バッハ:フランス組曲 第5番 ト長調 BWV816
ショパン:4つの即興曲
第1番 変イ長調 作品29
第2番 嬰へ長調 作品36
第3番 変ト長調 作品51
第4番 嬰ハ短調 作品66 《幻想即興曲》
ラフマニノフ:ヴォカリーズ 作品34-14(リチャードソン編)
ラフマニノフ:楽興の時 作品16
第1番 変ロ短調(アンダンティーノ)
第2番 変ホ短調(アレグレット)
第3番 ロ短調(アンダンテ・カンタービレ)
第4番 ホ短調(プレスト)
第5番 変ニ長調(アダージョ・ソステヌート)
第6番 ハ長調(マエストーソ)
ショパン:4つの即興曲
第1番 変イ長調 作品29
第2番 嬰へ長調 作品36
第3番 変ト長調 作品51
第4番 嬰ハ短調 作品66 《幻想即興曲》
ラフマニノフ:ヴォカリーズ 作品34-14(リチャードソン編)
ラフマニノフ:楽興の時 作品16
第1番 変ロ短調(アンダンティーノ)
第2番 変ホ短調(アレグレット)
第3番 ロ短調(アンダンテ・カンタービレ)
第4番 ホ短調(プレスト)
第5番 変ニ長調(アダージョ・ソステヌート)
第6番 ハ長調(マエストーソ)
辻井さんの日本ソロツアーは、全公演でチケットは完売である。
半年間にわたる長丁場で、今月は大詰めとなるが、今日も出だしから快調である。
一つ一つの音の響きが清々しく、美しいのである。
これは、ピアニストのコンディションが良いことを示している。
さて、曲目について言えば、昨年はラフマニノフ生誕150周年だったので、それにちなんでラフマニノフの、しかも辻井さんが過去に弾いたことのない曲を意識して選択したということであった。
「ヴォカリーズ」は、スコットランドの作曲家・ピアニストである Alan Richardson の編曲だが、まあ、何と難しい曲にしたこと!
続く「楽興の時」全6曲も、おそらく最高難度の曲ばかりである。
これをずっと正確に弾くピアニストは超人的だと思う。
パフォーマンスの素晴らしさに気分が良くなったのか、辻井さんはアンコールを3曲も弾いてくれた(なので、終演が予定より30分(!)ほど遅くなった)。
1曲目は、定番と化した感のあるショパン:ノクターン第20番「遺作」で、これは日を追うごとに出来栄えが良くなっている印象である。
2曲目は、演奏機会の少ない曲で、ベートーヴェン(リスト編曲)「遥かな恋人に」で、リストらしい派手な編曲である。
さて、アンコール3曲目で、大事件が起きた。
辻井さんは、椅子に座るや否や、何者かが憑依したかのように、他のピアニスト(最近このホールで弾いたブルース・リウや亀井聖矢)の1.5倍速ほどの物凄いスピードで、しかも、ピアノを叩き壊さんばかりの山下洋輔氏以上のヴォルテージで、リスト:ラ・カンパネラを弾き始めたのである。
私も辻井さんのコンサートは相当数足を運んでいるが、今まで見た中では間違いなく一番激しい演奏ぶりである。
途中からもう音を追うのも諦めてしまいたくなるような超スピードで、湯気が立ちそうな激しいタッチが続く。
演奏終了後は、もちろんブラボーの嵐だったが、試合を終えた格闘技選手のような辻井さんの姿が印象的だった。
こういうのがあるから、コンサート通いはやめられないのである。