェイさんの歌に対する考え方において、無理な圧力をかけない、リラックスする、というのは、大切なキーワードのように思います。
I think that in Jay's theory about the singing,"Never push" and "Stay relax" is very important keyword.

また、すべての音を楽しむこと、毎日歌うこと、というのも大切にしておられることでした。
And, "Enjoy every note","Sing every day",too.

この、「すべての音を楽しむ」という姿勢は、ジェイさんの(4-10-2)という練習法に、よくあらわれていると思います。
4-10-2とは、まず4回、アーかオーで長くのばし、そのあとに、スタッカートで10回、それからウーで2回のばす、という練習法です。
数人で思い思いの音の高さで、好きなように声を出します。
決まったルールは、とくにありません。
難しい理論もありません。
この練習をするとき、ほんとうに自由で、自分の声と、周りの音との響きに集中することができます。
ただ、感じるままに声を出すだけで、いつも美しい響きが生まれます。
ときには、この響きの中で、誰かひとりが、詩や文章を朗読したり、ピアニストやベーシストが即興演奏をつけることもあります。

This,"Enjoy every note" appears in Jay's method,"4-10-2 (four ten two)"
4-10-2 is,first 4 times longtones in“ah” or “oh”.
Then, 10 times shorttones.
Last,2 times longtonesin “uh”.
Several persons at the same time,but every person can do freely.
There is no rule for that.
And no complicated theory, too.
When we do this exercise,we can concentrate on our voice, and harmony.
All we have to do is,feel free and use the voice following our body and soul.
It always cause so beautiful harmony.
Sometimes, one can read poem, or story, and sometimes pianist or bassist can play improvising with.

スキャット(声で即興をすること)をしてみたいけれど、どうすればよいかわからない、スキャットをしようとすると、いつも身体が固まってしまう、という方もおられるのではないでしょうか。
わたしもずっとそうでした。
そのような方には、まずなにも考えずに、感じるままに声を出してみるこの練習法をおすすめします。
ひとりだと、ハーモニーはできませんが、ただいろいろな種類の声を出してみる、自分の声の可能性をさぐってみる、というのは、とてもわくわくする、楽しい作業ですし、すべての前提になる大切な練習のように思います。
If you don't know how to scat(improvisation on voice), and always become tense when try to scat, i recomend you this method.I had always become tense,too.
Just use voice freely.
If you practice by yourself, maybe it will be difficult to make harmony, but just trying many kinds of your voice, seeking the possibility of your voice will be very thrilling and fun.
It is very important and will be precondition for everything.

それから、ブルーズbluesの練習があります。
Jayさんのクラスでは、いくつかのブルーズを覚える(歌詞ではなく、音だけで)ことと、そのなかでスキャットする練習をしました。
教わったブルーズは、C jam blues, Straight no chaserなど,数曲です。
Then, the practice for blues.
Jay taught us some kinds of blues(without lyrics) and improvising with them.
For example, C jam blues, Straight no chaser,and so on..

インプロビゼーションの具体的なアイデアについては、次回書きたいと思います。
i am going to write about idea of improvisation, next time.

ジェイさんの発声練習については、”Jay Clayton's Jazz Vocal Practice Series CD”に入っていますので、ご興味のあるかたはみてみてください。
このCD、わたしも使っているのですが、とてもいい教材だと思います。
vol.1には、発声練習の他、Now's the time, Autumn Leavesなどが入っています。
About Jay's vocal exercize, check here.

また、教則本の、”Sing your story"では、さまざまな種類のイントロ(前奏)やエンディング(終わり方)の紹介があり、インプロヴィゼーションの練習用のCDなどがついています。日本語訳も出ているそうです。
And,in Jay's "Sing your story", introduces some kinds of intro, ending.
It has CD for improvisation and Japanese trans.


長くなりましたが、今回はこのへんで!
Thank you for reading this note. See you next time!