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まだまだ暑いので渓に逃げるしかない

いや~、暑いね~。

へぇ。

暑くてやってられないね~。

へぇ。

ちょいと暑さを凌ぎに行ぐんべぇか~。

へぇ。

今回、暑さを凌ぎに向かうのは栃木県北部の渓。シノラッセルをしに冬にはよく訪れるエリアだが暑さを凌ぐために訪れるのは初である。

駐車場から林道に沿ってしばらく・・・。ここは廃林道なので車もバイクも入ってこない。

30分ほどで入渓地点に到着。この時点で汗だく(水蛙と呼ばれたことがある笑)。

自然に負けた文明。

どん底感のない、雰囲気のいい渓だ。

セラドンのようなきれいな色の流れが続く。水は冷たく一気に冷却されるが、なんせ15kgのロマンを背負っているので、汗は止まることなくびしょびしょ。こまめな水分補給が必要だ。

ナメてんな~。

へぇ。

ナメ過ぎだろうよ。

へぇ。

ナメ。

へ。

ナメ。

へ。

チョセヨ。

基本的には穏やかだが、時にスリリングなところもあって飽きることがない。写真を取り忘れたが、後半戦は傾斜がきつくなり、大き目の岩を乗り越えて行くのでいつの間にか疲労している。

きれいすぎるでしょ。

こんなに美しい景色を楽しみながら渓を凌ぐわけだが、ただぼーっと歩いているわけではない。渓では方位、支渓、左岸右岸の緩急といった情報をつぶさに観察して現在地を想定する。そう、特定ではなく想定だ。シノギングでアプリを使うと即追放となるので想定にとどまる。違うかもしれないという考えも必要なのだ。だからいつも真剣勝負。無駄話などしない。

20mの大滝はフリーでちょちょいとやっつけて・・・。いやいや、無理でしょ。

シノギングに無理は禁物。しばらく大滝を鑑賞して一夜を凌ぐ場所を決める。研究開発中のウバステヤマ(仮称)。修正箇所はたくさんあるがこの状態から仕上げて行く工程が楽しい。仕上がらないかもしれない・・・笑

場所が決まったら広げるものを広げ、出すもの出して、湿気た薪を確保する。渓は湿気ているものだ。

昼過ぎから雨の予報だったが今のところその気配はない。ようやく量産が決まったヤナギニカゼ。接ぎのところのシワが気になる・・・。こういうところをちゃんと修正して必要としている人に届けたい。

どうせ乾かないけど干す。

9月中に売り出し予定のシノギチャブダイ240mmケヤキ。既存品は針葉樹のヒノキだが、こちらは広葉樹のケヤキ。硬くて重いケヤキのちゃぶ台はまるで重戦車のような風格がありながらも、浮雲が漂うような美しい板目の木目を楽しむことができる。地図記号の広葉樹の刻印が乙。

そんなケヤキのちゃぶ台で呑む冷たいビールは格別。ポテサラ(マヨ増量)をつまみに今日の渓を振り返る。

ビール⇒ビール⇒日本酒。呑む酒は家と何も変わらないがここは大自然の中。沢音と湿気に包まれて静かに時が過ぎる。雨はぽつぽつ降ったかな?

呼吸するように燃える熾火。これで焼き鳥を焼いたらうまいだろな。

朝。

昨夜は半透明半生ぬめぬめなやつに襲われて久しぶりに「助けてくれ~」とうなされた笑

ハンモックとタープ。この感じがたまらない。半分中で半分外のこの感じは日本の縁側に重なるのかもしれない。蚊帳は邪魔だし景観を損ねるので使わない。森林香で十分だ。これで虫に食われても別に構わない。シノギングには敏感さと鈍感さが必要なのだ。

湿気と苔に囲まれたこんな質素な感じが好き。

凌支度を整えて出立前に昨日の大滝を鑑賞する。朝日の中の大滝は昨日とはまったく違う表情を見せている。

大滝からは林道の終点を探しながら凌ぐ。

気持ちのいい森を楽しみさまよい、やがて林道の終点を発見。廃林道なので荒れている。

支流から大雨が流れて無残にもえぐられ分断した林道。

仕方がないのでいったん降りて登りなおす。こんなところが何か所もあった。林道を管理するって大変だな(税金)・・・。

ぐるりと一周、入渓地点の橋に戻った。今はもう温泉と蕎麦のことしか頭にない。

みなさまも道中ご安全に。

 

