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DAZN観戦 2023年J2リーグ第29節 徳島ヴォルティスvsジェフユナイテッド千葉

2023-08-08 16:00:53 | サッカー視聴記(2023年J2)

※前回の徳島の記事はこちら(21節・山形戦、1-1)
※前回の千葉の記事はこちら(26節・清水戦、2-2)

<徳島スタメン> ※()内は前節のスタメン

  • 前節(町田戦、1-2)までの3-3-2-2(3-1-4-2)から再度フォーメーションを変更し、オーソドックスな4-4-2へシフト。
  • 千葉寛汰が(J3・今治へ)移籍となり、27節(甲府戦、1-2)をもって登録抹消。(形式的にはレンタル先変更)
  • カカが(ブラジル・アトレチコ パラナエンセへ)レンタル移籍となり、前節をもって登録抹消。
  • オリオラ・サンデーが(J3・八戸へ)レンタル移籍となり、今節をもって登録抹消。
  • スペイン・ジローナFC Bへレンタル移籍していた勝島が完全移籍へ移行。
  • スペイン・FCバダロナへレンタル移籍していた鈴木輪太朗イブラヒームが、再度レンタルで同じスペイン・ジローナFC Bへ移籍。
  • ポルトガル・ボアヴィスタFCへレンタル移籍していた渡井は、レンタル継続となり引き続き同クラブへ在籍。
  • エウシーニョが故障から復帰し、25節(岡山戦、1-1)に復帰・ベンチ入りして26節(ヴェルディ戦、0-0)から出場。
  • ルイズミ・ケサダが故障から復帰し、前節途中出場。
  • 吹ヶの負傷が発表され、発生日不明で6/15に手術実施し、全治3か月との事。
  • ユース在籍のGK黒田・GK近藤大和が2種登録。

<千葉スタメン>

  • 見木が累積警告により出場停止。
  • ドゥドゥがJ3・今治から完全移籍で加入し、27節(町田戦、3-1)から登録されて途中出場、前節(山口戦、4-0)からスタメンに。
  • 西堂がJ1・FC東京から育成型レンタルで加入し、今節から登録。
  • アゼルバイジャン・ネフチ バクーへレンタル移籍していたサウダーニャが、再度レンタルでセルビア・パルチザンベオグラードへ移籍。
  • GK松原が5節(大分戦、1-2)以来のベンチ入り。
  • 熊谷が故障から復帰し、9試合ぶりにベンチ入り。

後半戦に入り、再び1勝も出来ずというトンネルに突入してしまった徳島。
順位的にも降格圏の足音はすぐ後ろであり。

前回観た際のゲームコントロールの失敗(長らくリードしながら、パスミスが失点に直結し引き分け)という観点で見ると、24節での逆転負け(水戸戦、1-3)以降顕在化。
リードしても追い付かれる試合を繰り返す事で、とうとうビルドアップすらままならなくなる始末。

症状を重く見たのか、再度基本フォーメーションの変更に踏み切ったベニャート・ラバイン監督。
メンバーも5人入れ替えて、試合前インタビューでは「保有選手の多さ」故の手法と語っていました。
しかし逆に、その多さからか、特効薬となるべき夏の補強策には踏みきれないフロント。
ビルドアップ同様に、成績低迷に手詰まり感が漂う夏場の動きを強いられ。

そんな徳島が垂涎の眼差しで……と言わんばかりに、ドゥドゥ獲得など補強策を絡ませてブーストを掛けている千葉。
その勢いそのままに……というよりは荒れ模様の天候で、追い風を味方にして立ち上がりの蹴り合いを制してペースを握ります。
前半8分にはGK鈴木椋がプレッシャーを受けながらのフィードを送るも、小森のフリックで繋ぐと徳島のクリアミスもあり左ポケットへ。
走り込んだ日高がマイナスのクロス(エウシーニョにカットされる)と、両チームの近況が反映されたかのように推移します。
徳島は攻撃ターンとなっても、緻密なビルドアップは影を潜め、左から西谷が仕掛けるシーンの一辺倒に。

それでも予想外な事は起こるものであり。
11分ここも徳島はビルドアップを右サイドで詰まらされるも、櫻井の縦パスが通り、森海のポストワークから西谷が持ち運ぶ展開に。
しかし西谷が右サイドへ向かって前進と意表を突くと、パスワークを経てエウシーニョの中央へのパスを受けた森海、そのまま遠目から果敢にシュート。
これが豪快にゴール右へと突き刺さる、ゴラッソ気味のゴールとなります。

先制点に辿り着いた徳島ですが、不穏な流れは変わらず、以降千葉がひたすら攻撃を仕掛ける時間帯となり。
相変わらずビルドアップに難儀し自陣でボールを失う事が多く、課題のゲームコントロールはままならず。
守備だけはしっかりしたい所ですが、千葉の縦パス攻勢を前に出て阻まんとするも、そのチェックは遅れ気味で果たせません。

そして17分、ここも佐々木→ドゥドゥへの縦パスを潰しにいくも果たせず、倒されながらドゥドゥがポストプレイで繋いだ事で千葉の好機。
右サイドへの展開から、風間がカットインでバイタル中央を突くと、そのまま果敢にミドルシュート。
GK手前でワンバウンドののち左ポスト内側を叩いてゴールに入り、徳島同様にミドルシュートを炸裂させての同点弾となりました。

以降18分に千葉が右サイド高目でのボール奪取から、小森がヘディングシュート。(ゴール右へ外れる)
23分に徳島が浜下のボール奪取から前進し左ポケットを突き、棚橋がシュート(佐々木ブロック)とフィニッシュを撃ち合った末に、飲水タイムが挟まれます。

ブレイクの時間を得た徳島、ここから修正を図ったのか最終ラインから繋ぎ。
第1クォーターで全てロングフィードを選択していたゴールキックは、ここから短く繋ぐ姿勢へと改められ。

31分にはエウシーニョのミドルシュートがゴールを脅かす(GK鈴木椋セーブ)など、その姿勢が好循環を齎すかに思えた徳島。
しかし依然として千葉が優勢で、32分に再び敵陣で日高のカットから攻め立て、左ポケット周辺でのパスワークを経て小林がミドルシュート。
これが左ゴールポストを強烈に叩くフィニッシュとなるも、その余韻が冷めやらぬまま続く33分、風間のパスを田中和がワントラップで安部を股抜きで剥がし好機。
そして右ポケットを突くと、後追いの形で森昂が足でチャージしてしまい、田中和が倒れた事で反則を告げる笛が鳴り響きます。

これでPKゲットと、逆転への道筋を作り上げた千葉。
しかしキッカーを務めた小森はゴール上を狙いすぎたか、ふかしてしまい枠外で逃す形となり。
すると直後の徳島、ゴールキックでGKスアレスのフィードから繋ぎ、エウシーニョの裏を突くミドルパスを高橋がクリアミス。
あろう事かエリア内へ浮き上がってしまい、そのままダイレクトで森海がシュート、GK鈴木椋がセーブするもこぼれ球を自らスライディングで詰めた森海。
必死で戻った高橋のブロックも及ばず、失点危機から一転して徳島がリードを奪う事となりました。

結局その後も千葉の攻撃は続きますが、ゴールを奪う事無く前半終了。
それでも依然として、徳島を覆う暗雲は晴れずに見えたのは、

  • 得点シーンは森海のゴラッソ、相手のミスプレーという要素が大きく、攻撃の流れは今一つ。
  • 徳島サイドは千葉のビルドアップを悠々と許し、また前述の通り前に出るも後追いとなるシーンが多発。
  • 千葉は敵陣深めでボールを持ち、停滞したら戻して作り直す事を繰り返していたが、徳島サイドは前半そうしたシーンは殆ど無くゲームコントロールは行えていない風であり。
  • 風向きもあるが、ロングボールからのセカンドボールを拾えていたのは千葉。

