ぶらりドリブルの旅

ひたすらサッカー観戦がメイン

ABEMA観戦 UEFA EURO2024グループD第3節 オランダvsオーストリア

2024-06-28 18:16:53 | サッカー視聴記(その他)

<両軍スタメン>

参考動画

前回のEUROの記事 -グループB第2節・スペインvsイタリア


前半のキックオフから30秒と経たないうちに、ボール確保に成功したオーストリアが保持に入る。
普段Jリーグしか観て無い者としては、そんな普遍的なものがとても凄い偉業に見えてしまう。
そういった、軽いカルチャーショックを覚えるような幕開けとなりました。

予選通過が決まっていないグループは死闘必至の3戦目。
この試合は、勝てば通過決定という解り易い一戦となり。
引き分けが許されるのが、フランスが敗戦した場合のオランダの方ですが、既に敗退が確定しているチーム(ポーランド)をアテにする訳にもいかず。
当然勝利を目指すもので、熱い戦いが期待できるカードと思い視聴しました。

さて、試合の頭からボール保持するオーストリア。
何としても勝利しなければならない立場で、その姿勢は落ち着いたものでありながら、素人目には「早く得点を目指すべく攻勢に入らないと……」と一言放ちたくなるようにも映り。
立場上有利のオランダがそれに対してプレッシングを掛けず、ミドルサードで4-5-1のブロック構える体勢なのもそれに拍車を掛け。

試合が動いたのが前半6分、オーストリアの最終ラインに対し、1トップのデパイが単騎でプレッシャーを掛けにいくオランダ。
しかしラインハートが切り返しでそれをいなした事で、オランダの整然とした(様に見える)陣形に乱れが生じ、中央から前進ののち(サイバルトが)右へロングパス。
ボッシュはこれを収められずも、ルーズボールをすかさず拾うと狭い局面での攻防へと変わり、パスワークで前進に成功し右奥を突くというオーストリアの攻撃。(アルナウトビッチがクロスも合わず)
すぐさま再びボール権が訪れると、またもラインハートが持ち運びののちに縦パスとビルドアップの起点となり、中央で収めたアルナウトビッチが左へ展開。
そして受けたプラスが左ポケットを突いてグラウンダーでクロス、中央に入るその手前で足から跳び込みクリアにいったマレン。
これが綺麗に合わせてのシュートのようになってしまい、そのままGKのニアを破るという、鮮やかにも映るオウンゴールに。
早々のボール確保に続くように、早々の先制点を挙げたオーストリア。

追う立場となったオランダ、当然ながら前線の守備を強めに切り替えて反撃体制に入り。
14分には最終ラインから縦パス→ポストプレイの連続で前へ運び、左ワイドからガクポがポケットを突き。
そして送られた中央への横パスに、フリーのラインデルスが合わせるという綺麗なフィニッシュまでの流れを築きましたが、当たり損ねてゴール右へと外れてしまい同点ならず。

オランダは自身でのビルドアップは、殆ど可変を見せず。
サイドバックは前進を果たすまでは後方に残り、ウイングは前線に張ったままという、これも普段Jリーグしか観てない者としては物珍しいスタイルであり。
その後方のSB→前線のウイングへの橋渡しとなるべく、インサイドハーフの動きが逆に活発で、流動的にボールを受ける体勢。

つまりはIHのスカッドが大きそうなサッカーで、ビハインドとなった事で守備面でもそのウェイトは重くなり。
20分のオーストリアのGKを含めた最終ラインでの繋ぎに対し、ラインデルス・フェールマンの2人が前に出るハイプレス。
しかし距離感の長いパスワークであっさりプレス回避され、左(オランダから見て右)から運ばれてしまい。(その後敵陣でサイドを変えて繋ぐも戻して作り直し)

ハイプレスへの切り替えが馴染んでいないようでしたが、その後はオーストリアにロングボールを蹴らせるシーンを頻発させて攻撃権を確保。
23分、そのロングボールの跳ね返しをデパイがレイオフ、拾ったラインデルスのスルーパスで一気にエリア内を突き。
そしてそこにマレンが抜け出すという決定機が生まれましたが、放たれたマレンのシュートは先程と同様にゴール右へ外れる結果に終わってしまいます。
「自分のゴールには決めたのに、相手のゴールには決められないのか……」と、思わずマレンに言い放ちたくなるような流れに。

その後はオーストリアが、オランダのビルドアップを遮断していくシーンを目立たせるも、その際も無理なショートカウンターは仕掛けず。
試合の入りに見せたような、重厚なボールポゼッションを駆使するリードを活かす立ち回りを展開していきます。
このままではいけないというオランダは、前半のうちに早くもベンチが動く事に。
34分にフェールマン→シモンズへ交代しましたが、その直後に飲水タイムが挟まれるという、何とも言えない試合絵図。

ブレイク明けも、ボール保持の色を保つオーストリア。
37分にパスワークの最中に(プラスの)縦パスが主審にぶち当たるという絵図が生まれるも、こぼれ球を拾い直して継続させる泰然自若ぶり。
その攻撃を左コーナーキックに繋げると、ショートコーナーを選択し左ハーフレーンで受けたザビッツァーがミドルシュート。
GKフェルブルッヘンがセーブするも左奥でシュミットが拾い継続し、そのままポケット→中央へと繋いだ末に今度はグリリッチュのシュート。
ファンダイクがブロックしたこぼれ球が最終ライン裏へ流れ、そこにアルナウトビッチがシュートにいく決定的な絵図となりましたが、このフィニッシュはジャストミートせず。
しかし虚を突かれたGKフェルブルッヘンも小さく弾く事しか出来ず、さらにアルナウトビッチが拾ってキープする所を、腕を伸ばして掻き出したフェルブルッヘンにより今度こそピンチを脱します。

その後40分にカウンターを展開した(シュートには繋がらず)事で、オーストリアの猛攻を凌ぎつつ……という流れにもなってきたオランダ。
41分にラインデルスのスルーパスで右ポケットを突き、走り込んだガクポのクロスをデパイが合わせヘディングシュート、という流れるようなフィニッシュ。
しかしこれも左ゴールポストに当たって跳ね返り、GKペンツがそれを抑えるという決定機逸となってしまい。
結局この後は再度オーストリアに攻撃権を握られた末に、0-1まま前半終了を迎えました。

早めに追い付かなければ……という思いが降り注ぐ状況のオランダ。
しかしオーストリアも、引き分けが絶対許されない以上1点差では……との思いに駆られても仕方ない状況であり。

そんな両者の思惑が交錯する入りとなったでしょうか。
訪れた最初の攻撃機会(後半2分)は、それを象徴するような流れを描いた末にスコアが動く事となり。
敵陣右サイドで奪ったシュミットからボール保持に入るオーストリアですが、中盤の底へ戻した所でグリリッチュがヘールトロイダに奪われ。
すると一転オランダのカウンターとなり、こぼれ球を拾ったシモンズがドリブルで突き進んだ末にエリア内へスルーパス。
そして左ポケットで受けたガクポが、ワントラップからのシュートでゴールに突き刺します。
早期に追い付くという、オランダにとって理想的な展開で後半が幕を開けました。

この場面で気になったのが、右SBのヘールトロイダが何故中央でボール奪取にいったのかという事。
しかしその後オランダのボール保持になった際にその謎は解け、ヘールトロイダが中央に絞り、ボランチの位置への可変を見せるようになり。
その形からのトランジションでの流れで、そうなったと理解出来ました。

この、J3・沼津の安在が思い出されるヘールトロイダの可変により、オーストリアの目線を変えて攻撃権を支配するオランダ。
同点になった勢いにも助けられ、次々と好機を作り。
しかしその内容は主に右からのマレンの突破で、前半の失態を取り返すべくここで跳梁を見せるマレン。
プラスとの対峙という個人の勝負も制しながら、勢いを齎しに掛かります。

しかし9分のオランダのCK攻勢で、(デフライの)GKへの反則で途切れた際にそのGKペンツが靴紐を結び直す事で(キーパーグローブを脱ぐ→嵌め直しの動作も加わるため)やや長いブレイクが取られ。
それによりオランダの熱量も低下を余儀なくされてしまったでしょうか。

結果的に、オランダの猛攻を凌ぐ事に成功したオーストリアが再度仕掛け。
14分、後方からのロングボールの跳ね返りを確保するビマー、自ら裏へ蹴り出して拾い直すというやり方で左奥へ切り込み。
そしてポケット脇でのパスワークを経てプラスのスルーパスが奥を突き、走り込んだグリリッチュのクロスを中央でシュミットが合わせるという綺麗な崩し。
放たれたヘディングシュート、ゴール寸前でのデフライのブロックも弾ききれずにゴールに突き刺さりました。
中央に張るアルナウトビッチに対しデフライ・アケの2人が監視するという体制が仇となり、フィニッシュを許してしまったオランダ。

