すれっからし手帖

「気づき」とともに私を生きる。

脳との付き合い方。

2015-02-19 13:28:57 | 心理メソッド・生き方
最近、いろんなことの手抜きに慣れてしまって、なんとなく生活がだらしなくなっているな、と感じます。家にいる時はネットをやりすぎてしまって、SNSの情報にも一喜一憂して、感情が泡立つ。「見なきゃいいのにな」とどこかで思いつつ、「ついつい」を繰り返してしまいます。

これは、自分が自分をダメにしている感じなんですよね。五感で「気持ち良さ」を感受する感覚が落ちて、脳ばっかり使っている感じです。

そんな中で手に取ったのが、この本。

『考えない練習』小池 龍之介

著書の小池龍之介さんは、東大出身の異色の僧侶。親や妻へのDV、離婚、その他かなりの壮絶体験をくぐりぬけ、坐禅・瞑想に出会い、その厳しい修行によって自分で自分を救った方です。

図書館で予約していたのだけど、この時期に届いて、あまりのトンピシャな内容にシンクロニシティを感じました。この本、たぶん、買います。


興味をひいたものを上げてみます。

・脳という情報処理装置は、自分の大好きな刺激を得るためなら私たちが苦しんでいてもお構いなく考え続ける、ヤクザな物体なのです。

・無意識の思考(意識できないほどの短時間にあらわれては消える思考)が引き金となり、次々と新しい思考が連鎖して、私たちを考えさせているのです。たとえば、「がーん、どうしよう」という思考から連鎖し、「この仕事が失敗したらどうしよう」とか、「もし失敗して、あの人からバカにされたらどうしよう」とか、思考が勝手に暴走し始めるかもしれません。

・思考がぶつぶつと増殖すればするほどに、心のメインメモリは無駄な雑念に食いつくされてしまいます。



最初の脳の話しは、まさに私のことです。脳は、刺激を追い求めるようにあらゆる情報をさまよい、不快→快、快→不快の落差を味わいだかるヤツなんですね。そして、満足できる刺激はどんどん強くなっていくという。

ネットの情報は脳を刺激する材料に事欠きませんから、最近の私の脳はちょっとそんな状態なのかもしれません。脳は目的を達成しても私(自己)や私の身体は、気持ちよくない。むしろ、息苦しさを感じています。

考えてみれば、ギャンブルがその最たるものです。一度強烈な勝ちを体験すると、脳がさらなる勝ちという「快」を求めて暴走し、自分がボロボロになるまで意思の力ではとてもストップがきかなくなる。ギャンブルにはまってしまうというのは、自分が自分の脳をコントロールできなくなる状況です。

脳=私(自己)になると脳の暴走を止められなくなりますが、脳と私との距離を置いて、脳を客観的に眺めてみることができれば、脳がすることを私がコントロールすることは可能です。

そのためには私の側の感覚、身体の中のすっきりしない感じ、気分の淀みを、まだ軽症のうちにキャッチすることですね。私の側の悲鳴が軽い内ならば脳を落ち着かせることは難しくないはずです。


一方、無意識の思考が連鎖して、イライラや不安を引き起こすというのは、心理学でもよく言われることです。「自動思考」といって、意識するよりも早く勝手に脳が自分の台本によって思考を始めてしまうのです。

たとえば、「知り合いを見かけたけれど、こちらに気付かないで去って行った」という【事実】があったとします。

脳の台本の書き込みに悲観事項が多いと、「私のことを避けているんだ」とか「この前のことを怒っているんだ」とか「私が何か悪いことをした?」という【思考】が自動的に発生します。

その【思考】から生まれる【感情】が、不安、イライラ、怒りで、それが高じると当然心身の不調につながります。脳にはさらにこのサイクルが刻まれ、ますます悲観的な台本は強化、固定化されます。

小池さんのこの本では、自動思考は本当に瞬間的に脳内を駆け回るので、たとえば、批判されたら落ち込むという自分の脳の傾向を知ることと、その出来事に対して自分の脳がどう反応するかを予想して身構えておくことの大切さを書いています。

具体的には、誰かに嫌なことを言われそうなときに、

「あ、この人(自分のことです)は、あと一言、言われたら落ち込み始めるよ」と身構えておく

というようなことです。

自分の脳の性質を知っていれば、感情にフィードバックさせることを和らげることもできますし、その脳が反応しやすい場面をできるだけ避けることもできるかもしれません。

あと、こうして脳、思考のおしゃべりが多い人(私です)は、五感の働きが弱っていて、生きる実感が薄れがち。まずは、目の前のこと、炊事でも、洗濯でも、散歩でも、具体的に指先、目、耳の感覚に意識が向けるような訓練をしてもいいかもしれません。

余計な考え、特に自分を苦しめる思考が流れてきたら、とりあえず呼吸に意識を向けるのもシンプルかつ効果の高い方法ですね。


これもシンクロなんですが、昨日、田口ランディさんはこんなことをつぶやいていました。






ランディさん、最近よく脳についてつぶやいておられるなぁとは思っていましたが、今まではほぼ素通り。でも、昨日はキターって感じでした。

この発想、もらい!です。

脳が家来で、私が主人。

私の脳の弱点は、すぐに落ち込みやすく、人の顔色を気にしやすいところ。脳に刻まれた台本はなかなか書き直されないけれど、その特性を知っていれば、その都度、なんらかの手立てを講じることはできそうです。

時に命令したり、肯定的な言葉をかけたり、時に甘やかしたり、と、普段から育てていく感覚で脳と付き合って行くのも楽しそう。ただし、家来の脳を上手くコントロールする術は、毎日の小さな努力が欠かせないでしょうね。

とりあえず、昨日から、私の脳には「タブレット開くのは基本昼休みと夕食後だけね」と優しく命令しときました(笑)。聞いてくれるまで、あせらず、あきらめず命令するつもりです。



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