という印象の内容だったからであり。(放送席は、徳島のビルドアップ・前線の守備をベタ褒めしていましたが)

かくして後半(HTでは交代無し)も、入りから千葉の攻撃が続く流れに。
悪天候という要素もあり、田中和のスピードを活かさんとするも不発気味に終わり。
その後徳島がやり返し、後半6分に得た左CKから、二次攻撃を仕掛けて左ハーフレーンから白井がミドルシュートを放つも枠外に。

すると千葉も、ゴールキックから短く繋ぐ細かなビルドアップを仕掛け、徳島のプレッシングを剥がして敵陣へ進入したのが7分の事。
多種多様な攻めを繰り出して翻弄させた末に、迎えた10分敵陣深め右サイドでボール奪取に成功します。
しかし奪った高橋がそのままカットインからクロスを送るも繋がらず、エウシーニョから反転カウンターで攻める徳島。
千葉ディフェンスが間延びしていた所を棚橋がドリブルで突くと、佐々木を剥がし右ポケットまで持ち運んで、そのままシュートを放ち。
鈴木大のブロックで方向が変わるもゴールに吸い込まれ、貴重な追加点を挙げます。

2点差とした徳島ですが、続く13分の千葉の攻撃で、左からのクロスの跳ね返りを確保にいったエウシーニョ。
しかし入れ替わった所を日高に拾われ二次攻撃を受けかけるという具合に、曖昧なプレーは避けたい状況。

一方追い掛ける千葉は、直後ベンチが動き小林・田中和・ドゥドゥ→熊谷・米倉・高木と一挙3枚替え。
右サイドハーフに入った米倉、自発的な突破こそ出来ない選手ですが、組み立ての中で高目の位置を取るその動きを徳島ディフェンスはフリーにしてしまう事が多く。
文字通り「味変」となった右サイドでの前進が中心となる千葉。
17分には高橋が風間とのワンツー突破から、受け直した風間がミドルシュートを放つもGKスアレスがセーブ。

かくして再び千葉のターンが続く時間帯となり、落ち着くシーンを作れない徳島。
飲水タイムが挟まれ(23分、明ける際に千葉は風間→福満へと交代)たのちも、千葉の攻撃を受けながらその葛藤に苦しむ事を強いられます。
26分にようやく、最終ラインからの前進のなか白井のスルーパスがブロックされ、拾い直しを戻して作り直すシーンが。
一息つきたい意識の高まりを象徴する一幕となりました。
28分に櫻井→長谷川雄へ交代したのちも、30分に森昂のロングパスで前へ運んだのち、最終ラインに戻すという具合。

しかし千葉の攻撃は熾烈を極め、27分に米倉のロングパスを収めた小森を経由し、福満が抜け出して右ハーフレーンをドリブルする絶好機に。
そして中央への横パスから高木がシュートするも、GKスアレスがファインセーブと際どい凌ぎを強いられます。
その後も33分にCKから米倉がエリア内でのシュート(森海がブロック)、39分に日高がミドルシュート(内田がブロック)、尚も繋いで高橋がミドルシュート(右サイドネット外)と放たれる強烈な矢にタジタジとなり。
(36分に徳島は森海・安部→渡・ケサダへと2枚替え)

こうした危機の連続で、ゴールを守るGKスアレスへの負荷は甚大だったようで、迎えた41分。
千葉の左スローインからの繋ぎで、田口は素早いエリア内へのスルーパスを選択するも、誰にも合わずにGKスアレスの正面へ。
しかしスリッピーなグラウンドで加速度が増したボールをキャッチできないスアレス、ボールはそのままゴールに吸い込まれます。
記録上は田口のゴールですが、オウンゴールに限りなく近い形で1点差に。

緊張感が一気に高まる事となった終盤。
その後もエウシーニョが熊谷に反則を受けて小競り合いを演じたり、そのエウシーニョと棚橋が足を攣らせるなど、サッカー以外での事象の対応にも迫られる徳島。
最後の交代の準備をするも、千葉が右CKを得たというタイミングでの交代を強いられます。(浜下・棚橋→坪井・柿谷)

そしてそのCK、キッカー田口はニアサイドへのクロス、抑えにいったGKスアレスの手前で落ちた所を米倉が合わせヘディングシュート。
ゴールネットを揺らし、土壇場で同点に追い付いた千葉。
ミスその他の事象で、既にボールの変化を見切る余裕も無いといった感じの守備対応となったのが残念でした。

かくして同点となった試合は、そのままスコアが動かず引き分けで終了。
田口がカウンターを阻止して警告を受け、次節出場停止となったのが千葉にとってミソでしたが、負け試合の流れながらも勝ち点1を得たのは収穫でしょう。

一方これで21位後退となった徳島。
再びのゲームコントロールの失敗で、内容的にも主体的な試合運びは殆ど行えず。
このフォーメーション変更でも結果が出ないとなれば、そろそろ残留争いの戦いへと舵を切る選択を強いられる時でしょうか。といってもレアル・ソシエダとの関係で一方的な監督交代は出来ないでしょうなぁ

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DAZN観戦 2023年J2リーグ第29節 ファジアーノ岡山vsFC町田ゼルビア

2023-08-07 16:00:46 | サッカー視聴記(2023年J2)

※前回の岡山の記事はこちら(23節・水戸戦、1-0)
※前回の町田の記事はこちら(23節・大宮戦、3-2)

<岡山スタメン> ※()内は前節のスタメン

  • 木山隆之監督が前節(清水戦、0-1)終了後、器物破損行為(故意では無い)によりベンチ入り停止に。代わってヘッドコーチの小坂雄樹氏が指揮を執る。
  • 前節は3-4-2-1で、今節は輪笠をアンカーにした3-3-2-2(3-1-4-2)へとマイナーチェンジ。
  • ムークが累積警告により出場停止。
  • 末吉が千葉からレンタルで加入、27節(熊本戦、2-1)から登録されて即スタメン出場。
  • GK谷口が(JFL・レイラック滋賀FCへ)育成型レンタルで移籍、前節をもって登録抹消。
  • 故障者のリリースは無しも、チアゴ・アウベスやハンイヴォン、ルカオといった助っ人のベンチ外が続いており、離脱者は膨れ上がっているっぽい。

<町田スタメン>

  • 26節・秋田戦は豪雨のため試合中止に。代替日は依然として未定。
  • 水曜の天皇杯4回戦(新潟戦、0-1)からの継続スタメンはチャンミンギュ1名のみ。藤尾・藤原・宇野・松井が途中出場。
  • 前節(徳島戦、2-1)出場停止だった平河が復帰、ベンチ入り。
  • バスケス・バイロンがヴェルディから完全移籍で加入し、27節(千葉戦、1-3)から登録されて即レギュラー定着。
  • 鈴木準がJ1・FC東京から完全移籍で加入し、(以下同文)
  • 松本が(山口へのレンタルを終了させたうえで)J1・鳥栖から完全移籍で加入し、今節から登録されてベンチ入り。
  • 黒川が(大宮へ)レンタルで移籍、27節をもって登録抹消。
  • 高江が(山形へ)完全移籍となり、(以下同文)
  • 深津が(J3・岩手へ)完全移籍となり、今節をもって登録抹消。
  • 前節負傷交代した池田がベンチ外に。

断トツ首位の位置を維持している町田。
J1昇格に向けてブレずに走り続ける力強さは素晴らしいものの、フロントレベルを含めたそのマラソンの内容は物議を醸すものとなり。

25節・ヴェルディ戦(2-2)で、J2での国立競技場主催試合の先陣を切ったは良いものの、その直前というタイミングでバイロンをほぼ引き抜きと言える形で獲得。
明らかにライバルチームの戦力を削ぐ目的意識が伺え、黒田剛監督との師弟関係が背景にあったとはいえ、納得し辛い移籍劇に映りました。

