四季の山を歩き、思い、創造する。
凌 手記
練馬sokit 出張シノギングの様子
実に4年ぶりの開催である。
あの忌まわしき新型コロナウイルスのせいで、ここまで延期させられるとは。。
兼ねてより店主N氏とはやりたいやりたいと画策していた、沢を歩き暑さを凌ぐシノギング。ようやく開催に漕ぎつけることが出来た。
勿論場所は、練馬sokitのローカルな山域、奥武蔵秩父エリアにて(実は高尾方面とアクセスはそう変わらないが...)
集合と共に、まずはN氏からのご挨拶。
残念ながら病欠や急用によるキャンセルが相次ぎ、少ない面々となってしまったが、結果的にちょうど良い人数構成となったか。
さて、まずはいつも通りの強制貸出を済ませる。クナイとツユハラヒとハヲリモノoctaをそれぞれご用意。特にクナイは沢歩きの際にも絶大な効果を発揮してくれるのだ。
よし、軽くなった笑
まずは地形図の見方から、尾根と渓の識別を、順を追って説明していく。正直今回は沢歩きが主となるので、中々実践的な地図読みは難しいが、知ると知らぬでは足るも足らぬも語れやせん。と、いうことで、しっかりと解説。
そして、コンパスの説明から、方位の認識確認。東西南北から。。
北東、南西、東北東、西南西と、文字にするとまるで麻雀牌のような方角まで、そこ向けそこで、その方角へ向いてもらう。
残念ながら皆さん、理解が早く、方位については全く問題なし。難しく考えがちなコンパスの使い方。シノギングでは正置なんてほぼしない。単純に尾根がどの方角に向いているか、尾根がどの方角に分かれているか、その要所要所で、尾根が延びる方角を確認し、自身が行きたい尾根を選定し、向かえば良いだけである。
こればかりは論より証拠となるが、実践を積み重ねて、経験値を培っていく必要がある。ギターでいう所の、”F”の壁に近い。このFという名の読図法を弾けるようになると、一気に世界が広がるはずだ。
ついつい熱が入ってしまった。こりゃ失敬。
まだまだウンチク、ミチクサは続く。
最近定評のある、パッキング講座へ移る。森勝氏が狙っていたターゲットへロックオン。
まずは追剥に会い、、
アレをそうして、こうして、最後は子供を背負うイメージで背中にへパックを収めると、、、
見栄えも背負い心地も大幅に改善。言われると当たり前に感じるが、言われないと中々実践しない。そんな内容である。
そうしてようやく沢に向けて歩き始める。中々歩き始めないのがシノギングイベント名物。
ごにょごにょと一般登山道を進み。。
15分程度で入渓ポイントへ。いざ出陣!
のっけから狭い沢筋で、ところどころに小滝や乗越がある。
ゴーロに適度な日当たり木漏れ日。
少しずつ拓けてくると、皆のスイッチが入り始める。
針葉樹帯が主となる沢だが、素敵な苔生しが花を添えてくれる。
時にはこんな登り上がりもあるが、見た目以上に登りやすく、プチ沢登りな体験もできる。
テンション上がってハイペースになっていたので、一発小休止がてら店主N氏の一押し製品説明会へ。
普段多くを語らない方だが、話し始めるとしっかりキャラが発動されるN氏。気になる方はお店へ足を運んでみてね。
この間、ずっと沢に足を浸かっていると、涼しいを通り越して寒い思いも出来てしまう。歩き続けていると実は体力を消耗する沢歩き。オーバーヒート気味になる時は、適度にこのような足浸かり小休止をいれると良いでしょう。
そうして再出立。
また少しずつ狭くなり、厭らしい倒木も目立ち始める。
大きな二股手前の象徴的な小滝を越えて、、
右俣の主流へ入り程なく進むと、今回の核心部へ!
これは正直沢登りなグレードとなる。潔く一人のシノラーが挑んでくれたが、完登はならず。いや挑んでくれただけでありがとうございます。
他は左岸を高巻き、上から見物。
すかさず入渓すると、似たような小滝へ。
ここは意外に行けたようで、皆ポンポンと挑戦していく。私だけ再び巻きで高みの見物。
そして最後の難関!
