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DAZN観戦 2024年J3リーグ第22節 アスルクラロ沼津vsFC岐阜

2024-07-25 16:00:33 | サッカー視聴記(その他)

<両軍スタメン>

2位以下の混戦(と言うよりは、首位・大宮の独走)により、どの方面を向いても「昇格争いを占う大事な一戦」になりがちな現在のJ3。
こうした混戦から一歩抜け出せるだけの力は何処にも無く、4位に着けている沼津も、最近5試合は勝敗が綺麗に交互している2勝3敗という成績であり。
無敗で来ている富山・八戸に若干勢いがあると言えますが、果たしてその通りの道を歩むかどうか。
共にそんな状況を抜け出したいチーム同士の対戦。

特徴である「偽サイドバック」戦術をどう活かすかという沼津。
早々の前半1分に、左ワイドでのワンタッチパスの連続による前進から、中央を突かんとしてこぼれた所を、安在が走り込んで右ポケットからグラウンダーでクロス。(シュートには繋がらず)
果敢に最前線にまで上がる安在ですが、この日の立ち位置は何時もの(攻撃時に)ボランチでスタートする姿勢から一転し、ワイドでのプレーを目立たせていた節がありました。
続く2分にも、中村のロングパスをワイドの位置でフリックで繋げた安在、ディフェンスに遭ってのこぼれ球を拾うと奥を突いてクロス。
逆サイド奥へ流れるも鈴木が拾い、戻しから濱縦パス→和田フリックで左ポケットを突き、受けた持井がゴールに近い位置でシュート。
GK後藤の左を抜くも遠藤のブロックに阻まれ、早期の先制点はならずも、これまでのギャップを活かしての攻撃に見えました。

実際岐阜はそれに振り回され、沼津の地上でのビルドアップでも、ワイドの安在をフリーにしてしまう状況を数多作ってしまい。
攻撃機会を多く作られ押し込まれると、エラーも生まれてしまうもので、13分には最終ラインであろう事か左→中央へのパスをエリア内で持井にカットされてしまい。
沼津の攻めを切っての繋ぎの場面で、左ワイドで詰まり気味となった文は最初GKへの戻しを選択しようとした(様に見えた)ものの、鈴木のプレスバックを視界に入れたため真横へのパスに切り替えた結果持井に読まれて発生したものであり。
ここから右ポケット奥に切り込んでマイナスのクロス、受けた津久井が前進の姿勢からヒールパス、濱がダイレクトでシュート(西谷がブロック)と細かくフィニッシュにまで繋げたもののゴールならず。

岐阜は上記の危機から、尚もボール保持する沼津に対し北のボール奪取を切欠にカウンターを仕掛けたもののフィニッシュにまでは持ち込めず。
押し込まれるなか偶発的な好機に賭けるという流れを強いられますが、もう一つの要因が沼津の前線のディフェンスであり。
持井がFWに上がる4-4-2の布陣が基本姿勢の沼津ですが、その持井がマンツーマン気味に西谷に付く姿勢を取るため、中々ボランチ経由での前進姿勢を取れず無駄に時間を潰していきます。

沼津は徳永のミドルシュートの連発など、攻勢をフィニッシュに着実につなげていくもののゴールは割れず。
岐阜がタッチに切った所で、21分とやや早めの段階で飲水タイムが挟まれ。

ブレイクが明けたのちも安在は右ワイドでのプレーが目立ち、23分の最初の好機では後方から一気にエリア内へロングパス、これを鈴木が走り込んでヘディングシュートに繋げ。(枠外)
やはり「偽SB」と評される戦術な以上、何処かで本来のSBとしての働きを混ぜなければ脅威にはなり得ないもの、という結論に落ち着いたでしょうか。

迎えた26分、こぼれ球をやはり右ワイドの位置から安在がダイレクトで縦パスを打ち込んでの好機、和田のポストプレイを挟んで繋ぐも再び安在の下に戻ってくるボール。
最終ラインで中央→左へとサイドを変えると、こちらも濱がワイドで受けて前進と見せかけ中央へパス。
そして菅井が遠目の位置ながら果敢にシュートを放つと、ゴール右へと豪快に突き刺さります。
両ワイドで目線を釣り、中央に出来たスペースを突く(シュートは菅井のゴラッソ気味なものでしたが)という理想的な形で先制を果たした沼津。

スコアが動いた後も、展開はさして変わらず。
反撃したい岐阜は攻撃も守備も良い所無く、無理に前進の姿勢を取ってはボール奪取から危機を招いてしまい。
34分に鈴木が反則気味にボールを奪うと、拾った濱が中央へ流れて持ち運びと、ここで本来の「偽SB」システムらしい動きで好機を呼び込み。
そして上がってきた鈴木がパスを受けて左ポケットを突くと、徳永とのパス交換を経て戻しを選択し、最後は濱がペナルティアークからシュート。
ブロックで何とか防いだ岐阜ですが、変幻自在といった沼津の矛に苦しめられ。

一方の岐阜も、文が最終ラインに残っての3枚でのビルドアップの形から、前線に運べばその文がハーフレーンを上がって来るという「偽SB」を取り入れての攻撃システム。
しかし自身が絞る事でワイドが手薄となり、ウイングが下がって守備をする沼津に対し運ぶ隙が生まれ辛い状況に陥ります。

ゲームを支配している間に追加点を得たい沼津は、43分にロングボールを合わせにいった和田が遠藤に腕でチャージされて反則に。
これで得た左からのFK、キッカー徳永のファーへのクロスを菅井が折り返して好機が生まれるも、合わせにいった鈴木がクリアした田口と交錯してしまい。
その結果反則となり警告、さらに鈴木自身が痛んでしまうという二重の被害を受けて終了してしまいます。

結局1-0のまま前半終了。
ハーフタイムで、巻き返したい岐阜は2枚替えを敢行し、北・藤岡→萩野・生地。
一方沼津も津久井→齋藤へ交代し、鈴木が逆サイドの右WGへと回ります。

岐阜はやはりボランチ経由で運べない状況を改善したかったらしく、投入された2人によるドイスボランチへと変更。
西谷がFWに回るというポジションチェンジを敢行して後半に臨みました。
広範囲に流れてパスを引き出す性質を持つ生地により、沼津の守備姿勢を崩しに掛かったでしょうか。
その狙いは概ね当たり、持井が引き続き萩野をチェックする脇で生地が動き回ってビルドアップを円滑にし。

後半6分、文のボール奪取から右サイドを前進し、細かなパスワークを経て左ポケットを突き。
荒木が安在を股抜きしてカットインを仕掛け、クリアされるも左コーナーキックで継続すると、キッカーは荒木。
ファーに向けて上がったクロスがそのままゴールへ向かう軌道となり、右ポストを直撃し跳ね返った所を、さらに新垣が追撃のシュート。
しかしジャストミートせず左へ逸れて逃してしまい。

それでも好循環は変わらず、9分に沼津のプレスを引き寄せて甲斐が速いミドルパスを送り、田口の落としを経て中央をパスワークで前進。
西谷→田口へのパスは遮断されるも、沼津が繋がんとした所パスミスが生まれ、文が拾って継続される岐阜の攻撃。
そしてパス&ゴーでエリア内へ走り込んだ文の所へ、新垣→荒木と経由し流れるボール、そして放たれるシュート。
GK武者が防がんと前に出た所を抜いて、ゴールに突き刺さり同点に追い付きます。

沼津のお株を奪うような、超攻撃的SBの働きを見せた文。
こちらも「偽SB」の立ち位置を基本としながら、後半はワイドで抜け出すシーンが目立つなど、両者を混ぜながら立ち回った結果繋がったゴールだったでしょうか。
尚も11分、左ワイドで拾った文がパス&ゴーで今度は中央へ流れ、持ち運んだ荒木のパスを受けての好機。
そして新垣を経由して右ポケットへ送られ、逆のSBである石田が上がって来てシュート(枠外)と、沼津同様に両SBが好機に絡む事でリズムを保ち。

しかしその高揚感か、前への意識を高めた結果後方では沼津のパスワークに対し激しいアタックを仕掛けるようになり、反則を量産する事に。
ブツ切りの流れを余儀なくされ、好循環も一時的なものに終わります。
そして沼津は17分、最終ラインでパスを繋いだのち一気に左サイド裏へ附木がロングパスと、疑似カウンター的なチャンスクリエイトを経て齋藤が左ポケットへ進入。
ここでさらにカットインを仕掛けて中央まで流れ、シュートを放った斎藤でしたが最後まで付いてきた甲斐のブロックに阻まれ。
そして跳ね返りを繋いだ岐阜のカウンターに持ち込まれる(シュートには繋がらず)という具合に、移籍のレールに乗っかって以降どうしても運が落ちたように見える齋藤のプレーぶり。
一方の岐阜も、ここでの好機が最後文が徳永に反則気味に止められた事で、「こっちの反則はすぐに取られるのにどうして……」という意味合いのブーイングがスタンドから沸き上がる状態に。

