四季の山を歩き、思い、創造する。
凌 手記
四日市 moderate 出張シノギングの様子
おかしいなぁ、鈴鹿ってこんなだったかなぁ。晴れていたのに突然雪が降ったり、まわりを蛭に包囲されたり、そういう山じゃなかったかなぁ・・・。
しょっぱなからどこか不安な気分になるほどの晴天(笑)同行スタッフ3人は誰もがそう思っていたに違いない。
時間通りにシノラー志願者たちが集まり、本日のシノギングがスタートした。まずは私から凌とシノギングについてのお話を。お話をしながらツユハラヒ、クナイといった定番の道具をお貸出し。それからノラギ(紋付き)やハヲリモノoctaなどの衣服もお貸出し。シノギングという山歩きの考えを聞いてもらいながらこのアイテムにはどんな意味があるのかを知ってもらい使ってもらう。シノギングイベントだからできること。ツユハラヒとクナイを着けた我々は途端に道行く人たちがいぶかしむ集団に変わるのだ。
続いて、低山小道具研究家の森勝氏から地形図の見方とコンパスの基本的な使い方の説明。
確かな経験を積んだ人が的確に必要な事だけをシンプルに伝えるからとてもわかりやすい。
特徴的なデザインのヤマボウシに凌アイテムを合わせればもうすっかりシノラーだ。
MのM氏から本日のルートの説明。この時にルート上の目標物やチェックポイントを予習しておくことが地図読みの基本。
凌支度を整えていざ出発!タビガラスは今日も風になびいている。
途中にある山男の像が鈴鹿エリアもクライミングのメッカだということを教えてくれる。
地図読みをしながら尾根を目指して林道を行くとその先で道路が崩落・陥没。大雨の勢いによるものだろう。この辺りの地質は花崗岩で、風化すると土砂になって沢に流れ込むので土砂災害が多い。そのため昔から多くの砂防ダムが建設されてきた。今回はそんな新旧の砂防ダムをめぐるシノギングでもある。それにしてもタビガラスの後ろ姿が格好良すぎる。
陥没地を越えて目当ての尾根に乗るとそれはすぐに地形図よりもずっとやせた尾根に変わった。こちらも風化によって両脇が段々崩れてしまったのだろう。
その先が若干心配になってきたころ、植生に針葉樹が混ざりはじめ、先ほどよりも幾分凌ぎやすくなった。
すぐ下に砂防ダムが見えてきた。ザレ場を慎重に下る。
新芽ちゃん。
砂防ダムの広場に降り立ってこの先のルートを確認。こまめに確認することも地図読みの基本。いくつもの基本を重ねることで間違いの少ない地図読みができる。
水の流れのない乾いた川床の荒々しさがいい。
砂防ダムの背景は釈迦ケ岳~尾高山へと延びる春色の尾根。
砂防ダムの建築年を記した石碑。上流にあるのが大正十年の石碑だから、地道に日々を重ねて土砂と戦ってきたことがわかる。
コンクリートではなく石組みの砂防ダム。おそらく城郭の技術を受け継いだ石工たちによって組まれたものだろう。それを忍者のように登るシノラー。重度の高所恐怖症の私にはとてもそんな真似はできない。
重度の高所恐怖症の私にはこれもまあまあひやひやものだ。
いくつもの砂防ダムを越えて方位が南東に変わった先に現れたのが最後の砂防ダム。その先の広場(河原)で長めの休憩を取ることにする。
長めの休憩に入ったがすぐには休ませてあげないのがシノギングイベントだ。ちょうど油の木が横たわっていたので油の木採取とマッチ一本火付け術。
続いて、難しいことはやらない、難しいとは言わせないロープワーク。簡単だけどちゃんと役に立つ。手数を多くして翻弄させるのではなく、必要なことを簡単に的確に伝えるのが凌流。
ようやく休んでいいそうです。
ゲッカビジンこの春夏の新色、ライムシャーベットをよろしくお願いします。
晴れていても冷たい空気が入り込んでいるので今日のお昼はカップラーメンが正解!(うらやましい)
ゲッカビジンの座り心地はどうですか?
ハンモックの寝心地はどうですか?
ゲッカビジンは縁に座るのが正解。寝るときは中心のリッジラインに身体をあずけてから対角線のイメージで身体をずらすのが正解。
垂直トラッカーズヒッチで吊るせるものは全部吊るす(笑)
パーゴワークスさんのイベントに向けて焚火の練習。たとえどんな目的だとしても何でもやります教えます。それも凌流。
ついつい袖を通してみたくなるノラギ(紋付き)。
長いはずの休憩もあっという間に終わり、後ろ髪をひかれつつ来た沢を戻る。
今日は砂防ダムを何度越えただろう・・・。
荒々しい川床をバラバラに進むシノラーの格好いいこと。
東海自然歩道はここにもつながっているのだ。
序盤で越えた崩落地を逆に越えれば駐車場はもう近い。
最後に、オブジェと化した砂防ダムにて、決してわらってはいけないやつ。
今回の出張シノギングに参加して下さったみなさま、ありがとうございました。
いくつもの砂防ダムを越えてたどり着いた広場でハンモックに揺られた気分はどうでしたか?山頂を目指さず、時間を気にせず(少しは気にした)、誰にも会わない沢のほとりでのんびりするだけで、一般的な登山・ハイキングとの大きな違いを感じてもらえたのではないかと思います。
あの場所で同じ時を過ごしたからこそ知ることができた情報があります。それらは何となく情報収集をしているだけでは決して手に入らないもの。短い時間でしたがこのシノギングで初めて経験し、気付いたことがきっとあったと思います。頑張りすぎず、楽をし過ぎず、知らなかったことを知る、やっていなかったことをやってみる、自分で考えて行動する。シノギングっておもしろいなと感じてもらえたら、みなさんのお住いの裏山で実践してみてください。
シノギングを続けることで、道迷い遭難のない自立した山歩きの術を身に付けることができます。
シノギングの情報は巷に溢れていません。興味のある人は勇気を持ってシノギングイベントに参加してください。この手記に書かれていることはシノギングのほんの一部です。実際に参加することでシノギングのいろいろを知ることができます。百聞は一見に如かず。
このイベントにご理解・ご協力いただきましたmoderate様、お忙しいなか同行してくれたMのM氏、ありがとうございました!
凌は美学
いつ何時でも所作、立ち居振る舞いを美しく
いつ何時でもあたふたせず、まごまごせず
道具に踊らされず
凌ぎ
美を追求すべし

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