サーファー院長の骨休め

“ビッグマッサータハラ”のライフスタイル

ガソリンスタンド

2024-08-27 | サーファー院長の骨休め by 毎湘通信
「ガソリンスタンド」     2024年8月

 秀でた才能があるわけではなかったが、人と違うこと、自分にしかできないこととは何か。親からもらったこの恵まれた体格と健康なカラダくらいしか誇れるものはなかった。この健康を活かした仕事、そう考えてマッサージの道に飛び込んだ。良き師匠にも会い、厳しい修行に耐え、自分の手で生きて行けるようになった。患者さんが増えることが喜びとなった。ところが頑張れば頑張るほど体力が消耗した。一日が終わると立ち上がれないほどの疲労を感じるようになった。

 この仕事は気を奪われる。気が充実していないといい仕事ができない。息吹きと共に指先から気を送り込み気海丹田に降ろし、浄化し、再び相手に吹き入れるのだ。自分も相手から気を吸い込みながら、気を失わないようにしている。治療が終わると口々に「これでエネルギーが充電できた。明日から頑張れる。」と言う。「俺をガソリンスタンド代わりに使わないでくれ。」と嘆いたこともあったが、幸い自分には海があった。海で気を養うことができた。相変わらず仕事は忙しく曜日によっては、2ヶ月、3ヶ月待ちということもあって、当日電話がかかってきてもお断りしなければならなくなってきた。広い店舗に移動し、人を雇った方がいいのかと考えていた。そんな時「私を弟子にしてください。」という一人の女性が現れた。つづく。


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