昨日からの寒波で、池田町はわずかに積雪。北アルプスは現在山の上半分が厚い雲に覆われ、山裾まで真っ白になっています。さらに寒さが厳しくなるようで、このあとどんな冬になるのか。
雪が降る前にと思い、これまで池田町の農家(および関係者)の方々私のもとに寄せられた大量のお米を、日曜日にようやく「こどもじゅく」マネージャの自宅(松本市)まで軽トラで運びました。約250キロ。軽トラのタイヤ空気圧を最大にしてもずしりと重い。
大体我が家に持ってきてくれるのはモミまたは玄米なので、暇を見ては妻と精米にでかけ、その上で5キロ、3キロの袋に小分け。それをまたコンテナに4~5個ずつ入れて運ぶのです。一つのコンテナは約20キロですから、なかなかの重量があり、それに加えて30キロの米袋も2袋軽トラに乗せたので、何度も運んでいるうちに腰が痛くなってしまった。3日たってまだ後遺症が残っています。
松本在住のマネージャは、このあと「こどもじゅく」参加者の家庭を中心に自家用車で回って配達するのだと言っていました。これまた大変な仕事で、近くなら応援できるのですが、現在のところ私ができるのはここまで。一人一人にすれば、ほんとうに僅かなお米しか提供できないのが苦しいところ。しかし、一方ではこのような取り組みも現在の貧困問題の解決にはほとんど焼け石に水ですから、もっと制度に目をむけた政治的な取り組みが必要なのです。
大内裕和さんの「ブラック化する教育2014-2018」のなかで宇都宮健児さんとの対談を読んでいると、今日の貧困問題の実相が歴史的に浮かび上がってきます。中間層が解体し、それが学生の家庭と生活を直撃、社会に出ても、正規社員として就職できるのは半数にも満たない。非正規、臨時社員として浮遊することになる若年労働者層。貧困が再生産され、連鎖の中でいっそう負のスパイラルに落ち込んでいく人々の群れ。
メディアに現れる家庭や職場は、作られた映像の中で見事に加工され粉飾されていますから、たとえ苦しい状況にあっても意識だけはそれに染め上げられ、社会変革ではなく、自己責任と現状維持の中でますます泳がされていく。
「こどもじゅく」で子どもたちに接していても、私などは家庭のことや心のうちはわからない。今のところマネージャが日常的にそうした家庭と結びついて実情を把握してくれているので、かろうじて私たちにその一端が伝わってくるという程度です。
日夜そうした活動に携わっている人たちには頭が下がりますが、いかんせん、そこまでの力量も時間もないので、せめて野菜をつくり米を集めて、必要に応じて届けることができるだけ。幸い、最近は野菜の提供が相当に増えてきているので、野菜応援プロジェクトは来年は中止することにしました。野菜をつくっていれば、今年の学生支援のように必要な人も出てくるでしょうから、できるだけ作付けしておこうとは思っていますけれど。といっても、体力がだんだん落ちてきているので、いつまでできるのか・・・。