これを含め、夏の移籍で鈴木準獲得など積極的に動く傍ら、功労者というべき深津・高江を手放す格好となり。
明らかにチームを変えにいっているのは理解できますが、今節を迎えるに辺り山口から松本をこれまた引き抜きに近い形で獲得(しかも所有権はJ1・鳥栖で、そこから完全移籍)と、傍らから見て「もうやめてくれ」と言いたくなる移籍劇は続き。
黒田監督が常々口にしている「我々は常に挑戦者」といった類のコメントも、こうした動きを見るや白々しくも感じさせるものであり。

完全に悪役へと針が振れたような町田の振る舞いですが、清貧な精神ではJ1昇格は果たせず、仮に実現してもすぐさま降格……というサイクルは中々切れる物では無いのも確か。
親会社のバックボーンをふんだんに活かし……という方向に舵を切ったその成果は上々ながら、ホームの立地上中々伸びない観客動員数をどう解決するのかにも取り組みたい所でしょう。

さてそんな町田と今節相対するのは岡山。
前節の終了後に木山監督が、うっかりペットボトルを蹴り飛ばしてドアガラスを破損してしまう事象を起こしてしまった事でベンチ入り停止処分に。
前述の「清貧な精神」に掛けて言えば、不条理に身を焼かれた途端暴走を見せてしまう事象にも見え。
果たしてどちらが正しいか、といったカードとなったでしょうか。(勝手に妄想を膨らませすぎ)

前半2分に早くも翁長がロングスローという、平常運転を見せる町田。
その後フリーキックを獲得し、クロスの跳ね返りを翁長がボレーシュート(ゴール上へ外れる)と、セットプレーで圧力を掛ける姿勢を貫きます。

しかし6分、岡山も左スローインから組み立てて前進の姿勢から、佐野中央へパス→田中右ポケットへスルーパスと素早く繋いだ事で密集から展開に成功。
そして走り込んだ河野の低いクロスを、パス&ゴーを敢行していた田中が中央で合わせます。
シュートはジャストミートせずも、かえってGKポープのタイミングを外すいい塩梅に浮き上がってゴールへ吸い込まれ。
王者(現時点)の出鼻を挫く先制点を挙げた岡山。

リードした事で動きが良くなる岡山。
10分にもGK堀田からのビルドアップを決め、河野の櫻川へのスルーパスはクリアされるも、拾って尚も繋ぎ。
今度は左から佐野の低いクロスに田中が合わせにいくという場面を作ります。(クリアされて撃てず)
櫻川をポストワーカー兼囮としつつ、2列目の選手がフィニッシャーとなる動きでゴールを脅かし。

一方の町田は、新加入選手が連携面で巧くいっていないという印象。
仮に岡山の前進を遮断しボールを奪っても、カウンターを仕掛けにいった所でエリキへのパスがズレてモノに出来ない場面が目立ちます。
その傍ら最前線から盛んにプレスバックで守備参加する藤尾も、反則を量産していささか空回り。

それでも町田のパワーは健在で、23分にロングボールを収めにいった藤尾が柳に倒されて反則。
このFKを素早く始めようとした藤尾に対し、キックを仙波が足で防ぎにいった事で妨害行為により警告を受けてしまい。
リードしている状況でも、その前線の圧によるプレッシャーに苛まれる岡山。

飲水タイムが挟まれた事で、町田は最終ラインから繋ぐ姿勢を見せ始め。
翁長が上がって左肩上がりとなる形により、ボール奪取からのカウンターのみならずという意識を見せる事で反撃体勢を取ります。
34分には自陣深め左サイドという位置で、エリキのボールカットからカウンターに持ち込むも、前進していくうちに右サイドで受けたバイロンが戻してペースダウンして攻め直し。
そして鈴木準裏へロングパス→走り込んだ松井落としから再び敵陣で組み立てる(シュートにはいけず)という具合に、両立した攻撃を展開します。
相手にとっては、「あんな深い位置からカウンターに……」という意識の矛で突かれながらの守備はキツイものがあり。
そうかと思えば、37分にはラフな裏へのロングパス一本でエリキが走り込むというシーンを作り、輪笠が辛うじてクリアと単純明快なプレッシャーを与えます。

そしてそれが実を結んだのは、やはりセットプレーでした。
38分翁長が田中にアフターチャージを受けた事で反則、左サイドからのFKを得た町田。
キッカー鈴木準の中央へのクロスを藤原がバックヘッドの形で合わせると、GK堀田がセーブしたボールにすかさず藤尾が詰め。
鈴木喜がスライディングで何とか防ぐも、再度詰めたチャンミンギュのシュートがゴールに突き刺さり。
これだけフィニッシュを放たれては岡山サイドのパワー負けは必至、といった同点弾となりました。

すっかり持ち味を取り戻した町田、以降もそのパワーで押し込み。
ロングボールを相手に回収させ、プレスを掛けたうえで縦パスをカットという「ストーミング」っぽい立ち回りも見せ、ペースを奪います。
そして45分に再びセットプレーの好機、バイロンがパスを受けにいった所佐野のチャージを受けて反則、右サイドからのFK。
キッカー鈴木準はややもすると直接ゴール狙いといったクロスを送り、GK堀田がパンチングにいくその手前で藤尾が合わせるというヘディングシュート。
しかしゴール上へと外れて追加点はならず、1-1で折り返しました。

ハーフタイムで早くも動く町田。
高橋大→平河へ交代(平河が左サイドハーフに入り、エリキ・藤尾の2トップ?)と、豊富なサブメンバーを駆使して勝利へ向かいます。

早速の後半1分に右サイドから前進していく岡山ですが、本山がドリブルで持ち運ぶ所平河のアタックを受けてタッチを割り。
そしてそのまま勢い余って看板を(倒れながら)飛び越えてしまう等、町田のパワーに悪戦苦闘が続くといったシーンを描き。

すると直後の2分、GKポープのフィードでプレッシングをかわし、素早く右サイドを運んで藤尾がクロス。
これは逆へと流れるも拾った平河の戻しから、翁長がすかさずクロスを上げると、その前にクロスを上げた藤尾がファーサイドで合わせます。
このヘディングシュートこそセーブしたGK堀田ですが、眼前にこぼれだボールをエリキのプッシュで抑えきれず、最後はヒールでのシュートでゴールに突き刺したエリキ。
やはりパワー負けといった失点となり、逆転を果たした町田。

逆転された岡山、やはりパワーを前面に押し出すべきと感じたのか、以降櫻川のフィジカルを盾にして左サイド奥へと進み。
そこからスローインの連続で崩さんとするも、町田の粘り強さもあり果たせず。
逆に、ほぼ同時のタイミングで佐野と鈴木準がそれぞれチャージで倒れ込む(4分)という、パワーが醜悪さを生んでしまう絵図となり。

その流れが途切れると、反省を踏まえたのか、最終ラインから繋ぐビルドアップへと移行する岡山。
3センターバック+アンカーでしっかりと丁の字型を作ったうえで繋ぎ、町田のプレッシャーをかわす事で好機を作っていきます。
対する町田はアンカー輪笠へのチェックが甘く、最終ラインに掛けられるプレスも「エリキが追い回すだけ」という風に映って空回り。

反撃のスイッチを入れるべく、13分に仙波→末吉へと交代する岡山。
これで佐野が仙波の居た左シャドーへと移ると、その佐野の急所を突くパスが冴え渡る事となり。
20分にバイタルエリアでボールを持つ佐野、ミドルと見せかけて縦パスを送り、左ポケットで末吉がダイレクトでシュート。(GKポープセーブ)

