西風に吹かれて

日本の西端にある基地の街から、反戦や平和の事、日々の雑感を綴ります。

付替え道路工事再開43日目

2016-09-30 22:10:41 | 石木ダム
降り続いていた雨はどうやら上がったが、また降り出しそうな空模様だ。

ダム事務所前の支援者からは「今日は所長が来とらんよ。」と連絡が入る。

では、ダム事務所の職員・業者はゲート前には来ないのかもしれない‥‥と思ったのもつかの間、すぐに2台の公用車でゲートに向かったとの連絡がきた。

何だ、やっぱりやって来るんだ!

今日はみんなゲートの前に椅子を並べて座り込んでいたが、急いでネットを準備し手に手にプラカードを持った。



午前9時45分、2台の公用車で次長を先頭に6人の県職員と3人の業者がやって来た。





次長も所長と同じように「工事現場に入るので、ゲート前での座り込みは辞めてください。工事に入るにはロープ等を取らないといけません。作業をさせてください。」と言う。



しかし、「はい、そうですか。」というわけにはいかない。

建設課長は例によって写真を撮りまくっている。

私たちも随分慣れてきて、写真を撮ろうとするとさりげなくプラカードをカメラの前に差し出したり、顔を隠したり簡単には写真を撮らせない。



職員たちは私たちの前を5,6分ウロウロして帰っていったが、帰り際の次長の発言。

「引き続きお願いに来ます。出来るだけ、出来るだけ…、というか、ぜひ妨害行為は止めてください。」

「出来るだけしないでくれ」…ということは裏を返せばやってもいいということか?

「出来るだけ」という言葉がすんなり出たのは、日頃から、阻止行動を絶対に止めてほしいとはそれほど思っていないからではないだろうか?

等々、ゲート横のテントに戻ってからの私たちの会話は、大いに盛り上がったのだった。





付替え道路工事再開41日目

2016-09-28 19:24:23 | 石木ダム
朝から激しい雨が降っている。

ダム事務所前のテントは、パイプと竹で組み合わせた簡単な枠組みに透明のビニールシートを被せただけのものだ。



だから雨が天井からもシートの隙間からも流れ込んでくる。

テントの中でも傘を差したほうがよさそうだ。



午前8時、ゲート前に上がるがこちらも雨がひどくていつものようにゲート前で座り込みをやるというわけにはいかない。



赤い横断幕と幟を3本立てただけでテントで待機することになった。




午前9時50分、ダム事務所前のテントから大型の公用車が出発したとの連絡が入る。

慌てて雨ガッパを着こんだり、レインコートを着たりしてゲート前に並んだが、大雨だ。



長靴を履いていても足元はびしょ濡れで、ズボンもひざ上まで濡れている。

5分ほどして、公用車が私たちの前を通り過ぎて行った。さすがにこの雨なので、車から降りてくることはしなかったが、ビデオだけは回している。



天気が悪いので、阻止行動の参加者は少ないと思っていたのかもしれない。



期待を裏切って申し訳ないけど、私たちはどんな悪天候であっても阻止行動を続ける。


県がダム建設を断念するまで、私たちはゲート前に立ち続けるのだ。


付替え道路工事再開40日目

2016-09-27 19:24:48 | 石木ダム
いつもより早い時間にダム事務所前に到着すると、コンビニ裏の県職員駐車場やダム事務所の駐車場に職員の車が止まっている。

所長と2人の次長、建設課長のダム事務所トップ4の車だ。







「ええ~~っ!」また、早朝に機材を入れ込んだのではないだろうか?

昨年6月12日、ダム事務所は業者を使って「時差出勤」(当時の所長はそう言った)し、軽トラックやテントや草刈り機などの機材を付替え道路予定地に入れ込んだ。

だから、早い時間に車が止まっていると、ついついまた同じことをやったのではないかと疑ってしまうのだ。

ダム事務所を観察するが人の気配はない。

あとから出勤してきた職員に聞くと、昨夜は飲み会だったとのこと。機材を入れ込んだのではないことがわかり、ちょっと安心した。


いつもの時間にゲート前に上がり、座り込みの準備をする。

今日は長崎から7人もの支援者が来て下さったが、待てども待てどもダム事務所からはやって来ない。



昨日と同じように日差しが強くなり、肌がじりじりと焼けるようだ。

みんなが少しだらけ始めたころ、地権者のS子さんが登場し、川棚の支援者の方から差し入れられた南瓜のプリンと熱いコーヒーを配って回られた。



美味しい!こうばるでいただく食べ物は全てが美味しい!手作りのものばかりだからだろうか?

