西風に吹かれて

日本の西端にある基地の街から、反戦や平和の事、日々の雑感を綴ります。

いよいよ始動

2014-11-30 21:04:52 | 石木ダム
11月の最終日。

午後3時から、来年1月18日に予定している「石木ダムの強制収用に反対」する全国集会の第2回目の実行委員会が開かれた。

長崎の「石木川の清流とホタルを守る市民の会」川棚の「石木川の清流を守り川棚川の治水を考える町民の会」そして佐世保の「石木川まもり隊」と「水問題を考える市民の会」と有志とで結成した「今こそ考えよう石木ダム」実行委員会の会合である。

佐世保では一番新しく、立地条件もいい「アルカス佐世保」の中ホール(500人収容)を借りて、全国集会を開く予定なのだ。








建設計画が持ち上がってから50年、県が機動隊を導入して強制測量を行ってからでも32年が経っている。この間、異常気象による旱魃があって1994年には264日間の制限給水を経験している。しかし、これは西日本各地で起こったことで佐世保だけのことではない。

現参議院議員で元県知事の金子源二郎氏が、「自分は知事として県が抱える懸案事項をすべてやり遂げてきた。諫早湾干拓しかり長崎新幹線しかり、唯一残っているのが石木ダムだ。」と2009年11月に国土交通省九州地方整備局へ事業認定申請をやったのだ。

政治家の名誉欲としか思えない理由づけだ。


事業認定申請をすればダム建設に反対している人の中から脱落者が出るだろう、そう思っていた長崎県と佐世保市の思惑は完全に外れ、一人の脱落者も出なかった。

事業認定の告示が出ても、強制収用のための収用採決申請をやっても、誰一人脱落するものはいない。

13世帯60人の結束は強く揺るがない。

一番の受益者である佐世保に住む私たちが、「水は足りている。ダムは必要ない!」と声を上げること。

それが、13世帯60人の生活を守り、応援することになるのだ。

そういうわけで、私たちはこれまで石木ダム問題に関心を持ってこなかった多くの佐世保市民に石木ダムの問題点を知らせ、「ダム撤去の時代に入ったアメリカ」の様子を教えてくれるドキュメンタリー映画、「ダムネーション」の上映をやるのだ。

いよいよ具体的に動かなければならない。

多くの佐世保市民の皆さんに来てもらって、映画を見てもらい、弁護団の話を聞いてもらって、
「石木ダムNO!」の声を広げたいと思う。

収用採決申請2

2014-11-26 22:56:43 | 石木ダム
石木ダム建設の起業者である長崎県と佐世保市は、昨日、手続き保留としていたダム建設予定地の一部を保留解除し、収用手続きに入るために県の収用委員会へ裁決申請を行った。



今回はダムサイト建設が予定されているところで、農地だけでなく宅地も4軒の家屋も含まれている。

前回の9月5日の裁決申請は、付け替え道路に必要な土地で対象も田圃や畑、雑木林だったが、今度は人が住んで生活している土地と建物が対象である。



昨日の県の発表を受けて、今日は佐世保市議会・石木ダム建設促進特別委員会が開かれた。

委員会の傍聴許可が出るまで、私は控え室から国道の向かい側にある水道局を見ていた。



恥ずかしげもなく「石木ダム建設は市民の願い」の垂れ幕を下げている。

いまや「一部の市民の願い」でしかないのにである。



それに電光掲示板の今日の貯水率も92パーセントとなっていて、どこが慢性的な水不足なのだと思う。佐世保市は口を開けば、「水源に乏しく、慢性的な水不足である」と言い続けているが、「どこが水不足なの?」というのが市民感覚なのだ。



改善されたとはいえ、今なお一日に7,000トンもの漏水が続いている佐世保の水道である。
しっかり漏水対策をすればダムは必要ないと考えている市民も多い。

なのにダム建設なのだ。それも計画が持ち上がってから半世紀にもなろうとするダムなのだ。


傍聴が認められて委員会室へ入ると、マスコミも多くて記者席はいっぱいだった。

水道局長が今回の裁決申請について説明をおこなったが、どこか人事のような感じである。

前回の裁決申請後もそうだったが、佐世保市はすべて県にお任せをしているからという態度なのだ。

委員からは質問なし、員外から共産党の山下市議が「委任しているからと言って、県がやったことに対して、水道局は意見も言わずそのまま受けるのか」と質問されたが、局長は「一切を県にお願いしているから」といい、「佐世保市の水事情を好転させたい」とのたまった。

佐世保の水問題は、隣町の13世帯60人もの人が住んでいるところを沈めてまで解決しなければならない問題なのか? 

一方では、人口減少の対策として「カジノ」を誘致するといっている。人口減少するのなら、水需要は減るのだから、ダムは必要ないはずだ。

市がいっている事に整合性はない。

さあ、このダム計画を潰すために、智恵を絞って闘っていくぞ!