そしてその直後、左サイドで佐野の縦パスに入れ替わった末吉、そのままカットインで左ポケットへ。
尚も前進する所をチャンミンギュがスライディングで阻みにいくも、引き付けた末の末吉のマイナスのクロスを左腕で触る形となってしまい、ハンドの反則となります。
エリア内なので当然PKとなり、納得出来ない町田サイドを尻目に、絶好の同点チャンスを得た岡山。

キッカーは今季3本PKを決めている櫻川が務め、細かな助走から過去の3本と同様にゴール左へシュート。
しかしGKポープが読み切ってこれをセーブ、跳ね返りが櫻川の前に転がるもチャンミンギュの戻りを受けて撃てず、クリアされて終わり。
この好機を逃してしまいます。

直後の24分に町田が交代を巡って一悶着あるも(先に飲水タイムじゃないのか、というらしき黒田監督の抗議)、結局エリキ・バイロンに代えてデューク・荒木と2枚替え。
それでも岡山サイドのショックは大きかったようで、ビルドアップが萎んだ所を25分にデュークのパスカットから好機に持ち込む町田。
そして右スローインとなると鈴木準がロングスローを投げ入れ、デュークの手前に入り込んだ松井がフリックし、その奥で平河がヘディングシュートでゴールネットを揺らし。
デュークというターゲットを綺麗に逆手にとり、またもセットプレーをモノにした町田。

直後に今度こそ飲水タイムが挟まれ、両ベンチも動き岡山は輪笠・河野→田部井・木村、町田は鈴木準→奥山政へと交代。
反撃に出たい岡山ですが、ビルドアップをすっかり封じられて文字通り手も足も出ないという状況となり。
代わって入ったデュークが、アンカー田部井のチェックを欠かさない事でそれを果たし、サイドでの詰まりを頻発してしまう岡山。

目線を変えようと、37分に岡山は田中・鈴木喜→高橋諒・バイスへと2枚替え。
そして柳がFWへと上がり、4-4-2(佐野がボランチ気味にシフトも、実際には田部井アンカーの4-1-3-2のようにに見える)へとシフトします。
(40分に町田は藤尾→松本へと交代、3-4-2-1へシフト)

とはいっても、その後は柳・櫻川のダブルターゲットに頼る、つまりパワープレイという攻撃。
町田のパワーの前に繋ぐ余裕も無く、一度ボールを奪われれば右サイド奥まで運ばれ、CK・スローインも交えての時間稼ぎを受ける岡山。

何とかパワーで対抗しようとする柳・櫻川ですが、勢い余って相手の頭部を蹴ってしまうシーンもそれぞれ見られるなど空回りは避けられず。(櫻川には45分に警告)
結局中盤でのFKから、櫻川がヘディングシュートを1本放っただけに終わってしまいました。

そして試合終了の笛が鳴り、1-3で終わってみれば快勝の運びとなった町田。
「何が何でも昇格・優勝に辿り着く」その心意気で、立ち塞がる障害を次々と除いていくという戦いぶりは、もうじき実を結ぶとなるでしょうか。

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TV観戦 天皇杯 第103回全日本サッカー選手権大会ラウンド16 川崎フロンターレvs高知ユナイテッドSC

2023-08-04 18:18:51 | サッカー視聴記(2023年その他)

<両軍スタメン>

  • 公式では川崎vs高知の順だが、どう見ても高知ホームの試合(会場=高知県立春野総合運動公園陸上競技場)なのでそれに準じて表記。

2回戦でガンバ、3回戦で横浜FCを撃破し、ここまで歩を進めた高知。

2020年に取り上げた際のメンバーは横竹・西村(リザーブに田口)ぐらいで、新入団が多くなっている選手編成。
特に今季は、Jクラブからの移籍選手(レンタルのみならず)の割合が増え、本格的に「Jリーグを目指すクラブ」としての歩みの最中といった所でしょうか。

そんな高知に立ちはだかるのが、J1の強豪である川崎。
戦術浸透度が低かった(当時)ガンバや、エレベータークラブの横浜FCとは数段上の相手であり、その相手にどれだけ食い下がる事が出来るか。

今大会においてはカウンターの色が非常に強いという評判の高知。
その通りに試合を通して川崎がボールを握る展開となり、それにどう立ち向かうか。

しかし立ち上がりは、その川崎のポゼッションに対し果敢に前からディフェンスを仕掛けにいき。
前半4分に今井那が前に出てボール奪取、こぼれ球をさらに前に出てスライディングで繋いでショートカウンターに持ち込みます。
これを拾った西村、遠目からミドルシュートを狙ったものの、グラウンダーのボールは右へ逸れて枠外に終わり。

一つこうしたフィニッシュを生んだ事で、後はどれだけこれを増やし、かつ精度を上げるかが勝利のカギとなる。
そんな展開を想像したものの、前から奪いにいったのは結局これぐらいとなり。
その後ひたすら川崎のパスワークに晒され、とても前線でプレッシングを掛ける余裕が無くなる事となりました。
5-4-1の守備隊形を採る高知に対し、6分にその前5人の五角形の内側を瀬古が使ってのパスワークで揺さぶる川崎。
バックパスののちにシミッチが一気に裏へロングパスを送り、エリア内に走り込んだ宮代が足から跳び込むも合わずという際どいシーンとなり。
8分にもシミッチのミドルパスが通り、左サイドからポケットを窺いながら長らくパスワーク。
再びシミッチに戻されたのち、彼の縦パスを受けた瀬古が左ハーフレーンからミドルシュートを放ち、GK上田がセーブ。
短いパスで揺さぶられたのちの、シミッチの長いパスが決まるというパターンが確立しつつありました。

これで危うさを感じた高知。
以降ひたすらリトリートを強いられる格好となり、その中でワンチャンスロングカンターを狙うといった試合絵図が出来上がります。
自陣で横のラインを整えた5-4-1で構えるという、もはや五角形を作って前で守備をする状況では無く。

16分に再びのシミッチの縦パスを受けた橘田がミドルシュートを放つ(ゴール上へ外れる)など、川崎のゴールは時間の問題と思われましたが、ここから粘りを見せる高知。
直後の17分、川崎の攻撃を切ってクリアボールを橋本が拾うと、ボールキープで相手のチェックを掻い潜らんとする橋本。
これに対しシミッチが後追いで反則を犯した事で、何とか一糸が繋がった感があり。
その後18分、左サイドから細かいパスワークで前進していき、左ポケットを取った樋口が奥からグラウンダーでクロス。
これに小林心が足で合わせにいったものの僅かに届かず。
このシーンによりフィニッシャーを小林心にしようとしたのか、以降西村と小林心のポジションを入れ替えて暫くの間過ごした高知。
しかし攻撃シーンはそう多くなく、ひたすら続けられる川崎のパスワークによる攻撃。

結局25分辺りで、再び西村と小林心が入れ替わり開始時のポジションに戻ります。
そしてそこから最初に好機を得たのは高知で、自陣左サイドで橋本がボール奪取し、素早く縦に運んでスルーパスを右ハーフレーンで受けた小林心。
ドリブルでエリア内に持ち込まんとしましたが、タッチが大きくなった所をGKチョンソンリョンに抑えられ。
しかしそれでは終わらず、勢い余ってチョンソンリョンをチャージする形となった小林心、反則で警告を受ける事となってしまいました。
頭部を蹴られる格好となったチョンソンリョン、1分ほど倒れ込んだ末に脳震盪チェックも行われ、何とかプレー続行の運びとなり。

