※前回の岡山の記事はこちら(20節・ヴェルディ戦、1-2)
※前回の水戸の記事はこちら(18節・山口戦、0-1)
<岡山スタメン> ※()内は前節のスタメン
- 故障者のリリースは無し。輪笠は依然ベンチ外が続く。
<水戸スタメン>
- 松田佳大が育成型レンタルから復帰。(レンタル先=FC大阪)20節から登録されて即スタメン出場、以降もスタメンに定着している。
- 松田隼風の海外移籍(レンタル/ドイツ2部・ハノーファー96のU-23チーム)が決定。20節が最後の出場(スタメン)との事。
- 永長がJ1・川崎から育成型レンタルで加入。21節から登録されて即メンバー入り・途中出場。
- 育成型レンタル選手のGK遠藤が、レンタル元であるJ1・横浜FCへの帰還が決定し今節付で登録抹消。
- 18節に負傷交代した長井の詳細が発表され、脳震盪との事で20節(千葉戦、4-1)で復帰しスタメン出場。
- 成瀬の負傷が発表され、5/27に発生して全治は未定だったが、今節復帰してベンチ入り。
- 来季加入が内定した石井(城西大)が特別指定選手に。22節(町田戦・1-1)で初出場(スタメン)して今節もスタメンに。
折り返しを経て、上位を目指すクラブはそろそろ昇格を目指すのと同義になる頃であり。
岡山は目下12位なものの、7位(清水)との勝ち点差はわずか2という混戦なので、プレーオフ圏内までは十分視野に入っている事でしょう。(ただし6位とは6差)
しかし前半戦の最後を連敗で終えてしまい、その内訳は20節では不利な判定に苦しみ、次節(大分戦、0-1)ではその所為でチアゴが出場停止とリズムの悪さが伺えるものであり。
前節(甲府戦、0-0)で何とかその流れを切ったものの、これで引き分け数は12と大多数を占め。
スカッとする勝ち点3が欲しいのは誰の目にも明らかな状況。
立ち上がりの前半2分中盤で反則を受けると、鈴木がボールサイドに素早く寄ってリスタート、裏へとロングパスを蹴り込み。
これにチアゴが走り込み、左ポケットからシュートにいきますがミスキックに終わり。
負のスパイラルと完全におさらばすべく、手数を掛けずに得点を挙げる意識が強かったでしょうか。
しかしアバウトな意識が強かったためか、ビルドアップがどうにも冴えず。
ドイスボランチに対して水戸もボランチがプレッシャーを掛けるため、サイドに追い込まれて詰まる状況を強いられます。
本職がセンターバックの鈴木を利用した、3枚の最終ラインによるビルドアップも、2巡目故に慣れを示される頃であり。
そして水戸のビルドアップと相対する前線も、プレッシングを巧く嵌められず。
スタメン出場のチアゴは、構えればコースの切り方が甘く2トップの間を突かれ、前に出ればスペースが空くという悪循環を強いられます。
そんな中で13分、最終ラインのビルドアップで右に追い込まれるも、田部井縦パス→河野スルーパスで素早く運ぶ事で打開しコーナーキックへ。
キッカー河野はファーにクロス、柳が放ったヘディングシュートをチアゴがコースを変え、GK春名を破ったものの左ゴールポストを直撃。
セットプレーでの一発はモノになりません。
一方攻撃機会は多いものの決め手に欠く水戸。
22分にはプレッシングを嵌めて縦パスをカットし敵陣からの攻撃、スルーパスで左奥を取った小原から低いクロス。
これをニアサイドで安藤が合わせたものの、柳のブロックに阻まれ。
良い攻めを続けても、中央の硬さに難儀するといった展開に。
すると好循環を台無しにするかのように、続く23分に石井のバックパスを楠本が受けられず流れると、チアゴに拾われショートカウンターの危機を招き。
そのまま推進からのカットインで中央からミドルシュートを放ったチアゴ、松田佳のブロックで防いだものの引き続き右CKとなり、キッカー河野は先程同様ファーの柳へとクロス。
合わずにこぼれるも混戦が生まれ、確保したチアゴからの戻しを経て佐野がミドルシュート、楠本がブロックするも安息の時は与えられず。
バイスの落としからさらに放たれた田部井のミドルシュートは防ぐ事が出来ず、地を這うボールがゴール右へと突き刺さりました。
ミスからの流れを断ち切れず、先制を許した水戸。
その後もプレスを嵌められない岡山ですがリードした事もあり、押し込まれがちな左サイドを佐野が最終ラインへと降りて5バック気味で守る事で凌ぎます。
難なくボールは握れる水戸ですが、同時に縦に速い攻めが出来なくなる事で、崩しの難易度は急上昇。
右サイドから鵜木・村田の関係性で攻め上がり何度も奥を突いたものの、やはり単純なクロス攻撃では岡山の中央の硬さに阻まれ。
水戸が攻めあぐねる所に、43分岡山はプレッシングが決まり、ミドルパスを河野がカットして敵陣右サイドからの攻撃。
坂本のヒールパスなど細かい繋ぎを交え、ワンツーで奥を取った河野が低いクロス。
これがGKとディフェンスの間を突くボールとなり、ファーで佐野が合わせましたがシュートは浮いてしまい追加点はなりません。
苦しい状況の水戸ですが、直後にロングパスを収めた安藤がバイスに倒された事で、前半の最終盤はセットプレー攻勢に。
