西風に吹かれて

日本の西端にある基地の街から、反戦や平和の事、日々の雑感を綴ります。

午前2時の攻防

2015-09-30 15:47:46 | 石木ダム
深夜2時の所長の顔もこんな顔だったのだろうか?



この写真は、昨日のゲート前での写真だけれど、もっと苦い表情だったのかもしれない。


暗い中で携帯電話の呼び出し音が鳴っている。

明かりをつけ「え~っと、携帯はどこだ?」探しているうちに切れてしまった。

時計を見ると午前2時30分だ。携帯を探し出し、急いで着信履歴を見ると反対同盟のスミ子さんからだ。

大型重機の搬入か? 何か起こったに違いない。 とにかく現地に行かなければならない。

そこへ「まもり隊」のIさんから電話。「県職員と大型トラックが来てるって!」
現地へ行くのに車で迎えに来てくれるという。

夫を起こし仕度をしてすぐに迎えに来てくれたIさんの車でこうばるへ。

佐世保市を抜け川棚町に入ったころに再び電話。県職員も業者も追い返したので来なくても大丈夫だとのこと。

でも、「もうすぐ着くから行きますよ。」

ゲート前に到着すると、地権者のみなさん、川棚町の支援者のみなさん、40人ほどが集まっておられた。



県職員・業者を追い返したので、みなさんなごやかな雰囲気だ。

話を聞くと、午前2時に石木郷の支援者の方が地面が揺れるような振動で目がさめ、外をのぞいてみると大型トラックがこうばるへ上って行ったので、もしやと思いゲートに駆けつけられたのだとか。

すぐに集まった地権者・支援者とで県職員に抗議し、資材を乗せた4トントラック3台と重機を積んだ大型トラック、プレハブハウスを積んだトラック計5台のトラックを追い返したのだ。

すごいな~! 団結力の勝利。

佐世保から私たちも駆けつけたので、みんなで暗いゲート前で記念撮影をして解散となった。

一旦自宅に戻り、いつもの時間に再度こうばるへ。

座り込みをやっても、重機が入らなかったので、みんなどこかはしゃいだ様子だ。



お昼前から雨が降り始め、ダム小屋も小屋の横にある柿の木もしっとりと濡れている。
ここの柿の実は甘くて美味しいと評判だ。赤くなったら食べさせてもらおう。






午後までゲート前で待機したけれど、結局、今日は県も業者もやって来なかった。







付替え道路工事再開93日目

2015-09-28 22:02:53 | 石木ダム
石木ダムの付替え道路工事の現場入り口で、業者を現場に入れないように抗議行動を始めてから今日で93日目となった。



5月19日爽やかな初夏真っ盛りに始まった抗議行動も、7月、8月を過ぎ、とうとう秋に突入した。

5年前の抗議行動は、3月の終わりから7月23日までの4ヶ月間で、ゲート前に張ったテントの中で行なったけれど、今回は遮るものもない炎天下で県職員・業者と対峙してきたのだ。

しかし、ようやく秋の訪れが感じられる毎日になり、地権者も支援者も元気が出てきている。

今朝は9時52分、県職員と業者が4台の車に分乗してゲート前にやって来た。

県職員の中には、本庁からの応援者2人も含まれている。

「みなさん、中へ入れて下さい。」「皆さんがやっていることは妨害行為ですよ。」所長が言っている。

毎朝同じことの繰り返しだけれど、業者を中に入れるわけには行かない。

これ以上、工事を進めさせるわけには行かない。とにかく工事を遅れさせること。

いま私たちがやれることはそれしかないのだ。

私たちは毎日、横断幕やネットを張って業者の進入を阻んでいるが、今日は新兵器(?)栗の実を収穫したあとのイガをフェンスに括り付けて対抗した。





所長がイガを指差して「これは凶器ですよ。」と言ったときには思わず笑ってしまったけれど、思いがけない物があらわれてびっくりしたのだろう。

県職員・業者はそのまま帰って行った。




今日は、県職員と業者の来訪はその1回だけだったが、メインゲートからではなく他所の入口から入っているかもしれないと、見回りにも出掛けた。

しかし、業者が入った形跡は無く少しほっとする気持ちになった。

7月はじめから言われていた大型重機の搬入もまだ行なわれていない。

とにかく重機搬入を止める事。これ以上、工事の進捗を許さないこと。それがこれからの私たちの目標だ。





シルバーウィーク明けのゲート前

2015-09-24 19:39:31 | 石木ダム
9月19日から23日までのシルバーウィーク期間中は、石木ダムの付替え道路工事もお休みとなっていた。

今日から再開されるということで、早朝から「こうばる」へと出掛けた。



昨日、雨が降ったからなのか今朝のこうばるは白い霧につつまれている。



メインゲート前から現場へ目をやると、もう白いススキがゆれていて、こうばるはすっかり秋の気配だ。




9時18分、ダム事務所所長を先頭に県職員、業者、ガードマンが現場にやってきた。

5日間も休みだったからか、みんな張り切っているようだ。

「妨害行為はやめて下さい。」「横断幕も妨害ですよ。」ゲート前にいるだけでも妨害だし、横断幕を持って立っているのも妨害行為、県に言わせると私たちがゲート前で何かやることはすべてが妨害行為なのだ。