どちらとも言えない流れの中、22分に後半の飲水タイムに。
ブレイク明けの段階で、岐阜はさらにカードを切り遠藤→野澤へと交代。

硬直する展開とともに岐阜も流動性を失い、再びボランチ経由の攻めが出来なくなる状態に陥る事で沼津へと針が傾き。
そうなると沼津の流動的な「偽SB」システムが活き易い状況で、27分に右からの徳永のクロスを合わせにいったのは濱。(クリアされて撃てず)

このタイミングで攻勢に繋げるべく沼津ベンチも動き、30分に川又を投入。(和田と交代、同時に鈴木→柳町に交代)
すると岐阜も31分、新垣→松本へ交代とすかさず動きを見せます。
ラスト15分(+アディショナルタイム)という最終局面に相応しい采配を見せる両サイド。

どちらもフィニッシュに繋げられない攻めを繰り返し、迎えた34分、敵陣浅めでボールを持った生地は戻しを選択して攻め直し。
すると文縦パス→西谷フリックでギアを上げ、受けた田口がディフェンスに遭いこぼれた所、拾った西谷が中村に倒された事で反則の笛が鳴り。
これにより中央・エリアからすぐ手前という絶好の位置での直接FKと、とうとうゴールを生み易い状況を作り上げた岐阜。
入念に壁を作る沼津に対し、(荒木・石田・文のうち)3人の誰が蹴るか長考した結果、蹴りにいったのは石田。
しかし壁を直撃してゴール上へと逸れ、その後のCKからの攻めもモノに出来ず終わってしまいます。

交代以降やや勢いが削がれた感のある沼津、ブーストを掛けるべく38分に最後の交代。
齋藤・川又と同じく大ベテランの染矢を投入(徳永と交代、同時に持井→遠山へと交代)し、右ウイングに入りその原動力にせんとします。(柳町が前方インサイドハーフへシフト、遠山がアンカーに入り菅井が後方IHへ)

すると39分、安在の縦パスを受けた染矢がドリブルに入り、そのまま右サイド奥を突いてグラウンダーでクロス。
これはブロックされて右CKとなるも、すかさず遠山からのショートコーナーを受け、再度遠山に返したのちクロスが上がり。
これが大外に送られるボールとなると、待ち構えていた中村が合わせボレーシュート、ゴール左へと突き刺さります。
フリーとなった状況・放たれたシュートともに綺麗な絵図となった終盤での勝ち越し点に、一斉に殊勲の中村を取り囲む沼津選手。

土壇場でビハインドとなってしまった岐阜、キックオフ前に最後の交代を使用し田口→イヨンジェ。
沼津同様、Jリーグ歴の長いベテランであるイヨンジェの存在で追い付かんとします。

しかしそれに合わせるべきクロスは中々上げられず、時間を費やす岐阜。
そしてATへ突入すると、染矢の反則気味のスライディングでボールを奪った沼津がカウンターを展開し、敵陣にドリブルで持ち込んだ安在。
スピードダウンするも、リードした終盤な以上深めまで持ち込んだその意義は絶大で、その後またも染矢が奥へ切り込んでのクロスがブロックされてCKに。
そしてコーナーで時間稼ぎに入る、齋藤・川又の元代表コンビの姿はある意味壮観であり。

その姿勢を切った岐阜、最後方の野澤が対角線のロングパスを最前線に上がった石田に送るという、強引な手法ながらも前進に成功。
そして右スローインからクロス攻勢に持ち込み、尚もCK攻勢と、ゴール前にひたすらボールを送り続ける流れに。
その左CKからの二次攻撃で、生地の後方からのミドルパスを萩野が落とし、混戦から小さくこぼれた所を西谷がシュートと決定機。
しかし中村のブロックで際どく防いだ沼津が、勝利への進軍を歩む事となりました。

最後は川又のポストワークが反則を呼んだ事で敵陣深めでのFKとなり、岐阜は万策尽き。
再開後のパスワークの最中に試合終了となり、2-1で勝利を手にした沼津。
これで3位に浮上したものの勝敗が交互する状況は変わっておらず、それを塗り替える連勝は果たして実現できるでしょうか。

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DAZN観戦 2024年J3リーグ第22節 ツエーゲン金沢vsヴァンラーレ八戸

2024-07-23 16:01:10 | サッカー視聴記(その他)

<両軍スタメン>

  • 金沢は、山本が累積警告により出場停止。

夏の移籍市場の渦中で、J3にも容赦なく襲い掛かって来る弱肉強食の嵐。
それに呑まれるかのように、八戸は大型FWのオリオラ・サンデーがよりによって首位クラブの大宮に引き抜かれる(あくまでレンタルなので保有権はJ2の徳島)有様となり。
現在J1首位の町田のJ2時代(バスケス・バイロンの引き抜きとか)を彷彿とさせる、ライバルクラブからの戦力補充ならびに削ぎ落す手法。
エグいの一言に尽きますが、大宮が今後レッドブルの後ろ盾の下強者として昇り詰めていけるのかどうか。

そんな大宮と立場的に同一の降格クラブである金沢も、やはりこの夏に戦力補強に努め。
とはいえこちらは平に熊谷アンドリューと、上位カテゴリで出番が無い選手が主であり。
最大の目玉がフリーとなっていた西谷和ですが、彼も訳あり物件的な選手であり兄の西谷優との再会により、その(監督と対立して放出という経緯の)負の部分の払拭がまず求められる選手。
もう一花、という選手の終結をチーム力に還元し、激化する昇格争いを制するのに繋げられるかどうか。

その西谷和を、加入2試合目でスタメン起用してきた伊藤彰監督。
それでも、左シャドーをワイドに張らせるという戦術面を何ら変わり無くこなせる存在なので違和感は無く。

しかし立ち上がりから両翼の圧を活かして来るのは八戸。
(放送席による)注目選手に挙げられていた右の音泉は言うに及ばず、前半4分には左の稲積もドリブルで奥へ切り込んでクロス。
これにニアサイドで佐々木が頭から跳び込み、合わずに終わるもののそのクロス攻勢は終始脅威となり得ました。

ハイプレスに特化した八戸が相手という事で、金沢も地上からの組み立ては冴えず。
唯一最終ラインが幅を広く取ってパスを繋ぐ事で、八戸サイドもプレスの距離が長くなり華麗なボールゲインからのショートカウンター、とは中々いかないのが救いだったでしょうか。

お互い長所が出にくいという試合展開で、必然的に金沢は土信田・八戸は佐々木という、ターゲットへのロングボールによる攻撃の割合が増え。
12分には八戸のゴールキック、その佐々木へのロングフィードが彼を越えて流れ、拾った安藤が左奥へ突撃。
そして上がったクロスを山内がヘディングシュート(枠外)と、それ故にターゲットに合わないという選択肢も逆に冴え渡る事となり。

16分、金沢の攻めが途切れた所、八戸の最後方からの縦パスを西谷優がカットして再度攻撃に。
そして右から小島のアーリークロスが上がり、ニア寄りで土信田が足下で前方へ叩いた所を梶浦が拾って奥へ切り込む好機に。
しかし近石の寄せもあり、角度の無い所から放たれたシュートをGK大西がセーブ。
こちらも土信田をサポートするような梶浦の切り込みは効いていましたが、全体的には盤石の流れとは言えない攻撃。

23分に飲水タイムが挟まれ、どう変わるかという第2クォーター。
すると八戸の持ち味が徐々に発揮され、27分に柳下が前に出てパスカット成功、そのままスルーパスを佐々木の足下へ通し。
そしてエリア内を突いてシュート(枠外)と、ショートカウンターで一閃という流れを膨らませに掛かり。
33分にも柳下のボール奪取が起点となり、前澤のスルーパスに音泉が抜け出すも、GK上田が好判断の跳び出しに阻まれ実らず。

その一方で、良い流れが出来上がった事で、ボールを持った際は地上での前進を試みるシーンが増える八戸。
しかしこちらの面では見るべきものは少なく、さしたる好機を生む事無く時間が経過していきます。

40分、金沢のパスミスで再度ショートカウンターの好機が訪れる八戸。
拾った安藤がそのまま持ち運んだものの、タッチが大きくなった所をクリアした畑尾を削ってしまう結果となり、警告も貰って終了に。
これにより好循環が途絶えたか、続く41分に物議を醸すシーンを作ってしまう事となり。
金沢が土信田狙いのロングボール→梶浦が拾い前進という前述のパターンによる攻撃に入った事でそれは発生し、梶浦のドリブルを近石がスライディングで倒して止めるも、西谷和が拾って継続。
すると梶浦は素早く起き上がって左サイドのパスワークに加わり、ボールキープする所を柳下に倒された所で反則の笛が鳴り。
すると柳下が謝罪の意味合い(傍らからではそう見えた)で梶浦の頭部を触ったものの、それが思いのほか強かったからか逆に梶浦をいきり立たせる結果となってしまい、次の瞬間柳下を押し倒す梶浦という絵図に。
騒然となるピッチ上でしたが、何とか主審の下制止されてそれ以上の被害は齎さずに終わりました。
ここでどちらにもカードの類が出なかった事が幸いで、ナイスジャッジとも言えたでしょうか。

