Don't Kill the Earth

地球環境を愛する平凡な一市民が、つれづれなるままに環境問題や日常生活のあれやこれやを綴ったブログです

惨劇の忘却

2018年12月13日 07時52分42秒 | Weblog
「写真映え」求め迷惑行為 神戸ルミナリエで水まき撮影
 「阪神大震災の犠牲者を追悼し記憶を伝えるため、神戸市中央区で16日まで開催している光の祭典「神戸ルミナリエ」の会場で、来場者が地面に水をまき散らす迷惑行為をしていたことが12日、分かった。十数人が電飾が水面に反射する様子をカメラで撮影していたという。主催する神戸ルミナリエ組織委員会は「犠牲者を鎮魂するのが祭典の趣旨。節度を持ってほしい」と呼びかけている。

 震災から数年後、私は神戸で働いていた時期がある。
 そのときの支店長は、「いつまでも地震のことばかり思い出していてはいけない」と(人を選んで)よく言っていたが、それは、人間のデストルドーをよく理解した深い言葉だったと思う。
 惨劇を思い出すことは、人間が死へ向かおうとする衝動を促進する効果もあるので、注意しなければならない。例えば、有名人の自殺報道には、自殺を促進する効果(ウェルテル効果)のあることが知られている。また、復員軍人の自殺率が高い一因は、おそらく戦地での悲惨な体験がフラッシュバックすることもあるのではないかと思われる。
 そういう目で見ると、「神戸ルミナリエ」の会場にインスタ映えを狙って水をまき散らす人たちは、震災の惨劇をすっかり忘れた、デストルドーとは無縁の人たちということなのかもしれない。
コメント
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