以降再び川崎の時間となるも、勝利への道筋を得た事で高知ディフェンスも引き締まり。
自陣でブロックを固める事で、流石の川崎も崩しに難儀する時間が続きます。
中々ポジションチェンジも仕掛けられないなか、左スローインの際には最初から家長が受けにいくなど、定番ながらもやや強引な変え方も見せ。
35分には山根が左サイドに張り出し、登里のミドルパスに走り込んで一気に最奥で受けるというシーンからクロスを上げ、小林悠がヘディングシュートを放ちましたがゴール左へと外れ。

そんな状況故にやや弛みが見られてきた川崎。
38分にはパスミスを小林心に拾われ、ドリブルでカウンターに入られる始末。(登里が反則気味のチャージで止める)
アディショナルタイムにもパスミスを吉田に拾われて高知の攻撃となり、右サイドで吉田が高井を股抜きで剥がして奥へ進入。
入れられたクロスはブロックされるも、こぼれ球を佐々木敦がミドルシュート(枠外)とフィニッシュで終え。

結局スコアレスで前半終了となり。
圧倒的に押されながらも、散発的に仕掛ける攻撃をモノに出来れば……という流れは作った高知。
ハーフタイムで西村→東家へと交代(小林心が再度FWへ回る)、J1クラブ(福岡)から移籍してきた選手の投入でそのプレッシャーを増しに掛かります。

後半も展開はさして変わらず、我慢を重ねる高知がカウンターに活路を見出す流れ。
後半3分に自陣でのカットから繋ぎ、東家が右サイドを前進ののち、佐々木敦のスルーパスで抜け出しグラウンダーでクロス(ファーで橋本折り返すも繋がらず)と早速その一矢を担った東家。

一方前半はゴールを奪えなかった川崎。
性根入れてパスを回し、ひたすらポケットを突きに掛かるものの、シュートチャンスは中々生まれず。

そんな流れのなか、11分敵陣で橘田がボールを奪って川崎のショートカウンター(とはいっても全体高知陣内に密集していましたが)という逸脱した流れに。
山根が左ポケットに進入して中央へ横パス、そして宮代がシュートを放ちましたがGK上田がセーブと辛うじて防ぎ。
危険な奪われ方は避けたい高知。

そして定型の流れへ戻ると、14分に待望のカウンターチャンスが。
今井那のロングパスで裏を取り、左サイドで東家を起点として前進していき、樋口が左ポケットへスルーパス。
そして走り込んだ東家がシュート、GKチョンソンリョンのセーブで右へこぼれた所を小林心が詰め。
GK不在故に決まったか、と思われたこのシュートは、戻った高井がブロックとまさに決死のディフェンスで防がれてしまいます。
先制点まで後一歩と迫った高知、その後コーナーキック→ロングスローとセットプレーで押し込むものの、やはり決定機を逃したツケが付いて回る事に。

一方何とかビハインドは避けた川崎、17分にシミッチ・小林悠→遠野・瀬川へと2枚替え。
橘田がアンカーに、宮代がセンターフォワードへシフトとポジションも入れ替えます。
メンバーを入れ替え目線を変えにいったものの、以降も展開的には変わらず。
攻撃が停滞するなか、高知の一刺しに脅かされるといった時間帯に。

高知ベンチは20分に小林心→田口へと交代。
22分に再び、自陣で高野のパスカットから素早く運ぶ攻撃を仕掛け。
しかし左ポケットは取ったものの、戻しから橋本のミドルシュート(枠外)と、先程のような決定機はそうそう得れるものでは無く。

ここから押し返す川崎、25分に中央からの前進を経て宮代がペナルティアークからシュート。(GK上田キャッチ)
これを皮切りに押し込み、シュートラッシュを掛けんとします。
しかし家長や遠野のシュートがジャストミート出来ずに終わるなど、今度は最後の精度に賭けるという流れに。

そして32分に再度動く川崎ベンチ、登里・宮代→佐々木旭・山田へと2枚替え。
これまで散々登里の上下動を起点としていただけに、そこを代えたのは勇気のいる決断でしたが、結果的に吉となったでしょうか。(単にベテラン登里のスタミナ面の考慮、という可能性もありますが)

良く凌いでいた高知ですが、守備で走り回らされると流石にスタミナ面は厳しくなり。
34分家長の左サイド手前からのクロスは流れてしまうも、CKへの逃げを選択と、その影響を感じさせるシーンを描き。
するとその右CKから、キッカー瀬古はニアにクロス→瀬川フリックを選択し、中央へ流れたボールを山田がボレーシュート。
GK上田がセーブするも、跳ね返りを佐々木旭がヘディングで詰めてゴールネットを揺らします。
ようやく先制点を挙げた川崎、客観的には遅過ぎといった所ですが、とてつもなく重い1点となります。

これで攻めなければならなくなった高知。
直後の36分に左サイド手前から橋本がクロス、田口のフリックがクリアされてCKを獲得するも、フィニッシュには繋げられず。

マイボールを失い、これで高知の命運はほぼ尽きたといった感じに。
以降川崎のポゼッションは守備面に大きく貢献し、これを遮断しなければ攻撃に入れず、またそれを果たす難度も非常に高く。
39分に2枚替えを敢行(橋本・樋口→田尻・新谷)するも、流れを変える一手とはなり得ません。

敵陣深くに進入しても、戻して作り直しという色を一層強める川崎。
その中でも41分に山田がボレーシュート(ブロック)、ATには遠野がミドルシュート(枠外)と、追加点の意識もチラつかせ。

何とか最終盤、ボールを確保した高知は最後尾から繋がんとしますが、川崎ディフェンスの前に好機が生まれる事は無く。
結局1-0のまま試合終了の時を迎えました。


健闘した高知ですが、そんな状況の最中に無視できないニュースが。

資金繰りが苦しい、と3年前の記事で書いたものの、そちらの方に針が振れてしまったかという感想を抱かざるを得なく。
大金を出してくれるならばどんな企業でも……といった精神は、財政破綻する前のJ2・大分に通じるものがあり、厳しい目は避けられない状況となってしまったでしょうか。
(どんな企業なのかは、↑のツイートのリプを見て頂ければ解るかと)

FC神楽しまねの解散など、現在のJFLの情勢は決して楽観的では無く、舵取りを間違えたクラブは不幸な結果に終わるものであり。
果たして高知がそのレールに乗ってしまわないかどうか。

(追記)

8/4に契約解除の報が発表されました。

 

スピード対応が過ぎる気がするものの、一安心といった所でしょうか。

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DAZN観戦 2023年J3リーグ第20節 FC今治vsテゲバジャーロ宮崎

2023-08-03 16:11:10 | サッカー視聴記(2023年その他)

<両軍スタメン>

  • 今治のホームだが、↓とは逆のサイドで前半スタート。
  • 今治のフォーメーションは、DAZN予想では4-4-2、yahooスポーツナビでは3-4-2-1。

J1→海外・J2→J1と、還流のようなステップアップの移籍劇。
こう書くと当然ながら、J3→J2への移籍も無視する訳にはいかず。

昇格を目指すクラブの、得点力に長けたアタッカーというファクターは引く手数多。
そんな事を痛感させるかのように今夏被害に遭ったのは今治で、ドゥドゥが千葉に・中川が藤枝に移籍が決定しチームを離れる事に。
特にドゥドゥは元来バリバリのJ2レベルの選手とはいえ、わずか半年の果実しか齎さずに去るという具合に、移籍市場は残酷であり。
それでも目標の昇格に向け、歩みを止める事は許されない今治。
目を付けたのはレンタル中にも拘らず干されがちな選手で、徳島から千葉(レンタル元は清水)・甲府から土肥(レンタル元は広島)をレンタル先変更という形で補強と、良い着眼点で戦力補填に成功しました。

そんな補強策もあり、前節から3バックへと基本フォーメーションの変更に至った今治。
そしてこの日の相手は純正4-4-2の宮崎と、そのギャップを活かすべき試合となりました。