再度リードしたオーストリアを、またも追わなければならなくなったオランダ。
16分に再び右サイドからマレンが仕掛けるも、奥で切り返した所をプラスに奪われてしまい今度は個人勝負で敗北する形に。
その直後にオーストリアベンチが動き、ラインハート・グリリッチュ・ビマー→ケルフェルト・ライマー・バウムガルトナーへと一挙に3枚替えを敢行します。

一方のオランダも、20分にアケ・ラインデルス→ファンデフェン・ワイナルドゥムへと2枚替え。
その後、先程の絵図の影響か自ら仕掛けるシーンが目に見えて減ったマレン。
主に2列目の位置で何とか好機を作らんとしますが、その中で24分にアクシデントに襲われ。
ボールキープの際にプラスのチャージを受けて倒れ、反則となったものの足が曲がってしまったのか、痛んで動けなくなってしまいます。
そして交代措置が採られ、名誉挽回を果たせぬまま無念の交代となり。(ウェフホルストを投入)

そうした不穏な展開の中でも攻め続けるオランダですが、肝心のフィニッシュそして得点には一向に辿り着けず。(28分にシモンズが遠目からシュートも枠外)
迎えた30分、オランダの攻撃をデパイの突破を止める事で切ったオーストリア、プラスの持ち運びですかさずカウンターへと突入します。
試合が動きそうな絵図であり、実際その通りとなったものの結果はその時の雰囲気とは逆になり。
プラスのスルーパスを遮断したオランダ、一旦最終ラインで落ち着けてからの反撃に入り。
そして中央からの攻めを選択し、縦パス→浮かせるフリック→落としというダイレクトプレイの連続での運びを経て左へ展開、ガクポのボールコントロールからのクロスがファーサイドへ。
代わって投入されたウェフホルストの落としを胸トラップで収めたデパイ、そのままボレーシュートにまで持っていきゴールに突き刺します。
しかしネットが揺れたその刹那反則を告げる笛が鳴り、デパイのハンドという判定を示した主審。
これにVARチェックが挟まれる事となり、OFRにまで発展すると、映像で可視された結果デパイの腕には当たっていない事が判明します。
即ちゴールへと判定が変わり、正真正銘の同点弾で再び追いついたオランダ。

またも得点が必須の状況へと追い込まれた格好のオーストリア、キックオフの前にアルナウトビッチ→グレゴリッチュへと交代。
長いVARチェックというクールダウンに加え、前線の駒を代える事で流れを変えに掛かります。

オランダは尚も攻め上がり、35分に左スローインとなるとすかさずデパイが素早く奥へと投げ入れる、勢いのままに3点目を採りにいく姿勢。
しかしそれが賛否分かれるものとなってしまったでしょうか。
走り込んだガクポのクロスがブロックされて左CKになると、クロスを直接キャッチして抑えたGKペンツから反転攻撃に入ったオーストリア。
左に投げられたボールから縦に速く運んだ末に、バウムガルトナーのエリア内へのスルーパスにザビッツァーが走り込み、一瞬溜めた事でファンデフェンのブロックをやり過ごした末にシュート。
ゴールネットが揺れ、三度リードを奪う運びとなったオーストリアですが、またも今度はオフサイドかどうかを確かめるVARチェックが最後の防衛ラインに。
今度は失点シーンで判定が覆る事を祈るオランダでしたが、ザビッツァーの抜け出しはオンサイドという事が判明。
結果判定は変わらず、オーストリアに3点目が齎されました。

いくら追い付いても、追い越す事が出来ないというオランダ。
その焦りを見せる相手に対し、その後も3点目に繋がったスルーパス主体で背後を脅かすオーストリア。
38分に左スローインからの繋ぎで、ライマーの逆向きのヒールパスによるスルーパス、ポケット奥で受けたバウムガルトナーがカットインを経てシュート。
角度の無い所からでしたが見事にネットを揺らし、4点目かと思われましたが、今度はオフサイドの判定に阻まれ。

40分を過ぎ、試合は終盤戦を迎えた事で後が無くなるオランダ。
中盤の底に位置するヘールトロイダのパス出しから、敵陣でサッカーを展開し続けて同点に追いつかんとします。
41分にはそのヘールトロイダが右からアーリークロスという本来のSBの働きから、ウェフホルストが中央でヘディングシュートを放ちましたがゴール上へ外れ。

左右から繰り広げられるオランダのクロス攻勢を、ひたすら凌ぎ続けるオーストリア。
既に前半のようなボール保持を続ける余裕は無く、どう逃げきるかという展開へと突入。
アディショナルタイムで残っていたカードを使い、シュミット→バイマンへと交代します。
それでも状況は苦しく、オランダが右奥からシモンズがクロスを連続で入れ、GKペンツが弾くものの今度は左からの攻め。
ポケットへのスルーパスに走り込んだファンデフェン、シュートと見間違うような鋭く低いボールを入れ、これもGKペンツがセーブして防ぎ。
するとファンデフェンのクロスを防がんとしたケルフェルトがゴールライン際で足を痛めてしまい、動けなくなり。
治療のためピッチ外への退場を主審に促される事となり、それを拒否したためか警告を受けるという具合に被害が膨らみ、結局ピッチ外に出たケルフェルト。
それを尻目に左CKで再開と、ひたすら専守を強いられ。
このCKからも、2度目の右からのクロスが流れた所を拾ったデパイがシュート、これをボッシュがブロックと際どい凌ぎ。

しかし凌ぎに成功したオーストリア、最後はウィニングランのように、空中戦を経て敵陣でボール確保に成功。
そして右奥を突くパスワークの最中に笛が鳴り響き、保持しきっての試合終了を迎え。
3-2で勝利し1位で突破となったオーストリアを尻目に、フランスが引き分けたため勝ち点1の差で敗退が確定したオランダ。
天国と地獄、という典型的な試合後の一幕となりました。

サッカーランキング にほんブログ村 サッカーブログへ

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

DAZN観戦 2024年J3リーグ第18節 SC相模原vs松本山雅FC

2024-06-27 16:00:43 | サッカー視聴記(その他)

<両軍スタメン>

  • 相模原ホームだが↓とは逆のコートでスタート、だったがコイントスでコートチェンジしたため、結局は↓で前半スタート。
  • 相模原は監督交代(戸田和幸氏→高橋健二氏(暫定))してからこれが最初の試合。

チームのカラー(サッカーのスタイル、では無い)が酷似した者同士の対戦。
相模原サイドが高木・岩上、松本サイドが佐相・安藤と、古巣対決に属する選手も目立つ一戦となりました。

松本は何時の間にか、アンカーシステムを採用(yahooスポーツナビによると16節・今治戦から)しており。
その攻撃的に見える布陣を採ってから、2戦連続で4-0と結果を出していますが、やっているサッカーは特に変わっていないという印象であり。
中盤とウイングが下がり目で、両サイドバックに高い位置を取らせる事に注力しているのにこの日もブレは無く。

前半3分最終ラインの常田から、その高い位置を取った山本龍へと縦へ速い繋ぎを見せ、スルーパスに走り込んだ菊井のクロスで(ブロックされて)コーナーキックに。
狙い通りの攻めが出来た、と思った刹那、このCKをボールの側にいた菊井が素早いリスタートでのクロスを選択。
GK三浦にパンチングで防がれるも、その後の相模原の繋ぎを樋口がカットし、すかさずエリア内へ放り込んでまたもCKに持ち込み。
そんな具合に、複雑なポジション取りによる攻めの姿勢の割には、焦って前に運ぶ事が目立った松本の立ち上がり。

一方の相模原は、監督交代の影響か際立った攻めのシーンを見せられず。
8分にこぼれ球を山下が縦パスを伊藤に届けるという、こちらも素早い前進に活路を見出し。
ここからロングスロー→左CKとセットプレーの流れを作り、キッカー西山のクロスの跳ね返りから伊藤がミドルシュート(ブロック)と一矢を放ちます。

しかし11分の松本の攻撃の際に、アンカーを務める西山が安藤との交錯で足を痛めるというアクシデントが発生します。
この時は無事に起き上がりプレーを続けたものの、その後はキッカーが(前田に)交代するなど精彩を欠く事となった西山。

試合全体もその影響が響くように松本ペースとなり、14分に保持による繋ぎで左サイドからの前進を選択すると、ここでは山本龍を下げたうえでの運び。
ワイドでボールを持った菊井が左ポケットへスルーパス、走り込んだ安藤のマイナスのクロスから、ニアで浅川がシュートを放ちましたがGK三浦のセーブに阻まれ。
根底のシステムを逆手に取る奥深さを発揮します。
その後も16分にCKからの流れで、村越の右ハーフレーンからのミドルシュートがゴールを脅かす(左へ僅かに外れる)という具合にフィニッシュの面でも優勢に。

