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DAZN観戦 2023年J2リーグ第29節 ファジアーノ岡山vsFC町田ゼルビア

2023-08-07 16:00:46 | サッカー視聴記(2023年J2)

※前回の岡山の記事はこちら(23節・水戸戦、1-0)
※前回の町田の記事はこちら(23節・大宮戦、3-2)

<岡山スタメン> ※()内は前節のスタメン

  • 木山隆之監督が前節(清水戦、0-1)終了後、器物破損行為(故意では無い)によりベンチ入り停止に。代わってヘッドコーチの小坂雄樹氏が指揮を執る。
  • 前節は3-4-2-1で、今節は輪笠をアンカーにした3-3-2-2(3-1-4-2)へとマイナーチェンジ。
  • ムークが累積警告により出場停止。
  • 末吉が千葉からレンタルで加入、27節(熊本戦、2-1)から登録されて即スタメン出場。
  • GK谷口が(JFL・レイラック滋賀FCへ)育成型レンタルで移籍、前節をもって登録抹消。
  • 故障者のリリースは無しも、チアゴ・アウベスやハンイヴォン、ルカオといった助っ人のベンチ外が続いており、離脱者は膨れ上がっているっぽい。

<町田スタメン>

  • 26節・秋田戦は豪雨のため試合中止に。代替日は依然として未定。
  • 水曜の天皇杯4回戦(新潟戦、0-1)からの継続スタメンはチャンミンギュ1名のみ。藤尾・藤原・宇野・松井が途中出場。
  • 前節(徳島戦、2-1)出場停止だった平河が復帰、ベンチ入り。
  • バスケス・バイロンがヴェルディから完全移籍で加入し、27節(千葉戦、1-3)から登録されて即レギュラー定着。
  • 鈴木準がJ1・FC東京から完全移籍で加入し、(以下同文)
  • 松本が(山口へのレンタルを終了させたうえで)J1・鳥栖から完全移籍で加入し、今節から登録されてベンチ入り。
  • 黒川が(大宮へ)レンタルで移籍、27節をもって登録抹消。
  • 高江が(山形へ)完全移籍となり、(以下同文)
  • 深津が(J3・岩手へ)完全移籍となり、今節をもって登録抹消。
  • 前節負傷交代した池田がベンチ外に。

断トツ首位の位置を維持している町田。
J1昇格に向けてブレずに走り続ける力強さは素晴らしいものの、フロントレベルを含めたそのマラソンの内容は物議を醸すものとなり。

25節・ヴェルディ戦(2-2)で、J2での国立競技場主催試合の先陣を切ったは良いものの、その直前というタイミングでバイロンをほぼ引き抜きと言える形で獲得。
明らかにライバルチームの戦力を削ぐ目的意識が伺え、黒田剛監督との師弟関係が背景にあったとはいえ、納得し辛い移籍劇に映りました。

これを含め、夏の移籍で鈴木準獲得など積極的に動く傍ら、功労者というべき深津・高江を手放す格好となり。
明らかにチームを変えにいっているのは理解できますが、今節を迎えるに辺り山口から松本をこれまた引き抜きに近い形で獲得(しかも所有権はJ1・鳥栖で、そこから完全移籍)と、傍らから見て「もうやめてくれ」と言いたくなる移籍劇は続き。
黒田監督が常々口にしている「我々は常に挑戦者」といった類のコメントも、こうした動きを見るや白々しくも感じさせるものであり。

完全に悪役へと針が振れたような町田の振る舞いですが、清貧な精神ではJ1昇格は果たせず、仮に実現してもすぐさま降格……というサイクルは中々切れる物では無いのも確か。
親会社のバックボーンをふんだんに活かし……という方向に舵を切ったその成果は上々ながら、ホームの立地上中々伸びない観客動員数をどう解決するのかにも取り組みたい所でしょう。

さてそんな町田と今節相対するのは岡山。
前節の終了後に木山監督が、うっかりペットボトルを蹴り飛ばしてドアガラスを破損してしまう事象を起こしてしまった事でベンチ入り停止処分に。
前述の「清貧な精神」に掛けて言えば、不条理に身を焼かれた途端暴走を見せてしまう事象にも見え。
果たしてどちらが正しいか、といったカードとなったでしょうか。(勝手に妄想を膨らませすぎ)

前半2分に早くも翁長がロングスローという、平常運転を見せる町田。
その後フリーキックを獲得し、クロスの跳ね返りを翁長がボレーシュート(ゴール上へ外れる)と、セットプレーで圧力を掛ける姿勢を貫きます。