■渓を凌いだアイテム

クビマキ(タオル代わりに・絶賛販売中)

ハチジュウハチヤ七分袖(絶賛販売中)

タッツケ(試作品)

クナイ(絶賛販売中)

ヤマバッグ XP(絶賛販売中)

タモツウルオス XP(絶賛販売中)

凌ピッケル(絶賛販売中)

ウバステヤマ 55L(仮称・研究開発中)

 

■一夜を凌いだアイテム

ヤナギニカゼ(試作品・年内売り出し予定)

ゲッカビジン二重織り(完売・年内再販予定)

ウンカイ Light(在庫わずか!)

ハンモックアンダーキルト 120(絶賛販売中)

ハヲリモノ octa(絶賛販売中)

カルフワステテコ(絶賛販売中)

クイックレッグウォーマー(旧品)

行燈風シェード(絶賛販売中)

シノギチャブダイ240mm ケヤキ(9月中に売り出し予定)

ヌノバケツ ×2(旧品・試作品)

凌風呂敷 44cm&54cm(絶賛販売中)

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【満員御礼】勝手に出張シノギング 滋賀編 募集開始

10月の勝手に出張シノギング滋賀編は定員に達しましたので受付を終了いたしました。

たくさんのご応募、ありがとうございます。

今回参加できなかった皆様、また次の機会のご応募をお待ちしております。

 

 

 

凌販売店との共同企画で好評をいただいている出張シノギングですが、販売店のないエリアのシノラーさんとも凌ぎたいと、勝手に出向いてシノギングイベントをしてしまおうという無謀な企画です。

4回目の舞台に選んだのは滋賀県!周辺の府県にはあるのですが、意外やこの滋賀県には凌販売店がないのです。。

 

「四季の山を歩き、思い、創造する」アクシーズクインでは、山歩きの独自コンセプト「凌」をテーマにした衣服や道具を企画・販売しています。そして「凌」をテーマにした山歩きを「シノギング」と呼んでおり、このイベントでは「凌」とは何か、シノギングとはどんなものなのかを知ることができ、「凌」の衣服や道具を実際にお試しいただくことができます。

興味のある方はお気軽にご参加ください!!

 

■今回のテーマ:「湖臨む、秋の低山でシノギングに触れる」※開催地は滋賀県内です

秋の低山にて、滋賀県と言えばの湖を臨みながら尾根を辿り凌ぎ、ハンモックに揺られ癒され、”シノギング”というものを体感いただきます。勿論いつものシノギングイベントのように、山の歩き方、地図読みの基本、火起こし、簡単ロープワークなどなど、シノギングに必要なアレヤコレヤを学ぶことができます。

長い距離を歩いたり、危ない場所に連れて行ったりすることはありませんので、安心してご参加ください。

 

■今回のシノギングの概要

・開催日:10月19日(土)

・集合時間:9:00

・集合場所:滋賀県内 道の駅 塩津海道あぢかまの里(トイレ横のベンチ辺り)

・予定コース:道の駅~とある低山域~尾根を辿り琵琶湖を臨む~休憩~尾根を辿る~道の駅~解散

・終了予定時間:16:00

・定員:8名

・最小催行人数:2名

・同行者:株式会社 双進 アクシーズクイン事業部 谷島、柳谷

・参加費用:無料(本イベントに必要な交通費・ガソリン代等は参加者にてご負担下さい)

 

■お申込みについて

・申込方法:下記連絡先に以下要項を明記の上、メールにてお知らせ下さい。

  1. 参加人数・参加者のお名前(漢字フルネーム)・代表者のご連絡先
  2. 参加者のご年齢(イベント当日の満年齢)

  3. 当日の交通手段(お車か公共交通機関か)

・連絡先:株式会社双進 アクシーズクイン事業部 担当:谷島(やじま)
 e-mail : info_pro@axesquin.co.jp、TEL 03-3528-6642