相模原は18分、ジャスティンがワンタッチでの縦パス、これを伊藤は入れ替わって受ける事で抜け出しに成功。
そのまま中央からエリア内を突く好機となるも、常田のディフェンスに阻まれ撃てず。
その後20分に西山に限界が訪れた事もあり(牧山と交代、徳永がアンカーに回る)、好機が訪れるのは伊藤の才覚、という感じになった相模原。
26分にも縦パスをポストプレイで繋いだ伊藤、そのままパス&ゴーでジャスティンのスルーパスを左奥で受けるなど、前線の橋頭堡となり。(その後戻しからジャスティン中央へ縦パス→瀬沼フリックも繋がらず)

しかし、今度はビルドアップを遮断されての危機が目立つようになり、西山が退いた影響は後方の不安定ぶりに色濃く表れた格好に。
32分にはワンタッチパスを浅川にぶち当てるような格好でカットされると、そのままミドルシュートを放たれる(GK三浦)という具合に、目も当てられない状況に追い込まれ。

松本のパスワークに対する後追いの反則も膨らみ、34分には村越に対してのアフターチャージで前田が反則を取られ。
ここから(位置は右サイド浅め)クロス攻勢ののち、後方から繋ぎ直す二次攻撃に入る松本、左サイドから山本康と菊井がワンツーで前進。
そして菊井のクロスが入り、中央で走り込む浅川の前で遮断され、こぼれ球を安藤がシュートにいき。
これはミート出来ずも、バウンドした所を再度シュートした安藤、ジャスティンのブロックで浮いた所にさらに村越がヘディングシュートで追撃。(GK三浦キャッチ)
結局決まらず終わったものの、運気はこの連撃でモノに出来たでしょうか。

続く37分、またも左サイドを(山本龍と安藤の)ワンツーで前進し、山本龍のクロスが鋭く入り。
ディフェンスはクリアしきれずこぼれた所を拾った山本康、そのまま左ポケットで足を振ると、これがファーサイドへの絶妙な低いクロスとなり。(放送席はシュートミスと語っていた)
そして樋口が脚で合わせてゴールネットを揺らす、高い位置を取るSBの本領を発揮した末に先制点を齎しました。

守勢の果てに、結局先制を許してしまった相模原。
交代で入った牧山のロングスローも活用して反撃を試みますが、効果は今一つ。
41分には再度伊藤が躍動し、山下の縦パスを受けて左へ展開ののち、前田のクロスを中央で合わせにいく(ジャストミート出来ず)など起点と終点を努めるものの実らず。

その後松本がCK攻勢に入ったものの、それが途切れて双方ルーズボールを拾いにいくという場面で事件が発生。
田中が宮部と激突してしまい、両者倒れ込んだものの遅れてぶつかった宮部の反則となり。
倒れたまま宮部は警告を受ける破目となり、それだけに止まらず顔から出血もしてしまう踏んだり蹴ったりのシーンとなります。
そのままピッチ外へ出て、止血したのちアディショナルタイムに復帰。

そのAT、再度相模原が左からロングスロー(投げたのは橋本)の体勢で、フェイントで短く放ったのちのクロス。
これをGK大内がキャッチすると、一気に敵陣へスローで投げ入れてカウンターに持ち込み、村越のトラップ際をクリアされるも山本龍が拾い継続。
そして左サイド奥へ一気に切り込んでのクロスで、左CKに持ち込む事に成功すると、これを得点に繋げます。
菊井から上がった中央へのクロスを、樋口が合わせヘディングシュート。
前方の浅川の動きGK三浦が跳び出せなかったのもあり、ゴール中央へと突き刺さり追加点を挙げます。
そして相模原がキックオフした直後に前半終了の笛が鳴り。

巻き返したい相模原は、ハーフタイムで瀬沼→高木へと交代。
古巣対戦に属する選手の投入で、ムードを変えに掛かり。

迎えた後半、相手が動いた事もあり出方を窺うように守勢に回る松本に対し、ショートパス攻勢で押し込む相模原。
サイドに人数を掛けて、伊藤のみならず多人数での崩しで奥へと持ち込む攻撃の連続。
投入された高木も、瀬沼より広範囲で動いてのポストワークで絡み好循環を齎します。

その中で目立ったのはやはり伊藤で、まずは後半5分にジャスティンの縦パスを左サイドで受け、前田・橋本と3人で崩す体勢に。
しかし伊藤の奥へのスルーパスに前田は反応できずに終わり、不満げな態度を見せる伊藤。
協調性は今一つか……というシーンでしたが、それが良い方に作用したのが続く6分でした。
左から橋本がロングスローを投げ入れると、クリアボールに反応してミドルシュートを叩き込んだ伊藤。
豪快にゴール右上へと突き刺し、その唯我独尊的なプレーぶりで反撃の狼煙を上げます。

ゴールした伊藤ですが、直後の7分に村越へのアフターチャージで反則・警告を受けるという具合に、やはり功罪ともに齎すような格好に。
しかし松本も、そのカオス具合により既に前半のようなボール保持を見せる余裕は無く。

そして再度伊藤が見せたのが11分で、加藤のロングパスからのセカンドボールを繋いでの攻撃で、中央をドリブルで持ち運ぶ状況となった伊藤。
そのままミドルシュート、と見せかけてエリア内へのラストパスに切り替えると、受けた牧山がシュート。
ゴールネットに突き刺さり、今度は自身のプレーぶりを残像としたアシストで同点弾を齎します。

勝利のムードが一転してしまった松本、キックオフの前に安藤→山口へと交代。
交代で流れを変えんとしましたが、ビルドアップが形にならずにその後も苦戦を強いられ。
前半とは打って変わって、高い位置を取るSBが孤立する状況が続きます。

17分、縦パスを受けてコントロールせんとする徳永に対し浅川が反則気味のアタックでやらせず、菊井が拾った事でショートカウンターに。
そしてエリア内へのパスをダイレクトでシュートした浅川ですが、GK三浦がこれをファインセーブ。
尚も繋いで山口がエリア内からシュートするも枠を捉えられずと、頼りになるのはショートカウンターという局面に陥ったでしょうか。
しかし崩れた形を何とか修復したいのは当然で、その後も松本は地上でのビルドアップを試みるもそこから好機は生まれず。

逆に相模原は、23分にGK三浦ロングフィード→ターゲットの高木を越えてそのまま左奥を突いた事でCKに持ち込み。
どんな手法でもゴールに迫るという意識で上回りを見せると、この左CKから、クロスの跳ね返りを牧山がエリア内中央の混戦の中へ落とし。
そして山下のシュートを宮部がブロックするも、バウンドしたボールがゴール上部を襲い、GK大内が何とかセーブして難を逃れます。

勢いは完全に相模原という展開で、迎えた26分。
松本はエリア内のGK大内から組み立てんとするも、詰めにいった伊藤がその蹴り出しをブロック。
ボールは辛うじてエリア外にこぼれるも、拾った高木がすかさず再度エリア内へと持ち込んでシュート。
決まったと思われたこのフィニッシュはゴール左へと外れてしまい、度々襲い掛かる相模原に対し、九死に一生を得たという格好の松本。
その後も27分、伊藤のポストワークから抜け出した高木を反則で止めた常田が警告を受けるなど、(センターバック2枚が警告という状況となり)際どい凌ぎによるダメージも深刻なものに。
前半立ち上がりの焦りの姿勢により、体力消耗の面も早まってしまったでしょうか。

一方の相模原も、29分に松本がカウンターに持ち込んだ所、その最中に村越を倒した牧山(アドバンテージで流される)が警告を受け。
これを境に、お互い組み立てに難儀する中でどう勝ち越し点に辿り着くか、という泥仕合の様相が高まります。

相模原は、前半のうちに交代で投入された牧山が足を攣らせてしまう事態が発生。(32分)
そのタイミングで松本ベンチが先んじて動き、山本康と村越に代えて、安永とジョップ・セリンサリウ(J2長崎から育成型レンタル、これが10試合目)を投入。
それによりセリンサリウ・浅川の2トップとした4-4-2へとシフトし、サイドハーフは右が山口・左が菊井という布陣に変化します。

それに遅れて、相模原ベンチも牧山を退かせ、こちらも古巣対戦の岩上を投入。
キッカー・ロングスロワーの色が強い岩上の投入で、泥仕合を制する意気込みを高めに掛かり。

身体能力高いセリンサリウの投入で、ロングボール攻勢の色が強まった松本。
どんな事をしても3点目を奪いにいく姿勢は感じましたが、肝心のセリンサリウの働きが今一つで以降も好循環を取り戻せず。
42分に最後の交代を敢行(米原・浅川→住田・佐相、山口がFWに回る)してもそれは同じで、中々攻撃機会を掴めません。