でも、私たちは業者を現場に入れないこと、工事を少しでも遅らせることを目的としている。

石木ダムは、まだ、何一つ出来ていないのだ。
ただ、5年前に工事を中断したために、また伸びた雑木林や草を伐採したに過ぎない。





それも全部が終わったわけではない。

まだまだこれからが正念場なのだ。

今朝は、県職員・業者を追い返すことに成功した。




石木川の河原には彼岸花が咲き、クロアゲハが飛び回っていた。



秋の味覚である栗をバケツいっぱいに持って来られたり、あけびを貰ったり、ここ「こうばる」ならではの季節感を私たち支援者も存分に味わっている。





いつまでもこの美しい風景を残したい。

572回目のデモ

2015-09-19 21:33:05 | 反戦・平和
今日は「19日佐世保市民の会」の572回目のデモだ。





未明に参議院で戦争法(国際平和支援法と自衛隊法の改正やPKO協力法の改正など10の法律の改正を一つにまとめた平和安全法制整備法案)が可決された。

国会を取り巻く数万の老若男女の反対の声、日本国中あちらでもこちらでも大きな反対の声が上っているのに強行されたのだ。

こんな時は、「19日佐世保市民の会」の参加者が増える。

反対をしたいが、どこで自分の意思表示をしたらいいか分からないという人や政党と一緒に声を上げるのには抵抗があるという人などが、この小さな市民運動に参加して自分の意思を示すのだ。



今日はいつもより少し多い21人が参加。

それぞれネットで見つけた図柄でプラカードを作り、持参されていた。



夫と私も次のようなプラカードを用意して行った。





47年前にこのデモが始まったとき、日本がこんな事態になるなど誰も思っていなかったに違いない。

しかし、闘いはまだこれからだ。

これらの法律が憲法違反だとして、全国で訴訟が起こされていくだろう。

そして次の選挙で自民・公明・次世代・新党改革などに所属している議員たちを落選させなければならない。



がっくりなんぞしてはいられない。みんな頑張ろう!




付替え道路工事再開90日目(9/18)まで

2015-09-18 21:43:56 | 石木ダム
5月19日に始まった石木ダムの付替え道路工事も気がつけば4ヶ月が経過した。



この4ヶ月、県は工事が中断した5年の間にまた伸びてしまった草刈や木々の枝払いなどの伐採作業をひたすら続けてきた。

7月に現場導入と言われていた大型重機もまだ入れることが出来ないでいる。

地権者の皆さんの必死の思いが通じているのだろう。

9月16日(水)は午前9時18分、ダム事務所の古川所長、職員3人がゲート前へやって来た。



「これから雨になるとの予報なので、今日の工事は中止します。」とのこと。

なあ~んだ。昨日からパタゴニアの辻井社長がタレントでエッセイストのいとうせいこうさんや環境問題の専門家と一緒に来訪されていて、ゲート前での抗議行動をかっこよく見せたかったのに残念。

このあと川棚駅前で座り込みをやって、応援に来ていた本庁の職員2人がJRで帰庁する時に、ほーちゃんの「ダムのツボ」を「ぜひ読んでください。」と進呈した。

雨がひどくなったのでゲート前へ移動し、パタゴニアの社長やいとうせいこうさんをみんなでお見送り。



その後、「昨日の料理が残っているから、みんなで食べよう。」とスミ子さんからのお誘いがあり、こうばる公民館で手作りの料理をたらふく戴いた。





こうばるの肝っ玉母さんたちは、みなさん料理上手で、来客のときはいつも手作りの料理を振舞われるのだ。
お相伴に預かって私たちもラッキーだった。

緊張が続く抗議行動の中、たまにはゆっくりとしたこんな時間を持ってもいいよね。


9月17日(木)抗議行動89日目。

午前9時45分、所長、職員、業者、ガードマンが3台の車でゲート前へ到着。

県や佐世保市が「どうしても必要だ。」と言い張って、ダム建設を強行するのなら、私たちは工事を1時間でも2時間でも遅らせていくためにゲート前で業者を止めるしかない。



1時間、2時間の遅れが、積もり積もって大幅な工期の遅れに繋がる。
力のない私たちには、そういうことしか出来ないけれどこれをやり続けるしかない。

絶対に現場に入れない! 気持ちが通じたのか、県職員も業者も帰って行った。




9月18日(金)抗議行動90日目。

午前10時05分、今日は浦瀬企画監が先頭でやって来た。



「みなさん、工事に入りますので通してください。」と企画監が言うけれど、みんな冗談じゃないと思っている。
企画監がやって来たときは何だかみんな燃えるのだ。「絶対に入れないぞ!」



小競り合いが続いたけれど、追い返すことが出来た。昨日も今日も現場には業者を一歩も入れなかった。

一昨日もいれると3日間工事が止まったことになる。

その後、午前と午後、ダム事務所前で座り込み。



まだまだ、車の中から手を振ってくれる人がいてくれる。

この座り込みも続けていくぞ!