Mooの雑記帳

日々の感想などを書いていきます。

4月10日(水) 4月雑記

2024-04-10 22:19:15 | 日記

れいわ新選組の山本太郎代表が、野党共闘を否定する発言をしたという報道がありました。発言の前後関係が不明確なので、れいわのサイトで記者会見の模様を視聴してみました。

1時間以上にわたる長い記者会見で、関連する発言を抜き出しながら聞いてみると、どうやら山本太郎代表の言いたいことは、2つ。
1つは今日の経済状況を立て直すには緊縮ではなく大胆な積極財政しかないこと、2つは「たたかう野党」が必要であることであって、他の野党はそのいずれの条件も満たしていないため「与党を慮るような国会運営をするようなものたちとは野党共闘の意味がない」という結論になるというのです。

一見勇ましい発言に聞こえるけれど、果たしてそうか。
山本代表の論によれば、円建ての国債は幾ら発行しようが財政が破綻することはあり得ない。アベノミクスは「特別な政策ではない」のであって、問題は機動的な財政出動をやってこなかったことにあるというのです。中小企業の苦境を尻目にマイナス金利を解除するのは、中小零細企業の淘汰を加速する以外の何物でもなく、それを訴える立憲民主党などは「経済音痴」だ・・・ということになる。

しかし異次元の金融緩和で実際に起こったことは、大企業が県境・国境を越えて利益をいかに上げるかが最優先とされていたのであり、金融頼みでその利益を増やす政策がとられれていたということです。その結果、労働者の賃金は下がり続け、社会保障の削減がどんどん進められてきた。
国債を発行しても財政は破綻しないというけれど、日銀が保有する長期国債は約600兆円、発行残高の半分以上を占めます。金利を引き上げると利払いが増えて国民生活への圧迫は必至。金利も上げるに上げられないジレンマに陥っているのが政府・日銀の実態であることはわかりきった話。

今日の経済を立て直すには、異常な大企業奉仕の自民党政治ではなく、優遇税制の是正と大企業の内部留保への適正課税、中小企業への直接支援を加えた最低賃金の大幅引き上げ、消費税の税率引き下げなどの政策です。野放図な「積極財政」ではなく、大企業への規制と賃上げを軸に実体経済を立て直すことであって、こうした政策も含めて「経済音痴」と罵るだけでは、国民の支持を得ることはできないのではないでしょうか。

ちなみに、日本共産党は昨年9月に発表した「経済再生プラン」で次のように書いていました。

 日本共産党の提案は、社会保障や教育、消費税減税など持続的な制度、暮らしを支え、消費と需要を創出する経済対策は22兆円規模、内部留保課税による中小企業の賃上げ支援や奨学金返済の半額免除などの緊急対策は18兆円規模という積極予算をすすめるという提案です(詳細は別項)。30年間もの長期にわたる経済の停滞・衰退、「失われた時間」の大きさからも、それを打開するには、従来型にとどまらない暮らしと経済を立て直す積極予算が必要です。

 その財源は財政の民主的改革と応能負担の税制改革、そして国債の適正な活用でまかないます。これがわが党の持続可能な税・財政改革の提案です

なお、野党共闘は、政党から言い出したものではなく、2015年の安保法制反対の国民的なたたかいの中で市民運動の側からの要求として各政党に求められた切実な願いでした。
共闘には当然ながらルールがあり、無原則的な野合などとは縁がありません。自らの特異な見解を押しつけ、共闘の基盤を作り上げる努力を自ら放棄する方が国民に対する背信行為ではないのかと思ってしまうのですが、いかがでしょうか。

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今日は夕方から友人の主催する「コレマデ/コレカラ」というイベントに参加。
今回の話し手は隣町に住む吉富政宣さん。専門分野は「回路理論・構造力学・火災科学・植物生理学等といった工学・自然科学,社会心理学・ミクロ経済学といった社会科学,法学・歴史民俗等の人文科学」と紹介されており、太陽光発電機器の開発、火災対策などで国際的に傑出した業績を上げていらっしゃった異色の人物。
山岳救助隊,電気設計業,構造設計業,経産省・総務省や学会の委員などの職歴を積んできた現在までの体験を語るという、興味の尽きない時間を過ごすことができました。

終わりの方で、太陽光発電装置をめぐる様々な誤った情報などに対処するには、論理に強くならなければならないという話も出て、私も含めて結構頭を使わされました。
ちなみに説明に使われたのは、4枚カードの問題。ウェイソンの選択課題といいます。

確かに、学校でも論理的な思考を強調しながら、形式論理の基礎については、あくまで高校の「集合と論理」で若干触れてみる程度ですから、子ども達の実生活にとってはほとんど縁のない話であり、身につかないのは当然でしょう。

実際大人の場合でも、「PならばQ」の話をしているときに、「逆に言えば」と言って全然逆でなかったり、実は「裏(=PでないならばQでない)」の話をしながら、「逆に」というように、混同している場合だってよくありますから。

それはともかく、上の今回のお話は吉富さんの「コレマデ」であって、「コレカラ」については2週間後に開かれます。楽しみです。