逆に勢いを保つ相模原、45分にロングスローからの攻撃が途切れるも、加藤がミドルパスを前に出てカットし矢印を反転。
対する松本は拾った高木に対し山本龍が反則覚悟で止めにいくも果たせず、こぼれ球を前田がミドルパスを送ってアドバンテージになると、前残りしていた山下が受けて右奥で深さを取ったのちに徳永のクロス。
合わせにいった伊藤の前でクリアされるも、跳ね返りを前田がミドルシュート、ジャストミートせずもこれを橋本が詰めてゴール近くからのシュート。
しかし樋口が眼前でブロックと、何とか凌いだ松本により試合の行方はATへ託されます。
突入する直前に、相模原も最後の交代。(徳永・橋本→福井・若林、岩上がアンカーに回る)

そして強引な姿勢の交錯、松本が安永のロングスローを見せれば、相模原もその後自陣からのスローインを高木のポストワークで繋げて好機に持ち込み。
岩上のエリア内へのスルーパスは遮断されるも、そのままゴールラインを割って左CKとなり、残り時間が少ないなか貴重なセットプレー。
キッカーは当然岩上で、上げられたクロスはゴールへ直接向かうボールとなると、松本ディフェンスが誰も触れれなかった事でGK大内は小さく弾く事しか出来ず。
そしてエリア内での混戦となり、田中のすかさずのボレーシュートこそセーブした大内ですが、更なる矢は防ぐ事が出来ず。
放ったのはここでも伊藤で、クリアが小さくなった所をダイレクトでシュートすると、ブロックに当たってゴール上部へと突き刺さります。
劇的な逆転弾に、我を忘れるかのように歓喜する伊藤ならびに相模原ベンチ。

こうなると、残り僅かな時間をパワープレイに賭けるしかない松本。
常田を前線に送り、次々とロングボールを放り込む体制に。

そして目安(4分)が過ぎるという所で、菊井の放り込みをセリンサリウがフリックで落とし、拾った常田のスルーパスに走り込む山口。
相模原の心の緩みを突くように作った決定機で、放たれた山口のシュートはGK三浦がここもファインセーブ。
しかし尚も左スローインで継続し、相模原ベンチの試合終了アピールの怒声が響き渡る中で、安永のロングスローがエリア内を襲い。
跳んだ常田は合わせられずも、ファーにこぼれた所をまたも山口がシュート。
相模原サポーターにとっては心臓が止まるようなこのフィニッシュも、GK三浦が足でのセーブで防ぎきり。
エリア外へ跳ね返った所で、相模原サイドが待ちに待った試合終了の笛が鳴り響きました。

0-2からの逆転劇を、最後は守護神の好守で締めくくったという勝利の絵図。
暫定の指揮となった高橋氏ですが、白兵戦ともいえる終盤の展開を制した勝ち点3は大きなものとなり。
そしてその後、新監督として丁度良いタイミングでフリーとなっていたシュタルフ悠紀氏の就任(タイのU‐20代表監督をプライベートの事情で6月に退任)が発表される事となりました。
結果的に最高の橋渡しとなりましたが、今後この日のような歓喜の瞬間(昇格)を齎す事が出来るでしょうか。

Jリーグランキング にほんブログ村 サッカーブログ J3へ

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

DAZN観戦 2024年J2リーグ第21節 ブラウブリッツ秋田vs清水エスパルス

2024-06-26 18:23:43 | サッカー視聴記(J2)

※前回の秋田の記事はこちら(17節・群馬戦、1-1)
※前回の清水の記事はこちら(18節・山口戦、0-2)

<秋田スタメン> ※()内は前節のスタメン

  • 小野原が累積警告により出場停止。

<清水スタメン>

  • 19節(藤枝戦、1-0)から3-4-2-1へと布陣変更していたが、この日は再度4-4-2へ戻す。
  • アブドゥル・アジス・ヤクブのポルトガル・リオ アヴェFCから完全移籍での加入が決定。(選手登録は7/14以降)

6勝6敗(7分)と全くの五分で、前半戦を終えた秋田。
それは数字が示す通り、水平姿勢を保った無事なフライトというべきか。
ないしは昇格に絡む事が出来ないもどかしさが噴出する危惧を抱えている状況か。
いずれにせよ、降格の危機は今の所薄いだけ幸せというのは間違い無く。
この日の対戦相手の清水が、常に昇格圏を争っているが故のギスギス感を醸し出している現状故に尚更といった所でしょうか。

清水ボールでのキックオフ、(向かい風という環境もあり)いきなり地上での繋ぎで前進を図ったものの、左サイドでディフェンスに阻まれ。
その直後に最終ラインでボールを持つと、原の裏へのロングパスでコーナーキックに持ち込む(このCKから中村亮太朗がヘディングシュートも枠外)という具合に、地上・空中での前進でハッキリ明暗が分かれる立ち上がりに。

そんなギャップに拍車を掛けるように、直後の秋田のゴールキックの際に観客席でアクシデントが。
体調不良で倒れた観客が(秋田サイドのスタンドに)現れたという事で、試合は一時中断されて対処する運びとなります。
競技場内に入った救急車の中へ担架で運ばれた、その患者の無事を祈るばかりとなり6分に再開され。

閑話休題、清水がロングボールで有効打に結び付けたものの、それは同じ土俵だと言わんばかりにその後攻勢に入る秋田。
7分に村松のロングパスを受けた青木が右奥を窺う姿勢からヒールパス、受けた大石が奥へ切り込んでクロス。
ブロックされて右CKに持ち込むと、2度目のクロスをファーサイドで河野が合わせ。
シュートというよりは落としが直接ゴールへ向かうといった感じのヘディングでしたが、ゴール前で原がクリアして何とか防いだ清水。
しかし河野に圧し掛かられた吉田が頭部を痛めるなど、秋田の圧力をモロに受ける格好となります。

攻撃の際も地上での繋ぎが秋田のプレッシングにより上手くいかずと、劣勢感を露わにする清水。
すると13分、ゴールキックでのロングフィードからセカンドボールを確保した秋田、右サイドでワンタッチでのパスワーク。
これが前回述べたような、清水ディフェンスの喰い付きという弱点を露呈させるものとなり、バックパスで前に釣り出した所に藤山がミドルパスでその裏を大石が取る好機に。
そして奥から入れられたマイナスのクロスに、走り込んでニアでシュートを放ったのは梶谷。
ゴール左へと強烈に突き刺さり、パワーサッカーの秋田ですら清水の弱点をしっかりとスカウティングしている事が示されるような先制点が生まれました。

前節(愛媛戦、0-3)に続き追う立場を強いられた清水。
15分、最終ラインから地上で繋ぐ流れになると、センターバックに対して大石が詰めにいった事で左から運ぶ余地が生まれ。
しかしパスを受けた山原は二度追いする大石と、後方から強烈にプレッシャーに来た村松・藤山の3人に囲まれる事態となった末に奪われてしまいます。
ハイプレスによる綻びを、文字通り「秋田一体」の走力でカバーされる絵図となり。

地上からの前進は困難と見るや、20分に再度原のロングパスから好機を作り、セカンドボールをタンキがダイレクトでスルーパス。
これを左ワイドで受けた北川がポケットへ持ち運びグラウンダーのクロス、これに対しニアサイドに走り込む宮本。
しかし意図的か否か、スルーを選択しファーのカルリーニョスに託したものの、届かずにクリアされて実りません。

その後もロングボールと地上でのビルドアップの挟間で揺れる清水。
23分に再び山原から運ばんとしたものの、ここも大石の二度追いによりサンドされ、無理に間を抜く縦パスを選択した結果諸岡にカットされ。
そして青木のスルーパスで右サイドを突き大石がクロス(合わず)と、相手の迷いを執拗に突き続ける秋田。
閉塞感漂う清水は27分、カルリーニョスが下がってボールを受け、低い位置からのドリブルで打開を図らんとします。
しかしこれも囲まれて藤山に奪われるという具合に機能せず、結局手詰まり度合を加速させるのみに終わり。

30分過ぎから、サイドハーフの位置を入れ替え(矢島が右・カルリーニョスが左に)と配置面での変化を交え。
ここから攻撃権を掴み、最終ラインから間を通す縦パスが決まり始めて敵陣でサッカーを展開する時間帯に。
パスワークを交えて何度かボックス内を突くものの、秋田の粘りの前にフィニッシュは撃てません。
40分自陣での右スローインからの攻めで、左へとサイドを変えてカルリーニョスの持ち運びで好機到来。
そして奥を突いた山原のクロスが上がると、ファーサイドで合わせたタンキのヘディングシュートがゴールバーを叩き。