しかし6分、岡山も左スローインから組み立てて前進の姿勢から、佐野中央へパス→田中右ポケットへスルーパスと素早く繋いだ事で密集から展開に成功。
そして走り込んだ河野の低いクロスを、パス&ゴーを敢行していた田中が中央で合わせます。
シュートはジャストミートせずも、かえってGKポープのタイミングを外すいい塩梅に浮き上がってゴールへ吸い込まれ。
王者(現時点)の出鼻を挫く先制点を挙げた岡山。

リードした事で動きが良くなる岡山。
10分にもGK堀田からのビルドアップを決め、河野の櫻川へのスルーパスはクリアされるも、拾って尚も繋ぎ。
今度は左から佐野の低いクロスに田中が合わせにいくという場面を作ります。(クリアされて撃てず)
櫻川をポストワーカー兼囮としつつ、2列目の選手がフィニッシャーとなる動きでゴールを脅かし。

一方の町田は、新加入選手が連携面で巧くいっていないという印象。
仮に岡山の前進を遮断しボールを奪っても、カウンターを仕掛けにいった所でエリキへのパスがズレてモノに出来ない場面が目立ちます。
その傍ら最前線から盛んにプレスバックで守備参加する藤尾も、反則を量産していささか空回り。

それでも町田のパワーは健在で、23分にロングボールを収めにいった藤尾が柳に倒されて反則。
このFKを素早く始めようとした藤尾に対し、キックを仙波が足で防ぎにいった事で妨害行為により警告を受けてしまい。
リードしている状況でも、その前線の圧によるプレッシャーに苛まれる岡山。

飲水タイムが挟まれた事で、町田は最終ラインから繋ぐ姿勢を見せ始め。
翁長が上がって左肩上がりとなる形により、ボール奪取からのカウンターのみならずという意識を見せる事で反撃体勢を取ります。
34分には自陣深め左サイドという位置で、エリキのボールカットからカウンターに持ち込むも、前進していくうちに右サイドで受けたバイロンが戻してペースダウンして攻め直し。
そして鈴木準裏へロングパス→走り込んだ松井落としから再び敵陣で組み立てる(シュートにはいけず)という具合に、両立した攻撃を展開します。
相手にとっては、「あんな深い位置からカウンターに……」という意識の矛で突かれながらの守備はキツイものがあり。
そうかと思えば、37分にはラフな裏へのロングパス一本でエリキが走り込むというシーンを作り、輪笠が辛うじてクリアと単純明快なプレッシャーを与えます。

そしてそれが実を結んだのは、やはりセットプレーでした。
38分翁長が田中にアフターチャージを受けた事で反則、左サイドからのFKを得た町田。
キッカー鈴木準の中央へのクロスを藤原がバックヘッドの形で合わせると、GK堀田がセーブしたボールにすかさず藤尾が詰め。
鈴木喜がスライディングで何とか防ぐも、再度詰めたチャンミンギュのシュートがゴールに突き刺さり。
これだけフィニッシュを放たれては岡山サイドのパワー負けは必至、といった同点弾となりました。

すっかり持ち味を取り戻した町田、以降もそのパワーで押し込み。
ロングボールを相手に回収させ、プレスを掛けたうえで縦パスをカットという「ストーミング」っぽい立ち回りも見せ、ペースを奪います。
そして45分に再びセットプレーの好機、バイロンがパスを受けにいった所佐野のチャージを受けて反則、右サイドからのFK。
キッカー鈴木準はややもすると直接ゴール狙いといったクロスを送り、GK堀田がパンチングにいくその手前で藤尾が合わせるというヘディングシュート。
しかしゴール上へと外れて追加点はならず、1-1で折り返しました。

ハーフタイムで早くも動く町田。
高橋大→平河へ交代(平河が左サイドハーフに入り、エリキ・藤尾の2トップ?)と、豊富なサブメンバーを駆使して勝利へ向かいます。

早速の後半1分に右サイドから前進していく岡山ですが、本山がドリブルで持ち運ぶ所平河のアタックを受けてタッチを割り。
そしてそのまま勢い余って看板を(倒れながら)飛び越えてしまう等、町田のパワーに悪戦苦闘が続くといったシーンを描き。

すると直後の2分、GKポープのフィードでプレッシングをかわし、素早く右サイドを運んで藤尾がクロス。
これは逆へと流れるも拾った平河の戻しから、翁長がすかさずクロスを上げると、その前にクロスを上げた藤尾がファーサイドで合わせます。
このヘディングシュートこそセーブしたGK堀田ですが、眼前にこぼれだボールをエリキのプッシュで抑えきれず、最後はヒールでのシュートでゴールに突き刺したエリキ。
やはりパワー負けといった失点となり、逆転を果たした町田。

