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《読書》『クラシック・スナイパー3 特集 クラシック名盤大噴火!』青弓社

2008-12-09 06:19:56 | 読書
◎〔番外〕『クラシック・スナイパー3 特集 クラシック名盤大噴火!』(許光俊・鈴木淳史編著) 青弓社(2008.11.25読了)
 ところで私は芸能人にはまったく詳しくなく、とくに若いタレントはみな同じような顔つきにしか見えない。どうして日本の人々は、ある方向に勢揃いしないと気がすまないのだろうか。女のメイクが全員同じなのである。これでは見分けがつくはずかない。私が高校生のときなど、どっちを向いても聖子ちゃんカットの女の子だらけだった。いま写真を見るとかなり恥ずかしいのではないだろうか。
 ギャル曾根にしたところで、顔やメイクだけだったら他人と見分けがつかない(私の授業にもあのような様子の者か何人かいるか、見分けがつかない。もっとも、そうでない者も見分けがつかないが)。しかし、さすがにあれだけ大食いだと記憶に残る。最近私が覚えた唯一の芸能人である(ただし、食べるときに顔を上に向けるのは、品がないのでやめたほうかいい)。最近の若者は体が華奢なだけでなく、あまり食べないし、飲まない。私と飲みに行って気分を悪くしたり嘔吐した女子学生は、すでに五人にのぼっている。男子学生は意外に冷たいもので、誰も介抱してやらない。万が一死んだりして責任問題になっても困るので、私が気を遣ってやらなくてはならない。ということを考えると、なおさらギャル曾根の度外れぶりが身にしみるのだ。
 大食いといえば、私が忘れられないエピソードが名指揮者カール・リヒターにある。彼が死んだときに誰かの追悼文で読んだのだが、リヒターは一つのことに激しく集中してしまう人間だった。楽譜を読みだすとそれに集中して、じゃまが入ると怒りだすというふうに。なにせ飛行機の中でスチュワーデスが声をかけただけで怒りだすというのだから正真正銘の異常者と呼んでもいいだろう。で、来日時、てんぷら屋に連れていかれたら、栄養補給モードに突入。食べ方を説明されても耳を貸さず、大根おろしだの漬け物だの、持ってこられたものを片っ端から平らげ始めたという。すばらしい。そういう一途な人間だったからこそ、突き詰めたバッハが演奏できたのだ。私もそのような人間になりたいと思う。
(許光俊「連載 究極邪悪、クラシックでポン!③ 新シーズンでさんざん散財の巻」pp.113~114)