一つゴールを脅かした事でムードが高まる……そう思ったものの、現実は甘くなく。
42分、中盤でボールが右往左往する流れから、藤山のラフなロングパスが一気にエリア内を突いて秋田の好機に。
青木がボールキープで溜めを作り、他選手も存分に上がったうえで左から蜂須賀のクロスが上がると、ファーサイドでヘディングシュートを放ったのは村松。
SBからSBへ、というこのフィニッシュこそGK権田がセーブするも、跳ね返りをすかさず梶谷がヘッドで詰めてネットを揺らします。
清水の苦悩を嘲笑うように、走力を存分に活かしてリードを広げた秋田。

清水は地上・空中どっちつかずという状態を改められないまま、窮地に追い込まれたという格好に。
両者を交える立ち回り、つまりは疑似カウンターを使う事が最適に見え。
ハイプレスが基本の秋田ですが、組織的というよりは走力に頼ったものなので、エリア内まで引き付けたうえで裏を取る方策が採れれば楽になったかと。
今季でいえば2節の山口vs秋田での山口の戦い方が連想されますが、その山口に完敗した事もあり、この方面でも清水の組織力の遅れを痛感させる……というのは言い過ぎか。

結局2-0のまま前半終了。
追い掛けなければならない清水は、ハーフタイムで2枚替えを敢行(吉田豊・中村亮太朗→高木・乾)と、当然の如く交代を交え。
これにより原が本来の右SBに、矢島がボランチに回る事となります。

そうして始まった後半。
中々好機が生まれない入りを経て、後半3分の最初の攻撃は清水。
宮本のパスカットで反転させての攻撃で、右から原のアーリークロスがニアに入り。
走り込んだカルリーニョスは撃てずも、こぼれた所を北川がシュート(枠外)と繋がり。
豊富な駒を活かしての反撃体制を作り上げんとします。

しかしそれが盤石とならないうちに、秋田も後半最初の攻撃(4分)を点で繋ぎ。
左スローインからの攻めで左CKを得ると、キッカー大石のニアサイドへのクロスに、青木が合わせヘディングシュート。
ファー寄りの位置から走り込んで合わせた事で、清水のゾーン守備が完全な棒立ちという格好となり、いとも簡単にゴールネットが揺れ。
これで3点差となり、ホームの地(ソユースタジアム)で勝利へのムードを高めた秋田。

一方早期の失点で、最早メンタルはガタガタといった清水。
反則を繰り返す(その流れでカルリーニョスに警告)事で秋田に好機を与え、凌いだと思ったらクリアボールを味方にぶち当ててしまい(藤山に)シュートを許すという具合に、サッカーの内容も混迷を極め。

何とか流れを変えんと、10分に再度交代しタンキ→白崎。
これによりカルリーニョスがFWに、矢島が右SHに回るという具合にポジションチェンジも再度交わり。

それでも、単純明快な秋田の姿勢を崩すには至らず。
12分に左スローインから敵陣で繋ぐ秋田の攻撃、梶谷がパス&ゴーで高橋の背後を取り、左ポケットへのスルーパスをダイレクトでシュート。
ここでも高橋の立ち位置がどうにも中途半端で、崩されるのは必須といった清水の守備組織。
このシュートは高木がブロックし、こぼれ球をさらに青木がシュートするも山原がブロックと、辛うじて防いだものの反撃ムードは高められず。
そのままズルズルと時間を浪費していきます。
17分には、またも乾の蹴り出しが宮本にぶち当たって跳ね返るというミスから、梶谷のミドルシュートに繋げられる(枠外)という具合に迷走は止まりません。

そして22分に3度目(HTを除けば2度目)・4人目の交代、矢島→ブラガ。
同時に秋田も大石・青木→水谷・小松へと2枚替え(佐藤が右SHに回る)と動きましたが、こちらはまだ最初の交代とその立場は明暗くっきりという状態に。
更に24分にカルリーニョス→松崎に交代と、早々に全てのカードを使いきった清水。
これによりFWにブラガが回り、右SHに入った松崎。
ブラガがサイドのままで乾をトップ下とする手も考えられましたが、既に使い古された感のあるその案では流れは変えられないと踏んだでしょうか。

苦し紛れのベンチワークにも映りましたが、これが当たる事となり迎えた25分。
高橋の裏へのロングパスを受けた松崎、そのまま右奥を突いて溜めを作り、クロスでは無く中央方面へ戻しを選択。
エリアからすぐ手前という位置で受けたのは上がってきた原で、その流れに従うように放たれたミドルシュート、これが河野のブロックでのディフレクションもありゴールに突き刺さります。

ようやく1点を返したものの、その雰囲気を変えるには至らず。
29分にはスローインの判定を巡り、ボールを叩きつけて激高した原が警告を受けるという具合に、秋田のプレッシャーの前に形にならない状況は大きく変わる事は無く。
それでも松崎の突破力は一筋の光明で、26分にそこから上がったクロスを経てのブラガのヘディングシュート(GK圍セーブ)などゴールに迫る流れを作ります。
(31分に秋田は佐藤・梶谷→中村亮太・半田へと2枚替え)

33分に秋田の浮き球による前進での攻撃、エリア内で小松が足から跳び込む絵図に持ち込むも、GK権田がキャッチして防ぎ。
すると素早くリスタートして清水がカウンター、フィードを受けた松崎のドリブルで敵陣を切り裂き、ポケットへ進入してマイナスのクロス。
走り込んだ乾が合わせシュートに持ち込むもGK圍がセーブ(その後北川が詰めにいくもオフサイド)と、この速い攻撃も得点に結び付きません。
36分にも、CKからの流れでまたも松崎が右ポケットに切り込む状況となり、上がったファーへのクロスをゴールに近い位置で白崎が合わせ。
しかし折り返しとなり、その逆サイドで原のヘディングシュートが放たれるも枠を捉えられず。
これを最初の白崎の所で、シュートを放ちゴールを奪えればガラリと展開が変わったでしょうが……。

脅威となった松崎の推進も、時間経過に伴い秋田サイドも対策を見せるようになり。
つまりは1対2での対応で、ワイドの位置で持つ松崎に対し、蜂須賀と水谷の2人で網を張ってその勢いを削ぐ事に成功します。
その後松崎はそれを嫌がってか、中央に位置を移しての突破を試みたものの、対策の対策とする事は出来ずに終わり。

終盤は攻撃機会も減り、敗色ムードが高まる清水。
それを尻目に最後までパワー・走力を切らす事無い秋田。
先程まで清水の猛攻を受けていた事もあり、ボールキープ・バックパスを交えて一息付く立ち回りも見せながら、勝利への進軍を続けます。

そしてアディショナルタイムに最後の交代を使った(藤山→栗本)末に、試合終了の時を迎え。
ホームの地で強豪撃破を達成したその戦いぶりに、歓喜に沸く事となったソユースタジアム。

一方の清水、後半戦の連敗スタート、それによる首位陥落と夢なら冷めて欲しい状態に。
強力な駒による誤魔化しが効かなくなってきたのは明白であり、再度のブーストを掛ける秘策は存在するでしょうか。

Jリーグランキング にほんブログ村 サッカーブログ J2へ

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

DAZN観戦 2024年J2リーグ第21節 鹿児島ユナイテッドFCvs大分トリニータ

2024-06-25 16:00:36 | サッカー視聴記(J2)

※前回の鹿児島の記事はこちら(16節・長崎戦、0-3)
※前回の大分の記事はこちら(19節・山形戦、0-0)
※前回対戦時の記事はこちら(5節、大分 3-0 鹿児島)

<鹿児島スタメン> ※()内は前節のスタメン

  • 今更感はあるが監督を交代。17節(藤枝戦、1-1)終了の翌日に大島康明監督を解任し、後任には過去に指揮経験のある浅野哲也氏(2015~16年)が就任。
  • 前節(山形戦、2-1)出場停止だった戸根がスタメンに復帰。

<大分スタメン>

  • 前節(栃木戦、0-2)は3-4-2-1との事だが、この日は再度デルランを左サイドバックに置いた4-4-2へ戻す。
  • 梅崎の負傷が発表されるも、発生日・全治ともに未発表。

折り返し地点から早期に組まれた、九州ダービーの2戦目。
最も、天皇杯2回戦でも当たっている(大分 1-0 鹿児島)ため、それを含めれば3戦目なのですが。

そんなダービーマッチ、鹿児島は1戦目では手酷い敗戦。
その後は1勝しか出来ずという低調な成績で、とうとう監督交代の断が下されたのが17節。
再度の就任となった浅野監督の下、目標のJ2残留に向けて走り出したという現状。