ともかく、これにより得たフリーキックを切欠に、残り時間は金沢が(小島のロングスローも使いながらの)セットプレーで押し込む流れとなり。
一度は途切れるも、アディショナルタイムに入って再度金沢が土信田狙いのロングボールによる攻め。
このこぼれ球を近石がヘッドでGKに戻した所に、猛然と走り込んだ土信田によりGK大西はセーフティに蹴り出しを選択。
ここからスローイン→CK×2と、最後までセットプレー攻勢を続けた金沢でしたがモノに出来ず。
前半はスコアレスに終わる事となりました。

共に交代は無く迎えた後半、最初の好機は金沢で後半1分の右スローインから。
ここも投げ込まれたボールを土信田が足でフリックし、受けた梶浦がカットインと、ターゲットと衛星のコンビでポケットを突く攻め。
クロスがブロックされて右CKと、前半同様のやり方でペースを握らんとする金沢。

しかしこの金沢のCKからの攻めを切った八戸、カウンターこそ防がれるも左スローインを素早くリスタート、抜け出してこれを受けた永田の単騎突撃。
そのまま左ポケットへ切り込みシュート(枠外)と、勢いを持った攻撃により八戸のターンが幕を開ける事に。
後半はこの永田の切り込みが軸となり、4分には左ワイドを奥へ切り込んでクロスを送り。
ニアで跳び込んだ佐々木には合わず、大外で音泉が脚で合わせるも枠を捉えられず。

一方の金沢は、伊藤監督が甲府時代多用していた、「3バックの中央が一列上がる形でのビルドアップ」の色を強めに掛かり。(前半も何度か試みられていたが目立たず)
良くないボール保持の流れの改善を図ったのでしょうが、結局大した成果は生まれる事無く。
前に出る畑尾にはお構いなしで、後ろに残る2人に対しハイプレスを掛ける八戸。
それにより殆ど攻撃機会が訪れず、八戸のターンに拍車がかかります。

11分には前澤のパスカットから、またも永田がドリブルで左ポケットを突く好機。
今度は奥まで切り込んでのシュートを選択しましたが、これも枠外に終わり。
15分には再度左ワイドへ切り込んでクロスを上げる永田、跳ね返りを柳下がミドルシュート(枠外)と、苛烈に攻め上がり。

後半最初の15分間でシュート数は0対7と、圧倒的に攻め込まれる金沢。
永田のような突破力を発揮したいのは西谷和だったでしょうが、結局ままならないうちにお役御免となり。
20分に杉浦に交代(同時に大山→熊谷へ交代)と、本領発揮にはまだ時間が掛かりそうな内容となりました。

熊谷の投入で中盤を締めに掛かった金沢は、その通りに八戸の攻撃機会を減らし。
しかし自身での攻撃も相変わらずで、繋ぎにも精度を欠き有効打を放てず。

八戸がペースダウンを強いられた事で、やや醜悪な絵図が目立つ結果となったでしょうか。
23分に右から音泉がクロスを上げ、合わせにいく佐々木の前で畑尾にクリアされると、そのまま両者交錯した結果佐々木がエリア内で倒れ込む事となり。
しかし尚も八戸の攻撃が続いた事で途切れず、動けない佐々木を余所にそのエリア内でボールをキープするという状況が訪れ。
安藤のクロスの跳ね返りを確保したという所でようやく試合が止まり、そのまま飲水タイムの運びとなります。
それでも佐々木は倒れたままでしたが、何とか1分半程掛けて起き上がり。

ブレイク明けの段階で、金沢は再度選手交代。
土信田→加藤大樹へと交代し、1トップには杉浦が回りました。

しかし流れはそのまま継続される事となり、即ち選手の交錯シーン。
26分、自陣でボールカットした西谷優が前澤のアフターチャージを受け、そのまま交錯して両者倒れ込み。
継続され敵陣でボール保持という状況になった金沢ですが、前述の事もあり流石に攻撃を止め。
前澤に警告が付き出されるも、その前澤の方が長く倒れ込む結果となり、そのままピッチ外→復帰という運びに。(警告が出たため西谷優はそのままピッチ内に)

中々攻撃の環流が出来ない金沢ですが、29分に一列前の畑尾から縦パスが左ワイドに送られると、受けた加藤大が杉浦とのパス交換を交えてカットイン。
そしてそのまま左ポケットからシュートを放ち、近石にブロックされるも左CKで継続。
クロスの跳ね返りから熊谷がミドルシュート、地を這う軌道で狭い所を抜かんとするも、ゴール前でブロックされ跳ね返り。
更に加藤大がミドルシュートを放つもこれは枠外と、ようやくフィニッシュを重ねる流れに持ち込み。

直後に八戸もベンチが動き、安藤・佐々木→妹尾・雪江へと2枚替え。
既にJ3では知名度の高い特徴ある2人の投入(妹尾は独特の推進、雪江はDF登録のFW)で、均衡を破りに掛かり。
長所といえば、この日は柳下が前線に絡むプレーが少なかった風に映りましたが、前半の醜悪なシーンを受け自然と自嘲気味になっていた感があり。

1トップが杉浦に変わった金沢ですが、35分に毛利ミドルパス→杉浦脚でフリック→梶浦スルーパス(その後加藤大が左ポケットを突くも撃てず)という具合に、その脇を固める梶浦のやる事は変わらず。
そしてその関係性が最高の結果を齎す事となり、37分庄司のロングパスを杉浦が前へ落とすと、綺麗に最終ラインの裏を取った梶浦が拾いエリア内へ突撃。
蓑田の追走も受けながら、そのままドリブルでGK大西を左にかわしにいった梶浦、その結果大西の腕に引っ掛かる形で倒れ。
たまらず反則を告げる笛が鳴り響き、PKに結び付く事となります。

殊勲の梶浦ですが、その代償は大きく長らく倒れ込み。
足を痛めてしまったという絵図に偽りは無く(皮肉にもその後の負傷交代で証明され)、2分以上掛けてようやく起き上がります。
キッカーは加藤大で、その姿勢に報いるべき大事なこのPKをゴール右へ蹴り込み。
GK大西は触れるも弾き返せずゴールゲット、しっかりモノにして先制を果たした金沢。

キックオフの前に永田→上形に交代(既に36分に音泉→國分に交代)と、ビハインドを跳ね返す交代策を敢行する八戸。
その最初の攻めが途切れた所で梶浦が再度倒れ込み、担架で運ばれて交代を余儀なくされる金沢。
嶋田を投入、同時に毛利→平に交代して5枚のカードを使いきりました。(この際にフィジカルコーチの坂本哲也氏に警告が出たようだが詳細は判らず)

終盤の負傷シーンから、ATは7分と長丁場となりましたが、立場上八戸は苦しいものとなり。
自陣で守備を固める金沢に対し、前半のシーンから主体的な攻撃に難が見られる八戸は崩しの術を持たず。
出来る事はロングパス→雪江フリックによる乱戦に持ち込む事ぐらいで、長い目安時間をむざむざと浪費してしまいます。

逆に金沢が決定機を迎え、小島のボール奪取で矢印を反転させると、薄い八戸ディフェンスを嘲笑うかのようにパスワークで翻弄しての前進。
そしてエリア内へのスルーパスがフリーの杉浦に供給されましたが、放たれた杉浦のシュートはゴールバーを直撃して跳ね返り。
歓喜を呼び込む追加点は生まれなかったものの、勝利への進軍は乱れる事は無く。

そして1-0のまま試合終了となり、難敵を下して勝ち点3を得た金沢。
試合内容が示す通り、苦難の道を歩みながら昇格というゴールに辿り着く、となるでしょうか。

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ABEMA観戦 UEFA EURO2024決勝戦 スペインvsイングランド

2024-07-18 16:00:45 | サッカー視聴記(その他)

<両軍スタメン>

  • 両チームの選手名はyahooスポーツナビに準拠。
  • コイントスでコートチェンジし、↓とは逆のコートで前半スタート。

参考動画

前回のEUROの記事 -準決勝・スペインvsフランス(2-1)


栄光のグランドファイナル。
準々決勝以降、強豪しか残っていないという状態に相応しいカードとなりました。
6戦全勝でここまで昇り詰めたスペインと、接戦に次ぐ接戦を逆転の連続で制してきたイングランドの対決。
派手な試合前セレモニーに彩られながら、迎えたキックオフの時間。

イングランドのキックオフから始まると、GKまで戻してロングフィードという手法で幕を開けた試合。
これまでスペインの試合ばかり観て来たためか、日本で見慣れているはずのその絵図も何処か違和感を覚えるものであり。
強敵相手故にセーフティにいく事を優先したでしょうか、その通りに立ち上がりの3分間はお互いさしたる好機の無い時間帯に。

前半4分、左サイドでショーのボール奪取から、攻撃の中心であるベリンガムにボールが渡ったイングランド。
しかし彼のボールキープも、スペインの素早い寄せの前に発揮できず奪われてしまい。
ここからスペインへと針が傾く展開となり、ガッチリとボールを支配してイングランドを自陣に押し込めます。
お馴染みであるラポルテ・ノルマンのセンターバックの持ち運びも絡め、イングランドの前線の守備を無力化しに掛かり。