・試してみたい「凌」商品がありましたらお申し込み時にお知らせください(サンプルの在庫によってはご希望に添えない場合もあります)。

・公共交通機関の利用が不便な場合、お車での集合ご参加も可能です。道の駅駐車場をご利用下さい。
※最寄り駅は近江塩津駅となりますが、徒歩30分程掛かります。公共バスは極端に本数少ないです。諸々ご留意下さい。

・締切:10月6日(日)終日

 

■その他のご連絡

・コンパス(方位磁針。簡易なもので可)と色ペンをご用意ください。

・地図はこちらでご用意いたします。

・ハンモック、ウッドストーブをお持ちの方は是非ご持参ください。

・お昼休憩を1~2時間ほど取ります(停滞時の活動によっては3時間程になる場合もあり)。

・お昼ご飯・行動食・飲み物などは各自ご用意ください。

・トイレは道の駅内にあります。山中の有無は不明です(申し訳ありません)。

 

■注意事項

・天候や弊社の都合で中止する場合には開催直前の金曜日12:00までに凌手記 本ブログ内でお知らせしますので参加される方は必ずご確認下さい。

・事故等につきましては参加者ご自身の責任で当イベントにご参加ください。

・当イベント参加中の怪我や病気、事故等については、弊社は一切の責を負わないものとします。

・天候や行程の都合で商品のお試しを割愛させていただく場合があります。

・当日の天候や進行の都合でコースや終了時間が変更になる場合があります。

・本イベントで撮影した画像を弊社ブログで使用することがありますのでご了承ください。

・弊社メール環境セキュリティの都合でごく稀にお客様からのメールを確認できない場合がございます。

・受信したメールには2~3営業日以内に必ず返信を差し上げておりますので、弊社からの返信が無い場合にはお手数ですがお電話をいただけますようお願いします。

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高尾ハナレ~秋分ノ会~ 九月一般開放と凌談義のお知らせ

 

ご無沙汰しております。高尾ハナレです。

関東でも直撃するような台風が続き、晴耕できぬ雨読な日々が続きましたね。しかしながら今週よりうだるような暑さは鳴りを潜め、我らが旬となる秋ももうすぐそこです。

今回の凌談義も二部構成にて目白押しでお届けいたします。

 

さて、九月の一般開放日”秋分ノ会”の詳細をお知らせいたします。

定時にて「凌談義」と銘打ったお話交流の場を設けております。毎回お題を変えて、皆さんと談義交流が深められるようにしていきたいです。

 

日時:九月二十一日(土)正午~午後五時

■凌談義(二部構成

午後一時~
お題:凌談義・凌流着こなし考
┗秋冬物の新作を主として、汗や寒さなどの状況に対するレイヤード術と、運動時停滞時の凌の美学に通ずる着こなし術をアレヤコレヤ

午後三時~
お題:ヤナギニカゼ談義~ハンモックまわり考も添えて~
┗ようやく仕様が確定したシノギングタープ「ヤナギニカゼ」の軌跡と詳細を。そしてそれに付随したハンモックまわりの作り方、工夫等をアレヤコレヤ

ハナレ番:柳谷・谷島

 

凌やシノギングについて、ちゃぶ台を囲んでゆっくりお話ししましょう。

隙間のお時間には勿論、春夏物秋冬物商品サンプルもご覧いただけます。サイズ合わせや着こなしについての質問も大歓迎です。
※凌製品の販売等は基本的に行っておりません。

 

シノギング後のお立ち寄りも大歓迎です。

シノギングの汗を流すシャワーも完備していますので遠慮なくご利用下さい。

 

飲み物、食べ物の持ち込みもOKです。

 

また、今後の開放日予定も年中行事として告知しております。一ヶ月前を目途にそれぞれ開放日の日時詳細確定は本手記及び、高尾ハナレインスタグラムにて再告知させていただきます。今回都合が合わない方は、次回以降にて是非ご検討下さい。

 

みなさまのお越しを心よりお待ちしております!!

