西風に吹かれて

日本の西端にある基地の街から、反戦や平和の事、日々の雑感を綴ります。

さくらの名所は…

2012-03-31 21:04:19 | 日記
このところの好天で、一気に桜が開花し始めた。

近所の横断歩道のそばにある桜もピンクに色づいている。

我が家の近くで桜の名所と言えば、歩いて10分ほどの所にある東公園である。

暖かな陽気に誘われて、午後から「お花見」とシャレてみた。




東公園とその名称だけを聞けば、いかにも市民たちの憩いの場と言った風情だが、私が子どもの頃は「海軍墓地」と呼んでいて、今でも海軍墓地と言ったほうが通りがいい。



海軍によって開けた町らしく、明治以降の海軍軍人たちだけをを葬むっている、こんな場所もあるのだ。

入り口をはいるとすぐ左手に大きな銅像が見えてくる。
佐世保に海軍鎮守府を設けた軍神?東郷平八郎の像である。



この像は、佐世保の政財界人が建立期成会をつくり作成したものだ。
最初、この像は佐世保港が見渡せるシーサイドパークに設置されるはずだったが、アジアに広がる港の目の前に、戦争を推進した人物の銅像はふさわしくないとして、反対したために、この「海軍墓地」に設置されたといういきさつがある。

美しい桜に囲まれた軍服姿の銅像は、少々異様だが、これも佐世保ならではのことだろう。



桜はまだ八分咲きだったが、満開になるのももうすぐだろう。




3号機から煙(TBS/JNN/福島第一原発ライブカメラ)

2012-03-30 22:54:28 | 原発事故
昨日、福島第一原発・3号機から真っ黒い煙が上がるのを、TBS/JNN/福島第一原発ライブカメラがとらえていて、動画がUPされている。

真っ黒い煙というのが何とも不気味で、不安を掻き立てられる。

作業をされている方たちは大丈夫なのだろうか?

政府や東電が何を言っても、私たちは信用できず、疑念を抱かざるを得ない。

3号機はプルサーマル発電だった。
地球上で一番毒性の強いプルトニウムを使用していたのだ。


3号機から煙smoke rises10:29&12:47 2012-03-29

気持ちは晴れない。

26日には、2号機に内視鏡カメラを入れて内部が撮影されている。
3メートルあると思われていた格納容器の水は60cmしかなかったと発表された。



格納容器内の放射線量は、3万1100~7万2900ミリシーベルトだったとのこと。
この数値は、6分間で人間が100%死亡する値ということだ。

この状態が、政府の言う「収束」なのだろうか?



広域処理の必要性

2012-03-29 18:44:40 | 原発事故
「NIMBY(Not In My Backyard)症候群」というものがあるのだとか…。

迷惑施設に反対する住民をさして言う言葉らしいが、いまや震災瓦礫の広域処理に反対する人たちに向けられている言葉だ。

■瓦礫が復興の妨げとなっているので、広域処理をしなければならない。
■瓦礫の放射線量は低いし、焼却しても安全である。
■専門家が検討したことだから安全性に問題はない。

というのが政府の言い分だが、どうして信用できるだろうか?

事故後、「いまのところ安全だ。」と枝野長官は言い続け、原発事故の被害を最小限に見せようとしてきたではないか。
マスコミも安全キャンペーンを流し続けてきた。

私たちは、僅かにインターネットや独立系のメディアが流すテレビでしか事実を知ることが出来ない。

ホットスポットといわれる埼玉県三郷から避難されてきた方の話では、大量の鼻血が出たり原因不明の湿疹ができて治らなかったりしたとのことだ。
しかし、そんなことはどこのマスコミも報道しない。

ネットの情報によると、子どもたちの甲状腺にしこりが見つかったりもしているという。
どんなに不安なことだろう。
そして、どんなに口惜しいことだろう。

原発は安全でクリーンエネルギーだと言い続けてきた人間たちに責任をとってもらいたい。

↓こんな人も宣伝に一役かっていた。あ~ァ。




環境総合研究所の池田こみちさんの「がれき広域処理の本質的問題」のお話がUPされていた。これは要約版だが、1時間のインタビューもUPされているので、ぜひ見て欲しい。


花を奉る

2012-03-28 15:14:58 | 日記
昨夜は、見たいと思って見逃してしまっていたNHKの「ETV特集・花を奉る-石牟礼道子の世界」を見た。

http://www.dailymotion.com/video/xp2k8t_yyyy-yyyyyyyy-yy_creation#rel-page-1

http://www.dailymotion.com/video/xp2kph_yyyy-yyyyyyyy-yy_people#rel-page-1

とてもいい番組だった。
はじめ寝転がって見ていた私は、とうとう起き上がり正座して見終ることになった。

石牟礼道子さんは今年84歳。パーキンソン病に罹られ話をされるときには体が左右に大きく揺れて大変そうなのに、字を書かれるときは体も揺れず、手先も震えず一字一字しっかりと書かれる。
そこに、石牟礼さんの「意志」を見る思いがした。

