にわとりのにわ a hen's little garden

歌うたい時々クラリネット吹きの日高由貴のblog。
ちいさなこころのにわの風景をすこしずつ書きとめていきたいです。

海からの贈物

2006年09月12日 | 日々のこと
最近、自分のなかの所有欲と闘っています。

なにか素敵なものを見つけたときに、
なんでもすぐお金を払って自分のものにしたいと思ってしまうのは、
そのものに対する冒涜なのではないか。

もちろん、気に入ったものをなんでも手に入れることは経済的に無理なのですが、
手に入れたいという焦燥感にも似た思いに駆られているときは、
「買えない」ということが世にも不幸なことに思えることが多々あります。

そのとき、頭の中はそれを手に入れたいという思いでいっぱいになっていて、
目の前にあるものの美しさを愛おしんだり、慈しんだりする余裕はどこかにいってしまっている。

結局、そういうふうにして手に入れたものたちは、
手に入れたことで満足してしまい、
ほんとうに大切にはしてこなかったのではないか。

こころがほんとうに満足していないから、
買っても買ってもまだ足りないような気がしてしまうのではないか。

もちろん、物欲は消えることはないでしょうし、
ものを買うことが悪いことだとは思いません。

ただこれからは、ひとつひとつのものを買ったり、自分の近くに引き寄せる過程を、
時間をかけてゆっくり考えて味わっていきたいなと思います。


そんなことを考えさせてくれた本でした。


***Anne Morrow Lindbergh,"Gift From The Sea",1955.
アン・モロウ・リンドバーグ『海からの贈物』新潮社、1967***