 

所在地
〒193-0844 東京都八王子市高尾町2031
目立つような看板はありません。所在地を頼りに地図読みをしながら「高尾ハナレ」の控えめな表札を探してください。
「高尾ハナレ」においでいただく際には、近隣住民の迷惑にならないようご配慮ください。

アクセス
京王線高尾山口駅から最短距離で徒歩12分
JR、京王線高尾駅から最短距離で徒歩16分
※駐車場はありませんので電車をご利用ください。


シノラーのみなさまの行きつけに、高尾ハナレ
instagram @takao_hanale #高尾ハナレ #TAKAO_hanale
「四季の山を歩き、思い、創造する」AXESQUIN

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超シノギング 真夏の渓と白雨と其れから

超シノギングとは、これまでのシノギングイベントに参加してくれたシノラーさんを選抜して、従来のイベントで体験してもらった様々な術を実践してもらう試みである。選抜人数は四人だけ。

超シノギングはイベントではないので、選抜メンバーを決してお客さん扱いはしない。目的エリアの地形図を読みどのように進むのか、どこで夜を凌ぐのかを共に考える。問題が起きれば共に考えて対処するシノラー同志として、一泊の本当のシノギングに出かけた。以下はその紀行である。

 

実に五年ぶりの開催、此の日をどんなに待ち侘びた事か。甲斐大和駅で降りると、黒ずくめのザツクを背負った人影が散見される。駅舎へ上がると勿論彼等で、皆集合にて顔合わせとす。暫し談笑を交え、落ち着いた所で普段よりも大きな地形図を二種二枚ずつ渡し、行程の概要を伝える。一息整えたら出立とする。見上げた先は曇り空で、まるで我々の心理が見透かされている様だ。

最初は車道、林道歩きである。其の実此の区間は難所とも云える。幸い気温は其処まで高く無いが、湿度からくる不快感は否めない。林道に入る頃には汗が噴き出る様に為るも、沢沿いの其処は幾分増しではあった。林道の終点からは作業道の様なフミアトをタドル。次第に其れ等も不明瞭に為ると、渡渉せざるを得ない箇所に到達する。駅舎より約九〇分。此処で入渓としようか。其々思々に身支度を始める。

さて、いざ入渓とす。ひゃっこさは、足先から神経を傳つて脳髄へ走り抜けると、一気に身体全体を涼へと誘う。此れだから渓歩きは止められ無い。

水量は多くも無く少なくも無く丁度良い。渓相は云わずもがな。其々装備も違うので手始めは各々感触を確かめながら進む。慣れてくる頃に現るは五段程から成る滑滝。此の渓の象徴的な処でもある。見た目よりは足掛かりもしっかりあるので難無く越える。唯、油断は禁物。

越えた先は暫く適度な緩い渓が続く。時折、先の様な滑沢を織り交ぜつつも、寄り高く、寄り深く分け入る中で、また豊かな表情も垣間見せてくれる。其れ等に果敢に挑むも良し。無難に巻くも良し。付かず離れずの間隔にして、木ではなく森を見る感覚が如く。同志と共に直向きに、着実に、渓を詰めて行く。

普段催しで行く様な渓とは、様相や抑々の遡行する長さも断然違う。渓筋は尾根と違って標高上がるに連れて枝分かれして行く。また地形を読むのも非常に難しく、細かな変化に敏感に為る必要がある。先陣が其の一端を担う訳だが、後続も其れに甘んじる事無くしっかり地図読みをする必要がある。同志から成る集団と同時に、其々が孤高のシノラーでもあるのだから。

次第に緑は奥深さを増し、渓は狭まりゴーロな露岩も散見し始める。同時に蓄積し始める疲労感。脳内物質により未だ心地の良い其れではあるが、此れは渓歩きの大きな罠で、最後の詰め延いては二日目に猛威を振るい出すのである。そしてまさか、最後の詰めに彼のような事態に為ろうとは。此の時は未だ知る由も無い。

一瞬拓けて段々とした渓相へ変わると、其の先には遺跡が如く苔生し、横たわる巨木が。横たわる前から長きに渡り此の地に鎮座して居るであろう”主”である。何れ朽ち果てようとも、目にした者の心からは決して消える事は無い。象徴的な巨木である。

