四季の山を歩き、思い、創造する。
凌 手記
四日市moderate 出張シノギングの様子
「奴ら(俺たち)が来ると鈴鹿は荒れる」今回の出張シノギングもまったくその通りになった。
前週の寒波到来によってこの通り、標高250m圏でもこれだけの雪が残っている。これはこれで楽しいシノギングができそうだ。この雪を不安に感じたり、喜んだりといろいろな心情が参加者の中にあったであろう。
シノギングでは凌を通して山歩き全般の術を教えている。当社には関係ない靴の調整もそのひとつであり基本中の基本だ。
出発前にいつものようにコンパスチェック。プレートコンパスをもっている人は多いのに、ほとんどの人が使い方をご存じない・・。それって意味があるのかな?
シノギングイベントではちゃんと教えます。使える道具を持ちましょうと。
凌の衣服を身に着けた常連さん。いつもありがとうございます。
地形図を広げて本日凌ぐ範囲を確認。地形図の見方もちゃんと教えます。便利なアプリを使用していても、いざというときに安全なルートを導き出せなければ意味がない。道具に頼らず使いこなす。そのための基本を知ることが大事。
寒空の下で一時間以上、あれこれ整えてようやく出発。これがシノギングイベント(笑)
神社に雪、いいね~。
こう見えて割と急な坂を上る。
途中から東海自然歩道に導かれる。手前の尾根とその奥の尾根とを地形図で照らし合わせることが大事。
しばらくは東海自然歩道の破線に沿って進む。渓は意外と雪が深い=楽しい。
歩道があっちとこっちに分かれているところで糞詰まり。どう進むべきかの会議。まったく道というものは紛らわしいものだ。
道のことは忘れて目指す方向に直進。
一旦林道に出てから287mの小ピークへと尾根を辿る。風にひらひらとツユハラヒが美しい(ちょっと中心ずれてるけど)。
小ピークから30mほど下ると尾根の分岐。
ここで低山小道具研究家の森勝氏の油の木実演。油を含んだ木はしっとりしていてマッチ一本で簡単に火が付く。着火剤として持っていると便利だ。油の木の見つけ方はシノギングイベントで・・・。
下り尾根の分岐は間違いやすいので要注意だ。地形図上の進むべき方角と目の前の尾根の方角が一致していることを確かめて分岐を進む。
まわりが緩やかな地形に変わったところで大休憩。シノギングでは小休憩を取らぬ代わりに長い休憩を取る。
ここでハンモックの張り方、タープの張り方、そして森勝氏の十八番(おはこ)手錠ごっこ(笑)
リッジラインに役立つロープをビンビンに張る方法。食い入るシノラー。
マッチ一本火付け術に続いて、垂直自在滑車式コッヘル。みんなから驚きとため息が漏れる・・・。
長い実演が終わってようやく本当の休憩時間(笑)
moderate別注の伊勢木綿アグラスカートで鯖缶を爆発させた町娘。
それをニヤニヤ見ていた町娘。
初ハンモックに開眼した初参加のシノラー。
ウキグモ体験中。
設営と撤収をテキパキこなすシノラー。これ大事。
だもんでな表情だもんで・・・。
森勝氏の魔術のようなパッキング術で見違えるようにシュっとなったミレーのバックパック。バックパックのかたちがきれいに出るようにパッキングを工夫することがコツ。荷物が少ないからと言ってゆるゆるなパンキングはダメ。
こちらはバックパックの容量に対して荷物が多すぎるようで森勝氏もお手上げ。入りきらないパンは食べなさいと指導(笑)
二時間ほどの休憩を終えて広場を後にする。
220m圏の鞍部からは渓の向こうの道路までを最短距離で移動することに。
最初の渓に降りる。
踏みぬいたら沼のようになっているので足元注意だ。
ひとつ尾根を越えて次の大きな渓へと向かう。しかしその先の渓は地形図で想像していた緩い傾斜ではなく10mの壁だった。
足元は雪で滑りやすくこの大人数で壁の降下は危険と判断して尾根を巻くことに。
シノギングらしい展開であり、シノギングらしい急登だった。その端っこは滑るから気を付けてね。尾根には二時間ほど前に分岐を調べた我々の足跡がくっきり。
ここからはもと来た踏み跡をたどるだけ。
雪のおかげで1ワットも発電しないソーラーパネル畑越しに町を望む。
凌いだな~。
神社に始まり神社に終わる。これそシノギングの正統。
最後に笑ってはいけないやつ feat.雪だるまで〆
今回の出張シノギングに参加して下さったみなさまありがとうございました。
初のシノギング、初の雪の山を体験された人もいたでしょう。
このくらいの雪だとこんな風になるんだということを知っただけでもいい経験でしたね。
週末にもかかわらずこのイベントの開催にご理解とご協力をいただいたmoderateさん、同行してくれたMのM氏ありがとうございました。
シノギングの情報は書籍では入手できず、ネットでもほぼ入手できません。少しでも興味を持っている人はぜひシノギングイベントに参加してください。この手記に書かれていることはシノギングのほんの一部です。実際に参加することでシノギングのいろいろを知ることができます。百聞は一見に如かず。
凌は美学
いつ何時でも所作、立ち居振る舞いを美しく
いつ何時でもあたふたせず、まごまごせず
道具に踊らされず
凌ぎ
美を追求すべし
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