試合が始まって早々、前半2分に右サイド中盤で照山が(永田に)反則を受け、遠目からのフリーキックを得た今治。
ここで放り込みの姿勢を取ると、対する宮崎は一旦はエリアからすぐ手前にディフェンスラインを構えたものの、キッカー三門が蹴る直前になって一気にラインを上げるオフサイドトラップを仕掛けます。
しかし翻弄されなかったのはヴィニシウスで1人そのラインに付いていき下がると、三門も放り込みでは無くグラウンダーでスルーパスを選択。
反転して受けたヴィニシウスが右ポケットを突いてグラウンダーのクロスを入れ、西岡の戻りながらのクリアがミスとなった所をファーサイドで千葉が合わせてゴールネットを揺らします。
宮崎のトリックプレーに対し裏の裏を掻いたという格好で、早々にリードを奪いました。

この失点で、堅守の宮崎は動揺してしまったでしょうか。
続く4分にも今治はクリアボールをヘッドで繋ぎ、渡った土肥に前進を許してピンチ。
そしてエリア手前中央でキープするヴィニシウスから、左ポケットへのスルーパスに三門が走り込んでシュート体勢に。
北村知ブロック→GK青木片手でセーブと2人掛かりで止めたものの、こぼれ球を千葉が詰めてまたもゴールネットが揺れ。
立て続けの2得点で、加入した千葉が高々と復帰をアピールする事となりました。

尚も6分、土肥がパスカットからドリブル→ヴィニシウスドリブルと中央突破から、エリア内を突いてシュートを放つ今治。(GK青木キャッチ)
まさに独壇場といった展開ですが、その直後宮崎もロングパスを左サイドで受けた石津が起点となり、永田がカットインからミドルシュート(ブロック)とやり返し。
宮崎が反撃体制に入った事で、その攻撃を今治がどう凌ぐかという点に注目が集まりました。

3-4-2-1かと思われたその布陣は、楠美がアンカー気味に位置取り、前線の枚数を多くするという3-3-2-2(3-1-4-2)にも近い布陣。
ボランチタイプが3人居る特徴を生かしてのフォーメーションですが、基本は前から嵌めにいくスタイルで、2点のリードを得ても変える事は無く。

しかし宮崎の最終ラインに対し、三門や土肥が果敢に前に出た所をかわされるシーンが目立ちます。
12分宮崎は左右に振って三門が前に出た所をかわし、敵陣に進入しても左→中央→右へと振った末に青山が右ポケットへとスルーパス。(北村知が受けるもディフェンスに遭いコーナーキックへ)
ここはシュートに繋がらなかったものの、千葉の出血というアクシデント(14分、止血の末16分に復帰)を挟んだのちの17分。
ここでも宮崎の最終ラインに対し前線5人が圧縮して詰めにいくも、土肥が左寄りになった所を西岡が斜めの縦パスでいなし。
そして再び敵陣で右へと振って北村知がポケットへスルーパスと、同じような危機に。(走り込む江口には通さず)
そしてフィニッシュに繋がれたのが20分で、再び土肥のポジションを狙われて右から中央→左へと渡してビルドアップに成功する宮崎。
今度はそのまま北村椋がアーリークロスを送ると、ニアサイドで南野が足で合わせシュート。
GK伊藤がセーブした所を石津が詰めましたが、このシュートも照山がブロックして防ぎ。

失点は免れた今治でしたが、その穴は大きいものだと実感せざるを得ない流れであり。
その原因は中途半端な土肥のポジショニングというよりは、サイドに出された時のウイングバックのプレッシャーが足りないといった印象。
前から嵌めにいくには不可欠な要素であり、以降修正は必須に映りました。

そして飲水タイムが挟まれると、その通りに修正が施され。
宮崎が自陣でボールを持った際は、松本が前に上がる事で4-4-2気味に守るスタイルを採ります。
これが奏功する形となり、跳梁を許していた最終ラインから左への展開に蓋をされる事で、宮崎は攻撃機会が次第に減少。
何とか38分に、青山の右→左へのサイドチェンジで強引にサイドを変える事で好機に持ち込み。(その後は永田が左手前からクロスもシュートには繋がらず)

余裕が失われた宮崎、その影響か続く39分に中盤でボールコントロールをミスした所を三門に拾われ、そのままスルーパスを通されてヴィニシウスがGKと一対一に。
そしてGK青木が前に出た所を、ループシュートでその上を抜いてゴールゲット。
前半のみで3点リードを奪うに至った今治。

以降は宮崎の攻撃を凌ぎつつ、マイボール時はヴィニシウス狙いのロングボール中心と、シンプルなスタイルに移行する今治。
アディショナルタイムに左サイド奥でのスローインの連続と猛攻を掛け、近藤が左からカットインシュートを放ったもののGK青木がキャッチ。
システム変更の影響か、千葉・ヴィニシウスの活躍に比して近藤が今一つ目立たないといった前半全体の印象でしたが、訪れる好機でもモノに出来ず。

結局3-0で折り返しとなり、建て直しを強いられるのは宮崎の方。
ハーフタイムで2枚替えを敢行するに至りました。(南野・北村知→高橋・山崎)

後半、今治はさらに微調整を施し、守備時にヴィニシウスの位置が下がり気味となり。
つまりは3-4-2-1へとシフトした感があり、3点リードの状況らしくプレッシングは自重気味となります。

宮崎は、そのヴィニシウスを突くように左サイドでの攻めを重視。
高橋や石津も左へと張り出し、人数を掛けて攻め込むも成果は今一つであり。
逆にシンプルに好機を作る今治、後半9分には楠美のボール奪取から、ヴィニシウスが中央突破からミドルシュートでゴールを脅かし。(GK青木キャッチ)
10分には右からのスローインで市原がヴィニシウス目掛けてロングスロー(ただしDFは上がらず)、こぼれた所を楠美がシュート気味にクロスを入れた事で混戦が生まれ。
三門・近藤がディフェンスに遭い撃てなかった所を、松本が拾ってシュート、ブロックで跳ね返った所をさらに近藤がシュートしましたが枠を捉えられず。

厳しい展開を強いられる宮崎、13分に打開のためかサイドハーフの位置を入れ替え。
以降永田が右・山崎が左となって攻撃を仕掛けます。
14分にそれが奏功する形で、永田が対角線のロングパスを山崎へと通し、ドリブルで左ポケット奥を突いてグラウンダーのクロスを入れる山崎。
クリアされるも拾った石津の戻しから、下澤がミドルシュートを放ちましたが楠美のブロックに阻まれ決められず。
18分に燃料切れとなったかベテラン・石津が退き、青戸が投入されます。

宮崎の攻勢を受けるなか、今治も更なる追加点を匂わせるシーンを作り続け。
16分のヴィニシウスの反転シュート(ゴール上へ外れる)、21分にはエリア内でこぼれ球の連続を詰める形で千葉がシュート、ポスト直撃した所を近藤がシュート(永田がブロック)という具合。
意気上がる今治の逆を突かんと、21分にカウンターに持ち込んだ宮崎でしたが、右奥まで運ぶも遅らされ。
何とかエリア内への縦パスから、青戸のポストプレイを経て高橋がシュートするもジャストミート出来ず。

23分に飲水タイムが挟まれ、明ける際に宮崎は最後の交代。
下澤・江口→東出・田中と、ドイスボランチをそっくり入れ替えて第4クォーターに臨み。

既に勝ち点を得るのは厳しいという宮崎の状況の中、ここから遅れを取り戻さんとばかりに躍動を見せたのが今治の近藤。
先程の決定機逸に続き、26分にもおこぼれの形で彼に好機が訪れ、ヴィニシウスが土肥とワンツーからのミドルシュート。
これがGK青木にセーブされた所を詰めた近藤でしたが、このシュートも枠外となり決められず。