随分と上がって来た。大きな枝沢分岐も増えて来た。沢の流れも緩く為って来た。そう為るとそろ々々、水を汲む時分を考慮し始めようか。当然あの重たく鬱陶しい水とやらは、可能な限り担ぐ時間と距離を短くしたい訳で、然も今まさに疲労度も頂点に達しようとしている時で尚更だ。様子を見乍らもぎり々々まで粘る。

そうこうして居ると、辺りの木々は減り、ザレた斜面が我々に迫り始める。そろ々々か。参考の遡行図にもあった三角岩とやらが姿を現す。まず詰めの道筋に間違いは無かった様で一安心。此処は枝沢分岐でもある。先陣が其の岩の先まで行くと、沢の流れは明らかに薄く為り詰めの其れと化していた。と云う事で、其の手前の分岐出合いで水汲み時分とす。汲み上げる量は人其々だが、汲めると知るとつい々々保険で多めとしてしまうのも凌流。暑さとの戦いもあるが、余分な水を担がず途中で汲めるだけでも随分と増しなものだ。

序でに小休止を兼ねての行動食も喰らう。余談ではあるが、泊りの本当のシノギングでは大休止の休憩を取る事は無い。道中もそうであったが、地形図確認の合間や、此の様な小休止の時分に行動食で済ませるのが常である。さて、無事水も汲めた処でいざ最後の詰めへ参らんとす。三角岩を越えると一気に詰めの様相と化し、寄り斜度も増して行く。愈々と云った感覚である。

すると如何したものか。雨がぽつり、またぽつりと降り始める。其の前から不穏な雨雲とゴロ々々と鳴り響く音が聞こえては居たが、此の時分で降り出さずとも良かろうものを。空の様子から直ぐに止む様な雨では無いと察し、各々雨具に袖を通す。案の定降り始めた其れは、瞬く間にアマアシを強め、白雨が如く辺りを呑み込んで行く。

此の時、皆の精神は音を立てて崩れ去ろうとして居た。だが然し辛うじて残る其々の凌ぐ精神が、共鳴するかの如く支えと成り、一歩また一歩と歩みを進める力と相成る。其の先にある確実な終着点に向けて。

午後三時、無事稜線へ到達。核心部は越えた。細やかに互いの労をねぎらい、讃える。しかし乍らアマアシは止まる事を知ら無い。透かさず歩みを進める。此処からは基本的にフミアト明瞭な登山道である。目星を付けたP一四〇三辺りを目指す。登りが無く下り基調な事も助かる。満身創痍乍ら足取りは軽い。

P一四〇三へ至るも、想像した寄りも微妙な唐松から成る地形。此の雨の事も考えるとアマアシを凌ぐ枝葉が少ないのも気に為る。仕方が無い、こう為ったらとことん追求してやろうではないか。地形図から紐解ける適地を、ああでも無いこうでも無いと、皆で相談し合い乍ら攻めて行く。我々にとってはいつも通りの行動で、宿泊地の選定に妥協はし無い。精神と時間が許す限り、適地を探求するのが凌である。結局、其れから進む事約一キロメートル。時間にして約三十分後の午後四時頃、其の地は唐突に現れる。漸く今宵の宿泊地へ辿り着く。気が付けば雨も上がって居た。皆、一先ずお疲れ様。

肩の荷を下ろすと、思わず安堵の声が漏れる。然し其の余韻に浸るべからず。間髪入れずに其々の今宵ネグラの準備を始める。雨は弱まったとは云え、またいつ降り出すか分から無い。屋根を決めてから、ハンモツク、土間間取りを整え、着替えを済まし、乾くとも思っていないが濡れ物を干す。

仕上げに今宵の暖のための薪集め。大雨の後でも上手く選定出来れば使える枝木は幾らでもある。周到な者は乾燥させた枝や太薪、炭などを持ち込み凌ぐ術を遺憾無く発揮して居る。此処で漸く一息付く事が出来る。

YS地区の実に密集されたバラック群

YK地区の少し開放的なコの字バラック群

ご紹介が未だだったので、今回の超シノギング同志のご紹介をつらつらと。

I氏は、記念すべき第一回シノギング講習修了者で、普段はトレイルランニングを主として一〇〇キロレースも熟す猛者。冷静な判断で地に足つけた行動、読図力にも長けているシノラーである。