テレビからは、聞き覚えのあるどこか懐かしい方言で交わされる会話が聞こえる。
会話は胸の中を漂流し、思わず自分でも呟いてみたりもした。



番組を見ながら、石牟礼さんの「苦海浄土」をもとに作られた、今は亡き砂田明さんの一人芝居「天の魚」を思い出す。
この芝居の中の主人公・杢太郎少年のモデルになっている胎児性水俣病患者、半永一光さんにも15年ほど前、故・中村牧師がいらした波佐見教会でお会いしたことがあった…。




1991年、もう20年以上も前になるが、私たちはユージン・スミス-アイリーン・スミスさんの水俣関連の写真と水俣病歴史考証館の資料、そしてチェルノブイリの子どもたちが描いた絵を展示した「水俣そしてチェルノブイリ展」を開催した。

国や企業の論理を優先させ、公害を隠し、住民の被害を増大させる構図は水俣もチェルノブイリも同じだーと、当時、私たちは主張しあったが、国や企業に不利なことを隠し続け、住民救助を後回しにする構図は、今回の福島原発事故でも同じだ。何十年経っても変わりはしない。


一度だけ石牟礼道子さんの講演を聞いたことがある。
そのころ編集委員を努められていた「週刊金曜日」主催の講演会だったが、その訥々とした語り口は、どんな弁舌さわやかな講演者の話より胸を打った。
童女のようだと、そのとき私は思ったのだった。



花を奉る 石牟礼道子

春風萌(きざ)すといえども われら人類の劫塵(ごうじん)

いまや累(かさ)なりて  三界いわん方なく昏(くら)し

まなこを沈めてわずかに日々を忍ぶに なにに誘わるるにや 

虚空はるかに 一連の花 まさに咲(ひら)かんとするを聴く 

ひとひらの花弁 彼方(かなた)に身じろぐを まぼろしの如くに視(み)れば 

常世(とこよ)なる仄明かりを 花その懐に抱けり

常世の仄明かりとは あかつきの蓮沼にゆるる蕾(つぼみ)のごとくして

世々の悲願をあらわせり 

かの一輪を拝受して 寄る辺なき今日(こんにち)の魂に奉らんとす

花や何 ひとそれぞれの 涙のしずくに洗われて咲きいずるなり

花やまた何 亡き人を偲(しの)ぶよすがを探さんとするに 

声に出(いだ)せぬ胸底の想(おも)いあり 

そをとりて花となし み灯(あか)りにせんとや願う

灯(とも)らんとして消ゆる言の葉といえども 

いずれ冥途(めいど)の風の中にて おのおのひとりゆくときの

花あかりなるを 

この世のえにしといい 無縁ともいう

その境界にありて ただ夢のごとくなるも 花

かえりみれば まなうらにあるものたちの御形(おんかたち) 

かりそめの姿なれども おろそかならず

ゆえにわれら この空しきを礼拝す

然(しか)して空しとは云(い)わず 

現世はいよいよ地獄とやいわん

虚無とやいわん

ただ滅亡の世せまるを待つのみか 

ここにおいて われらなお 

地上にひらく 一輪の花の力を念じて合掌す   

         2011年4月20日 大震災の翌月に




ほっこりと胸に落ちる番組だった。






佐々川

2012-03-26 14:57:39 | 石木ダム
昨日は朝から、連れ合いと一緒に佐世保市の北西にある隣町、佐々町の佐々川を見に行った。



佐世保市と長崎県は、市の南東の隣町・川棚町に石木ダムを建設する計画を立てているが、佐世保市の水は足りていて建設する必要はない。これは無駄な公共事業である。

地権者のみなさんは、このダム計画が持ち上がってから50年間反対運動を続けてこられた。
考えても見て欲しい。佐世保市は水が足りないと言い続け、石木ダムを作りたがっているが、市民は、ダムがなくても50年間生活してきたのだ。

とはいえ、「水が足りない」と心配される佐世保市民も大勢いらっしゃる。

佐世保市の北隣、佐々町には川棚川よりも長く、流域面積も広い佐々川が流れている。
その佐々川から、少しだけ水を戴くわけには行かないのだろうか?

…というのが、今回の佐々川・見学ツアーの動機だった。
それに、佐々町は佐世保から10分あまり、30分以上かかる川棚町よりずっと近いのだ。

晴天に恵まれた昨日、山頂から見る佐々の町は、川に沿って開けた緑の美しい街だった。




佐々川では、鮎つりやシロウオ漁が行われており、地元の方に聞くと田植え時期になると簡易の堰がつくられ水を溜めるのだという。それが終わり、堰がたたまれると堰があったところには鯉や鮒が素手で捕まえられるほどいるのだとか…。





「うなぎもいっぱいいますよ。」ということだった。

高校野球で有名な清峰高校のそばにも堰があり、きれいな水が流れていた。