そのイングランドの守備は、4-4-2の基本布陣ながら、2トップはフォーデンがボランチの片割れをマーク・ケインがセンターバックへチェイス(ただし強度はそれ程でも無い)という分業制。
状況次第でベリンガムがCBへプレッシャーを掛け、その際に空いた右サイドはショーが前に出るというプレッシングの体勢。
しかしスペインの伝統であるポゼッション能力の高さの前に、ボール奪取どころか十分な規制すらままならない時間が続きます。

スペインは押し込みによりコーナーキックに持ち込んでも、焦って連続してクロスを入れるという事はせず、ボール確保によりあくまでペースの維持に努める立ち回り。
イングランドと手法は違えど、こちらも決勝戦故の慎重さが垣間見えていたでしょうか。
12分に左からウィリアムズのカットインシュート(ストーンズがブロック)で初フィニッシュと、攻勢を維持した割にはやや遅く。

15分にイングランドが、この日初ともいえる攻撃機会(ウォーカーが右ポケット奥を突いてマイナスのクロス)でCKを得た事で、スペインのターンを終わらせ。
スペインと同じくボール保持の時間を高めに掛かります。
17分スペインのゲーゲンプレスを受けながらの繋ぎで、戻しを受けたストーンズはさらに浮き球のパスで一気にGKまで戻す事を選択。
これを収めたピックフォードも当然ながらロングフィード、しかし結果的にスペインのプレッシャーを呼び込んで前へ送る形となり、ベリンガム落とし→ショーのサイドチェンジを経て好機到来。
サカが右ハーフレーンからエリア内へ切り込み、そのままポケットを抉ると見せかけて戻し、そして中央からライスがミドルシュート(ロドリがブロック)と最後方からの組み立てでフィニッシュまで持っていく事に成功します。

中心選手と目されるベリンガム、モノが違うと思わされたのが20分の場面で、左サイド中盤でボールを持ち。
ボールキープによりルイスを引き付けながら、中へのパスを意識させる事でカルバハルの目線も操ってワイドを開け、そこへ走り込むショーへスルーパス。
1人で複数人を困らせる高次元のプレーを目の当たりにしましたが、ここはショーが受けたパス地点がタッチラインを割ってしまい好機とはならず。

しかし依然として守備時は、スペインのボール保持に難儀するシーンが続き。
特にウィリアムズという矛が活かされる左サイド(イングランドから見て右サイド)の押し込みを受け、サカがウイングバックの位置に降りての5バックとなる事もしばしばあり。
ボール保持もままならなくなるイングランド、23分にはスペインのプレッシャーを受けたフォーデンがバックパスをミスし、オルモに拾われスペインのショートカウンターに。
ボールキープを経て託されたヤマルが右ポケット奥を突いてシュート(グエヒがブロック)と、スペインの武器である両翼の突破も目立たせてしまい。

決勝故に審判も難しいコントロールを強いられたでしょうか。
25分のイングランドの攻撃、ケインが中央でドリブルに入るも、こぼされた所でルイスを削ってしまい反則・警告を受け。
30分にはスペインの攻撃で、クリアボールを拾ったオルモが前進する最中、ライスへのチャージで反則・警告。
お互いオフェンスファールで警告が出された事で、これまでの場とは一味違うという雰囲気に。

そんな絵図もあり、時折ペースの乱れが垣間見えるスペインですが、やはり根底がしっかりしているチームは強いというべきか。
35分前後から再度、立ち上がりのような攻勢へと突入。
敵陣でサイドを振りながらのパスワークに持ち込み、両翼の威力でアタッキングサードを脅かす攻撃を繰り広げ。
35分の左CKから、ショートコーナーからの中央への戻しを経て、オルモがミドルシュートを放ち。
しかしエリア内でケインがこれを足下でカットと、攻撃がままならない状況で、守備面で存在感を発揮せんとするセンターフォワード。

相変わらず守勢が続くイングランドですが、そんなキャプテンの思いには応えなければならず。
42分ライスのパスカットから攻撃機会が訪れ、スペインのゲーゲンプレスもありベリンガム→ケインへのパスは遮断されるも、拾い直したベリンガムが左→右へのサイドチェンジで包囲網を突破。
そして受けたサカはここも縦突破をチラつかせながらカットイン、メイヌーを経由して中央のケインに預けんとしますが、このパスもカットされて実らず。
しかし45分敵陣でベリンガムがカルバハルからボール奪取、やっとショートカウンターの好機が訪れ。
そのまま左奥から入れられたグラウンダーのクロス、中央で受けたケインがシュートと、とうとうCFにフィニッシュが生まれたもののロドリがブロック。
しかしこぼれ球を拾いにいったウォーカーがウィリアムズに倒された事で、反則となり右ワイドからのフリーキックで継続。
ここからキッカー・ライスのファーへのクロスがこぼれた所、フォーデンが左ポケットからシュート(GKシモンキャッチ)と、終盤で得点の匂いが高まってきたイングランド。
しかし結局スコアレスから動かず、前半終了となりました。

スペインは先程シュートブロックしたロドリが(ラポルテとの交錯で?)痛んで倒れ込むシーンがあり、その影響かハーフタイムで選手交代。
ロドリ→スビメンディへと交代し、最後となるか否かという45分を戦う事となります。

ビルドアップの際にアンカーを務めるロドリが退き、どういう構成となるか注目されたスペイン。
それを確かめるに間も無い後半2分でした。
ルイスが最終ライン右へと降りて3枚での繋ぎの姿勢を取るスペイン、これによりカルバハルが前に出る事で、ベリンガムはルイス・カルバハルのどちらをチェックするか迷いが生まれ。
その隙を突くようにルイス→カルバハルへパス、ベリンガムが追い付く前にさらにカルバハルは右足アウトによるワンタッチでのパスという具合に翻弄して敵陣へ運びます。
このパスを受けるヤマル、さらに入れ替わりで前を向く事で縦に速い運びを完成させると、カットインで中央へ流れて左ポケットへパス。
広大なスペースを送られたこのボールに、ウィリアムズが走り込んだ末に放ったシュートがゴール右へと突き刺さり。
最初の変化を見事に結果に結び付け、スペインが先制に成功しました。

スコアが動き、混乱状態が続くイングランド。
4分、ノルマンがロングパスで一気に前線へ届けると、そのまま浮き球を操って運んでいくスペイン。
やや乱れた所を拾ったウィリアムズ、エリア手前からまたもシュートを狙うも、縦パス風になってエリア内のオルモに収まり。
しかし逆に決定機となり、そのまま左へ流れ角度を付けて対角線を狙ったシュートを放ちましたが、ジャストミートせずゴール右へと外れ。

その後はイングランドもボール保持により落ち着きを取り戻さんとしましたが、満足に攻撃できず。
スペインのボール保持に対しても果敢にハイプレスを掛けるものの、8分にはGKシモンがそれを縦パスでいなし。
受けたモラタのポストプレイを経てスビメンディがドリブルに入った所、反則で阻止したストーンズが警告と、どうにもやる事が巧くいきません。
すると待ち受けていたのはスペインのショートカウンターで、10分パスカットしたカルバハルがそのまま右からカットインし、ミドルシュートを放ちますがグエヒがブロック。
続く11分には縦パスをカットしたルイスから、パスを受けたウィリアムズのミドルシュートがゴールを襲いますが、左へと外れ。

何とか流れを変えたいイングランド。
16分、とうとうキャプテンのケインを交代させるという決断を下し。
ワトキンスを同ポジションで投入し、ゲームキャプテンはウォーカーに託されます。

19分、GKピックフォードのロングフィードが一気に右奥を突き、走り込むフォーデンの前でククレジャに拾われるも奪い返すフォーデン。
戻しを経てサカからのパスを中央で受けるベリンガム、反転しながらのトラップでカルバハル・スビメンディの2人を剥がした末にミドルシュート。
しかしこの高等技術からの強烈なフィニッシュもゴール左へ外れてしまい、同点とはなりません。
おまけにこれによりロングパス一本で好機を作らんという意識へ移ってしまい、簡単にボールを失うという時間帯に。

スペインも23分にモラタ→オヤルサバルへ交代と、こちらもCF兼キャプテンのモラタが退く事に。
直後の24分、そのオヤルサバルの前からの守備によりボール奪取、CKへ持ち込むという具合にしっかりと交代選手をパワーに還元させ。
このCKから何度もクロスの爆撃をゴール前へ送り、GKピックフォードがそれを跳ね返し続けるなど、プレッシャーを与えていくスペイン。

イングランドは25分、さらにベンチが動きメイヌー→パーマーへと交代。
これによりポジションチェンジが絡んだ(ベリンガムがボランチへ、フォーデンが左サイドハーフへ回る)事で、スペインは守備が曖昧になったでしょうか。
直後のゴールキックでのロングフィードから、カルバハルがクリアミスした所をすかさずワトキンスがシュート。(カルバハルがブロック)
ミス絡みのフィニッシュが生まれた事で混沌とする展開。