E氏は、今回一番の古参シノラーで所謂第四世代に当る。コロナ禍もあり入れ替わりの激しかった世代の狭間で、孤高に凌ぎ、シノギングをしてくれて居た。寡黙乍ら内なる信念は強いシノラーである。

S氏は、記念すべき第一回シノギング講習修了者で、大の凌ピッケル愛好家。道具に対する想いや知識も高く、シノギング中でも率先して突っ込んで行く果敢さと愛嬌を併せ持つシノラーである。

H氏は、昨年彗星が如く現れた新星で、昨年の催しを通して様々な凌ぐ術を吸収し、急成長を遂げてくれた。良い意味である種変態的な部分を兼ね備えており、其の探求心も一際強いシノラーである。

此の同志達と共に、本日の労をねぎらう様に今宵を堪能する。雨のBGMを耳にし乍ら、決して多くは語らず、各々の時間と静寂も楽しみながら、夜は更けて行く。

明くる朝。

如何やら夜通し雨は降って居た様だ。湿気を帯びた小さなバラック群は其の雰囲気をより一層醸し出す。当然、干し物は乾く事無く、やれやれと云った処である。

早寝早出をし無いのが凌流でもあるが、朝をぐだぐだするような事も無い。起きてから一息吐くと、まずは火を熾し暖を取る。透かさず朝食を済ませるとゆっくりと着実に撤収の準備へ入る。雨後の準備は時間を要する場合が多いので、其れも考慮した上で動く。事前に擦り合わせをして居た出発時間丁度に完了。立つ鳥跡を濁さず。

現在位置と下山の道筋を再確認する。当初より候補に挙がって居たのは四つの道。人気があるかも知れない沢沿いの登山道で笹子方面に下りるか。初日の渓と並走する直ぐ隣のP一〇四三有する尾根を下るか。其の先の大きな峠附近から分かち送電線と並走する尾根を下るか。更にその先のP一三五七から分かちP八六八方面へくね々々と尾根を下るか。選んだは三つ目。昨日からの疲労度を加味し、また此の後雨が降り返すかも知れない事も考慮し、適度な距離である此の尾根を選んだ。何より尾根の終点に鳥居印があるのも決め手である。さて靄立ち込める中、出立。

基本的には下り基調で殆どが登山道と為り、難儀する事は無さそうだ。渓を絡めた泊りシノギングでは、此の二日目の行程は緩めに為る傾向はある。なぜかって、初日の渓歩きが得てして難所と為るからである。そうこうして居ると、地形図に明記は無いが名のある峠へ辿り着く。すると急に音を立てる様な雨が降り出す。昨日の詰めと同様だ。直ぐに止む空模様では無いので、雨具に袖を通す。三者三色のタビガラスが峠を抜ける。

此処から西へ折れる様に稜線が続き、小さな鞍部、小さなピークを越えると、名のある峠の手前に鉄塔が現る。目ぼしい分岐点。間違いは無い筈だが、しっかり地形図で確認を入れる。

改めて見ると地味に長い尾根である。送電線と並走して居るので巡視路としてフミアトが付いて居るのは間違い無い。其れを考慮しても神社までは一時間弱は掛かるであろうか。想像を膨らませて尾根へ分け入る。案の定明瞭なフミアトが続く。目ぼしいピークは巻くように道が付いて居るのが幸いだ。暫く下ると植生心地の良い道に繋がる。気付けば雨も止んでいた。

明瞭で確実な送電線が交差する地点へ到達。尾根上と其処から目と鼻の先に双方の鉄塔が鎮座して居り、綺麗に送電線が交差するのが頭上に確認出来る。此処まで来れば終点の神社はあと少しである。

其の先の尾根から外れ大きく折り返す附近で、植生も針葉樹へ変わり渓寄りの道筋となる。人里の匂いを感じさせる。すると大きく真つ赤な屋根が林間から覗く。意外にも立派な神社に驚く。まだ此の先に集落、車道歩きが続くが、一先ずの終着点としよう。凌らしい心地良い達成感を皆で分かち合う。