宮崎が5枚交代したのちも不動を貫いていた今治ベンチでしたが、32分に最初の交代で千葉・三門→高瀬・武井へと2枚替え。
その後39分に楠美・ヴィニシウス→山田・新井へ2枚替えと、活躍した選手達がお役御免といった感じで退いていき。
その影響か、近藤がオーバーラップするシーンは尚も増えていきます。
35分にはカウンターに持ち込みスルーパスに抜け出した近藤、横パスを選択して高瀬がミドルシュートを放ちましたがGK青木がセーブ。

前線がフレッシュとなり、プレッシングも再び強まっていく今治。
それをまともに受ける形となった宮崎は、既に反撃の糸口は残されていないといった状況でした。
80分以降ロクに攻撃機会を得れないまま、ATへと突入。
しかしそこで、山崎が反則気味にボールを奪った事でショートカウンターの形を得る宮崎。
拾った東出のクロスを、ファーサイドで永田がヘディングシュートを放ちましたが、この乾坤一擲のフィニッシュもゴール前での下口のブロックに阻まれてしまい。
その直後に最後の交代枠を使う今治。(土肥→松井)

時間も押し迫り、今治にクリアミスが生まれた事で、そこからCKを得た宮崎。
その二次攻撃で、後方からミドルパスの連続でエリア内へ運ぶと、こぼれ球を拾った高橋のシュートがブロックされて混戦が生まれます。
何とか高橋・青戸がシュートを放たんと奮闘するも、結局掻き出されれてしまい。
その後山崎の惜しいミドルシュート(ゴール左へ外れ)も見られましたが、結局最後までゴールを奪う事が出来なかった宮崎。

3-0のまま試合終了となり、ホームで快勝を演じた今治。
昇格争いには何とかその足元に喰らい付いているという位置付けですが、補強策をブーストとして浮上を果たせるかどうか。

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DAZN観戦 2023年J2リーグ第28節 ベガルタ仙台vs藤枝MYFC

2023-08-02 16:45:32 | サッカー視聴記(2023年J2)

※前回の仙台の記事はこちら(26節・金沢戦、1-2)
※前回の藤枝の記事はこちら(25節・甲府戦、1-4)
※前回対戦時の記事はこちら(11節・藤枝 3-2 仙台)

<仙台スタメン> ※()内は前節のスタメン

  • ヘッドコーチの渋谷洋樹氏が退任。伊藤彰氏に続く格好で、ある意味当然か。空いたコーチ枠にはジュニアユース監督だった西洋祐氏が就任。
  • 前節(ヴェルディ戦、3-4)からフォーメーションを4-1-4-1へと変更。浦和監督時代の堀孝史氏の基本フォーメーションであり、早くも自分色を前面に出す姿勢か。
  • 26節で負傷交代した内田が、今節復帰して即スタメン出場。
  • 加入決定していた松崎が前節から登録され即スタメン出場、今節も連続してスタメン。

<藤枝スタメン>

  • 前節(金沢戦、1-1)出場停止だった川島がスタメンに復帰。
  • 渡邉がJ1・セレッソへ完全移籍となり、今節をもって登録抹消。
  • 久保がJ1・名古屋へ完全移籍となり(以下同文)
  • 田中宏武の(J1・札幌から)レンタルでの加入が決定。今節には登録間に合わず。
  • 中川が(J3・今治から)完全移籍で加入が決定(以下同文)

前年J3で見事に結果を出した「超攻撃エンターテイメントサッカー」が、J2の舞台に上がっても立派に通用する事を証明しつつある藤枝。
しかし一般層に近い位置にも周知されるようになった結果、待っていたのは引き抜きという触手であり。

前年オフの熊本を彷彿とさせる抜かれぶりですが、異なるのはこれがシーズンの真っ只中という事。
渡邉も久保も移籍が決まる間近まで出場を重ねていた事実からも(オファーのニュースは以前から真偽不明ながら色々流れていた)、次の手を用意する余裕はJ2初年度の状況ではままならず。
いきなり主戦力が2人も居なくなったという格好で、慌てるように田中・中川の獲得を決定させたものの、登録自体は間に合わずに今節を迎えました。

試合前インタビューで気丈に振る舞う須藤大輔監督でしたが、そうした状況すら一気に吹き飛びかねない事件が開始直後に起こります。
仙台のキックオフでスタートした前半、ショートパスを回しながら藤枝のラインを引き込みにかかる仙台。
そして左サイドから前進し、縦パス→スルーパスと連続して早いボールを送り込むと、綺麗に裏を取って氣田のスルーパスを受けたホヨンジュン。
たまらず山原が後ろから腕でホヨンジュンを倒す格好となると、反則を告げる笛が鳴り響くとともに、主審がカードを突き付け。
そしてそれが赤色だった事でいきなり退場処分となり、実質全時間を数的不利で戦う事が決定してしまった藤枝。
まさかの事態に、須藤監督も必死にピッチサイドから異議を飛ばすものの当然実る事は無く。

これで得た仙台の直接フリーキックは、中島が直接シュートしたものの壁を直撃し、ビハインドは何とか避けられた藤枝。
以降布陣をどうするか思案を巡らせた結果、採った策は4-3-2というものでした。
アンデルソン・岩渕の2トップで、中盤3人全てがボランチというような恰好のものに。

一方、数的優位を存分に生かさんとする仙台。
前半5分に敵陣でFKを素早くリスタートさせ、ホヨンジュンが中央からミドルシュートを放つもゴール右へ外れ。
10分にはロングボールの跳ね返りを繋ぎ、氣田が左ハーフレーンをドリブルしたのちミドルシュートを放ちますが、これも川島のブロックにより決まらず。
まるでシュート練習かのようにポンポンとフィニッシュを重ねましたが、同時に遠目からのシュートのため「11対10だから、完璧に崩さなくても決められる」といった浅はかな思考も邪推してしまうものでした。

それを覆すかのように15分、退場のシーンを彷彿とさせるように、藤枝のハイラインを突いて左から氣田のミドルパスを中央裏で郷家が受けてGKと一対一の決定機に。
そしてエリア内からシュートした郷家でしたが、ボールは北村の正面に終わりキャッチされてしまいます。

当然ながら防戦を強いられていた藤枝。
誤魔化しながらも、ボールを確保した際は得意手であるボールポゼッションによる攻撃を展開。
一人少ないため、GK北村も前に出っぱなしという攻撃ターンであり、仙台のプレッシングはホヨンジュンの周囲との連携不足もありかわしていく事は容易となり。
それでもカウンターをケアしながらの運びを強いられ、縦パスを送る時も全体の上がりを自重してだったり、横山の単騎突撃に賭けたりと苦しさが滲み出ます。

長めとなるであろうアディショナルタイムを考慮してか、遅めの26分に挟まれた飲水タイム。
30分に藤枝が、運ぶ姿勢から一旦GKまで戻す事でプレスを誘引し、そのGK北村の縦パスを受けた岩渕がドリブルからミドルシュート。(枠外)
依然として苦しいながらゴールを狙う姿勢を見せたものの、非情にもここから仙台のターンが持続する事となり。

第1クォーターは、ミドルパスでサイドを揺さぶる事が多かった仙台でしたが、この時間帯はひたすら敵陣でグラウンダーのパスを繋ぐ事でサイドを揺さぶる姿勢を取ります。
32分には繋ぎ続けて左→右へとサイドを移した末に中央からの攻めを選択、鎌田縦パス→松崎ポストプレイ→ホヨンジュンと経由して右サイド裏へと展開。
受けた真瀬はオフサイドを取られるも、数的不利な相手を走らせる事で専守を強いるという、有利な者の立ち振る舞いを続け。