逆転された岡山、やはりパワーを前面に押し出すべきと感じたのか、以降櫻川のフィジカルを盾にして左サイド奥へと進み。
そこからスローインの連続で崩さんとするも、町田の粘り強さもあり果たせず。
逆に、ほぼ同時のタイミングで佐野と鈴木準がそれぞれチャージで倒れ込む(4分)という、パワーが醜悪さを生んでしまう絵図となり。

その流れが途切れると、反省を踏まえたのか、最終ラインから繋ぐビルドアップへと移行する岡山。
3センターバック+アンカーでしっかりと丁の字型を作ったうえで繋ぎ、町田のプレッシャーをかわす事で好機を作っていきます。
対する町田はアンカー輪笠へのチェックが甘く、最終ラインに掛けられるプレスも「エリキが追い回すだけ」という風に映って空回り。

反撃のスイッチを入れるべく、13分に仙波→末吉へと交代する岡山。
これで佐野が仙波の居た左シャドーへと移ると、その佐野の急所を突くパスが冴え渡る事となり。
20分にバイタルエリアでボールを持つ佐野、ミドルと見せかけて縦パスを送り、左ポケットで末吉がダイレクトでシュート。(GKポープセーブ)

そしてその直後、左サイドで佐野の縦パスに入れ替わった末吉、そのままカットインで左ポケットへ。
尚も前進する所をチャンミンギュがスライディングで阻みにいくも、引き付けた末の末吉のマイナスのクロスを左腕で触る形となってしまい、ハンドの反則となります。
エリア内なので当然PKとなり、納得出来ない町田サイドを尻目に、絶好の同点チャンスを得た岡山。

キッカーは今季3本PKを決めている櫻川が務め、細かな助走から過去の3本と同様にゴール左へシュート。
しかしGKポープが読み切ってこれをセーブ、跳ね返りが櫻川の前に転がるもチャンミンギュの戻りを受けて撃てず、クリアされて終わり。
この好機を逃してしまいます。

直後の24分に町田が交代を巡って一悶着あるも(先に飲水タイムじゃないのか、というらしき黒田監督の抗議)、結局エリキ・バイロンに代えてデューク・荒木と2枚替え。
それでも岡山サイドのショックは大きかったようで、ビルドアップが萎んだ所を25分にデュークのパスカットから好機に持ち込む町田。
そして右スローインとなると鈴木準がロングスローを投げ入れ、デュークの手前に入り込んだ松井がフリックし、その奥で平河がヘディングシュートでゴールネットを揺らし。
デュークというターゲットを綺麗に逆手にとり、またもセットプレーをモノにした町田。

直後に今度こそ飲水タイムが挟まれ、両ベンチも動き岡山は輪笠・河野→田部井・木村、町田は鈴木準→奥山政へと交代。
反撃に出たい岡山ですが、ビルドアップをすっかり封じられて文字通り手も足も出ないという状況となり。
代わって入ったデュークが、アンカー田部井のチェックを欠かさない事でそれを果たし、サイドでの詰まりを頻発してしまう岡山。

目線を変えようと、37分に岡山は田中・鈴木喜→高橋諒・バイスへと2枚替え。
そして柳がFWへと上がり、4-4-2(佐野がボランチ気味にシフトも、実際には田部井アンカーの4-1-3-2のようにに見える)へとシフトします。
(40分に町田は藤尾→松本へと交代、3-4-2-1へシフト)

とはいっても、その後は柳・櫻川のダブルターゲットに頼る、つまりパワープレイという攻撃。
町田のパワーの前に繋ぐ余裕も無く、一度ボールを奪われれば右サイド奥まで運ばれ、CK・スローインも交えての時間稼ぎを受ける岡山。

何とかパワーで対抗しようとする柳・櫻川ですが、勢い余って相手の頭部を蹴ってしまうシーンもそれぞれ見られるなど空回りは避けられず。(櫻川には45分に警告)
結局中盤でのFKから、櫻川がヘディングシュートを1本放っただけに終わってしまいました。

そして試合終了の笛が鳴り、1-3で終わってみれば快勝の運びとなった町田。
「何が何でも昇格・優勝に辿り着く」その心意気で、立ち塞がる障害を次々と除いていくという戦いぶりは、もうじき実を結ぶとなるでしょうか。

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