奈良その2
奈良公園内にある興福寺は藤原氏の
氏寺で、古代から中世にかけて強大な
勢力を誇りました。
最盛期には百か院以上の寺院が建って
いたそうです。
比叡山延暦寺とともに「南都北嶺」と
称されました。
現在は寺に塀が無く、公園の中に寺院
がある状態です。
一乗院跡は現在奈良地方裁判所、大乗
院跡は奈良ホテルです。
明治時代の廃仏毀釈の嵐の中で、一時
は廃寺同然となり、五重塔さえ売りに
出る始末でした。
その後、廃仏政策の反省から再興が許可
され、徐々に寺観が整備されて現在に至
ってます。
五重塔は730年(天平2年)、光明皇
后の発願で創建されました。
現存の塔は1426年頃に再建されたも
のです。
高さ50mで、木造としては東寺五重塔
に次ぎ2番目の高さです。
春日大社は全国に約1000社ある春日
神社の総本社です。
藤原氏の守護神が白鹿に乗ってきたとさ
れることから、鹿を神使としています。
(一ノ鳥居)
春日大社の創建は768年(神護景雲
2年)。
主祭神は四柱を総称して春日神と呼ばれ
藤原氏の氏神です。
藤原氏の氏神・氏寺の関係から興福寺と
の関係が深く、神仏習合が進むと、春日
大社と興福寺は一体のものとなっていき
ました。
(中門・御廊)
明治4年、春日神社に改称され、「官幣
大社春日神社」となります。
昭和21年、近代社格制度の廃止により
単に「春日神社」とすると、他の多くの
春日神社と混同する為、「春日大社」に
改称されます。
現在は式年造替(20年に1度の社殿の
修築事業)中です。
古代より連綿と行われてきました。
今次造替は平成19年の一ノ鳥居より始
まり、平成28年の本殿の正遷宮をもっ
て完了します。
色鮮やかな朱の御殿や諸社殿を往古と変
わらぬ姿で見ることが出来ます。
(続く)