バネの風

千葉県野田市の「学習教室BANETバネ」の授業内容や、川上犬、ギャラリー輝の事、おもしろい日常を綴ります。

青春18キップな日

2012-07-22 22:13:00 | ライフスタイル
 高崎から大宮まで電車に乗る。
 いつもなら新幹線でヒュイッと通り過ぎている区間。
 大宮から「あさま」に乗り込むと、車内販売でコーヒー買いたいのにまだ来ないの、もう上田についちゃうじゃんってちょっといらっとする時間距離。背もたれに挟み込まれているJR冊子をパラパラして巻頭のエッセイを読み終え、次の歴史物を眺めているくらにの時間距離。
 その区間を、たまにはいいじゃん、という気分で各駅停車に乗り込んだ。乗ってから乗車時間調べると「え?」ってほどかかる。最も時間がかかる各駅停車に乗ってしまったということが判明。大宮まで18駅、90分。やっぱり新幹線に乗り換えようと思うが、まぁたまにはこんな移動もいいかと思い直す。
 車内はがらがら。前橋、熊谷、本庄と耳なじみのある駅を通り過ぎる。
 長野新幹線ができる前、帰省は特急電車だった。更に学生時代は節約のため急行電車を使った。4人掛けボックスシートで,上田-上野間6時間かけての移動だった。その頃良く耳にした駅名や通過だけだった駅に実際に止まる。

 上尾のあたりから車内は混み始めてきたが、大宮で大勢降りる。
 高崎から大宮まで乗っていた人、この中に何人いるんだろう。

 川間駅からタクシーにするかバスにするか、それとも歩くかと迷う。
 バスの時間を調べると20分ほどで来る。このまま歩いていると途中後ろからバスに抜かれる情けない状況になりそうだから,バスを待つことにした。とはいえ、少し走るともうそこはバンの散歩コース。荷物を持たず身軽だったから、一つ前のバス停で降り、いつもバンと一緒に歩く道を一人で歩いた。いつも通り端で鼻を鳴らしてにこにこする犬が、「あれ、今日はお一人ですか?」って丸まったまま,面倒くさそうに上目づかいでこちらを見る。いつも愛想がいい犬なのに、それはバンに対してだったのかと少々がっかり。

 ほどなくして家に到着。
 いつもは車で帰ってくるから,遠くから車の音を察知するからなのか、それともそうやってずーっと帰りを待っているのか、バンはいつも門の前で足踏みしている待っている。
 今日はいかに。
 コロコロを引っ張っていれば遠くから近づいてくる音がする。だからたとえ居眠りしていたとしても,近くまで来れば音で気づく。しかし今日は手ぶら。音もなく門の前まで到着した。それでも匂いとか、テレパシーとかで家人の帰宅を察知するかと思いきや、門からのぞいてもバンの姿は見えない。呼び鈴を押してみた。

 無反応。バン、飛び出してこない。
 まさか、バン、留守の間に逃走?
 もう一度押し、しばらくすると、「なんですかー」って表情のバンが、これまた超面倒くさそうにニューっと小屋から顔を出した。  そしてこちらの存在に気づいたその瞬間。
 不意打ちをくらった帰宅。状況がすぐに飲み込めなかったのか、それとも寝ぼけていたのか、喜びの反応が少々遅れてしまった。だけに、じわじわと、そしてしつこく媚びを売るように喜ぶ続けるバン。
 いいんだよ、別にそんなふうにしなくても。もう歳なんだから、ゆっくり寝ていなよ、と思う。ものの、やっぱり留守の時はこうやって気を抜いたくつろぎの番犬していたんだということが判明。

 家人が留守だと,超手抜き番犬であることは多くの人から指摘されていた。
 「呼び鈴押しても,面倒くさそうに出てきて,チラ見しただけでどっかに行っちゃうよ」とか、「でも、手に何か食べ物持ってると,近寄ってくるけどね。」

 こうやって使い分けているということは、ある意味素晴らしいではないですか。