西風に吹かれて

日本の西端にある基地の街から、反戦や平和の事、日々の雑感を綴ります。

第28回こうばるほたる祭り

2015-05-30 21:30:02 | 石木ダム
せっかくの「ほたる祭り」なのに、朝から雲行きが怪しく大粒の雨が降り出した。

地元のみなさんは、天気が気になっているだろうけど、雨天決行だからこのままやることになるのだろう。

今日は、支援者・佐世保組と川棚組は「ほたる祭り」の手伝いではなく、ゲート前で待機。

公務員である県職員は土曜日も休みだが、業者は休みではない。ひょっとしてゲートを開けて現場に入る可能性もあるので、私たちは見張り番なのだ。

現場も雨に降られてもやが掛っている。



午前と午後に1回づつ、業者の車が通っただけで動きはなく、私たちもテントをたたんで「ほたる祭り」の会場へと移動した。



雨は小降りとなり、どうやら止みそうな気配だ。

地権者のみなさんは、料理つくりに追われて大忙し。



山菜やイノシシ肉の佃煮、山菜おこわ、よもぎ餅、焼きそば、ぜんざい、そうめん、おでん等々、地権者のみなさんの手作りの食べ物が売られている。

早速、食べ物を買い込んで食べながら、和太鼓演奏やコーラスなどの催しを楽しんだ。





午後7時を過ぎると、雨も止みほたるが飛び始めた。

数は少ないけれど、これからの時間、沢山のほたるが飛ぶだろう。



さあ、英気を養って月曜日からまた頑張るぞ!

付替え道路工事再開9日目

2015-05-28 20:29:21 | 石木ダム
今朝のこうばるは曇り空。

空気はひんやりとして心地よく、ホーホケキョと鶯の声が響き渡っている。

県の職員と業者は午前に1回と午後に1回、ゲート前にやってきた。

いつものようにゲート前を開けてほしい、中に入れてほしい、みんながいる場所は県有地であることを交代で繰り返している。

私たちもいつもと同じように、無言で後ろを向いているだけだ。連日、変わらない行動が続いている。

いつやって来るか分からない県職員と業者を待つ間は、緊張した空気はあるものの、地権者のみなさんと私たち支援者の楽しい交流の時間でもある。







今日は午前4時に起きて、田植えの準備をしたと話された地権者のFさんは、自家製の饅頭を沢山持ってみえた。餡も皮もすべて手作りである。



そして、それが実においしいのだ。

また、Hさんは、かんころを刻んでもち米と交ぜて炊いた物を持ってきて、みんなに振舞われた。こうばるでは「切りも飯」というそうだが、青々とした柿の葉にこの「切りも飯」を乗せ、きな粉を振って食べるのだ。絶品である。



また、Nさんは畑で取れた自家製のソラマメの塩茹でを持ってみえた。



う~ん、美味い! 

こうばるの肝っ玉母さんたちは、料理上手なのだ。



今日の西日本新聞に、ラッピングバスの記事が載っていた。
佐世保市民に「失うものは美しいもの」に関心を持ってもらえたらと思う。




※付替え道路工事が再開してから今日で10日。連日、同じ様な事が続いています。
 石木ダム関連記事の更新は、事態に変化があったときにおこないます。
 



付替え道路工事再開8日目

2015-05-27 21:05:37 | 石木ダム
午前7時30分、石木小学校前の交差点で「失うものは美しいもの」のラッピングバスに遭遇。


(佐世保駅前に停車中のラッピングバス)

おお~~!ここでラッピングバスに出会うなんて、今日はついてるぞ~。

交差点を右に曲がり、車を止めてもらい急いでカメラを構えた。ところが、カメラの画面には「バッテリーを交換してください。」の文字。ああ~残念。バスの行き先は「川棚高校下」となっている。また、出会うこともあるだろう、その時は失敗しないで写したい。


午前9時40分、県河川課企画監とダム事務所次長と職員、業者、ガードマン合わせて19名がやってきた。



次長は開口一番「おはようございます。また来ました。お願いします。」と言う。

企画監は「現場の状況を見に来ました。ここは毎回言っていますが、仮処分で入れないことになっていますので、移動をお願いします。仮処分の決定に従って移動をして下さい。」と言う。

