四季の山を歩き、思い、創造する。
凌 手記
晩秋のハイキング
快晴の一日、高尾山に晩秋のハイキングに行ってきた。
年間250万人が訪れるという観光地であることに加えて、麓が紅葉のピークとなっているためこの時期は平日でも結構な人出がある。
我々は混雑を避けるために南高尾のマイナーコースを行く。
低山とはいえ両手を使わなければ登れない急な斜面を喘ぎながら進む。
まだ朝日の届かない植林地は不気味に蒼黒く、湯気の出る身体を冷気が冷やす。
尾根に乗るとようやく明るくなり紅葉の自然林が続く。
蛇の髭が足元に迎えてくれている。
空気が澄んでいるので筑波山・東京都心・江ノ島までくっきり見える。
もちろん富士山もだ。
いよいよ冬だと実感する。
少し早いが裏丹沢を一望できる南向きの高台で昼食にする。
さほど強くはないが北風が背中を撫で続けるので、シルナイロンのポンチョを張って風を防ぐ。
ちょっとしたことだが面倒がらずにやれば断然快適になる。
何でもありの寄せ鍋を食べつつ、途中拾った朴葉で肉を焼く。
眼前の眺めの隅に深紅のもみじが映える。
なんとも日本的な山の愉しみである。
日没までにはまだ時間があるが撤収して北向きの支尾根を下る。
南側とは対照的に既に薄暗く空気もひんやりしている。
山の神に参って晩秋のハイキングを終えた。
コメント ( 0 ) | Trackback ( 0 )
« 前ページ |