バネの風

千葉県野田市の「学習教室BANETバネ」の授業内容や、川上犬、ギャラリー輝の事、おもしろい日常を綴ります。

知らぬが仏

2012-11-23 17:49:32 | 
 2ヶ月間4回で人物画を仕上げるコースに入会した。
 モデルをデッサンし、下塗りし描き込む。
 これまで自己流でやってきたことが、ここで急速にいろいろな情報が入り、それによりチャレンジの連続。とにかくやってみる。失敗したら塗りつぶして描き直せばいいのだから、とにかくやってみる。こんな気持ちで走った2ヶ月間。

 好きに描けばよいと思い数年やってきたけど、知らないことが多かったということを知り、まず本を読む。数冊拾い読みしながら、何が何でもすぐやらねばと思ったのは、画材の手入れ。
 全てのチューブや筆を2日間かけて整え、本で紹介されているもののうち必要と思われる画材をチェックし購入。

 人物画の取り組みは画材の手入れと同時進行で始まったことに加え、目の前にモデルがいるせいかいつになく丁寧に描き進めることになった。
 そのせい?
 絵に勢いがつかない。描いても描いても、絵が薄い。今までほとんどやらないできたが、本で得た情報のパレットで色を数色混ぜ描く方法にチャレンジしたせいかもしれない。絵の写真をとってもピントが合わない。全体にぼんやりしている。そうやって一月半格闘した挙げ句、抜き差しならない状態になった。絵を前にすると、胃の下の方がうずうずする。このままキャンパスを切り裂きたい気持ちになる。そんなある晩、どうせだめならと塗りつぶしてしまった。まず顔面に茶色の絵の具をドバッと塗る。衣服を白と黒で塗りつぶす。2週間後が4回目の教室で、仕上げの日だけど、もう間に合わなくてもどうでもいいという気持ちで太い筆で塗りたくった。
 すると不思議なことに、さっきまであった目や鼻を塗りつぶしたのに、逆に表情が生まれ、その人は元気になった。

 ここからの2週間が本当の格闘。絵の具が乾くのをじっと待つ。特に黒は乾くのに時間がかかる。早く描き込みたい。待てない。でも、色を濁らせないために、じっと待つ。生き返った人物は、しきりに語りかけてくる。絵の具が乾くまでもう少し待って下さいと返す。こうやること1週間。
 
 そして最終回の昨日。モデルを見ながら全体バランスを調整し、カウントダウン最中に瞳にほんの少し白を加え完成。

 完成しても何かすっきりしない。
 まだ知らないことがたくさんある気がする。そんな気持ちのせいか披露する気になれない。かといって物置にしまい込むこともできない。とりあえずしばらくは部屋に置いておこう。

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