課題は前回触れた通り守備面、特に被カウンターの機会の多さと、その際の脆さなのは明白であり。
浅野氏の就任会見でも、失点数の改善にウェイトが置かれていた風でした。
前節9戦ぶりの勝利でようやく泥沼を脱出したものの、その内容は(ダイジェスト動画で見た限り)やはり山形のカウンターからの好機が目立っており。
つまりはまだ道半ばという所が窺えましたが、結果も欲しい状況のなか建て直す事が出来るかどうか。

一方の大分も、そんな鹿児島の状態を対岸の火事で済ませられないものとなっており。
前節は前回観た山形戦の後半に採られた3バックで挑んだらしいのですが、そこでも結果は出ず。
そしてこの日は再度4バックと、基本布陣からして相当悩ましいものとなっている感があり。
4バック時はSBのデルラン、3バック時はウイングバックの宇津元が適応出来ずといった山形戦の印象ですが、鹿児島同様に何とか改善すべき課題点でしょうか。

ともに不安を抱えるチーム状態に相応しい、リスク回避を重視した立ち上がり。
つまりはお互いロングボール重視の攻撃で、鹿児島は鈴木・大分は長沢をターゲットとしながら、裏狙いも交えたボールを送り続け。

そんな中で前半6分、鹿児島が最終ラインから地上で繋ぐ状況となると、これまで最初から上がっていた右SBの野嶽が後方に残ったうえでの繋ぎ。
右で受けた野嶽がパスを渡し、藤村がボールキープする最中に上がり始めるという、これまでとは一線を成す動きを見せました。
SB・サイドハーフともに不在な所を突かれ続ける、長崎戦での教訓を意識したような立ち回りでしょうか。

一方、故障者も膨らみ苦心のメンバー選択が続く大分。
それを象徴するようなシーンが13分に得た右コーナーキックで、キッカーの位置には安藤とデルランの2人。
ともにターゲットとなるべき人材であり、何か変化を付けるという姿勢なのは明白で、その通りにショートコーナー。
そしてパスワークで逆の左の展開ののち、野村のアーリークロスがファーサイドに上がった所に、合わせにいくデルランと安藤。
ここは安藤の折り返しが乱れて実りませんでしたが、その執念からか続く14分に決定機。
鹿児島の地上でのビルドアップを規制した末に、縦パスを安藤が前に出てカットした事でショートカウンターに突入し、左ポケットを取った長沢が中央のスペースへとスルーパス。
そして走り込んだ野村がGKと一対一という状況になるも、判断良く距離を詰めたGK泉森にブロックされて先制ならず。
野村のキックは、シュートかGKをかわさんとしたトラップかやや中途半端なものに映り、結果的に悔やまれる逸機となってしまいました。

その後は、17分に保田が藤本への反則で警告を受けたのを皮切りに、両チームとも判定面でしこりを残すシーンを目立たせ。
倒れるも笛は鳴らず、ないしはアドバンテージを取って欲しい所で笛が鳴るという絵図の連続に、不穏な空気が漂い始めます。

南方の試合(鹿児島のホーム・白波スタジアム)らしく、飲水タイムが挟まれ。(25分)
突入した第2クォーター、その雰囲気が大分に伝染したか、優勢に立つ鹿児島。
特に31分、ゴールキックからのGK泉森のロングフィード、クリアにいった有働が目測を誤った事で左サイドで福田に収まり。
そして戻しから今度は藤村が右奥を突くロングパスと、長いボールをふんだんに使った末に、受けた圓道がカットインでエリア内中央まで流れてシュート。
安藤にブロックされるも尚も繋ぎ、山口の右手前からのクロスに鈴木が合わせヘディングシュート(枠外)と連撃。

流れに乗れない大分を尻目にゴールへの道筋を掴みかけると、迎えた34分。
ここではゴールキックを短く繋ぎ、最終ラインでサイドを振りながらプレス回避を果たすと、戸根の縦パスを間で受けた野嶽(ここも右最後方で受けたのちに上がる)がスルーパス。
抜け出した藤本が受けて決定機を迎えるという所に、背後を取られた安藤のスライディングで倒されると、反則の笛が鳴り響き。
そして躊躇わずに突き出される赤いカードにより、決定機阻止による一発退場の判定を受ける安藤。
誰が見ても当然というその絵図に、異議も殆ど唱えずにピッチを去る事を余儀なくされてしまいました。

数的不利なうえに、鹿児島の絶好の位置での直接フリーキックという逆境の大分。
キッカー藤村の直接シュートは壁が防いだものの、右CKで継続する鹿児島。
その二次攻撃で、左ハーフレーン後方から外山のロビングが上がると、ファーサイドで鈴木が綺麗に合わせヘディングシュート。
ペレイラの前を取る絶妙な動きから放たれたシュートがゴール右へと突き刺さり。
大分に立て直しの猶予を与えないまま、リードを奪う事に成功しました。

粘りも空しく失点してしまった大分。
その後は4-4-1へとシフトし、デルランが安藤の穴に入る事で保田が左SBに回り。
そして野村がボランチ・渡邉新が右SHに回る、激しいポジション変更で破綻を防がんとします。

溜めを作れる野村・小酒井のドイスボランチから、何とか組み立てんと試みるものの状況は厳しく。
43分には有働が福田に奪われ、そのドリブルでカウンターになりかけた所を長沢が反則で阻止する破目となり警告を受け。
既に貰っていた保田とともに、膨らむ被害を止められない大分。

結局1-0と鹿児島リードのまま前半が終了。
大分は流れを変えるべくハーフタイムで2枚替え、有働・長沢→佐藤・伊佐へと交代。
そして1トップは伊佐と思われましたが、渡邉新で伊佐が右SH。
佐藤は左SBに入る事で保田が逆の右SBに回るという具合に、再度のポジション変更が交わり後半に臨みます。

伊佐が右サイドでのターゲットとなる事で、違いを生み出したいという意図を感じさせる大分。(鹿児島の左ボランチにサイズの小さい山口が居る事を考慮か)
元々苦しい布陣なうえに、数的不利とあっては出来る事は少なく。
その基盤を下にロングボールから保持を果たし、何とか全員でカバーして繋いでいく他に無い状態。

しかし何処かで無理が発生するもので、後半8分に自陣からの縦パスがズレた所を逆に岡本が縦パスを送り返して鹿児島の好機。
中央での溜めののち右へと叩き、上げられた野嶽のクロスを鈴木が合わせヘディングシュート。(枠外)
好調のヘッダーがゴールを脅かした事で、攻勢に入る鹿児島。
数的優位とあり、前半に見せていたリスク回避の姿勢を採る事無く、以前のようなSB・SHともに前線に上がってパスを受ける体勢へと移行。
ただしCBの持ち運びは前半に比べて抑え気味となり、無理に大分FWの脇を突く事はせずとも、全員敵陣に進入してポゼッションに入るのは容易という状況から来たものでしょうか。

そして10分、右サイドでの藤村縦パス→鈴木ポストプレイを経て受けた野嶽が中央からエリア内へを突き。
ディフェンスに遭い奪われるもすかさず鈴木が野村から奪い返し、エリア内へ送られたスルーパスを受けた福田がシュート。
ほぼフリーで放たれたフィニッシュでしたが、GK濱田は全身を使った末の足でのセーブで防ぎます。

この守護神の好守に応えたい所でしたが、12分に藤本が(野村に対し)反則・警告を受けた事でまたも判定面で混沌とする試合展開。
続く13分、敵陣エリア手前でポストプレイをする伊佐が戸根に倒されるも笛は鳴らず、その後鹿児島ボールに切り替わったのち外山が宇津元に倒された所で反則に。
当然ながら一斉にいきり立つ大分サイド、中々安定しないレフェリングに冷静さを保つのが難しくなります。

何とか追い付くために攻撃機会を確保したい大分ですが、そんな流れ故にままならず。
フィニッシュも21分の小酒井のミドルシュート(枠外)ぐらいのものに終始します。

そして24分、鹿児島は最終ラインからの繋ぎで右からの前進を選択、藤村の縦パスを野嶽が(佐藤に)倒されながらもフリックした事でスペースへ転がるボール。
そこに走り込んだ圓道のクロスが上がると、藤本がファーで合わせてのヘディングシュートでゴールネットを揺らします。
その直後に飲水タイムと、まさに最高のタイミングでの追加点となった鹿児島。
一方大分は、この際に藤本のオフサイドをアピールしたのか、副審を交えて異議を唱えていた(放送席の談)保田に警告が付き出され。
即ち2度目による退場処分という、抱えていた不満が最悪の結果に繋がった事で、第4クォーターは何と9人での戦いを強いられてしまいます。