それでも守備を固める藤枝の前に、相変わらずミドルシュートが多めとなるフィニッシュ。
38分の中島のミドルシュートは、あろう事か前方の松崎の鳩尾に入るという具合に、依然未勝利が続く仙台のチーム状況を暗示するようなシーンも生んでしまい。

しかし41分に仙台がカウンターに持ち込みかけた所、氣田のドリブルが久富に反則で止められるなど、苦しいのが藤枝の方なのは歴然であり。
そしてそのシーンの直後、菅田の持ち運びから松崎→真瀬と経由して右奥を突いて真瀬がクロス。
上がったこのボールをホヨンジュンが綺麗にヘッドで合わせ、ゴールネットを揺らします。
有利な立場を決定付ける、待望のリードを奪った仙台。

スコアが動いても試合絵図は変わらず、ビハインドとなっても藤枝は凌ぐ事が続き。
迎えたATはやはり5分と長く、その中でコーナーキックを得た藤枝でしたがフィニッシュは生まれず。
逆にリードした仙台はビルドアップにも安定感が生まれ、最終ラインでの繋ぎで藤枝のプレッシングを呼び込んだうえで、送られた菅田のロングパスで最終ラインを突く攻撃。
ホヨンジュンのフリックを経てエリア内で持つ松崎、彼の戻しから中島のミドルシュートがゴールを襲いましたが、ゴールバー直撃と惜しくもモノに出来ず。
とどめを刺し損ねた、というシーンで(正確には、その後ボールを顔面で受けた新井が倒れ込んだ事で)前半は締められました。

具体的な調整の時間をようやく迎えられた藤枝。
即ち選手交代であり、岩渕→河上へと交代、フォーメーションはそのままに後半に臨みました。

そして始まった後半。
戦術を調整とはいっても、数的不利をカバーすべくより走る事が第一な藤枝。
その思想は、後半1分に久富が前に出てボールカット、3分に戻ったアンデルソンがボール奪取とディフェンス面で表れます。
一方で勢い余って、横山がスライディングで氣田を倒してしまい警告を貰うシーンもありましたが。(1分)

仙台はプレスの連動性が相変わらず今一つであり、その間隙を突かんとする藤枝。
中途半端に前に出た所に、アンカー鎌田の脇を狙うような縦パスを通した際は好機が生まれ。
12分には榎本縦パス→アンデルソンポストプレイを経て、受け直した榎本のドリブルが阻まれた所を、拾った河上がミドルシュート。(郷家がブロック)
数的不利による運動量の低下も懸念し、ベンチも早めに動く藤枝。
13分に横山・新井→永田・矢村へと2枚替え、これにより永田が左サイドバックに入る事で、榎本が2列目に。

一方仙台は、相変わらず多い攻撃機会ながら、前述のように藤枝の高まった走力の前に阻まれる事が多く。
14分にはエリア内へのスルーパスに走り込んだホヨンジュンでしたが、川島と交錯してしまい受けられず。
倒れた際右足を嫌な捻り方をしてしまい痛んだものの、何とか無事に起き上がり冷や汗を掻く仙台サイド。

それでも、ミドルシュートに傾倒していた前半の姿勢を改め、アタッキングサードでの崩しを目立たせ。
19分、左から氣田を軸に運ぶと見せかけて中央→右へと展開し、松崎のスルーパスに走り込んだ真瀬が奥からマイナスのクロス。
ブロックで方向が変わるも、中央で氣田が合わせたシュートはこれも(河上の)ブロックに当たった末にゴールバーを直撃。
そして跳ね返りをダイレクトで松崎が詰めたものの、シュートはゴール左へ逸れてしまい、結果的に痛すぎる決定機逸となりました。

気落ちするのは避けられないといった所で、21分に動く仙台ベンチ。
松崎・郷家→オナイウ・加藤へと2枚替えを敢行し、アタッカーの顔を新しくします。

命拾いのシーンが頻発する藤枝ですが、この状況でも最終ラインはしっかりとショートパスでビルドアップを敢行。
仙台はホヨンジュンが自重する事で何とか連動性を保たんとしますが、そうしたうえで掛けられるプレッシャーはパスコースを切る事が出来ておらず。
仙台2トップ(守備時は郷家(加藤)が前に出る)の動きを見たうえで、規制の無いコースへパスを通すという巧みなプレーを貫く事で、抗戦姿勢を維持します。

そして24分、最終ラインからの繋ぎで左サイドで山田将・永田がパス交換の体勢に。
この際オナイウが内を切ったのを見るや、山田将はすかさず永田へ渡し、ワイドをドリブルする永田という具合に対応力を発揮した末にチャンスエリアに。
榎本が左ポケットを突いて中央へ送り、アンデルソンのボールキープはこぼされるも、後方から走り込んだ河上が果敢にシュート。
これが右ポスト内側を叩いてゴールに突き刺さった事で、不利を跳ね返す同点弾が齎されました。

同時に飲水タイムが挟まれ、迎えた第4クォーター。
再びリードを奪わんと攻め上がる仙台ですが、時間が進むとともにその攻撃は流動性を欠いていき。
左右のサイドとも「偽SB」への固執が目立つようになり、ワイドにオナイウ・氣田、ハーフレーンに真瀬・内田という立ち位置が固定化されるようになります。
何度も奥を突いてクロスに辿り着くもフィニッシュには繋がらず、角度の厳しい所からオナイウがシュートを狙うに留まるなど、その影響が少なからず見られ。

37分に双方選手交代が敢行され、仙台は氣田・ホヨンジュン→フォギーニョ・中山へと2枚替え、これでフォギーニョ・鎌田のドイスボランチの4-2-3-1へ。
一方の藤枝はアンデルソン→徳永へと交代、榎本が最前線に回り。

しかし藤枝は直後にアクシデントに襲われ、河上がフォギーニョと交錯した際、倒れた所足を捻ってしまい激しく痛み。
仙台サイドのホヨンジュンと類似したシーンながら、こちらはすかさず続行不能のサインが出され、交代を余儀なくされる藤枝ベンチ。
鈴木が投入され、これで3バックへのシフトが過る顔ぶれとなりましたが、鈴木はそのまま左SBに入りフォーメーションを維持します。

藤枝は流石に二重のアクシデントには耐えられずといった格好で、以降試合終了まで仙台の攻撃が続く事に。
(GK以外)全員敵陣に入り込んでボールを回し続けるも、開き直って守る藤枝に対しこじ開ける難易度も上がり。
そして未だチームの完成度が高くない状態の仙台にとってそれは望まざるもの、という典型的な展開だったでしょうか。

決定機は45分の右CKからで、キッカー鎌田のクロスをファーサイドで菅田が合わせにいき、GK北村が飛び出してパンチング。
これが右ポケットという中途半端な所に落ちると、加藤のダイレクトでの折り返しから中山がヘディングシュートを放ちますが、ゴールバー直撃でさらに跳ね返り。
そしてゴール前にフォギーニョが詰めにいきますが、矢村・GK北村と交錯しながらのヘディングはゴール左へ外れと、先程の松崎の枠外シュートが思い出される結果に終わってしまい。

以降もひたすらポケットを突きまくる攻勢も、ゴールを奪えない仙台
最後のシーンもCKからで、GK林も前線に上がりまさに全員攻撃。
そしてキッカー鎌田のニアへのクロスを、その林がフリックで繋ぎ実るかと思われましたが、その後の中島のヘディングシュートは枠外に。
それと同時に試合終了となり、結局勝つ事は出来なかった仙台。

試合終了から数日経ち、藤枝は一発退場となった山原の処分が発表。
これが今季2度目という事で2試合出場停止、かつ罰金という重いものとなり。
一方の仙台には、元日本代表の齋藤の加入が決定というビッグニュースが。
既に晩年という年齢でドリブラーにはキツい状況ながらも、何とか一花咲かせてほしい所です。

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