集落へ抜ける道すがら、シノラーは何を想い何を感じたか。

其れは己のみぞ知る。

其れで良い。

決して笑ってはいけないやつ A面 B面

此処に、同志と共に孤高に凌いだシノラー達の雄姿を残す。

 

凌は美学

いつ何時でも所作、立ち居振る舞いを美しく

いつ何時でもあたふたせず、まごまごせず

道具に踊らされず

凌ぎ

美を追求すべし

 

皆さん、お疲れ様です。そして、ありがとうございます。

 

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【キャンセル枠有り】9月のシノギングは「平日のシノギングと高尾ハナレ」

【キャンセル枠有り】9/10時点

キャンセルにて一枠空き出ております。引き続きどなたかお申し込みお待ち申し上げます!

 

 

「四季の山を歩き、思い、創造する」アクシーズクインでは、山歩きの独自コンセプト「凌」をテーマにしたイベントを開催しております。
アクシーズクインでは「凌」をテーマにした山歩きを「シノギング」と呼んでおり、このイベントではシノギングに最適な商品を実際にお試しいただくことができます。

ゲストとして低山小道具研究家の森勝氏が同行いたします。

お気軽にご参加ください!!

 

今回のテーマ:「平日のシノギングと高尾ハナレ」

普段土曜日のシノギングイベントがどうしても参加できない、平日お休みの方々へ!

近隣にて、地図読み、ロープワーク、ハンモック休憩etc...ギュッと詰め込んだシノギングを実施した後、高尾ハナレでチャブダイ囲んで総括延いては凌、シノギングについて談義いたします。

一般開放日同様に製品サンプルもご覧いただけます。

また実地で試してみたい製品等ございましたら、ご遠慮なくお申し付けください。可能な限りサンプルご用意いたします。

 

今回のシノギングの概要

・開催日:9月25日(水)※平日開催です

・集合時間:9:00

・集合場所:JR 高尾駅北口(改札を出た先、凌のフラッグが目印)

・予定コース:高尾駅~ (徒歩orバス)~とある尾根(途中お昼休憩挟む)~林道車道~(徒歩)~高尾ハナレ~現地解散

・終了予定時間:16:00

・定員:6名

・同行者:アクシーズクイン事業部 谷島、低山小道具研究家 森勝氏

・参加費用:無料(本イベントに必要な交通費は各自ご負担下さい。)

 

お申込みについて

・申込方法:下記連絡先に以下要項を明記の上、メールにてお知らせ下さい。

  1. 参加人数・参加者のお名前(漢字フルネーム)・代表者のご連絡先
  2. 参加者のご年齢(イベント当日の満年齢)

・連絡先:株式会社双進 アクシーズクイン事業部 担当:谷島(やじま)e-mail : info_pro@axesquin.co.jp 、TEL 03-3528-6642

 ※8月10日~18日まで弊社夏季休業となり、同期間中のお申し込みへのご返答は8月20日以降順次対応させていただきます。

・締切:開催直前の月曜日17:00

 

その他のご連絡

・コンパス(簡易なもので可)と色ペンをご用意ください。

・地図はこちらでご用意いたします。

・休憩ポイントで休憩を1~2時間ほど取ります。

・ハンモックをお持ちの方は是非ご持参ください。

・行動食・飲み物などは各自ご用意ください。

・トイレは高尾駅前、高尾ハナレにあります。

 

注意事項

・その他天候や弊社の都合で中止する場合には開催直前の火曜日12:00までに本凌手記ブログでお知らせしますので参加される方は必ずご確認下さい。

・事故等の責任:参加者は各自の責任で当イベントにご参加ください。

 参加中の怪我や病気、事故等については、弊社は一切の責を負わないものとします。

・天候や行程の都合で商品のお試しを割愛させていただく場合があります。

・当日の天候や進行の都合でコースや終了時間が変更になる場合があります。

・本イベントで撮影した画像を弊社ブログで使用することがありますのでご了承ください。

・弊社メール環境セキュリティの都合でごく稀にお客様からのメールを確認できない場合がございます。

・受信したメールには2~3営業日以内に必ず返信を差し上げておりますので、弊社からの返信が無い場合にはお手数ですがお電話をいただけますようお願いします。

 

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