四季の山を歩き、思い、創造する。
凌 手記
6月28日「森勝流 基本のキ」の様子
ここ数年恒例化している森勝氏企画。普段のシノギングとは趣向を変え、そこから得られる知識経験をシノギングにも活かしてもらえればという想いを込めての企画。
今回は氏が未開の低山に入る前に実践されているという基本のキ、観察と下調べを経ての神社仏閣三角点巡りとなる。
集合後まずは机上講習的なお話から。色々と準備万端な森勝氏。
わらわらと囲う。
今回参加者の皆さんへは事前にルート考案の宿題を課していた。それらを発表し合い、それについて森勝氏延いては皆さん含めて品評し合う。
いや中々皆さん、選定基準も含めてしっかり考察されており素晴らしい。
合間合間で資料を交えながら講義談義する。実際に歩く前段階(インドア)でも、様々な視点で考察出来る事はたくさんある。
熱心に聞き入り、談義にも参加する皆さん。色々と吸収し、今後に活かしていただければこれ幸い。流れでこの後の行程もざっくり決める。宿題にもあげていた通り、車道林道歩きで山中にある気になる神社を目指し、稜線出た先のP549を覗いてみて時間的にお昼休憩かなと目測。
いざ出立。
本日夏日也。暫し車道歩きなのでついでに回りの山域も観察しつつ、ゆっくり急がずペース配分。
点在する集落に繋がる県道へ入る。畑仕事をするおばあちゃんからご挨拶「あっち~ね~」と。良い集落であることが伺える。
こちらの山域も良さそう。三角点あるエリアで本日時間があれば行けるか?しかし、あっち~ね~。
ぼちぼち林道山寄りに分け入る分岐点。あの右手前のひょっこり山頂あたりに神社かな?
ようやくしっかりした日影に入る。いやはや全くもって涼しい涼しい。
暫し渓沿いをタドル。地形図上では破線残るが如何に。
全体的に広めの渓筋が続き、一部は不明瞭な所もある。破線道は途中で直角に南へ折れるが。。
そのポイントを明確に見出すことが出来ず、渓筋を詰めて少し先の鞍部っぽい所に出てしまおう。少々急登だが植生的にも詰めるのは問題なさそう。
きつい所はツヅラヲリで、着実に詰めて行く。
稜線プチ鞍部に到達。植生良く、風も抜けてくれ心地良い。水分補給しつつ暫し小休止。
さて、少し登り返した先の山頂付近に神社があるはず。もうひと踏ん張り。
森勝情報によると、ある年代古地図にはその神社横辺りを送電線が走っているとのこと。廃鉄塔が見つかるかもしれないので、辺りを観察しながらタドルタドル。
そうこうしていると神社へ到着。意外に立派でしっかり管理された綺麗な境内。
辺りを隈なく探してみたが、残念ながら廃鉄塔は見当たらず。撤去されたか森林に紛れているのか。
ただ戻った先の稜線上へ送電線は伸びており、その辺りで痕跡見つかるかもしれない。気を取り直して元の稜線へ引き返し、その先を目指す。
あるかな?と思っていた下り直前の似非ピークにはあらず。その先下った鞍部へいくと、、
先頭があったあった~と。鉄塔自体は無くなっていたが、土台がしっかり残っていた。これぞ森勝流シノギング。ちょっとしたお宝を見つけた気分♪
さて、そろそろお昼時となるので休憩ポイントを見つけたい所。目星つけたP549が良さげだが、手前に良い所があればチェックインしてしまう気持ちで再出立。
途中何ヶ所か良いポイントはあった。ただ目的地にも設定していたので一応P549まで行くも、別荘地としては微妙であった。。しかしながら名の有る山頂で二つの標識がありそれぞれ二文字目の漢字(読み)も違うという意味深な情報を入手。こういう情報を掘り下げてみるのも面白い(下山後ざっと調べてみたが、名称違う所以や背景はわからず。より調べ甲斐がありそう!)
P549すぐ手前の良さげなポイントでお昼チェックインとする。
慣れた参加者が多かったので、今回は本当にすぐにチェックイン笑 ゆっくりお昼を堪能してもらう。
適度な広さでしっかり皆さんハンモック張れる良い場所。
植生も実に良い。
木漏れ日適度に涼しく、そりゃウトウト寝入ってしまうは。
各々思い思いの休憩を堪能していただく。
いつも通り1時間弱の時間はすぐに過ぎて行く。。一応休憩入る前に、それぞれ下山ルート考察のプチ宿題も課す。
撤収後に話し合い。先の三角点を目指すルートもあるが、最終的な駅への道を考慮すると満場一致で最短ルート下山となる。これまた残っているか怪しいが、、すぐ北側の分岐尾根上に破線が入っている。ここから尾根を素直にタドリ、麓のお寺周辺に下りる算段。
いざ出立。
その尾根に分け入ると、特に荒れたりはしておらず尾根道は延びていそうだ。
地形図上の破線では途中渓よりにトラバースするように下りているが、ここは無難に尾根をタドっていく。その先も一部林道のような明瞭な道が入っていた。すると麓の人工物も見えてくる。
害獣柵が出てきて一瞬ヒヤッとするが、尾根上脇にちゃんと出入口があり安堵。
その後プチ藪漕ぎさせられるも、、
無事お寺横の集落へ合流。いや~結果的に凌いだ凌いだ。
この辺りはメジャーな山域にあらず、ひっそりと一つ一つの尾根、渓を散策し探求するにはもってこいの場所。そうなるとここも気になるな~と談義は尽きない。
実はまだ駅までの車道歩きが残っているので、先を急ぐ。個人的にはこの初めての地、駅までの道すがら散策も好き。
大きな河川を渡った対岸にて、今日歩いた山域を臨む。またこのエリア、シノギングをしに来てもらえれば幸い。
森勝氏と言えば!ということで、麓の廃墟前での決して笑ってはいけない奴。(二階の窓に何か写っているような、、)
今回森勝流と謳ってはいましたが、シノギングにもしっかり応用実践出来る、実に良い内容だったと思います。
凌、シノギングで提唱している「足るを知る」という事。これは様々な遊び方、視点、考え方や知識を通す事で、より深みが増していくと思います。そして、そこで得た経験値はきっとシノギングという遊びへも応用できるでしょうし、シノギングがまた他の遊びへの応用へ繋がることもあるでしょう。勿論シノギングをどっぷり実践してくれるのも嬉しい限りですが、我々も然り、時には隣の芝生へミチクサしてみるのも、きっと悪くはないです。そんなちょっとした想いで今回の森勝氏テーマ回も企画している次第です。
今回の参加者やこれから参加するであろう方々にも、この想いが少しでも伝わり、繋がっていけば幸いです。
シノギングの情報は巷に溢れていません。気になる方はまず、このシノギングイベントに参加してみて下さい。この手記から得られる知識情報はほんの一部で、文献では得られない体験がこのイベントには詰まっています。実際に参加することでシノギングのあれやこれやを知ることができるでしょう。即ち百聞は一見に如かず。
凌は美学
いつ何時でも所作、立ち居振る舞いを美しく
いつ何時でもあたふたせず、まごまごせず
道具に踊らされず
凌ぎ
美を追求すべし

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