サイドからのフリーキック→左CKと続き、そのCKでキッカー安永のクロスを中央で松田佳がヘディングシュート(GK堀田キャッチ)と一矢を放ちます。
守備を固められる状況な以上、最終ラインから細かく繋ぐよりは、一本の長いパスで作る好機の方が効率が良いという流れだったでしょうか。
結局1-0のまま前半が終わると、ハーフタイムではリードしている岡山の方が動き。
鈴木→高橋へと交代と、恐らくは通常の2CBでのビルドアップの体制を取りつつ、かつ5バックへ押し込まれる状況の打破という狙いでしょうか。
左サイドを前へと押し上げる事で、水戸も鵜木・村田中心の攻めが出来なくなり。
そんな絵図で幕が開いた後半。
その代わりお互いアバウトな前進と、それによる中盤での奪い合いが多発するようになり読みづらい展開に。
後半6分の水戸、クリアボールを拾った前田が浮き球のまま左へと展開し、石井がドリブルで奥を突いてクロス。
これを安藤がボレーシュートで合わせる(ブロックに当たり枠外)という具合に、岡山にとっては相手のストロングポイントを消したものの、守備対応が回らない状況を強いられた時がピンチというトレードオフという感じでしょうか。
中盤で攻守の切り替わりが激しくなる中、12分に相手のパスミスを拾った安藤が、そのまま田部井に倒された事で反則。
既に前半に警告を貰っている田部井(20分)にとっては危機的状況でしたが、ここはカードは出ずに一安心。
前回観た際も数的不利となった末の逆転負けだっただけに、激しい展開は望まざる展開とも言えました。
前半に比べ好機自体が目に見えて少なくなり、それを受けて水戸ベンチは15分に動き。
安永・小原・梅田→杉浦・永長・寺沼へと3枚替えを敢行します。
鵜木が左へと回り、前半とは一転して通用しなくなった右サイドアタックに新風を入れる采配。
その効果は中々出ず、逆に岡山が左サイドで高橋・佐野の関係性で攻め上がったのが19分。
佐野のミドルシュートが放たれるもゴール右へと外れ。
なお、その前の17分に田部井・坂本→河井・ムークへ2枚替えを敢行していた岡山。
20分に水戸が右裏へとミドルパスを送り、永長が受けた所を高橋が倒してしまい反則・警告(正直このチャージは警告に値するとは思えず)と、やはり警告付きとなった田部井を退かせたのは正解といえたでしょうか。
しかし今度は高橋が警告付きとなった事で、再び佐野が降りて5バックで守るシーンが増えていく岡山。
左へと移った鵜木は石井とも良い関係性を発揮し、26分にはハーフレーンで石井のパスを受けると、追い越しを待ったのちポケットへスルーパス。
そして石井がライナーでクロスを送り、ファーサイドに走り込む寺沼のすぐ前でGK堀田がパンチングと、際どい好機を生みます。
30分に岡山が仙波→本山へと交代すれば、31分に水戸も安藤→唐山へと交代。
この辺りから完全に5バックにシフトし、3-3-2-2のような形を取る岡山。
必然的に再び3CBでのビルドアップが基本となりますが、今度は水戸サイドはプレッシングに勢いが生まれず。
依然として中盤の奪い合いは盛んなため、泥仕合のような様相へとなっていたでしょうか。
34分の岡山、左スローインからの繋ぎで唐山の反則に近いチャージで奪われるも、河井が奪い返して継続。
高橋が左奥まで運んだ所で、再び唐山に倒されると今度は反則の笛が鳴り。
デュエルの多さにより、倒れても反則無しというシーンの増大に岡山サイドは(前回のヴェルディ戦の事もあり)ストレスを抱えながらの試合となりましたが、ここでFKを得ての好機。
キッカー高橋のクロスにファーサイドで柳とバイスが待ち構え、柳が落としたものの眼前のバイスに当たってしまい繋がらず。
一発仕留めたかった場面ですが、追加点は得られなかった岡山、以降は守備を固めつつチアゴ狙いのカウンターへと傾倒していきます。
一方の水戸、37分に再び左サイドからの攻めで、鵜木のクロスを中央で寺沼が合わせヘディングシュート。(ゴール右へ外れる)
右サイドも永長を軸にして両翼から攻め上がるものの、やはりクロス攻撃メインとなると空中戦では岡山の硬さは盤石ともいえる布陣であり。
39分に水戸は石井→成瀬と最後のカードを切り、移籍後初出場となった成瀬。
一方の岡山も、41分に田中→櫻川へと交代。(ムークがシャドーへ降りる)
クロスを上げれば通用せず、ポケットへのスルーパスも対応されるという状況が改善しない水戸。
そのままアディショナルタイムを迎えた所で、こぼれ球を拾った成瀬が逆の右サイドへと張り出してドリブル。
そして一瞬溜めたのちのスルーパスで右ポケットへ入れると、岡山が足を止めたぶん裏を突けた永長がシュートに辿り着きます。
ボールはGK堀田が弾いてサイドネット外側と決まらなかったものの、この一瞬の溜めという要素が、水戸に足りないもの(そして新戦力の成瀬がそれを齎せる存在となるか)と感じました。
結局水戸はその後CK攻勢に入るもモノに出来ず。
1-0のまま試合終了の笛が鳴り、岡山が4試合ぶりの勝利。
どうしても欲しかった勝ち点3は得たものの、正念場はこれからといった所でしょうか。
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