西風に吹かれて

日本の西端にある基地の街から、反戦や平和の事、日々の雑感を綴ります。

付け替え道路工事再開18日目

2016-08-24 15:21:25 | 石木ダム
午前8時40分、佐世保市にある県北振興局の公用車で、2名の応援がやって来たと連絡が入る。

このところゲート前にやって来るのは、ダム事務所以外からの応援を受けた時だけだ。
県北振興局から2名の応援があったのなら、今日はゲート前に来るのだろう。

それに、応援者としてくる職員はみんな若い。今年入庁したのではないかと思われるような若者が多い。
県の河川課は、この「石木ダム付け替え道路工事」のゲート前で新人研修をやっているのではないかと思えてくる。


午前9時30分、所長をはじめとするダム事務所の職員9名と県北振興局からの応援2名、それに業者3名の14名がM採石場のところから歩いてやって来た。



建設係長は、いつもの撮影用のビデオだけでなく紙袋を提げている。


所長はいつものように「妨害行為を止めて通路を開けてください。」という。
次長も「ここを通らないと工事に着工できません。通してください。」という。



しかし、私たちは工事をさせないために、このゲート前で座り込みをやっているのだ。

13世帯60人の生存をかけた闘いなのだ。

「さあさあ、県の職員さまお通り下さい。」というわけにはいかない。



所長は、「横断幕とか番線とか撤去していただけない場合は、県のほうで撤去します。撤去していただくまで猶予を持ちたいと思います。」と言って、用意してきた通告文を読み上げ始めた。

はあ~なるほど。建設係長が提げていた紙袋に入っていたのはこの通告文だったのだ。

付け替え道路工事再開18日目


読み上げた後、通告文をゲートと3ヶ所に取り付けて帰って行った。





これには8月31日までに撤去しない場合は、県が撤去し6ヶ月間ダム事務所に保管するとしてある。

今後、このような妨害物を取り付けたなら、次回からは通告なしに取り外し処分するとも書かれている。


石木ダム建設阻止の闘いは、こうばるの住民60人の命を懸けた闘いなのだ。

猶予期間が過ぎたら県はどのように動くのか?

私たちには分からないが、はっきりしていることは工事をさせないために、どんなことがあっても私たちは座り込みを続けるということだけだ。


付け替え道路工事再開17日目

2016-08-23 21:27:21 | 石木ダム
いつものように午前7時30分にダム事務所前に着くと、もう総務課長と用地係長の車が止まっている。
今朝はえらく早い出勤だと思っていると、建設係長も出勤してきた。

どうやら今日はゲート前にやって来るつもりらしい。

ゲートに上がり、いつものように横断幕・幟・プラカードを取り付け、向かい側の崖下に座り込んだ。



午前8時45分、ダム事務所前から連絡がある。県北振興局から2名の応援が来たとのこと、今日は間違いなく県職員のゲートへの訪問があるだろう。

9時35分、M採石場そばで車を止め、所長を先頭にダム事務所職員9名、県北振興局からの応援2名、業者3名の総勢14名でゲートへやって来た。



総勢14名でやって来たのは、工事を再開した初日の7月25日以来だ。


ほかに言いようもないのだろうが、所長が言うことはいつも同じことだ。

「工事を再開するので、進入口を開けてください。」
「妨害行為をしないでください。」
「番線や横断幕やゲートに取り付けてあるものを外してください。」
「皆さん方が撤去されないときは、私たちで撤去します。」

ということの繰り返しだ。





そして、私たちを2台のビデオと1台のデジカメでなめるように撮っていく。





車を運転してきた職員は、地権者や支援者が広場に止めている車をビデオで撮影している。

車のナンバーからも私たちを特定しようとしているらしい。

そしてまた、私たちを訴えるつもりなのか?




石木ダムは必要性のないダムだ。捏造とも言うべき過大な水需要予測を立て、国に事業認定申請をして、認定された事業である。
その必要性のないダムのために13世帯60人が住む家屋・田畑・山林について収用委員会に裁決申請をし、すでに一部は強制収用されたのだ。

市議会に「石木ダム建設促進特別委員会」なる委員会まで作り、ダム建設の先頭に立ってきた佐世保市。
市民として恥ずかしいし、このダム建設に反対しなければ地権者のみなさんに申し訳が立たない。

だから私は、明日もゲート前で座り込みを続ける。





付け替え道路工事再開16日目

2016-08-22 21:26:12 | 石木ダム
午前8時、清流の会のY子さんと一緒にゲート横のテントに到着。

テントの中はむっとする様な暑さだ。テントのシートを急いで上げて空気を入れ替え、大型扇風機のスイッチを入れる。

それから幟や横断幕、プラカードを取り付け、ゲート前の崖下に椅子を並べた。




午前9時15分、ダム事務所前の支援者から「今日は、応援の職員が来ていない。業者は3社来ているが事務所2階の会議室に上がって話し合いをやっている。」と連絡があった。

このところ本庁か県北振興局から1名か2名の応援職員が来ていたが、それらの職員が来ていないということは、今日のゲート前訪問はないのかもしれない。

午前9時34分には、ダム事務所の軽乗用車と業者の車と思われる白いボンゴ車がこちらに向かったとの情報が入った。

ひょっとしてゲートの様子を見に来るのかもしれない。
すぐにゲート前に立てるよう準備だけはしておこう。

9時38分、ボンゴ車を従えたダム事務所の軽乗用車は、ゲート前を通り越しどうやら木場のほうへ向かったらしい。





30分後、2台の車は石木へと下って行った。30分間もどこで何をしていたのだろうか?


