西風に吹かれて

日本の西端にある基地の街から、反戦や平和の事、日々の雑感を綴ります。

いったい何!

2010-08-30 09:30:52 | 日記
昨日の朝刊に入ってきた、水道局(多分)のチラシをご覧になっただろうか?

朝起きてダイニングに行くと「これ見らんね。」と、夫が怒った口調でチラシを渡す。




いつも朝刊が来るのを待っているほど早起きの夫は、新聞に入っていたこのチラシを見て
私が起きていくまでの間、一人で怒り心頭に達していたらしい。

「9月6日は水を大切にする日」との見出しがあり、

①させぼは水源確保が難しい
②毎日の水を確保できていません
③気象の変化も影響しています

とある。そして、石木ダムが出来ればそれらがすべて解決するかのような内容だ。

①については、唖然とせざるを得ない。
この5、6月、佐世保のダムは満杯になったため、ほとんど溢水していたはずだ。
下原ダムも菰田ダムも私たちが見に行った時には、綺麗な波紋を描いて水が流れ落ちていた。
もったいないな~。この水を溜めておけたらな~。と思ったのだから。



②についても、水道局との話し合いの中で、私たちが完全に論破したことではないか。
いつのデータを使っているのか、人口の減少や節水機器の普及で水の使用量は減っている。
それに、佐世保市には一日1万トンの漏水があるのだ。
漏水対策を早くからやっていれば、水道料金の大幅な値上げや一般会計からの多額の繰り入れもなかったはずだ。

③の気象変化の影響は、何をか言わんや!
77000トンの安定水源と言われている水量も確保できていないだって!?

とにかく、意図的に間違った情報満載のチラシである。

早急に「石木川まもり隊」の仲間達や「水問題」の方々と相談して、水道局に申し入れをやらなきゃ。


アデン アラビア

2010-08-26 20:03:56 | 反戦・平和
「アデン アラビア」といえば、フランスの作家ポール・ニザンの名作であるが、いまやアデン アラビアは海賊が横行する危険な海域だと言われている。

その危険な海域に、海上自衛隊の護衛艦「まきなみ」が海賊対処法により派遣された。



1月に派遣された護衛艦「さわぎり」に次いで、佐世保からは今年2隻目の派遣となる。
「まきなみ」には、大村のヘリコプター部隊の8人と、ヘリコプター2機も搭載されている。

佐世保からの海上自衛隊の海外派遣は、湾岸戦争後に機雷処理のため掃海艇が派遣されて以降、延べ27隻に上っている。



ソマリアの海賊は、一説によると内戦による難民だとか、また一説によると欧米の放射性廃棄物の海洋投棄で漁が出来なくなった漁師だともいわれている。

その海賊から国益を守るため、毎分4500発の弾を撃てる機関銃を装備した護衛艦を送り込む。軍隊を出してまで、守らなければならない国益って何だろう?

自衛隊の海外派遣には慎重で、国連平和協力法にも多くの国民が反対したに、PKO法が成立した以降は反対の声も下火になり、自衛隊の海外派遣も日常茶飯事のことになってきた。



いったいこの国はどうなって行くのだろうか。

父の原稿

2010-08-25 20:35:59 | 日記
父は、私立高校で国語の教師をしていた。

そして、地元の雑誌や新聞に、随筆や雑文を書いたりもしていた。

11年前に亡くなったとき、書きかけの原稿や、草稿と思える走り書きの文章などが出てきたが、
整理もせずにそのままにしていた。

佐世保在住の郷土史家の方が読みたいということで、段ボール箱に詰めてお貸ししたが、
すっかり忘れてしまっていた。

先日、その段ボール箱が帰ってきて、ぼちぼち開いて読んでみたりしている。

中には、地元放送局のラジオドラマのシナリオや、青年団の文化祭で上演される劇の台本などもあり、
「へぇ~、こんなものも書いてたんだ。」と驚いたりもした。

そして、その中から「詩」の原稿が出てきたが、この詩は、私も覚えていた。

S自動車の観光パンプレットのために書かれた詩で、夕焼けの九十九島の写真と一緒に
巻頭を飾ったのだった。

原稿は2種類あって、1枚は紡いだ言葉が逃げないよう大急ぎで書いたと思われるもの、もう1枚はそれを清書したと思われるものだ。

おかしいのは、詩の題名がそれぞれに違う事だった。
「落日の歌」と「西海夕映頌」、父はどちらを付けたかったのか?

今となっては、もう何も分からない。

     

青から朱への変貌
そして 暗黒への突入―
その「そして」の時間

宇宙の半円を紫に染め
支那海の空をもやし
数百の島を黄金の島とし
真紅の太陽
荘厳の終焉
久方の光の
落日

暗黒へ移行する一瞬
東天に星の気配が動く時
―人間は神になった


今日から明日への推移
そして 未来への希望 
その「そして」の断面

地球の自転を紫で塗り
異国の空をこがし
数万の銀波は水平から寄せ
真紅の太陽
神秘の誕生
千早ぶる神の
開宴

明日を信ずる一瞬
幸福へ祈りをささげる時
―人間は天国へ歩いた 




  

広報させぼ

2010-08-24 21:07:55 | 市民活動
「広報させぼ」は、佐世保市が毎月一回発行している広報紙である。



もう7年前になるだろうか、友人2人と3人でこの「広報紙」を読みあう会を始めた。

「自分達が住んでいる街の行政にもっと関心を持とう。情報をうのみにしないで、批判的に読み合おう。
疑問点は行政に質していこう。」

そうすれば、少しは住民自治に近づけるのではないか?

