若松夏美・バロック・ヴァイオリン・リサイタル
■会場:日本キリスト教団福山延広教会(福山市本町)
■日時:2009年3月15日(日) 18:00 開演
■曲目:J.S.バッハ
無伴奏ヴァイオリン・パルティータ第3番ホ長調BWV1006
無伴奏ヴァイオリン・ソナタ第1番ト短調BWV1001
無伴奏ヴァイオリン・パルティータ第2番ニ短調BWV1004
■演奏:若松夏美(ヴァイオリン)
■チケット:一般 3,000円 生徒 1,000円
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遠方にお住まいの方は、電話予約を。教会へのお問い合わせはご遠慮下さい。
■問い合わせ先:コンセール・ジャズ大衆舎
TEL.084-951-4823 (20:00~22:00) E-mail: chopin-in-salsa@kba.biglobe.ne.jp
■主催者からのメッセージ
J Sバッハ(1685~1750)が、チェンバロとオルガンの名手であったことはよく知られていますが、ヴァイオリンの腕前も相当なものだったと伝えられています。そのバッハが作曲した、ヴァイオリン音楽の秀峰「無伴奏ソナタとパルティータ」を、バッハ自身はどのように演奏したのでしょうか。あるいは、自分自身が演奏できなかったとして、どのような演奏を想像しながらこの傑作群を書いたのでしょうか。
300年近くも昔に作曲された音楽を、ありのままの姿で再現することなどは、無茶な話だと思われるかも知れません。しかし、その当時の楽器を復元し、当時の演奏技術や様式に基づいて演奏しようという革新的な演奏運動が、今から50年ほど前にオランダで興りました。その運動は、「古楽(オリジナル楽器・ピリオド楽器)」と呼ばれるようになりました。
やがて、日本でも古楽に魅せられ、ヨーロッパに渡った音楽家が数多くいます。
若松夏美はその中の重要な一人です。紹介文にある通り、若松夏美は、バロック・ヴァイオリンの第一人者シギスヴァルト・クイケンに師事し、そのまま、彼の主宰するラ・プティット・バンドや、フランス・ブリュッヘンの18世紀オーケストラ、フィリップ・ヘレヴェッへのシャペル・ロワイヤルといった、ヨーロッパ古楽の第一級アンサンブルへ迎えられました。帰国後は、鈴木雅明の主宰するバッハ・コレギウム・ジャパン、旧くからの僚友である鈴木秀美の主宰するオーケストラ・リベラ・クラシカで、コンサート・マスターに抜擢されています。
こうしたキャリアが示すとおり、若松夏美はソロのヴァイオリニストであるよりも、アンサンブルのリーダーであるというところに注目すべきでしょう。多くのソロのヴァイオリニストが決して弾かないであろう、バッハのカンタータや受難曲などの教会音楽、知名度は低いながら俄に注目を浴びつつあるハイドン初期中期の交響曲など、バロック~古典の合奏曲を豊かに体現してきたヴァイオリニストとして彼女に並ぶ者は見あたりません。
私たちは、2008年、二度にわたって鈴木秀美の演奏によって、バッハ「無伴奏チェロ組曲」全6曲を味わいました。ならば、その姉妹作の「無伴奏ヴァイオリンのためのソナタとパルティータ」を、最も信頼できる演奏家によって、聴いてみたいと思うのは当然の成り行きと言えるでしょう。
「チェロ組曲」で私たちが感じとったのと同様に、この「無伴奏ヴァイオリンのためのソナタとパルティータ」からも、これまでに私たちが経験したことのないような、新しい美が発見されることは間違いないことでしょう。
知人がプロデュースするリサイタルです。