Mooの雑記帳

日々の感想などを書いていきます。

6月14日(日) 池田町は「花とハーブの里」になり得るのか

2020-06-14 20:58:02 | 日記

池田町共産党ファンクラブからの依頼で書いていた「池田町の財政を考える」シリーズの第6回分(最終回)を担当者に送付して、ようやく一仕事終えた感じ。

朝から降っていた雨が午後には一時小康状態になったものの、夜に入ってまた激しくなってきました。こんな雨の日にもかかわらず私の電話には「バラ園に行きたいのだが」という問い合わせが昨日も今日もありました。バラという花の持つ魅力はそこまで大きいのかと今更ながら驚きます。

実は、6月1日から約10日感でバラ園を訪問してくれた方々は約1000人にものぼります。10日にも書いたように、一様にばらけて来てくれたので混乱はありませんでしたが、このコロナ下でのバラ園の盛況ぶりは、あることを私に痛感させました。
それは池田町を「花とハーブ里」というキャッチフレーズで売り出し観光客を呼び込もうとする際に、人々が何を求めているのかに深い関心と見通しを持たなければならないということです。

私たちの団体「池田町バラ愛好会」は自分たちの楽しみのためと同時に景観形成を通じて地域の人々にもバラ園を開放し、いっしょに楽しむという方針で、それで儲けようとか観光客を増やそうとかということとは全く無縁の活動を続けてきました。小さいながら毎週集まって、丁寧に作業を行い手入れの行き届いた園内をつくり、その結果として地域の人たちがやってきてくれるようになったのです。

この間、主として池田町以外の市町村から多くの人がバラ園を訪れてくれたのですが、それは私たちの予想を遙かに超えたものでした。この事実は、池田町の「花とハーブの里」を考えるときに大きな示唆を与えてくれていると私には思えるのです。

これほど多くの方が来てくれているにもかかわらず、残念ながら町の職員は誰も訪問してくれませんでした。どうだったかとも聞いてもらえていません。では、町が力を入れている池田町ハーブセンターの観賞園、ガーデンにどれだけの人が来てくれたのか。統計をとっているわけではありませんし、シーズンではありませんから知るよしもありませんが、バラ園とは雲泥の差であることは間違いありません。

その運営に携わっている人たちの苦労は十分承知しながらも、私は町の「花とハーブの里」の構想力、政策立案能力を問題にせざるを得ないのです。
一体、ハーブセンター東側エリア(ガラス温室、観賞園、農場)を全体としてどうしようとしているのか。どんな場所にしたいのか。

「池田町の未来を考える会」は昨年12月、「池田町ハーブセンターに関する要望書」を提出し、東西両エリアの問題点と構想を町に示しました。その中で、バラ園の経験も生かした具体的で実効性のある東側エリアの改革プランを提案したのですが、残念ながら「一顧だに」されていません。それどころか、ガラス温室内に庭園をつくり散策ルートを作ったり喫茶コーナーを設置したりする改装プランを唐突に打ち出し、5000万円にも及ぶ大改装を行おうとしていることが分かりました。

これに対しても、4月6日に提出した「令和2年度予算に関する緊急要望書」で、ガラス温室の改装を凍結し、エリア全体の計画の中での位置づけを明確にした上で町民合意を得て進めるよう要望しました。しかし、これも残念ながら今のところ顧慮される気配はありません。
私が見るところ、現在の池田町には、町づくりのデザインを総合的に行い統一のとれたものに仕上げていく司令部にあたる部署が全く見当たらない。だから出てくる政策は場当たり的でご都合主義になってしまう。そのため、ハーブセンター東側エリアの運営はこの20年以上、結局のところ本質的に何も変わっていないのです。

現在行おうとしているガラス温室改装も、時間が経てばその矛盾がはっきりしてくるでしょう。一時期ものめずらしさから誘客効果はあるかもしれませんが、他のエリアとの統一が全くとれていないのですから、結局お金ばかりが出ていくことになる。町の好きな言葉で言えば「費用対効果」は限りなくゼロに近いものになるだろう。私にはそれが今からよく見えます。

それは言い過ぎで、町への誹謗中傷ではないか?私はこの評論が言い過ぎであって欲しいとさえ思います。もしも誹謗中傷であることが実践で裏付けられ白日のもとに晒されたならば、深々と頭を下げもしましょう。だが、どのようなデザインにするのかは業者任せであって、パブリックコメントや懇談会など町民の意見をきく機会は一切設けられていません。もちろん私たちの要望について町からの見解が示されたこともありません。過去の総括を十分に行い、独断専行ではなく町民や専門家の意見を聞きながら、十分に計画を練り上げることが必要なのではないでしょうか。

もし、町が本当に池田町を「花とハーブの里」にしたいのであれば、それにふわさしい構想を持ち、町民を信頼し、計画的にことを運ぶことにもっと心を砕いてほしい。バラ園の盛況をみながら、一方でそう願わずにはいられません