Don't Kill the Earth

地球環境を愛する平凡な一市民が、つれづれなるままに環境問題や日常生活のあれやこれやを綴ったブログです

結果無価値と所有権テーゼ

2020年03月14日 08時17分20秒 | Weblog
しみけんがAV業界から消えた作品について問う…"処女喪失"は傷害罪となるのか?橋下徹氏が分かりやすく解説!『NewsBAR橋下#30』毎週木曜よる11時放送中!

 この問題について、橋下徹氏が、「結果無価値」と「行為無価値」とを対比させて分かりやすく論じている。
 刑法総論の基本中の基本だが、この論争は根が深いし、学者の対立も激しい。
 故平野龍一先生から直接聞いた話なのだが、刑法で「被害者の承諾について論ぜよ」という趣旨の問題が出た年に、受験した先生のゼミ生全員が司法試験に落ちたそうである。
 当時の刑法の試験委員は、すべて行為無価値論者だったらしい。
 これに憤慨した先生が、当時の法務事務次官に対し抗議を行ったところ、翌年からは刑法の試験委員に1人は結果無価値論の学者が入るようになったということであった。
 このことからも分かるが、結果無価値と行為無価値の対立が最も先鋭にあらわれるのは、(橋下氏も指摘する)「被害者の承諾」なのである。
 結果無価値の考え方からいくと、出演料と引き換えに自分の処女膜を傷つけさせる行為も、(生命の危険を生じさせない態様の)臓器売買も、相手方の行為には違法性がないということになるが、これはやはりおかしいと思われる。
 私見では、結果無価値論には「所有権テーゼ」(例えば、「身体は自分の所有物なのだから、どのように扱ってもいいはずだ」という考え方)が流入しており、混乱を招いているように思われる。
 難問だが、(身体の)「占有」という概念を導入する、あるいは、「売買」などエシャンジュ(echange)の要素が入れば直ちにアウトと扱うなどして、「所有権テーゼ」を切る必要があるのではないかと思う。

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