2人の数的不利。
相手の鹿児島が前半に経験済み(6節・横浜FC戦、0-1)……と書いた所で、大分も18節・徳島戦(2-1)で2人退場者を出しているので2度目という事に気づき。
しかし経験があるからといって、9人の側の戦いを有利にしてくれるものでは無く。

ブレイクが明ける際に、渡邉新→中川へと交代する大分。
空いた右SBは宇津元が埋めたうえで、伊佐の1トップ、小酒井のアンカーという4-3-1の布陣に残り時間が託されます。

俄然有利となった鹿児島は、29分に圓道・鈴木→田中・有田へと2枚替え。
トップ下・ボランチでは無く右SHでの出場となった田中、鬱憤を晴らすようにその後好機に絡み続け。
30分には戸根の縦パスを右ハーフレーンで受け、カットインで中央へ流れたのちにミドルシュートを放った田中。
小酒井にブロックされるもこぼれ球を確保し継続、外山の左からのクロスを有田が合わせヘディングシュート(枠外)と、早速投入された2人がフィニッシュを放ち優位ぶりを示します。

大分は諦める事無く(33分に野村・小酒井→弓場・キムヒョンウへと2枚替え)、攻撃の際は2バックというような布陣を採り。
ペレイラ・デルランが開いた真ん中にアンカーが降りるという最終ラインからの繋ぎに活路を見出さんとしますが、結局大した前進は出来ずにラフなスルーパス・アーリークロスが主体となり。
当然満足に好機は作れず、以降も鹿児島のフィニッシュシーンばかりが目立つ流れは続きます。(鹿児島は34分に野嶽・福田→星・河辺へと2枚替え)

そして39分、自陣での藤村のパスカットから速攻を掛ける鹿児島、それは薄すぎる大分ディフェンスを突いて綺麗に決まる事となり。
田中のドリブルからのスルーパス、左ハーフレーンで受けた河辺がそのままエリア内へ切り込み、カットインを経て放たれたシュート。
ペレイラの決死のブロックを掠めてゴール左へと突き刺さり、止めの3点目となりました。

キックオフで再開の前に最後のカードを使う鹿児島、藤本→井林へと交代。
てっきり5バックシステムに移ると思われましたが、星が右SH・田中がトップ下に移り、右SBに戸根が回るという布陣に。
その後は3点リードもあり、ポジションを移した戸根は無闇な上がりを見せずという、試合開始当初の意識へと戻した感がある鹿児島。
カウンター防止という課題面では評価のし辛い一戦となりましたが、この姿勢が今後奏功する事となるでしょうか。

試合展開は、大分が反撃に出たいもののままならずという至極当然の流れは継続。
鹿児島の攻撃機会が重ねられ、42分には決定機。
右からの星のアーリークロスが跳ね返されるも、今度は逆の左から外山のアーリークロス。
これを巧く抜け出した有田がボレーで合わせにいき、空振りとなるも眼前なためGK濱田は慌てて弾く事しか出来ず。
この跳ね返りをすかさず有田がシュートしましたが、ボールはゴールバーに当たった末に上へ外れてしまい、4点目とはいきませんでした。

結局大分は満足に攻撃できないまま試合終了。
3-0で勝利した鹿児島、降格圏からも脱出し、巻き返すべくの気勢を上げる連勝達成となりました。

一方の大分は8戦未勝利と、苦境ぶりは明らかであり。
J1時代の整然とした「カタノサッカー」を観た者としては信じ難い今季の出来で、次節も3人が出場停止(警告の長沢が4枚目なため)と厳しいやり繰りを強いられるのは必至ですが、何とか調子を取り戻して欲しいものです。

Jリーグランキング にほんブログ村 サッカーブログ J2へ

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

DAZN観戦 2024年J2リーグ第21節 栃木SCvsジェフユナイテッド千葉

2024-06-24 16:01:41 | サッカー視聴記(J2)

※前回の栃木の記事はこちら(17節・愛媛戦、0-0)
※前回の千葉の記事はこちら(18節・岡山戦、2-1)
※前回対戦時の記事はこちら(8節、千葉 8-0 栃木)

<栃木スタメン> ※()内は前節のスタメン

  • 監督交代に伴い空いていたヘッドコーチの枠には、小林伸二氏の盟友である長島裕明氏が就任。
  • 契約満了でフリーになっていた山本の引退が発表される。

<千葉スタメン>

  • 当初は鈴木大がスタメン(右センターバック)だったが、試合前練習で負傷したとの事でベンチメンバーのメンデスが代わりに入り、空いたベンチ枠には佐久間が入る。
  • 17節(長崎戦、0-1)で負傷交代した久保庭の詳細が発表され、6/3に手術実施して全治約3ヶ月との事。

前節(大分戦、2-0)実に14試合ぶりの勝利を挙げた栃木。
泥沼からの脱出を形にしたかのような流れを経て、この日ホームに迎えたのは千葉。
前回対戦の際、0-8という虐殺ゲームでその泥沼へと誘ったチームだけに、生まれ変わった姿を見せ付けるのには格好の試合となりました。

かくして、単なる1試合以上の意味を持ってのキックオフ。
アバウトなボールを栃木ゴール前に放り込み脅かす千葉の入りを経て、栃木が早速その活きのよさを見せ始め。
前半3分に奥田のパスカットから素早く縦に運び、右サイドを森がドリブルで奥を突く攻撃。(クロスもブロックされる)
続く4分にも、森の奥からのクロスが跳ね返されたのち、左から川名がカットインを仕掛け。
再び入れられたクロスは流れるも、パスワークを経て再度川名の元へボールが戻ると、さらにカットインからポケットへ切り込む川名。
そして奥からのマイナスのクロスをニアで神戸が合わせ(ジャストミートせず)、フィニッシュまで繋げたその姿は栃木の変身ぶりを窺わせるものであり。
監督が小林伸氏に代わり、推進力のあるウイングバックをファーストチョイスに選んだ事がその好循環の要因でしょうか。
前節初スタメンの川名は初得点も挙げるという具合に、構造改革の象徴的存在に一気にのし上がり。

その後千葉が攻撃権を奪うも、縦に速い攻め・CBからのフィードを重視するその姿は、相変わらず前回観た通りの「当たるも八卦」的なスタイルに見え。
一応後方での組み立てとしては、サイドバックが上がり過ぎず、ハイプレスに出て来る栃木のWBを釣り出したいという意図が窺えました。

しかし12分に逆に釣り出されたのは千葉の方と言いたくなる、最終ラインでボールを持つ栃木のビルドアップに対し、(2トップが前に出ずに)高木が福島にチェックにいった事でWB(森)に対しSB(日高)が出てしまう状態に。
日高を剥がした森のドリブルからのサイドチェンジにより好機が訪れる栃木、先程の残像を活かすような川名のカットインの姿勢からの中央へのパスから、ミドルシュートを放ったのは中央へ流れて来ていた森。
エリア内でメンデスがブロックと防いだ千葉でしたが、栃木の変身ぶりにタジタジといった守備面。

このまま先制点に辿り着きたい栃木でしたが、そこに落とし穴が待ち受けており。
14分、再度最後方からのビルドアップの体勢に入ったものの、平松の縦パスが横山にカットされた事で千葉のショートカウンターに。
それは読みを当てたというよりは、目の前の横山にパスをぶち当てるという格好つまり平松のミスの度合いが大きいように映り、その動揺を突くようにこぼれを拾った横山が一気にドリブル。
そしてエリア内へ進入し、左への横パスから放たれた高木のシュートこそGK丹野がセーブするも、田中が拾い尚もエリア内で継続する千葉。
シュートコースを探してのキープののちに放たれた中央からのシュート、奥田の股を抜いた末にゴール右へと突き刺さります。
GK丹野の怒号(人数が居たにも拘らず間をシュートで抜かれたDFへのものか?)が示す通り、悔やまれる失点となってしまいました。

ビハインドとなった栃木ですが、落胆の色は見せずに攻め続け。
直後の16分、千葉の左に出されたパスをカットした森、そのまま中央へと流れて持ち運びチャンスエリアを突き。
エリア内に出されたパスを宮崎がヒールで戻し、そして南野のシュートがゴールを襲いましたが、ゴールバーを強烈に叩いてしまい跳ね返り。
決定機を逃す格好となりましたが、尚も勢いを保つ栃木。
組織的な攻め・ハイプレスによるショートカウンターのみならず、川名のロングスローという強引な手法も積極的に交えて同点を狙います。

栃木の気迫籠ったハイプレスの前に、ビルドアップがままならなくなる千葉。
24分にはGK藤田縦パス→小林祐介レイオフが乱れ、右サイド深めでのプレス回避を余儀なくされた末に川名がボール奪取。
そしてそのままカットインでポケットに切り込んだ川名、外から巻くシュートを放ちましたがゴール右へと外れ。
窮地という状況で、直後にGK藤田が短めのフィード、これを前に出た田口がフリックと手法を変えての運びを成功させます。
そして右から田中がクロスを上げ、小森がヘディングシュートにいきましたがミート出来ず終わり。