「明日は栗ようかんだけんね。」とS子さんと他の地権者の方が、蒸した栗の中身を匙で出されている。



すごい。ようかんも手作りされるのだ。


結局、ダム事務所からは職員も業者もやっては来なかった。

この分では、明日もやってくるかどうか分からない。

しかし、支援者は明日もゲート前に座るだろう。 多分に、「栗ようかん」の効果もあるだろうけど、、。














付替え道路工事再開39日目

2016-09-26 20:46:21 | 石木ダム
ここ2、3日秋の気配が感じられるお天気だったのに、今日は朝から真夏に逆戻りしたように暑い日差しだ。



午前8時、ゲート前に上がり今日のテント当番のS子さん、T子さん、川棚・清流の会のY子さんと一緒に横断幕を張り、プラカードを立て日陰になる場所に椅子を運んだ。

このところゲート向かいの崖下も日陰になる時間が短く、すぐに正面から日差しを浴びることになる。

座り込みの参加者はめいめい椅子を持ち、日陰を探して移動するのだが、ここ数日はゲートの横断幕の下が涼しいようだ。


午前9時45分、ダム事務所前のテントから「職員、業者が公用車2台で出発した。」と連絡が入る。

すぐにネットを持ってゲート前に並ぶ。今日は佐世保・長崎からも応援があり、総勢25人ほどがプラカードを手に並んだ。



出発したと連絡があったのに、なかなかやって来ない。

10時になって、所長を先頭にやっとやって来た。

所長はいつものように「工事のためにゲートの中に入りますのでゲートの前を開けてください。妨害行為をやめてください。」と決まり文句を言う。



「工事のために」と毎回言うのだが、道具一つ持ってきてはいない。たとえ中に入っても機材がないのに、草刈りすらできないだろう。

次長は、「妨害行為は違法という裁判所の判断が出ています。」と言う。

しかし、この裁判所の判断は、私たちに出た判断ではない。一昨年8月に県が地権者・支援者23人を訴え、昨年3月にそのうちの16人に対して出た判断なのだ。

おまけにこの裁判、権力者が住民を訴えるという典型的なスラップ裁判だった。

職員と業者11人は、ビデオを撮り、デジカメで写真を撮り、7分で帰っていった。






こうばるの田んぼは、稲が色づき始め、早い家では明日から稲刈り作業をされるとのことだ。

ダム小屋の先の田んぼも黄色くなってきているが、青い草のままの田んぼも多い。青い田んぼは県有地になってしまったところだ。





ダム計画さえなければ、一面黄金色の稲穂だっただろうにと思わずにはいられない。






付替え道路工事再開37日目

2016-09-21 21:02:46 | 石木ダム
朝、山道橋を渡るときに堰を見ると、川の水は溢水して堰を越えて流れている。



このところ雨が続いたし、昨日は台風がかすめて通ったし、その影響なのだろうが、川棚川の水量はたっぷりで悠々と流れている。



佐世保市は、この川棚川から一日1万5千トンの水を取水することができる水利権を持っている。そのほかに、水量がたっぷりあるときには別に5千トンの水を取水することができる暫定豊水水利権も持っている。

つまり、佐世保市は一日2万トンの水を川棚川からもらうことができるのだ。

この水利権をしっかり活用させてもらえば、人口減少の一途をたどっている佐世保市に新たなダムはいらないのだ。


午前8時、いつものようにゲート前へ上がり、今日のテント当番のN子さんと一緒に、横断幕を張りプラカードを立て椅子を並べた。

今日は佐賀県の武雄市や諫早市、長崎市からも支援者が来られたが、ダム事務所からは職員も業者もやって来なかった。



ダム事務所前の支援者によると、所長と2人の次長、それに建設課長の4人が作業服ではなく公用車で外出したとのこと。「どうやら本庁へ行ったようだ」と連絡があった。 

職員が誰もやって来ないのならと、久しぶりにダム小屋の先まで歩いてみた。

田んぼ横の土手には赤や白の彼岸花が今を盛りと咲いている。彼岸花の蜜を吸いにクロアゲハがやってきている。





しばらく見とれてしまった。


テントに戻ると、焼き立ての手作りピザが配られた。

地権者のⅠさんが、手作りのピザ窯で手作りのピザを焼かれるのだ。生地の上にトッピングされている野菜は、すべて地権者の皆さん手作りの野菜なのだ。



「美味しい!」とみんなで次々と平らげていく。みんなおなか一杯。いったい何枚のピザを平らげたのか…。

Ⅰさんにもお連れ合いのS子さんにもお世話になって申し訳なかったけれど、今日も楽しい阻止行動を満喫してしまった。