第3回審尋

2014-11-21 20:22:28 | 石木ダム
石木ダムの付け替え道路工事を阻止しようとして、通行妨害の仮処分申請を受けた23人の地権者と支援者に対する第3回目の審尋が行われた。





「審尋」は裁判と違って傍聴が出来ない。

そこで、訴えられていない地権者や支援者は裁判所の敷地内にある待合所で審尋が終わるのを待つ。

いつもは30分もあれば終わり、弁護団から報告があるのに今日は1時間経っても誰も裁判所から出てこない。

何があっているのか気になるけれど、傍聴が出来ないのでただただ待っているしかない。

審尋のあと、来年1月に予定している大集会「今こそ考えよう石木ダムと強制収用~未来を決めるのは私たち」の代1回の実行委員会も開く予定にしているし、何人かには実行委員のお願いもしている。

気にはなりつつも、一足先に報告会と実行委員会をやる会場に向かった。

会場にはもう4人の方が来て下さっていた。

30分ほど遅れて弁護団、訴えられた23人も到着して報告会が始まった。

今朝の新聞には農地だけでなく、地権者の家屋や宅地も強制収用するための裁決申請を週明けから始めると書かれていて、いよいよだなとの思いを強くしていた。



弁護団長の馬奈木先生は「県はあせって揺さぶりをかけてきている。狙いは13世帯を崩すことだ。」と言われた。

そうなのだろう。県は、国交省に事業認定申請を出し認定されたら土地を手放す者が出るに違いないと考えていたのに、誰一人手放すものはいなかった。

強制収用のための裁決申請をすれば、きっと落ちるものが出てくると思っていたのに、それも外れてしまった。

それで必死に揺さぶっていると云う訳なのだ。

また、馬奈木弁護士は「県は簡単には進めませんよ。家屋の強制収用には徹底して抵抗するのだから」とも言われた。


いくら時代が逆行して来ていると言っても、13世帯60人が生活している地域を取り上げて追い出し、ダムを作るなど許されることではないし、そんなことでもしたら激しい非難が浴びせられるだろう。

そして、裁判をやれば地権者が勝訴するに違いない。



1月18日の集会案も参加者には同意してもらえたし、さあ、頑張って行くぞ!

今年もあと一回

2014-11-19 21:13:32 | 反戦・平和
今日は562回目のデモ。

毎月一回、19日にデモをやり続けてそれだけの数字になったのだ。

46年と10ヶ月、歩き続けてきた。

何の変哲もない、ただ佐世保の繁華街メインストリートを黙々と歩くだけの「19日佐世保市民の会」のデモ。

いまやデモという言葉も死語になりつつあるような、パレードという語がメインになりつつあるけれど、やっぱり「デモ」にこだわりたい。

11月も半ばを過ぎ、出発場所の松浦公園は薄暗く落ち葉でいっぱい。



寒くなったのに、今月はまた参加者が増えて20人だった。



参加者の平均年齢はいくつだろう。

80代と70代と60代と40代も2,3人はいるかな?貴重な30代も一人。

こんなに長く続けることになるとは思いもしなかったし、こんなに長く米軍基地が居座るとも思いもしなかった。

どれほど多くの戦争に、この佐世保は貢献してきたのだろうか?

朝鮮戦争、ベトナム戦争、湾岸戦争、イラク戦争

基地がなくなるまで歩き続けるとみんな決意を語るけれど、基地がなくなるまで私たちは生きてはいない。

それに、この運動を引き継いでもらいたいとも思わない。

基地をなくすという思いを持った若い人たちは、若い人たちの運動を作り出せばいい。

新しいスタイルの運動が生まれるのを期待したいな~。


「石木ダムの強制収用を許さない佐世保集会」

2014-11-16 21:00:14 | 石木ダム
ずっと心配だった。

今日はいろいろなイベントや集会が重なっていて、私たち「水問題を考える市民の会」と「石木川まもり隊」が主催する石木ダム対策弁護団のお話を聞くという集会にいったいどれくらいの人が集まってくれるのだろうかと気になっていた。



しかし、ありがたいことに杞憂に終わった。

中部地区公民館の130人の会場はいっぱいになり、椅子が足りなくなって隣りの部屋から借りてくるほどの盛況になった。

今日は、石木ダム対策弁護団から四人の弁護士の先生方にお話を伺った。

過去のダム建設反対運動・裁判との比較の視点からということで、熊本県の川辺川ダム建設反対の住民側にたって裁判を闘い、ダム建設中止に追い込まれた板井優弁護士のお話や今後の運動の在り方についてを弁護団長の馬奈木昭雄弁護士がお話された。





また、利水の問題・治水の問題も、県や佐世保市が国交省に提出した事業認定申請書とは大きくかけ離れた実績であることが報告された。

板井弁護士の「大型公共事業は行政ではなく、住民が決定するものである。」というお話は、
本当にそうだとうなずけた。目からうろこの感じだった。

馬奈木弁護士は、あらゆる場を通して多くの人に共感してもらう運動をやっていくことが大事だと話された。
そして、石木ダム反対運動は、13世帯60人を応援することではない、私たちもまた、自分たちの生活を守るためにやっているのだ。そのことを自分たちが理解すべきだと話された。

そして、若い地権者二人のふるさとを思う発言が、参加者の心に響いた。





来年一月に予定している「ダムネーション」上映と、再度、弁護団のお話を聞く集会を成功させたい。