佐世保市が行っている、出前講座を利用して職員の方に来てもらって、詳しい説明を受けたりもする。


今日は残暑きびしいせいか、4人の参加。

今月号はトップページが「いしだけ動植物園」の特集だった。
この中で、『動物たちとゆっくり触れ合ってもらいたい。』という園長の発言と、来園者にライオンの放飼場に入ってもらい、ライオンに餌を探させるというイベントの紹介がされている。

これを読んだ最年長86歳のYさんが、「危険じゃないのだろうか…という疑問が湧いたので、市に質問のはがきを出しました…」と言われる。 なるほど、、、。

まだ回答は来ていないそうだけど、面白いな~。86歳の頭の柔らかさにも感心。


それから、全員が疑問に思った記事は、暮らしと情報コーナーの「レディース&カップル競輪教室」の記事。
分かりやすい競輪予想教室だそう。

これって何?

公営とはいえ、競輪ってギャンブルじゃないの?税金を使ってギャンブルの勝敗予想教室までやるか?

みんなで、「おかしい!」ということになった。市に問い合わせをしてみなきゃ。

ピースクルーズ

2010-08-22 20:21:22 | 反戦・平和
I女性会議主催の【港めぐり】に出かけた。

佐世保基地を海から見てみようという取り組みである。

陸上からは分からない基地の様子が見えて、びっくりすることも多い。
このクルーズは毎年行われていて、私も今回で4回目である。
市外、県外からも参加があり、全部で70名もの人数となった。

今日の案内は息子のような、リムピース編集委員のHさん。
歯切れがよく、分かりやすくて、なかなかの解説ぶりだった。

最初に、米海軍佐世保基地の司令部がある平瀬地区から案内が始まった。



司令部横には、日章旗、星条旗、国連旗がひるがえっていて、在日米軍は国連軍として駐留しているとの説明を受ける。

次にジュリエットベースンへ。ここは小型船の上陸施設であるが、現在は揚陸艦のための大型岸壁を建設中である。
ここから、私たちが乗っている船の横を、米軍のセキュリティ船が猛スピードで並走してくる。



4年前に原子力空母リンカーンが入港した際、抗議船を出していた市民に向かって、機関銃を向けた船である。


( リムピースHPより )

今日も、3隻のセキュリティ船が交替で私たちが乗った船を追いかけ、写真を何枚も撮っていた。



立神桟橋には、自衛隊の艦船が泊まっている。イージス艦「こんごう」や「ちょうかい」の姿もある。



インディアンベースン、ドライドックを右手に見ながら、赤崎岸壁へ。
1996年に大型艦船が繋留出来る様になってからは、原子力潜水艦の停泊場所となり、一度に3隻もの原子力潜水艦が停泊したこともあるのだ。



すぐに、赤崎貯油所が見えてくる。
この貯油所と本船・庵崎・横瀬の貯油所を合わせると大型タンカー4隻分の貯油能力とのこと。すごいな~。
それは全部、軍隊のためのもの。つまり、戦争するためのものっていうわけなのだ。



そして、向後崎へ。
ここは佐世保港の港口、佐世保市向後崎と西海市寄船との間は800mほど。
外海がどんなに荒れていても、港口を入ると穏やかな港が広がって、佐世保市歌にも「波を鎮めのこの港…」と歌われている。
長崎港の10倍、横浜港の3倍という広さの佐世保港は、その83%が米軍への提供水域であり、私たちが勝手に使えない港である。



横瀬貯油所が見えてくる。



現在、この前の海を埋め立てて、LCACの駐機場と整備場を建設中であり、最終的には12機のLCACを受け入れる予定だとか、、、。


右手奥に、針尾の無線塔、浦頭引揚記念公園が見える。

自衛隊の針尾弾薬庫、米軍の針尾弾薬集積所も見えて来る。
ここは前畑弾薬庫の移転先として整備され、新たな弾薬庫が建設される予定だ。
規模は小さいけれど、沖縄の普天間と辺野古のような関係が佐世保にもあるのだ。


次は、LCACの整備場がある崎辺地区へ。



ここは、子どもの頃、長崎大学の水産学部があったところで、小学校の遠足で何度も来た事がある場所だ。
でも、今は陸からも海からも行くことは出来ない場所である。


いよいよ、前畑弾薬庫。



陸から見るより、海から見たほうがずっときれいな施設。
トンネル式の弾薬庫で、周りは緑の土塁で囲まれている。
現在、トンネル式12棟、小屋組木造式が22棟の34棟の弾薬庫がある。



弾薬庫の上には、住宅地が広がっていて危険だとして、針尾弾薬集積所へ統合移転する事が
いわれている。
また、2006年10月には、弾薬庫内の倉庫が火事になったが、米軍は佐世保市消防局の消火応援を拒否して、
延々5時間以上に亘って燃え続け付近の住民達を不安に陥れるという事態も起こっている。

最後は海上自衛隊の倉島地区。
5隻の護衛艦と3隻の掃海艦小型のタンカーなど、自衛隊の艦船が繋留されている。




約1時間半に亘る基地めぐりが終わった。
港から見る佐世保は、海からの侵入を防ぐためか?海際をフェンスで囲んだ不思議な街だった。