みんな黙って後ろを向いている。





次長は続けて「通路を開けて頂けませんか?弁護団から話があっておりませんでしょうか?」とも言う。??何だか言っている事がよくわからない。

さらに続けて「みなさんは知事に話しをしたいと言われていますが、どんなことを話されたいんでしょうか?私に言ってください。知事に伝えます。」

ご冗談でしょう。あなたに伝えてもらわなくとも知事に直接言いますよ。

さらに大きな声で「鍵も持ってきております。開けさせてください。左右に寄っていただいて、正面を開けてくださいませんか?」

「開けさせていただいたらもう来ません。お願いします。」

思わず笑ってしまったけれど、第一ラウンドは終了。みんな帰って行った。

このところ午前中の訪問は一回だけだが、今日は11時に県のワゴン車が止まり、企画監が下りてきた。
そして「開けて頂けませんか。」と言ったものの、「ちょっと記者に用事があって」とパタゴニアの依頼で、こうばるの風景やホタルや阻止行動をしている私たちの様子を撮りに来たカメラマンM氏と名刺交換をして帰っていった。

県の職員や業者がいつやってくるか分からないので、みんな現場横のテントで待機しているのだが、めいめいおしゃべりをしたり、本を読んだり…。



その中でいつもスケッチをされている方もいる。今日は待機している合間にテントの様子を描かれていた。



スケッチが出来上がっていくのを傍で見せてもらうのも、日々の楽しみの一つになっている。




















付替え道路工事再開7日目

2015-05-26 21:44:50 | 石木ダム
石木の空は朝から晴れ渡って、今日も暑くなることを思わせる。

田植え間近の田圃には水が張られている。



今度の土曜日には「こうばるほたる祭り」が予定されていて、田植えの準備と祭りの準備、それにダムの付け替え道路工事の阻止行動と、こうばるのみなさんは毎日分刻みの大忙しだ。

それなのに、いつもは午前9時半にやって来るダム事務所からの訪問者はなかなかやって来ない。

午前9時50分になってやっと姿が見えたが、きょうもやっぱり所長を先頭に歩いてやってきた。



そして、毎日同じことの繰り返しが続く。
「みなさん、何か言って下さい。話し合いのきっかけを作らせてください。」

私たちは無言で立っているだけだ。

「問いかけに答えていただけないのは空しいものです。」と所長が言う。

しかし、私たちはただただ無言だ。

30分ほどで県職員と業者は帰って行った。




私たちは、ダム事務所からの次の訪問に備えて、テントの中で待機しているのだが、そこでは無言ではなく、のべつ幕なしに食べて飲んでおしゃべりをしている。



1週間経って、みんな「何だか体が重いね。」と話している。

どうやらテントの中でひっきりなしに飲食するので、太ってきているようだ。

阻止太り?? こんな状況で太るなんて!と言われてしまいそうだけど…。


石木川は今日も、ダム建設など知らぬ気におだやかに緩やかに流れている。









付替え道路工事再開6日目

2015-05-25 19:49:37 | 石木ダム
今日は歩いてやってきた。



ダム事務所の所長を先頭に、県の職員8名、業者10名、ガードマン3名の計21名からなる大部隊がである。

ゲート前で待ち受けた私たちは15人ほど。
いつもと同じく、無言で後ろを向きプラカードを掲げるだけだ。



去年8月、県はゲート前で座り込みを続けていた地権者・支援者23人について仮処分申請を行い、このうち特定された16人が処分を受けた。今年3月のことだ。

明らかに権力を持つものが力のないものを訴えた「スラップ訴訟」と言われるものだ。

そして処分を受けたほとんどの者が世帯主である。

だから今回の行動は、残った女たちを中心に闘われている。
なにも特別な人たちではなく普通のおばちゃんたちだ。

しかし、このおばちゃんたちがすごいのだ。




ダム事務所の所長は、いつもと同じように「通路を開けて下さい。みなさん何か言って下さい。」を繰り返す。
「16名の方については、妨害してはならないとの司法の判断がでました。みなさん方についても同じことだと思っています。」
「知事に言いたいことがあれば私に言って下さい。知事に伝えますので。」

みんな無言。

30年以上にわたって県からの圧力に耐えてきた人たちの団結力の強さ。すばらしい。