続く27分、スペインはパスカットしたスビメンディがそのままエリア内へスルーパスと、一気に好機を作らんとし。
そして走り込んだオヤルサバルがシュートを放ち、GKピックフォードがこれをキャッチすると、直接前線へスローして届けた事で薄い守備を突く格好となったイングランド。
右寄りで受けたベリンガムに対しククレジャが潰しにいくも、奪いきれなかった事でポッカリ空いた右サイドを突く状況が生まれ、サカが右ワイドを突いてカットインからエリア内中央へパス。
そしてここまで上がって来たベリンガムがポストプレイで後方へ叩いた所に、走り込んだパーマーがミドルシュートで一閃。
ブロックを掠めた事もありゴール左隅へと突き刺さるボール。
布陣変更を経て、投入した駒が同点弾を齎すという采配ズバリな格好となったイングランド。

当然ながら、イングランドは一気呵成に逆転を狙いにいき。
しかし得点を齎した右サイド偏重の攻撃となり、サカを中心としてアタッキングサードを突くものの、直ぐにその流れは途切れてしまいます。
すると再度スペインのボール保持により、守勢の時間が長くなる。
体力面の不安が露わとなる時間帯で、やって欲しくない(と思われる)立ち回りをみすみす許してしまう結果となり。

イングランドは交代以降、ベリンガムが若干前に出た4-1-4-1にも見える布陣でスペインの最終ラインからの組み立てを阻みにいき。
インサイドハーフというべき立ち位置のベリンガム・パーマーの2人でスペインのドイスボランチを掴まえる姿勢を採ります。
しかしその狙いも空しく、ポゼッションによる攻勢に入るスペイン。
戻して作り直すシーンを多く作り、ウィリアムズが中央~右へと流れる状況も混ぜつつ、イングランドの体力・神経を奪っていきながらゴールを狙う状態へ突入します。
(38分にノルマン→ナチョへと交代)

止む無く自陣でブロックを固めるイングランドですが、その狭い所も突きに掛かるスペイン。
37分に中央を前進するウィリアムズ、戻しからオルモの浮き球パスを収め、すかさずエリア内へと叩いた所にオルモが走り込み。
そしてさらにワンタッチで流した末にヤマルのシュートが放たれ、GKピックフォードがビッグセーブで防いだものの、決壊間近といった印象を残す好機となり。

迎えた41分、最終ラインから緩めの縦パス攻勢で中央を運ぶスペイン。
ルイスのパスはあろう事か主審の股を抜くというものとなるなど、狭い所を抜く意識の徹底を経て敵陣へ運び、オヤルサバルがポストプレイで左へ叩いた所にククレジャが走り込み。
そして入れられるグラウンダーのクロスを、踵を返してエリア内に進入していたオヤルサバルが脚で合わせてのシュート。
ゴールに突き刺さり、こちらも途中交代のオヤルサバルが決める格好で勝ち越しを果たします。
緩急を付けられての前進に、体力消耗もあり(オヤルサバルのオフサイドをアピールする以外)成す術が無かったというイングランド。

残り時間は少ないものの、諦める訳にはいかずイングランドのキックオフ。
例によって戻し→GKピックフォードロングフィードで運び、落としから好機が生まれる事となり。
ボールキープするベリンガムの縦パスがエリア内へ入り、フリーで受けたワトキンスが前を向く決定機になりかけましたがスペインはこれも素早く対応してクリア。
これにより左CKとなるも、その前に両チームともに選手交代が挟まれます。

スペインがヤマル→メリーノ・イングランドがフォーデン→トニーへと交代し、セットプレーの攻防に。
上げられたキッカー・パーマーのクロスを、中央やや遠目でライスが合わせヘディングシュート。
GKシモンのセーブで浮いたボールを、さらにグエヒが詰めてのヘディングシュート。
GK不在のゴールに決まったかと思われたこのフィニッシュも、オルモの頭でのブロックに阻まれ決められません。(さらにライスがヘディングシュートで追撃も枠外)
1点もののディフェンスで、ゴールゲッターのようなガッツポーズを見せるオルモにより、いよいよ勝利への雰囲気が高まってきたスペインサイド。

結局この攻防が、イングランドの最後の可能性あるチャンスとなりました。
突入したアディショナルタイムは、焦りからかイングランドの反則が目立つ展開(ワトキンスがナチョへの反則により警告)となり、好機の数自体が少なく終わり。
そして目安時間の経過(4分)により、決着を告げる笛が吹かれました。

全勝優勝という結果を叩き出したスペイン。
不本意なものに終わったカタールW杯からの復権が無事果たされたその姿は、「無敵艦隊」と形容されるに相応しいものとなり得たでしょうか。

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TV観戦 天皇杯 第104回全日本サッカー選手権大会3回戦 柏レイソルvs筑波大学サッカー部

2024-07-12 16:47:50 | サッカー視聴記(その他)

<両軍スタメン>

  • 柏ホームだが、↓とは逆のコートで前半スタート。

前回の天皇杯の記事 -2回戦・町田vs筑波大(1-1・PK2-4)


2回戦で、J1首位のクラブ(町田)を破るというジャイアントキリングを達成した筑波大。
それでもアマチュアの立場故に以降楽な試合は1つも無く、一戦必勝の構えで臨むトーナメント戦。
放映権を持っているNHKに対し、流石に連続で筑波大の試合を選ぶのはやり過ぎだと一言放ちたくなりますが、見所満載という触れ込み(プレゼンテーションによると、その主要因はOB・かつてのチームメイト絡み)なため納得せざるを得ず。

個人的な注目は、筑波大が柏・井原正巳監督の出身校という要因。
それにも拘らず、直近のリーグ戦(22節・FC東京戦、3-2)では体調不良で不在を余儀なくされ(栗澤僚一コーチが代行)、指揮が危ぶまれたものの何とか間に合う形に。
「古巣と戦うのは複雑な気分」というコメントが紹介されていたものの、既に2017年福岡の監督として天皇杯で相対していたため、一視聴者としてはそれを聞いて逆に複雑な気分になる事に。
というのも当時見事に筑波大に敗れる(1-2)結果に終わったため、そういった綺麗事云々よりは、何としてもリベンジするという執念に駆られていても不思議では無い。
そんな事を傍らから考えつつの視聴となりました。

前回の町田と比べ、遥かにアクセスしやすいスタジアム(三協フロンテア柏スタジアム)に部員が集結し、総出でゴール裏で声援を送る体制を作った筑波大。
しかし町田が「陸の孤島」と称される地理的なアウェイの色が強かったのに対し、ここ柏はとにかくスタンドの距離が近い、物理的なアウェイの雰囲気が齎されやすい場所であり。
ゴール裏以外全方位で柏サポーターの声援と怒号が近距離から飛ぶ(とはいえカップ戦故に集客は6,527人と今一つでしたが)、そんな中で巧く戦う事が出来るか、試される試合となりました。

お互いロングボールの蹴り合いで、中々好機が生まれないという入り。
しかし先んじて最終ラインから繋ぐ体勢に入る筑波大、前半4分に左からの前進をキャンセルしてGK佐藤に戻すと、プレッシャーを受けるなか佐藤はその間を通す縦パスを徳永に渡し。
中央から運ぶ状況を生み出したうえで、中に絞った左サイドバック・安藤のドリブルで好機を作ると、中央への横パスを同じく中へ絞ってきた角が右足アウトで合わせてのシュート。
しかしブロックで跳ね返り、拾った田村がミドルシュートを放つもGK佐々木がキャッチ
最初のチャンスが防がれたと思った刹那、柏は古賀のロングパスで前掛かりの裏を突いて一気にひっくり返しに掛かり。
左サイドに山本が走り込むも、GK佐藤がエリア外へ出て倒れながら(福井と縺れながら)もクリア。
これを拾った筑波大は、ボール保持から再びGK佐藤へ戻しプレッシャーを呼び込む立ち回り。
佐藤は今度はロングフィードで前線に運び、半代が胸で落として敵陣でパスを繋いだもののフィニッシュには持ち込めず。(角のクロスがブロックされコーナーに)
最初に好機が生まれた事で堰が切られ、1分の間に慌ただしい展開が描かれました。

筑波大が地上から繋ぐのに対し、柏はパワーサッカーの色が強い、悪く言えばアバウト・良く言えば効率の良い攻撃という立ち回り。
特に普段から「マテウス・サヴィオ頼みの攻め」と揶揄されがちなその攻撃パターンで、そのサヴィオがベンチスタートなため推して知るべしな状態。
筑波大の攻めを遮断しマイボールとなっても、その後の繋ぎが雑になり結局攻撃機会を得れずという、初見だとどちらが上のカテゴリか判らなくなる絵図も多々見られ。
熊澤のロングスローを手段に加えながら、とにかく攻撃機会を増やす事でプレッシャーを与えにいきます。