と思いきや、こちらも意外に段々で上がりやすかったという。。
この後も小滝をいくつかこなす。左俣に入ってからは沢らしい沢が続き、結構面白いゾーンである。
最後の最後は倒木入り組む嫌な沢筋で、
程なくすると登山道へ合流。ここで脱渓とする
ここまで正味、沢を歩くだけなら1時間くらいのルート。急がずゆっくり登り上がることで、約2時間しっかりと暑さを凌ぐことが出来た。
さて、ここからは天国に対しての地獄の登山道歩き。。
休憩ポイントに向けてジリジリと登り上がるわけだが、基本沢沿いで急登な尾根歩きではないことが幸い。
程々に渓を詰めていくと、トラバースで大きな尾根に向かうよう切り替わる。薪炭林が心地良い。
尾根に乗ったところでストップ。
ここから。本来は尾根を詰めてピークを踏み、となりの尾根に移ってその先下った平場で休憩となるわけだが、わざわざピークへ行かずとも、直進でトラバースと小さな渓を越えて、A to Bで繋いでしまおうではないか。そのためにコンパス正置で位置を定め、B地点までとにかく真っすぐ進む、コンパス直進を実行。
以降、信じられるのは己ではなく、コンパスのみとなる笑 基本は尾根伝いの歩き方だが、実戦的にコンパス直進のトラバースを行うこともある。例えば自分の尾根と移りたい隣の尾根が90°以下でピークと交わっている場合、この方法が非常に有用性を増す。(等高線の入り方や、植生によってはNGの場合あり)
そうしてとにかく北北東を一心に進んでもらう。
コンパスのみを信じ、渓を下り。。
渓を上がり。。
少し急斜面な箇所をトラバースで横切りながら少しずつ高度を上げていくと。。
ドンピシャ、平場ポイントへ到着。このようにピシャっと地図読みがハマると、非常に楽しいわけで。地図読み、シノギングでのとびっきりのご馳走である。(実はもう一段下の平場が休憩ポイントだった点はご愛敬...)
ということで、もう一段下ったこの楽園で、がっつりお昼休憩としよう。
ハンモック初めての方々へ。張り方のノウハウをレクチャーした後、さっさとハンモック休憩へ入る。
慣れた感じのシノラーさんもいれば。
初めてながらしっかり寛いでくれたシノラーさん。
皆さん、後ろ姿がとても良い。
途中森勝氏がダメ出ししつつ、あれやこれやと野次を入れる場面。
皆、昼食を終えると、自ずと身体が横になり、スヤスヤとお昼寝タイム。
この辺りは暑さを忘れさせるような木漏れ日と、適度な風の抜け具合。そりゃ寝ないわけにはいかない。
ハンモック村は静寂に包まれ、お陰で森勝ショーは少し控えめに。。最後の最後にプチロープワーク講座を畳み込み消化不良を解消していた笑
いつも通り、しっかり2時間休憩し、朗らかな気持ちで下りの帰路へ出立。
ここからは尾根下りとなるが、下りは注意が必要だ。なぜなら支尾根がどんどん枝分かれしていくから。最後の大きな二股分岐をしっかり意識して下っていってもらう。
怪しい所で、我々からも野次を入れ、盛大に惑わせる。基本は先頭に立つシノラーさんにルートチョイスは一任させる。そのプレッシャーに打ち勝つことで、また一つシノラーに近づけるのである。
さんざん野次を飛ばしていた私が、実は盛大に地図読みを間違っていた点は申し訳ございません笑 いくら経験してもミスは発生するもの。そのリスクを最小限に抑えられるよう、私も日々精進していきたい。。
結果、先頭シノラーさん達は、しっかり正しいルートチョイスにて、開始の登山道地点へ合流。
秘密のトンネルを抜けると。。
そこはもののけが集わない、駅近の麓であったとさ。
無事駅に到着し、最後のご挨拶。
沢歩きから、コンパス直進トラバースと、しっかり体験楽しめていただけたようで幸い。
最後に決して笑ってはいけない奴。(あえてのハンモック楽園前にて)
4年ぶりの開催にして、念願の暑さを凌ぐことが出来て良かったです。
ご参加いただいたシノラー皆様、ありがとうございます。
狭く小さな低山エリアでも、楽しみが見いだせる。それがシノギングの良さでもあります。これを機に、ハマりそうな方は是非、東京や他出張シノギングにも参加いただければ嬉しい限りです。
また、この企画に賛同いただき、ご協力いただいたsokitさん、並びに同行いただいた店主N氏、ありがとうございます。
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