業者は3社とも10時30分に話し合いを終えダム事務所を後にしている。

これで今日はもう、所長以下、職員たちのゲート訪問は無くなった。


この後、私は先日から工事が始まった「県道拡幅工事」の現場へと向かった。



広げる道路幅に杭が打たれ、一部にはセメントも流し込まれていた。





こちらは今年の12月までの工期である。

現在のところ、最初の計画のように、この拡幅工事が付け替え道路につながる橋げたの工事までを含むものではなくなって、ほっとはしているが、ダム工事を本当にやるのなら、広くなった県道から付け替え道路につながる橋の工事もやることになるのではないか?

こちらも注意して見ておかなければならない。


付け替え道路工事再開15日目

2016-08-19 21:22:20 | 石木ダム
7月25日から再開した付け替え道路工事は、今日で15日目となった。

天気は曇りで、昨日までの暑さと比べると少しは凌ぎ易そうに思える。



午前9時、ダム事務所前の支援者から「佐世保の県北振興局の職員2人が応援にきた。それとダム事務所の軽乗用車が1台ゲート方面へ向かった」と連絡が入る。

このところ応援者が来た時だけ、所長以下県職員はゲート前へやって来る。

今日もゲート前へやって来るに違いない。

ダム事務所の軽乗用車も、私たちが座り込んでいるゲート前を通り越して木場のほうへ向かって行ったが、9時20分には石木へと下った。座り込んでいる私たちの人数確認などに来たのだろうか?



午前9時45分、M採石場上のカーブでダム事務所の白いワゴン車と2台の軽乗用車が止まり、県職員9人と業者3人が私たちがいるゲート前まで歩いてやって来た。



所長は開口一番、「工事のために現場に入るので進入を妨害しないでください」と言う。

「番線などの障害物を撤去してください。自主的に撤去されないときはこちらで強制的に撤去します。」とも言う。



しかし、本当に工事をやる気があるのかどうか疑わしいのだ。

業者は3人だけで、機材も何も持ってきてはいない。

多いのは県の職員で、こちらはビデオにデジカメで私たちを撮りまくっている。

どう考えても、工事をするより私たちを「妨害行為」で訴えようとしているのではないかと思えてくる。


私たちは現在、国に対して「事業認定取り消し」の訴訟と県と佐世保市に対して「工事差し止め」の訴訟を起こしている。

しかし、たとえ裁判で勝訴したとしても、工事が進んでいたなら運用が開始されてしまう。
これまでの同様の裁判でも、ほとんどが運用開始になっている。

そうならないために、私たちは工事を止めていくしかないのだ。







付け替え道路工事再開14日目

2016-08-18 19:35:27 | 石木ダム
午前9時15分、ダム事務所前にいる支援者から「今日は、応援の職員は来ていない。業者はいつもの3社がきているが、事務所2階の会議室で話し合い。」との連絡が入る。

お盆前も本庁の河川課からの応援があっていたし、昨日は佐世保の県北振興局からも応援が来ていた。

職員の応援がないということは、今日はゲート前にやって来ないかもしれない。


長崎からは、6名もの支援者の方が駆けつけてくださった。



初めて来られた方が、「素晴らしいところですね。こんなところにダム建設だなんて考えられませんね。」と話される。

そうなのだ。初めて来られた方のほとんどが「こんなところにダム建設だなんて!」と発言される。

20年前、私も初めて「こうばる」を訪れたとき同じセリフを言ったのだった。



日差しは強く相変わらず暑いが、ゲート前を吹き抜ける風が気持ちいい。

座り込んでいる私たちのところへ、木場のNさんがハイビスカスに似た花を持ってきてくださった。



聞けばオクラの花だが、「花オクラ」と言って実はつかず花を食べるのだという。珍しいので私も一ついただいた。


11時になり、もうダム事務所からはやって来ないだろうとのことで、私は石木川沿いを歩いてみた。

M採石場前の川のそばには柿の木があって、今年も沢山の実をつけている。



9月になったら色づき始めるのだろう。楽しみだ。

ダム小屋の横の柿の木にも沢山の実がなっている。こちらも楽しみだ。






毎日の闘いに追われ季節感など無くしていたが、こうばるの風景は、秋がそこまで来ていることを感じさせてくれる。