そしてそれが奏功したか。
12分以降好機が生まれないという流れに陥っていた展開で、16分に最終ラインでボール保持という慣れない状況となる柏。
試合を落ち着けたい思惑もあったのでしょう、ボールを触れに木下が降りて来た(パスを受けてすぐさまレイオフで古賀に返す)のもあり、まったりとする絵図に。
しかしその刹那、野田の縦パスで速度を上げると、それを受ける山本のフリックで喰い付いた福田の裏を取る形で木下が抜け出し。
先程降りてボールタッチしていた残像もあり綺麗にフリーとなって持ち運ぶ木下、そのままペナルティアークからシュートを放つと、GK佐藤は反応できずにゴール左へと突き刺さります。
緩急付けられた柏の攻撃に筑波大デイフェンスは成す術無かったという絵図で、スコアが動く事となりました。

その後、めっきり攻撃機会が少なくなった末に前半の飲水タイムへ。(23分)
改めて反撃体制を作らんとする筑波大ですが、24分に中盤でパスミスを犯してしまい、拾った鵜木が敵陣へ切り込み。
そして中央へ流れ溜めを作り、スルーパスがエリア内へ送られましたが熊坂が走り込めず。
25分にも山本が敵陣でパスカットしショートカウンター、その推進を福井のカバーで何とか防ぐという具合に、ビルドアップの乱れが大惨事を招きかねない流れに。

柏のしっかりとした守備対応(筑波大SBに、サイドハーフが下がってケア)により、ボールポゼッションを高めても中々好機を生み出せない状況に陥る筑波大。
救いは柏の右SB・川口の安藤への喰い付きが目立つという点で、この辺りは安藤が「偽SB」的な動きを混ぜ、左の2レーンを田村・安藤が流動的に請け負う立ち回りが効いての事でしょうか。

その弱点をカバーしながら良く守るものの、「良い守備から良い攻撃へ」という意識が、サヴィオ不在により実行できない柏。
その間に得点したい筑波大、この日スタメンとなった角が右ワイドに張るのを軸に攻め込み。
41分、ワイドで持った角が中央へ横方向への縦パスを打ち込むと、手前で半代のスルーを混ぜて中に絞っていた田村が受け。
そしてコースを探した末にシュートを放つも、野田のブロックに阻まれ同点ならず。

主体的な組み立てでの好機はこれぐらいで、そのまま前半も終わり際へ。
45分にはストーミング気味に、敵陣に押し上げた末にボール奪取してからの好機。
左ワイドで縦パスを受けた内野がカットインでポケットを取ってのシュート、しかしこれも野田がブロック。
右CKで継続し、クロスの跳ね返りを拾って再度左ワイドから切り込み、ポケットを取った田村のクロスをファーで諏訪間が合わせ。
しかしジャストミート出来ず枠外となり、結局前半のうちに得点は出来ませんでした。

1-0で折り返しとなり、ハーフタイムでの交代は無く後半開始を迎え。
キックオフの柏の初手は、サイド奥へロングボール→防がれるも熊澤がロングスローと、やはりアバウトな手に訴えるものでした。

相変わらず攻撃の形が見えない柏に対し、同点に向けての流れを構築したい筑波大。
後半2分に最終ラインから組み立て、一列前に付けるパスを受けた加藤は初手の切り返しで前に出た熊坂を剥がして前進開始。
そして右へ展開し、受けた角がポケットを突くスルーパスを送り好機到来となりましたが、走り込んだ半代のダイレクトクロスはそのままシュート気味に流れてしまい。
FW故にクロス精度まで求めるのは酷な部分があるか……そんな事を考えさせられるのを余所に、このプレーで加藤が足を痛めてしまう事態に。
今後が危ぶまれたものの、切り返しの所で熊坂と接触してのものらしかったのが幸いし、無事に継続し試合終了までプレーし続けます。

後半の筑波大は、町田戦の時と同じく3バック気味に可変。
池谷が最終ラインに残り、角と安藤がウイングバックのような立ち位置を取る形によるビルドアップで、目線を変えに掛かります。
しかし敵陣でのパスミスで好機を齎す事が出来ず、逆に柏のひっくり返すようなダイレクトプレイにより押し込まれ。
12分からCKが2本続き、GK佐藤が跳び出すもキャッチできず(クリアして凌ぐ)という際どい絵図も生まれる攻防に。

ここで柏ベンチが動き、一挙3枚替えを敢行。
鵜木・戸嶋・木下→山田・サヴィオ・細谷へ交代と、主力のサヴィオ・細谷を投入して勝負を決めに掛かるという采配を取ってきた井原監督。

直後に早速サヴィオはその期待に応え、敵陣へ切り込んでのカットインで中央に託し、チャンスエリアで持った熊澤が徳永に倒されて反則。
これにより好位置での直接FKとなり、当然サヴィオが狙うという意識を植え付けながら、蹴りにいったのは熊澤。
ゴール右を襲うこのシュートをGK佐藤がセーブし、(その後のCKも凌いで)何とか一矢を繋ぎます。

そして筑波大ベンチも動き、徳永→高山へと交代。(16分)
これ以降中盤はボランチが縦関係気味となり、加藤がアンカー・高山と田村のシャドー、というような攻撃時の配置に。
20分には左ワイドで田村が(熊坂に)反則を受けた事でのFK、キッカーは投入された高山。
(角のフェイクを交えて)右足でインスイングのボールを入れると、ゴールに向かう軌道となるもGK佐々木のキャッチで防がれ。
その後柏も再度CK攻勢に入るなど、セットプレーでの立ち回りを目立たせた末に後半の飲水タイムに入ります。(24分)

勝負の第4クォーター、長らくゴールが生まれない事により、文字通り次の1点が大きく左右するという局面に。
その通りに柏はチャンスと見るや果敢にゴールを目指し、28分に左スローインを受けた細谷がディフェンスに遭うも、熊坂が奪い返し。
そしてパス&ゴーで山本から受け直してエリア内を突く熊坂、右へ流れてブロックを振りきってのシュートを放ちましたが、ゴール上へと逸れてしまい決められず。
その後30分に川口が足を攣らせたため交代となり、同ポジションで関根を投入。(筑波大も同時に田村・半代→廣井・小林へと2枚替え、角が逆の左サイドに回る)
32分には細谷がプレスバックし自陣でボール奪取、そのまま中央を推進して高山の腕でのチャージを受けつつもパスを繋ぎ。
そして山田がダイレクトでスルーパス、関根が抜け出して決定機か……と思われましたがオフサイド判定に阻まれます。

1点差のまま耐え凌ぐ筑波大。
迎えた34分敵陣での繋ぎで、ストライカー・内野へのパスは悉くカットされるも、こぼれ球を確保し続けた末に左ポケットに持っていき。
そして放たれた安藤のシュートは関根がブロックして防がれるも、左CKで継続。
キッカー高山がニアにクロスを入れ、跳んだ小林には合わせられずも、その奥の古賀のヘッドでのクリアがあろう事かゴール内へ。
古賀にとっては小林が触れられなかった事で、「急にボールが来たので」という状況になってしまったでしょうか、反応が間に合わず当てるだけになってしまい。
まさかのオウンゴールでの同点により、試合の行方は全く判らなくなりました。

その後の柏は、熊坂が足を攣らせてしまう(39分、高嶺と交代)等、消耗によるダメージを先んじて露呈してしまう流れが続き。
前半から、ボールを落ち着けるという選択が中々取れずにいたのがここに来て影響してきた感があり。
それでも流れ的には、地力に勝る柏がゴールに迫り続ける展開に。
筑波大は、44分に諏訪間がボール奪取してすかさず縦パス、受けた内野のミドルシュートでゴールを脅かし。(ゴール上へ外れる)
一矢報いるような好機で、その後は角が最終ラインに降り5バックで凌ぐ姿勢を見せるなど、町田戦同様に同点の時間を長くした末の栄光を掴みにいきます。

突入したアディショナルタイム。
再び左ワイドからのFKを得た筑波大、キッカーは先程と同様高山が務め、放たれたキックも同じくクロスがゴールへ向かうというものになりGK佐々木がキャッチ。
この辺りもう一段階制度と工夫が欲しい所であり。

一方の柏は高嶺のボール奪取から、サヴィオが左サイドを持ち運んで一気に好機到来。
そしてパスを受けた山本が左ポケットへ切り込み、奥からグラウンダーでのクロスがブロックを掠めてニアサイドへ。
合わせたのは走り込んできたサヴィオで、ヒールでの合わせで強引にゴールへねじ入れにいきましたが、GK佐藤の脇で諏訪間がブロックと寸での所で凌ぎます。
最後に際どい攻防が生まれたという格好でしたが、スコアは動かず。
1-1のまま後半終了を告げる笛が鳴り、筑波大にとっては連続となる延長戦へ突入しました。

新たに一つ追加された交代カードですが、筑波大の方が3人・2度と選択の幅が大きい状況。
既に5人交代している柏ですが、延長前半(以下延前)早々の4分にそれを使用。
片山→ジエゴに交代と、早めに駒を投入する事で試合を動かしに掛かります。

そんな個の力の圧を掛けに来る相手に対し、これまで組織力を発揮してきた筑波大も、疲労度からか思うようにボールを繋ぐ事が出来ず。
5分に右スローインを直接ポケットに投げ入れ、ディフェンスに阻まれた事でCKへ移行と、それが伺えるような好機の作り方。

