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Don't Kill the Earth

地球環境を愛する平凡な一市民が、つれづれなるままに環境問題や日常生活のあれやこれやを綴ったブログです

カタリーナ、スケープゴート、フィロクテーテース(10)

2023年11月30日 06時30分00秒 | Weblog
 もう一つの「悲劇」の類型は、「新参者による反撃」である。
 「加入礼」において暴力(又は圧力)を受けた新参者が、自分を守ろうとして、加害者に対し暴力(又は圧力)をもって反撃するのである。
 この行動は、原始的防衛機制としての「攻撃化」として説明出来るだろう。

 「次は攻撃化(aggressivization)です。これは攻撃するのが防衛というメカニズムです。さっき言った投影性同一視で先制攻撃をするというのもあります。」(p198)

 「攻撃」が「攻撃者」に対して向けられる(ゆえに「反撃」)現象は、早くもアンナ・フロイトが指摘していたものである(抑圧されたものの行方(2))。
 この際、自我が未発達な人などは、「先制攻撃」に走り、加害者を破壊してしまう。
 この問題で私がいつも思い出すのは、「フルメタル・ジャケット」第1部のラストシーン(微笑みデブとハートマン軍曹)である。
(もっとも、微笑みデブは最初からハートマン軍曹を殺すつもりがあったとも思えないので、「反撃」といって良いかは疑問だが・・・。)
 なので、私はこの類型を、「微笑みデブの反撃」と呼びたいと思う。
 もっとも、「不慮のスケープゴート」と比べてこの種の事案は多くないと思われるので、表題には敢えて加えなかった。