美しい夕焼け

美しい晩年を目指して

旅 イタリア

2024-03-23 22:37:14 | 


姪が大学3年生のころ、友達が誰もイタリアに行かないというので、おばちゃん一緒に行ってくれない、と訊いてきました。

もちろん私は行きたい、と思いましたが、2004年に乳がんの手術をして2年でしたから、大丈夫かなと思う気持ちがありました。夫に相談すると、行っておいでよといわれ、やっぱり行きたいよねと思い、2006年の3月にイタリアへ姪と一緒に旅立ちました。

ヨーロッパは初めてで、それは歴史と伝統で骨格ができているという格調高い姿で、私を惹きつけました。建物は淡いベージュからレンガ色のグラデーションで高くそびえていました。

観光客を意識して、そういう部分を作っているという見方もありましたが、でも、そういう歴史を持っているということはよくわかりました。

ナポリ、ローマ、フィレンチェ、ピサ、ヴェネチア、ミラノと南から北まで、イタリアを縦断しました。少しずつの滞在時間で、しっかりとは見られませんでしたが、毎日イタリアを呼吸するという感じがして、とても面白く、楽しい1週間でした。

ナポリは、観光の街で、美しい別荘がたくさんあります。ポンペイの遺跡は、スケールの大きい古代ローマの遺跡です。

ローマは、いろいろな観光地も美しく、街は、ベージュから茶の色合いの美しい街並みで、石の重みが感じられるような風格のあるところです。

ヴァチカン市国へももちろん行き、世界一美しく大きなサン・ピエトロ寺院で壮大な彫刻などを観ました。美しく大胆な絵や彫刻を見て、圧倒されるような気がしました。

フィレンチェは、こじんまりした街で、街の中心の聖堂や塔などが温かい感じで包んでくれます。ウィフィツィ美術館は、ルネッサンス期の名画がたくさん収蔵されていて、イタリアの教会や美術館などはたくさんの宝を持っていると思いました。

ピサへも行きました。ピサはすべてのものが曲がって立っているところで、本当に塔が曲がって立っているのです。イタリア人は、曲がった塔の上に立て増ししていくときに、そのまま曲がったままに建てるのだそうです。日本人は、きっと曲がりを直して建て増しするだろうと思いました。国民性というものの違いなのでしょう。絵はピサの斜塔の前で撮った写真を見て描きました。曲がっているのは、手の不器用だけではないのです。

ヴェネチアでは、「ケレル」のレースを買いました。それは、とても美しいレースです。でも、きっとこのレース編みはなくなってしまうだろうといわれました。職人がいないのだそうです。水の街ヴェネチアは美しく、今にも滅びていくような繊細な趣がありました。

そして、最後はミラノ、大きなデパートに入りました。ミラノは、新しい経済の街の様相でした。「最後の晩餐」を見ることがてきたら、と思ったのですが。

イタリアを1週間歩いて、巨大なイタリア、繊細なイタリア、永遠のイタリア、滅びゆくイタリア、豊かなイタリア、貧しいイタリア、を見たと思います。 好きだったことも嫌いだったこともすべてをひっくるめて、イタリアは魅力に溢れた国だと思います。

青い空と乾燥した空気を今も思い出します。西洋文化の重さや美しさを少しだけですが観て聴いて、その圧倒的な姿に目を見張っていた私は、日本の国に帰ってきたとき、やはりちょっとほっとしたことを思い出しています。

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