それ故に柏の格好の餌食となってしまったのは、ある意味必然だったでしょうか。
9分、サヴィオが溜めを作ったのち細谷のポストプレイを挟んでチャンスエリアへ推進。
その末に中央から放たれたミドルシュートこそ福井がブロックして防ぐも、右CKで継続すると、キッカー・サヴィオのクロスが中央へ。
そして細谷のヘディングシュートが放たれると、筑波大に防ぐ術は無くゴール左へと突き刺さります。
最終盤でようやく主力の本領が発揮され、勝ち越しに成功した柏。

キックオフでの再開前に、カードを切る筑波大。
角・池谷→小川・鈴木へ交代し、小川が最終ラインの中央に入った事で本格的な3バックへシフト。(WBが右=鈴木・左=安藤)

その後は、再三左サイドを上下動してきた安藤を活用し、何とか突破口を開かんとする攻撃。
しかし既に安藤も余力はあまり残っておらず、アーリークロスが精度を欠くという絵図も目立ちます。
一方の柏は、山本が足を攣らせるも既に交代枠は無く、気力を振り絞って最前線でブロックの姿勢に入る山本の姿が痛々しく。

結局そのまま延前は終了し、ラスト15分の延長後半(以下延後)へ。
開始前に筑波大は最後のカードを使うと、福井→竹内へと交代し再度4-4-2へと戻して延後に臨みました。(竹内は右SHに入る)

柏がバックパスでGKに戻すも、佐々木がキックを空振りしてしまいCKを献上するという入りになったその延後。
この右CK、キッカー竹内のクロスは跳ね返されるも、確保ののち再度竹内に回してのクロス。
これがライナーでファーサイドを突き、小林の下へピタリと収まるボールとなり絶好機が到来します。
しかし放たれた小林のシュートは、サヴィオのスライディングを避けて撃った影響かサイドネット外に終わり同点ならず。

これを逃したのは痛いの一言で、以降運気は巡って来ない筑波大。
5分、ゴールキックからロングフィード→細谷フリックと単純明快な流れでアタッキングサードに運ぶ柏。
走り込む山本を小川が倒してしまい反則、警告を受けたのみならず絶好の位置で直接FKを与えてしまう事に。
相手に好機ととに時間を与えるのが最もキツイという反則となり。
放たれたジエゴの直接シュートは左へ外れるも、その後も逃げきりに向かう柏に対し一向に好機は巡って来ず。

逆に10分、縦パスを高嶺にカットされ、サヴィオが左サイドから切り込むという具合にまたも柏の好機に。
中央の山本への横パスは遮断した筑波大ですがこれにより左CK。
しかもこの際に諏訪間が足を攣らせてしまい、長らく倒れ込んだため担架も持ち出されたため、ピッチ外へ出る事を余儀なくされ。
このセットプレーを10人で凌ぐという具合に、逆境が続く筑波大。

何とかGK佐藤がクロスをパンチングで跳ね返し、諏訪間がピッチに復帰するも既にCBを務める余力は無く。
最前線に回った諏訪間により、加藤がCB・竹内がボランチ・小林が右SHと玉突き的にシフトした残り時間。
一方柏も、野田が足を攣らせたためか最前線に回る事に。
こちらも関根がCB・山田が右SB・細谷が右SHと激しくシフトし残り時間を戦います。

お互いダメージが深刻という絵面で、最後のATへ。
筑波大は安藤が内野を狙ったロングパスを送り、クリアされるもセカンドボールを拾って最後の攻撃。
そして竹内がミドルシュートと、ゴール裏の期待と希望を乗せて放たれたこのフィニッシュも、ゴール上へと外れてしまい。

そして試合終了の時を迎え、2-1で柏が勝利。
2戦連続の奇跡は起こせずとなった筑波大ですが、まだまだ続く彼らのサッカー人生、幸の多いものとなる事を祈りたいものです。

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ABEMA観戦 UEFA EURO2024準決勝 スペインvsフランス

2024-07-11 16:01:46 | サッカー視聴記(その他)

<両軍スタメン>

  • スペインはル・ノルマン、カルバハルがこの試合出場停止。
  • 両軍の選手表記はyahooスポーツナビに準拠。

参考動画

前回のEUROの記事 -準々決勝・スペインvsドイツ(2-1)


いよいよ栄冠まで残り2戦、というセミファイナル。このブログでスペインの追っかけをしているような感じだが気にしない

カタールW杯以降、久々に見るフランス代表。
あれから1年半という月日を経ても、当然ながら当時の代表選手も大幅に残っています。
左サイドバックのテオ・エルナンデスや、ザ・アンカーというべきチュアメニ、やや特異な守備布陣のバランスを取るラビオといった名前を見るに懐かしさが先に立つ自分。
そしてそんな軍団の先頭に立つ男はやはりエムバペ(ムバッペ)ですが、今大会でいきなり負傷に苛まれて出鼻を挫かれる格好に。
鼻骨骨折という部位もあり、欠場は1試合のみ(グループリーグ2節・オランダ戦、0-0)と無理を押してその後も出場を重ねていますが、挙げた得点はPKによる1点のみという低調ぶり。
彼に引き摺られるように得点力不足に陥っている現在のフランスですが、貫禄をもってスペインの進軍を止める事が出来るか。

yahooスポーツナビでは、ロドリ・ルイスをドイスボランチとした4-2-3-1という布陣のスペイン。
その形はこれまでも大部分で使用しているものですが、この日は攻撃時にハッキリとした、ロドリがアンカーを務める4-1-2-3の形でボールを繋ぐスタイルに。
そして守備時は4-4-2へ可変という、最近のトレンドである4-3-3をなぞる体制を採りました。

スペインの最終ラインからのパスワークに、当然ながら対抗姿勢を取る守備時のフランス。
それはW杯の時と全く変わらない、エムバペが前残りしての4-4-2という、変則なブロックへの移行とシステム面でも自分だけに懐かしさを醸し出すものでした。
エムバペの攻撃力を存分に発揮させる手法ですが、同時に守備時にサイドハーフと化すデンベレとラビオ、特にラビオのバランス調整が大変なように映るシステム。

スペインにポゼッションからの好機を許す展開が続いていたものの、前半7分にオルモ→モラタへのスルーパスを遮断したのち、こぼれ球をGKメニャンが直接ロングフィードを送ってのカウンターに持ち込むフランス。
こちらもコロ・ムアニ→エムバペへのスルーパスが遮断されて終わりますが、これによりスペインのターンを終わらせ。
そして続く8分、エムバペとは逆の右サイドで前進する体勢から、デンベレのサイドチェンジにより託されるエムバペ。
そして左奥でナバスと対峙するなか、予備動作を殆ど見せず右足でクロスを送るエムバペ。
これに中央からファー寄りに位置を変え、センターバックのマークを絶妙に外したコロ・ムアニがヘディングシュート、ゴール右へと突き刺します。
直接の得点は無くともやはり左翼の矛は強力の一言、といった先制点に辿り着いたフランス。

追う立場となったスペイン、これが今大会2度目。
1度目はラウンド16(ジョージア戦、4-1)で、その際は格上らしく猛攻の末に逆転を果たす試合を演じましたが、相手が強豪だけにどうなるか。
やはり守備布陣に気を使うフランス故に、その要因であるエムバペのサイドの右から仕掛けにいき。
11分、右ワイドで持ったヤマルがエリア内へ「横パスと表現すべき縦パス」を打ち込むと、ポケットに居たオルモはスルーを選択するもディフェンスに当たり結局自分が持つ状態に。
すると今度は奥へ切り込む姿勢からのヒールパスと、変化を付けにいったオルモでしたが結局モラタには繋げられず。

こうして敵陣での細かなパスワークで打開を図ったものの、14分にはフランスの逆襲で、ラビオをスライディングで止めにいったナバスが削ってしまい反則・警告。(ラビオは治療を受けたのち起き上がるも、警告のためそのままプレー続行)
これにより直接フリーキックのピンチも招いてしまいますが、ここはエムバペの直接シュートを壁が防いで事なきを得ます。
しかしその後も、19分にエムバペにワイドから切り込まれてカットインを許しシュート(ナチョがブロック)、こぼれ球をデンベレが逆サイドからマイナスのクロス(クリア)と両翼に押し込まれる流れに。

そんな状態故に、こちらもウイングの力を発揮するのが一番という思考に落ち着いたでしょうか。
迎えた21分、ナチョの縦パスを受けたオルモを経由し中央からモラタに託すも、ディフェンスに遭いこぼれ球を拾ったのは右WGのヤマル。
するとカットインから果敢にミドルシュートを放ち、これが芸術的な弧を描き左ポスト内側を叩いてのスーパーゴールとなります。
これが大会史上最年少のゴールという事で、一躍スターダムへと躍り出たヤマル。

これにより、一気に上げ潮モードとなるスペイン。
先制点のように中央での前進を見せながら、右サイドのヤマルを使う事で、可変を強いられるフランスディフェンスは混乱気味に。
逆の左サイドでは、ウィリアムズが主に中央寄りでビルドアップの出口役を務め、自らの突破は控え気味とやはり肝は右サイドと踏んでいた感があり。