前任者(田中誠氏)とは異なり、しっかりとWBを利用する事でハイプレスを冴え渡らせる小林伸氏。
対する千葉も、前述のように手を変え品を変えてかわさんとし、途中から最終ラインを3枚で組み立てる左肩上がりのような布陣に。
しかしその姿勢が裏目に出たのが33分で、右サイドでのパスワークからGKに戻した所で、前に出ていた左SBの日高は中央に絞って受ける体勢を取り。
しかしその日高へのGK藤田の縦パスは、完全に読まれてしまい大島にカットされ。
そのままエリア内へこぼれたボールをシュートし、ゴールネットに突き刺した大島。
とうとう好循環を結果に繋げた栃木、同点に追い付きます。

尚も35分に、大島のパスに入れ替わった南野が左ポケットからシュート(GK藤田キャッチ)と、同点のみでは終わらせないとういう流れに。
しかし千葉も、ハイプレスにはハイプレスと言わんばかりにその後ショートカウンターを冴え渡らせます。
37分に栃木のパスミスを自陣で小森が拾い、彼のミドルパスを受けた田中が右ポケットまで持ち運んだ末にシュート。(枠外)
39分にも田口の敵陣でのパスカットから、遅攻に切り替えたのち左サイドへと展開し、奥へ切り込んだ高木のクロス。
クリアされた跳ね返りを横山がボレーの体勢に入りましたが、詰めに来た神戸に阻まれて撃てず。

本来の姿勢を取り戻した事で、ペースも掴んだ千葉。
終盤は攻勢に入り、45分にメンデスが左の高木へロングパスを通したのち、中央からの運びで横山がエリア内を突き。
ディフェンスにこぼされるも小森とのパス交換を経てシュートまで繋げ、ブロックを掠めてコーナーキックに。
 その左CKからの、キッカー高木の低いクロスを田口がヒールで合わせるという技ありのシュートが放たれますが、ラファエルのブロックに防がれて勝ち越しはなりません。

結局1-1のまま前半が終了。
前回対戦とは雲泥の差という、栃木の目論見は綺麗に成功した形となりましたが、勝負は後半に持ち込まれ。

自らの変身を証明するにはどうしても勝利が欲しい、そんな思いからか、後半は逆の右サイドでも川名がロングスローを投げ入れる体勢に。
しかしその初めとなった後半3分、フェイントで短く投げたものの森がスリップしてしまいボールロスト。
そして拾った横山を倒してしまい反則と、締まらない結末となり。
千葉サイドも4分、ロングパスをヘッドで合わせた小森がそのままエリア内で収めての好機も、彼のパスを田口がスルーするも繋がらずとイマイチ締まらない絵図を描きます。

そうした展開を覚ましたのはやはりショートカウンターで、5分に右サイドで縦パスをカットした森から攻撃を仕掛ける栃木。
逆サイドへ展開ののち川名がポケットへ切り込んでシュート(GK藤田セーブ)と、前半同様のキレのある動きでゲーム自体も動かしに掛かり。
すると千葉も、続く6分に敵陣での高木のカットから好機に持ち込むいう具合に、ショートカウンター合戦にも似た様相に。
ここから得たCKを2本続け立場ですが、ゴールは奪えず。

互角の流れでも、この日の栃木は一味違うという事を見せ付け。
15分、平松→森への右の縦パスを日高が前に出てカットするも、神戸がこぼれ球を繋いだ事で結局森のドリブルに持ち込まれ。
ここはクロスがブロックされ、その後のCKも反則で終わって実らずとなりましたが、全体の勢いの勝り具合がこうしたセカンドボールの繋ぎにも表れていたでしょうか。
尚、このCKの前にベンチが動いており南野→小堀へと交代した栃木。

一方の千葉も16分に高木→岡庭へと交代。(田中が左サイドハーフに回る)
試合前の思わぬアクシデント(鈴木大の負傷)で選択肢が狭まった状態ながらも、何とか動いて勝ち越し点に辿り着かんとする小林慶行監督。

そんな執念の交錯は、時には惨劇を招いてしまうものであり。
20分、ハイボールの競り合いで宮崎と佐々木が交錯すると、体勢を崩して足を上げる格好となった佐々木。
そしてその足が宮崎の顔に入った事により、負傷してしまい倒れ込む宮崎。
出血のためそのままピッチ内で応急処置が施され、そしてピッチ外へ出て本格的な治療を受ける事に。

つまりは暫く数的不利の凌ぎとなった栃木。
その隙に敵陣へと運び、右奥からのスローインに持ち込んだ千葉は、岡庭のロングスローでゴールを脅かしに掛かり。
投げ入れられたボールは跳ね返されるも、確保に成功したのち右手前から高橋のクロスが入ると、佐々木が合わせヘディングシュート(GK丹野キャッチ)と一矢を放ちます。
その後宮崎が復帰して同数となるも、このままペースを確保して得点を狙いたい千葉。

しかし24分の栃木、自陣でのスローインからこぼれ球をその宮崎が拾い、右奥へと持ち込んで好機を齎し。(奥で相手に当てて右スローインに持ち込む)
文字通り、宮崎が戻った事で好循環を取り戻すという流れへ変えるのに成功します。
そしてその思惑通り、25分に左から攻める栃木、川名がパスワークを経て奥へと切り込み。
クロスがブロックされて左スローインと、先程と逆サイドでの同様の流れになると、自らロングスローを投げ入れる体勢に入る川名。
そしてニアに投げ入れられたボールは、合わせにいった小堀・ラファエルと防ぎに飛んだ千葉ディフェンスを越え、その奥で平松が地面に足を付けたまま合わせるヘディングシュート。
ゴール左へと突き刺さり、とうとう(今季)このカード初めて栃木がリードを奪いました。

逆に追う立場となった千葉、キックオフの前に小林祐・田中→林・新明へと2枚替え。(横山がボランチに回る)
新たな駒の投入で攻勢を作りたかった所ですが、林のファーストプレーは、ハイボールの競り合いによる平松への腕でのチャージという暗雲漂うものとなり。

従って栃木の流れは継続し、28分にGK丹野ロングフィード→小堀フリックという単純明快な前進を経て、宮崎が右奥へと持ち込んで切り返しからクロス。
これを中央で大島がヘディングシュートと決定的なフィニッシュを放ちましたが、ゴール僅か上へと外れてしまい追加点ならず。
それでもサイドからの推進力は衰えず、31分には森が右サイドをドリブルし、日高を股抜き→新明に蓋をされるも力技でボール確保した末に振り切って奥へ。
そしてマイナスのクロス(合わず)と、今まで再三アーリークロスに終始していた栃木の攻撃は何だったのかと問いたくなるような流れを築き上げたこの日。
36分にも、今度は川名が左から切り込んで、カットインシュートをポケットから放つ(枠外)など躍動は止まりません。

何とか流れを作りたい千葉。
田口を中心にパスを散らし、サイドチェンジを交えながら組み立てるものの、最終ラインの可変(3枚となる事で岡庭・日高がWB化)により皮肉にも栃木とのミラーゲームのようにもなってしまい。
従って栃木サイドの対処も楽に見え、敵陣での必死の崩しも実りません。
逆に41分には千葉のCKからカウンターを発動する栃木、小堀のドリブルでアタッキングサード右へと持ち運び、そこから細かな崩し。
小堀のヒールパスでポケットを突き、走り込む福島の中央へのパスを宮崎がフリックし奥の大島の下へ。
そして満を持してシュートが放たれ、メンデスのブロックで何とか凌いだ千葉。
同点どころか、相手の猛攻に冷や汗を掻き続ける状態に。

そんな流れからか、45分という早い段階で、CKの際にGK藤田が前線に加わる形振り構わない姿勢を採る千葉。
最後はパワープレイ風に、後方からの放り込みに賭ける体制を余儀なくされます。
栃木はそれを凌ぎ続けながら、これまで温存していた交代カードを切って時間を使いに掛かったアディショナルタイム。
川名→黒﨑へと交代、それから暫くして宮崎→矢野へ交代します。

岡庭のロングスローによる攻撃を身体を張って防ぐなど、守備面で貢献という形となった大ベテランの矢野。
その姿勢もあり、無事に逃げ切って勝利に辿り着いた栃木。
連勝によりようやく残留への光明が見えたという状況ですが、今後も老練な小林伸氏の下、この日の組織力と精神力が融合された戦いを続けたい所でしょう。

Jリーグランキング にほんブログ村 サッカーブログ J2へ

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする