西風に吹かれて

日本の西端にある基地の街から、反戦や平和の事、日々の雑感を綴ります。

水道だより(臨時号)

2014-10-26 19:23:24 | 石木ダム
10月24日の第2回『審尋』の門前集会で、山下千秋佐世保市議が「水道局がいい加減な内容の『水道便り』を新聞折込で各家庭に配る予定らしいので、中止するよういま水道局に申し入れて来ました」と言われた。

『水道だより』は2004年6月のNo1を皮切りに、不定期に発行されている佐世保市水道局の情報紙である。
これまで、昨年8月のNo14までと特別号が2回、特集号が1回発行されている。

毎回、石木ダム建設にページを割いてはいるものの、それだけではなく下の原ダムのかさ上げや水道局の財政状況、水利権以上の水を取水していたとして県から叱責された経緯とお詫び、水道料金値上げのお願いなどの記事もあり、なかなか面白い内容だ。

そして今朝、各新聞に『水道だより』が折り込まれて来た。

今回は臨時号となっており、市民の疑問に答えるQ&A形式で『石木ダム』の必要性が訴えられている。













みなさん方は、この内容を読まれてどう思われるだろうか?

へ~何だか違うんじゃない? おかしいんじゃない?と思われたら、ぜひ、水道局に再質問をしていただきたい。

P1にある水道施設の整備なども問題大有りなのだ。設備が古くなったとして大野浄水場と山の田浄水場を統合して北部浄水場が建設されているが、この浄水能力は二つ合わせた浄水能力より18.000トンも少ない。

水が足りなくてダムが必要と言っておきながら、浄水能力も足りないのだ。
とにかく不思議である。

それに、P2の上段にある絵を見れば、水源がなくて観光客に対応できないような描き方だが、大丈夫。

この10年間のイベント集客数と水使用量は少しも比例していない。

これは佐世保市が出している統計からイベント集客数を調べ、これも佐世保市水道局が出している浄水月報から水の使用量を調べての結論だ。

みなさん、ぜひぜひ、再質問をやりましょう。




審尋 第2回目

2014-10-24 21:53:48 | 石木ダム
石木ダム建設に反対し、ダムのための付け替え道路工事現場で座り込みを続けていた地権者・支援者23人が県から「通行妨害禁止仮処分」で訴えられたのは8月7日のことだ。

第1回の審尋が行われたのが9月18日で、今日が2回目の審尋だった。

石木ダム事務所のF所長は「仮処分の結論が出るまでは、付け替え道路工事を中断します」と私たちの前で宣言した。

故に、この仮処分の結論が長引けば長引くほど付け替え道路工事が進まないということになる。

来年3月末までとなっている工期までにはとても完成しないし、この道路が完成しないことにはダム本体の工事にも取り掛かれないということだ。

午後4時半という遅い時間からの審尋だったが、私たちは午後4時から長崎地裁佐世保支部前で集会を持った。





真奈木弁護団長、平井弁護士、高橋弁護士、魚住弁護士、国家権力が住民を犠牲にして公共工事を行おうとする時、必ず弱者である住民の側に立って下さる方々ばかりである。

反対運動をやっている私たちにとっては、何とも心強い味方なのだ。

審尋終了後、場所を移して報告集会がもたれたが、真奈木弁護士が「年内にはとても仮処分の決定はできない。審尋があと2回行われることになった。このことは私たちにとって不利ではない。」といわれた。



「訴えられた23人に仮処分の決定が出ても、仮処分された人だけがやらなければいいのである。
また、別の人がやればいい。その人に仮処分がかけられたらまた別の人がやる。

そういう人をどうやって作っていくのか、その取り組みが必要になってくる。

佐世保市が言っている事がおかしいということを多くの人に知らせ、おかしいと思う人を増やしていく。その人たちが、また行動をする。

そうやって次々と運動を継続させていくのだ。」

真奈木弁護士の話は、納得のいくお話でやる気がでてくる。

その第一弾として、11月16日に集会を予定している。



私たちの決意を固める場であり、支援者を倍増させていくためのスタートとなる集会である。

沢山の方々の参加を期待したい。



47年という長さ

2014-10-19 20:30:18 | 反戦・平和
「19日佐世保市民の会」のデモが今日で561回となった。



今日で46年と9ヵ月ということになる。

1968年1月19日にアメリカの原子力空母エンタープライズの入港に反対して結成され、翌2月19日から反戦・反基地を訴えて佐世保のメインストリートを歩きだしたのが始まりだ。



戦争に反対し基地の撤去を目指している人ならば、誰でも参加OK。

小難しい理屈をこねるよりまず意思表示をやりましょう、と行動してきた。


未だに基地は存在し、核艦船も入港してくる。

だから、どんなにささやかでも声を上げ行動し続けなければならない。


今日の参加者は19人。



みんな前を向き、しっかりとした足取りで歩いた。

まだまだやるぞ!という決意の表れかな。





原潜オリンピア寄港

2014-10-17 18:55:12 | 反戦・平和
今朝9時過ぎ、アメリカの原子力潜水艦「オリンピア」が佐世保港に寄港した。

アメリカの原潜寄港は今年8回目、最初の寄港から349回目となる。






佐世保地区労では、原潜や核空母が寄港するたびに抗議集会を開く。

そして、私たち市民団体にも連絡がくるのだ。参加できる限りは「寄港反対」の抗議の意思表示をしたい、そう思って今日も集会場所の前畑岸壁に出かけた。


我家から、集会場所の前畑岸壁までは歩いて30分ほど。

途中に競輪場があるが、そこでは国体の自転車競技が行われていて大きな歓声が聞こえている。

競輪場のすぐ向かいにある海上自衛隊・倉島岸壁には自衛艦がずらりと並んで停泊している。



その右手奥に見える立神岸壁には、強襲揚陸艦ボノムリシャ-ルが止まっている。
厚い甲板の上には、沖縄にいるオスプレイを積むのだ。



前畑岸壁の対岸、原潜専用の赤崎岸壁にはオリンピアが止まっている。



リムピース編集委員の篠崎正人さんによれば、今日の原潜入港時にはあわや衝突か!とも思えるような事態になったのだそうだ。

バージ船が船を後ろから押して航行している時に、原潜が入港してきたのだとか。

海上保安庁の船がバージ船に止まるように呼びかけたがバージ船は簡単には止まれずあわやの事態になったと話された。



9.11以降「テロ対策のため」と未だにアメリカの核艦船入港を市民に知らせない国のあり方に怒りを感じる。




穏やかな秋日和、佐世保港は美しく、波も立っていないベタ凪の海だ。

その美しい海に原子炉を稼動させたままの原子力潜水艦が止まり、強襲揚陸艦をはじめとする灰色の軍艦のオンパレード。

来月11月12日で、佐世保にアメリカの核艦船が寄港するようになって50年となる。

私が高校2年生の時だ。

鹿子前で抗議集会が開かれたことを覚えている。

5万人という多くの人が抗議した集会だったが、原潜シードラゴンは入港し、それ以来50年にわたって米原潜は入港し続けている。

いつの日か、この港から戦争に繋がるものすべてがなくなり市民たちの港になることを願って「反対」の声を上げていこう!




川のシンポジウム 2014

2014-10-11 22:46:29 | 石木ダム
福岡で行われる「川のシンポジウム 2014」に参加するために、朝から福岡市へ出かけた。

佐世保から参加のⅠさんの車に乗せて戴き、一路、会場である天神「アクロス福岡」へ。



アクロス福岡へは何回か行っているが、木々の生い茂る独特の外観で、天神のビル街にあっても目立つ存在である。

会場は6階の小さな会議室だったが、60人ほどの参加で部屋はいっぱいになった。


最初は、弁護士で元法政大学教授、民主党政権時代の内閣官房参与だった五十嵐敬喜氏の講演
「公共事業がなぜ変わらないのか」というお話だった。



『国には公共事業を止めるという概念がない。公共事業を止めさせるためには、止めるルール、止めるシステムを作らなければならない。そのためには公共事業を握っている官僚を変えなければならない。官僚を変え政策変更を行うためには法律を変えなければならない。民主党時代に撤退のルールを作れなかったことは失敗だった。政策を転換させるには立法しかない。そのために地方選を勝って欲しい。市町村長だけでなく議会も変えなければならない。とにかく選挙で勝つことだ。』

あ~~あ。結局はそこなのか?ため息が出る。


この国では、金を湯水のように使った者が当選してきたではないか!

きれいな選挙、金のかからない選挙と言っていても当選はしないのだ。それに反対勢力が一枚岩になれないことが多すぎる…。

この後、「石木ダム」熊本県の「路木ダム」「立野ダム」と各地でダム反対運動を続けている場所からの報告。








そして、短い休憩を挟んで、シンポジウムに移った。



立野ダムによらない自然と生活を守る会のNさんは

「ただ正しいことを言い続けてもダメ。力のない正義は負ける。勝つためには世論を味方につけることが必要だ。」

と言われた。

石木ダム絶対反対同盟のIさんは

「世論の広げ方が分からないが、問題を大きくすれば世論がついて来る事もある。」

と発言された。

この意味は分かる気がする。これまで関心のなかった佐世保市民が、収用採決申請が出されたことで強制収用反対の署名をしてくれるようになったからだ。

路木ダム裁判原告団長のUさんは

「徹底した情報開示が大事。開示された情報を基に行政の矛盾点をついていく。」

と話された。

そして、「ダム検証は正しくなされたのだろうか? 国の審議会や委員会の委員になっている学者に『学者の独立』など望むべくもない。だから、審議会や委員会をすべて公開にすべきであるし、公共事業を策定する最初の段階で、住民の意見が反映されるようなシステムにするべきだ。」

と言われた。

とても納得のいく発言で私もその通りだと思ったけれど、そこにたどり着くまでにどれほどのエネルギーがいるのか…、考えると気が遠くなりそうだ。