そして25分でした。
最終ラインからパスを受けたヤマルは、中央へ流れての縦パスを選択とここでも最初に中央を見せた事で、空いた右スペースを突き上がって受けたナバスがクロス。
クリアが小さくなった所を右ポケットでオルモが受けると、空中での絶妙なトラップでチュアメニを剥がして奥へ進入、そして斜めからシュート。
GKを抜いた奥でクンデがブロックに入るも、ゴールへ向かうボールの運命を変える事が出来ずにネットに突き刺さり。
最初はクンデのオウンゴールという記録も、のちにオルモのゴールに切り替わったこの逆転弾で、前に出たスペイン。

一気にビハインドとなってしまったフランス。
こうなるとエムバペを警戒されるのは明らかで、以降は逆の右からデンベレが仕掛ける攻撃を続けます。
その思惑通りに何度も右奥からマイナスのクロスを送るデンベレですがスペインに防がれ。
エムバペも31分に仕掛けたドリブルがナチョに止められるという具合に、依然今大会で本調子とはいかないというシーンを露呈してしまい。
ここでビルドアップまで停滞しては一巻の終わりといったフランスですが、こちらはチュアメニが最終ラインに降りる3枚での繋ぎにより何とか安定を保ち。

39分に再び右ワイドで持ったデンベレ、今度はカットインを選択すると、その初動でククレジャの足に引っ掛かって倒れ反則。
これでワイドからのFK→左コーナーキックとセットプレーが続く流れに入り、ショートコーナーからの繋ぎを経てエルナンデスのクロス。
ファーでサリバが合わせるもミート出来ずに終わると、流れたボールをスペインが繋いでカウンターに持ち込み。
ウィリアムズの前進から託されたのはヤマルで、先程と同様にカットインを経て中央からミドルシュートが放たれましたが、ここはエルナンデスのブロックで何とか防いだフランス。

結局、攻撃の流れ自体は悪くなかったもののゴールは奪えなかったフランス。
2-1で折り返し、ハーフタイムを挟んで後半を迎えます。

そしてスペインのキックオフで始まった後半、その通りボールを握りにいったスペイン。
しかしフランスが果敢にハイプレスを掛けた事で、ナバスのバックパスが乱れて辛うじてゴールライン際でナチョが掻き出しCKを防ぐというシーンで開幕。
これで得た左スローインから好機を作りたかったフランスですが、狭い局面での繋ぎは逆にヤマルのパスカットからスペインのカウンターが齎され。
こちらも細かな繋ぎを強いられるもロドリの縦パスで脱出に成功し、素早く逆サイドへ展開、広大なスペースへ送られたルイスのスルーパスにウィリアムズが走り込む状況に。
そして飛び出してきたGKメニャンに先んじて触れたウィリアムズですが、メニャンは身を挺してのスライディングでその推進を阻み、この危機を凌ぐ事に成功します。
この際に無理をした所為か足を痛めたメニャン、それを見たフランスベンチでサブGKの準備が行われるもその後も無事にプレーを続け。

フランスのハイプレスは、常時アンカーを切り、その脇に降りてくるルイスに対しカンテが付くという体制で行われ。
しかしそれも次々とかわしていくスペインのボール保持。

後半8分にようやく、降りて受けにいったウィリアムズに対しクンデが前を向かせず、監獄を生み出した末に奪ったクンデ。
そのまま上がってパスを受け直してクロスに繋げたクンデによりCKに持ち込むという具合に、このままボールゲインの流れを生み出せれば……というフランス。

しかしスペインも9分、センターバックの持ち上がりを使い、その期待通りにコロ・ムアニを剥がして敵陣へと運んでいったラポルテ。(その後敵陣でパスワークもフィニッシュには繋がらず)
ただのパスワークだけでは無いスペインの前進の前に、敵陣で奪ってショートカウンター……という手法もやり辛くなり。

こうなると残るは主体的な攻撃のみのフランスの道筋。
強力なWGが居るだけに、そこにどう出来るだけフリーな状態で託すかがカギとなり。
10分、遊びのパスでククレジャを釣り出した隙にデンベレに預けるというその通りの手法を発揮したものの、シュートには繋がらず不発。
直後の11分には、こちらもCBウパメカノの持ち運びを使い、その後スルーパスがエムバペに通り。
そして奥からのカットインでポケットに入ったエムバペですが、放たれたシュートはブロックの間を通すもののGKシモンが正面でキャッチ。

1点差故に気の抜けないスペインは、12分にナバスが足を痛めた事で先に交代カードを切り。
カルバハルの代役を何とか務めた格好となり退いたナバス、ビビアンを投入してCBに入れ、ナチョが右SBにシフトし穴を埋めに掛かります。
その直後に観客がピッチに乱入(放送席の談)というトラブルが発生するも、冷静さを保つ両チーム。

15分に自陣でボール奪取したデンベレから素早く縦に運び、スルーパスに走り込んだデンベレがダイレクトで奥からクロス。
これがシュートも取れるゴールに向かうボールになり、前に出ようとしたGKシモンの逆を突きましたが片手で何とかセーブ。
敵陣では奪えずも、スペインのポゼッションに対し何とか早めに奪いたいという思惑は変わらず。
直後にモラタのポストワークを倒してしまったチュアメニが警告を受けるものの、多少の被害は覚悟の上であり。
17分にベンチが動き、一挙3枚替えを敢行するディディエ・デシャン監督。
ラビオ・カンテそしてコロ・ムアニに代え、カマビンガ・グリーズマン・バルコラを投入。
そしてこれによりエムバペがセンターフォワードに回る(左WGにはバルコラ)という具合に、最後はエムバペの能力に頼る体制となり。

エムバペが居なくなった分、エルナンデスが前への意識を高める事となったフランス左サイド。
その通りに、20分・24分と2度前に出てボール奪取に成功したエルナンデスから好機を作るも、フィニッシュには繋げられず。
特に後者は、右へ展開してデンベレがカットインという状況に持ち込むも、スリップしてボールロスト(その後勢い余ってモラタを削り反則)と勿体無い終わり方。

ウイングの仕掛けが中心というフランスの攻撃パターンは、エムバペが不在となっても変わる事は無く。
それ故に中央で張るエムバペは相手へのプレッシャーとなっても、ボールが渡らずに能力を活かす機会が少なく。
31分、左サイドから前進していきグリーズマンが奥を突いてクロス、ファーサイド奥へ上がったボールをデンベレが足で折り返し。
マイナス方向へ流れるも拾ったカマビンガが左へ横パスを送り、エルナンデスがフリーの状態でシュート。
しかし利き足とは逆(右足)なためかふかしてしまい枠外と、エムバペのプレッシャーの外で作った好機も実りません。
直後にスペインベンチが動き、途中交代の定番となりつつあるメリーノ・オヤルサバルの2人を投入します。(オルモ・モラタと交代)

やはりエムバペの1トップ状態では厳しいと踏んだか、34分にジルーを投入したフランス。
デンベレと交代し、以降4-4-2に近い布陣で同点を狙いにいき。(サイドハーフは右にグリーズマン・左にバルコラ)

フランスの攻撃機会が続くも、然したるフィニッシュは生まれず時間が進み。
36分は逆にスペインの攻撃、左サイドでのパスワークから中央→右へ展開し、先制点を挙げたヤマルが再度カットインからミドルシュート。
これも先制点同様に強烈にゴール上部を襲うも、僅かに外れて追加点とはいきません。

しかし攻め疲れの様相も見せるフランスに対し、ポゼッションを高めてボールを動かす立ち回りの色を強め。
敵陣アタッキングサードまで運ぶも、戻して作り直しという絵図を何度も作り、諦めずに掛けられるフランスのプレッシングも物ともせず時計を進めていきます。

44分にククレジャをアフターチャージで倒してしまったカマビンガが反則・警告と、焦りを隠せないフランス。
それを見計らって続く45分、ついに打って出て戻さずにエリア内を突きに掛かるスペイン。
左ポケットへのオヤルサバルのスルーパスによりCKを奪い、同時にアディショナルタイムに突入。
攻めの姿勢を見せたスペインですが、この左CKからカウンターに繋げるフランスと一瞬の隙が生まれてしまいます。
グリーズマンのドリブルをヤマルが反則で止め、当然ながら警告が出たものの防ぐ事に成功。
それによるFKから、ウパメカノがヘディングシュートを放つも枠外と、どうしても決定打を放てないフランス。
(スペインは最後の交代、ヤマル・ウィリアムズ→トーレス・スビメンディへと2枚替え)

押し込み続けたいフランスですが、その後もバルコラのアーリークロスからのグリーズマンのヘディングシュート(枠外)のみに終わり。
単発で終われば、その分スペインのボール保持が待っているという具合に追い詰められた状況のAT。
結局それをひっくり返せないまま、2-1で試合終了の笛が鳴り響きました。

ついに決勝へと駒を進めたスペイン。
一方の相手も、その翌日にイングランドがオランダを破って(2-1)勝ち上がり決定。
果たしてどんな結末が待ち受けているのか。

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