四季の山を歩き、思い、創造する。
凌 手記
神戸 白馬堂Rokko 出張シノギングの様子
今回の出張シノギングの舞台は大阪箕面、未知のエリア。大阪中心部から阪急電車で40分足らずとは、想像していたよりもずっと近かった。
箕面駅から車移動してとある森の広場にシノラー志願者が集まった。全員初めての参加なので基本的なことから丁寧に始める。
まずは凌・シノギングについて、続いて地形図の見方、本日凌ぐエリアの確認。続いてコンパスの使い方。
難しいことは省いて必要なことだけをシンプルに伝える。初めての皆さんに余計な情報を提供する必要はない。シンプルが一番。
お試しのツユハラヒ、クナイ(凌の神器)を身に着けてそろそろと凌ぎ始める怪しい集団。
日差しはあるが肌寒く、時折風が尾根を渡るこんな日にはツユハラヒがあるとちょうどいい。歩きにくさが全くないことも実感してもらえただろう。
福岡の藪、松山の羊歯地獄、四日市のヒルダンスなどを凌いできたが、ここはそれとは違うことがすぐにわかった。どんな山を想像していたかというと漠然としているが、どうやらここは想像をいい方に外れた天国のように穏やかで優しい山のようだ。
我々は地形図上に目星をつけていたひょっこりひょうたん島を目指す。
尾根の縁を東にトレースするとすぐに平坦な場所に出た。
ここで現在地とこれから向かうひょうたん島を地形図上に確認する。
こまめに現在地情報を更新するのが地図読み上達への近道だ。
山でゴミを見たくはないが、これは浪漫系なので個人的には良しとする。
ひょうたん島を確認した後は北にある送電鉄塔まで直進する。緩やかな谷がとてもいい。
鉄塔を確認した後は尾根の西にあるひょっこりひょうたん島を目指す。シノギングではピークハントはしないが、ひょうたん島ハントはするのだ。ここで、まわりの様子と地形図の情報にややずれがあることに気付く。このまま西の支尾根に入ればおそらくひょうたん島があるはずだが念のため整地をして現在地を確認する。こういう時は闇雲に動き回るのではなく、落ち着いて情報整理をするのが鉄則だ。そして地形図は絶対ではないということを知っておこう。
ひょうたん島から先で西と北に尾根が分岐しているが、協議の結果北の尾根を辿ることにする。
地形図上で等高線の幅が狭くなっているところ。
実際の傾斜はこんな感じで結構な急斜面だが、いい間隔で木が生えているのでそれを伝って下りれば危険はない。ただし、腐った木を頼りにしないよう注意が必要だ。
鞍部に出た。ここらで休憩したいところだが西から風が吹いているので風の陰になる場所まで移動する。地形図を見ればそういう判断も難しくはない。
休憩場所(別荘)に着いたら低山小道具研究家の森勝氏のマッチ一本だけで着火するウッドストーブ講座。
続いては漁網のようなクラシックハンモックをロープワークだけで設営する講座。ここでも難しいことは省いてシンプルに確実にできることだけを伝える。
適度な間隔を保ってのんびりお昼休憩。シノギングの目的は何?それはのんびりだらだら休憩すること。そのために誰にも会わないであろう場所を地図読みで探すのだ。
カップラーメン最高。
グースカピー。
おにぎりも最高。
親びんもカップ麺っすか!
凌の着こなし。
ちょっと高いところから・・・。ハンモックの自由度は高いのだ。
ハンモックやら、タープやら、ツエルトやらで野営地のようになってきたぞ。タープもツエルトも、その形が美しく出るように張ることが大事だ。ぐでぐでは駄目ね。
2時間ほどの休憩が終わり、出立前に恒例のパッキング講座。目からうろこのパッキング術で整える。パッキングをはじめ山歩きに必要な情報は専門誌やネット上で入手することができる。大事なのはそれを誰かに教わって実際にやってみること。その経験があってこそ理解を深め吸収できるのだ。百聞は一見に如かず。大事なのは人との対話。
一行は斜陽の中、起点へと戻るのであった。
最後に決して笑ってはいけないやつで〆
参加者の皆さんありがとうございました。楽しい時間を共有できました。
また、週末にもかかわらずこのイベントの開催にご理解とご協力をいただいた白馬堂Rokkoさん、店主のA氏、ありがとうございました。
シノギングの情報は書籍では入手できず、ネットでもほぼ入手できません。少しでも興味を持っている人はぜひシノギングイベントに参加してください。この手記に書かれていること以外のいろいろを知ることができます。
自分に必要な道具を見極めて使いこなしましょう。シノギングイベントではそういうことを感じ取ってもらえるはずです。
おわり
« 前ページ |